ケイラ・ローランド
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2000年2月29日、ミシガン州デトロイト近郊のマウント・モリス・タウンシップでの出来事である。6歳の黒人少年、デドリック・オーウェンズは叔父の家から無断で32口径の拳銃を拝借し、それを携帯してビューエル小学校に登校した。そして、教室変えの移動の際の階段で、教師や生徒たちの目の前で6歳の白人少女、ケイラ・ローランドに向けて銃を発砲した。
「お前が嫌いなんだよ!」
(I don't like you.)
ケイラは直ちに病院に搬送されたが、助からなかった。
一方、デドリックは銃をゴミ箱に捨てて、洗面所に逃げ込んだが、すぐに教師に身柄を取り押さえられて、警察に引き渡された。
結局、デドリックは6歳という年齢ゆえに、裁かれることはなかった。
なんだかなあ。
ここで思い出されるのがボブ・ペックの『スウィート16(Sweet 16)』という歌曲である(「Bob Peck, Sweet 16」で検索すればユーチューブで聴くことが出来る)。
「17歳になるまでは何をやっても平気だぜ。法が俺たちを守ってくれる。たとえ人を殺してもな!」
もちろん、この歌は皮肉である。デドリックは人を殺した。だが、その年齢ゆえに裁かれていない。若ければ何をやってもいいのか!
一応、怒っておく。
(2013年1月11日/岸田裁月) |