アメリカの惨劇 188人を私刑した男 米 1987年 107分 |
史上最悪の連続殺人鬼、ヘンリー・ルーカスの映画といえば『ヘンリー』があるので、こちらの方は忘れられがちである。しかし、こちらの方も悪くない。B級にしては上々の出来である。「どうせロクなもんじゃねえんだろうなあ」とナメてかかって観ていたら、ついつい引き込まれてしまった。 前半は、正直云って退屈である。逮捕されたヘンリーが犯行を一つ一つ告白していくという構成で、「最後までこの調子だったらどうしよう」と不安になった。 恐ろしいのは、この3人が日常においてごく当たり前に人を殺す、ということである。例えば、買い物をして、財布を忘れたので店主を殺す。自動車が欲しいのでヒッチハイクをしてドライバーを殺す。まるでバイト感覚の殺人なのだ。否。ゲーム感覚と云うべきか。暇な時は通りすがりの少女を射殺するのだ(左写真上)。あたかも射的で遊ぶかのように。 |