リンダ・ハザード |
リンダ・ハザード |
リンダ・ハザードがワシントン州オララに断食療法のサナトリウム「ワイルダーネス・ハイツ」を開設したのは1908年のことである。また、彼女はこれに前後して『病気治療のための断食(Fasting for the Cure of Disease)』という著書を出版している。肩書きは「ドクター」になっているが、彼女に栄養学に関する知識があったかは甚だ疑問である。何故なら、彼女の医師免許はオステオパシー(整体術)のものだったからだ。 |
ドロシア・ウィリアムソン |
ハザード夫妻の悪事が遂に露見したのは、クレア・ウィリアムソンとドロシア・ウィリアムソンの姉妹を患者として受け入れたことが切っ掛けだった。姉妹はかつての乳母に、オララで断食療法を受ける旨を打電していたのだ。断食療法に懐疑的だった彼女はオララに駆けつけ、骸骨のように痩せ細ったドロシアに対面した。まさに「なんじゃこりゃあ!」である。残念なことにクレアは既に死亡していた。これは流石にただごとではないと、乳母は地元警察に駆け込んだ。1911年6月のことである。 (2011年12月17日/岸田裁月) |
参考資料 |
『奇妙な論理−だまされやすさの研究−』マーチン・ガードナー(社会思想社) |