如何せん、少年犯罪なので詳しいことは不明である。断片的に書き記すに留める。
1962年6月28日、エセックスにおいて16歳の少年、ブライアン・アボットに有罪判決が云い渡された。容疑は強盗殺人だが、故殺罪で訴追されるに留まったのは、その年齢と知的障害があったことに起因している。しかし、やったことは凶悪そのものだ。アボットはアルバート・エドワード・クラッブ(46)の店を襲い、ハンマーでしこたま打ち据えた挙げ句に、店に火を放って殺害したのである。身の毛がよだつ犯行である。
ちなみに、彼が奪ったのはたったの15ポンドだった(当時の1ポンドは千円ほど)。殺人を犯してまで奪う金額ではない。
法廷においてアボットは「クラッブさんから男色行為を強要されたことが犯行の動機」などと抗弁したが、これは聞き入れられずに有罪判決に至った次第である。しかし、少年犯罪ゆえに不定期刑に留まったようだ。
(2012年8月6日/岸田裁月)
|