マカブルのアルバム『Sinister Slaughter』 |
イリノイ州シカゴ出身のデスメタル・バンド、マカブルに『ザ・ホワイト・ヘン・ディキャピテイター(The White Hen Decapitator)』という曲がある。歌詞を紹介しよう。
これはホワイト・ヘン・ディキャピテイターについての歌だ
彼は店の調理ナイフで仕事仲間を殺した
そして、何らかの理由でその首を斬り落した
恰もパンであるかのようにプライス・ガンを押しつけた
ホワイト・ヘン・ディキャピテイター
仕事仲間の首を斬り落した
ホワイト・ヘン・ディキャピテイター
サンドウィッチを作ったナイフで
ホワイト・ヘン・ディキャピテイター
そして、ドアから外に逃げた
ホワイト・ヘン・ディキャピテイター
イリノイ州バーナムの店のドアから
来店した客は我が目を疑った
陳列棚に大きな驚きが待っていたからだ
プライス・タグが貼られた頭、額には何かが刻まれていた
そして、警察は数ブロック離れた場所で、逃走中の彼を捕まえた
事実は概ね歌詞の通りだ。
1991年6月6日、イリノイ州バーナムのコンビニエンス・ストア「ホワイト・ヘン・パントリー」において、従業員のマイケル・ベスケは同僚のジョセフ・レシンスキ(49)を殺害し、その首を刃渡り14インチの調理ナイフで切断した。
ちなみに「ホワイト・ヘン・パントリー」はイリノイ州を中心に展開しているチェーン店で、注文を受けてサンドウィッチを作ることで知られている。
切断した頭にプライス・ガンでタグを貼り、陳列棚に展示したというのはおそらくガセネタだろうが、額に何かが刻まれていたというのは本当だ。それは「repent(悔い改めよ)」という一文字だった。
マイケル・ベスケは妄想型統合失調症を患っていたようだ。精神異常を理由に無罪となり、精神医療施設に収容された。
(2011年1月25日/岸田裁月) |