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チャールズ・シュミット
Charles Schmid (アメリカ)



チャールズ・シュミット


犠牲者の遺骨を拾うシュミット

 金持ちのボンボンのチャールズ・シュミット(22)は、カウボーイ・ルックに身を包んだ番長気取りのバカヤローだ。背は157cmのチビすけだったが、シークレット・ブーツを履き、アイシャドーを入れることで凄みを出そうと必死だった。左頬のほくろは書いたものだ。ほくろよりもバカボンのような渦の方がお似合いである。ついでに袖も長くして、タリラリラ〜ンと叫んでいればよかったのだが人を殺した。それはあまりにも身勝手な犯行だった。

 1964年5月15日、取り巻きのジョン・ソーンダーズとメアリ・フレンチと共にドライブに出掛けたシュミットは、アリーン・ロウ(15)を拾うなり、犯して殺して砂漠に埋めた。理由は、
「女を殺してみたかったから」
 番長気取りのバカヤローはこれを「武勇伝」と認識し、事あるごとに「女を殺したことがある」と自慢した。
「理由は、殺してみたかったから」
 バカだから「カッコいい」と思ったのだろう。ところが、バカの云うことだから信じるものはいなかった。そのために発覚が遅れて、次の犠牲者を出してしまった。

 1965年8月のとある日、シュミットは「かきたれ=遊び相手」のグレッチェン・フリッツ(17)を煩わしく思っていた。そこで、妹のウェンディ・フリッツ(13)とまとめて殺して砂漠に埋めた。これを「武勇伝」として取り巻きのリチャード・ブランズに自慢げに話した。わざわざ遺棄現場にまで連れて行き、遺体を見せたというのだから開いた口が塞がらない。その日からというもの、ブランズは毎晩のように悪夢にうなされ、良心の呵責に堪えかねて警察に駆け込んだ。かくして逮捕されたシュミットは、15歳の「まじたれ=本命」と籍を入れたばかりだった。

 シュミットは3件の殺人で有罪となった。しかし、控訴中に死刑が廃止されたために終身刑に留まった。ラッキーなバカヤローだが、獄死したので帳消しだ。取り巻きのジョン・ソーンダーズには終身刑、メアリ・フレンチには4年から5年の不定期刑が云い渡されている。


参考文献

『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社)
『殺人紳士録』J・H・H・ゴート&ロビン・オーデル著(中央アート出版社)
『世界犯罪クロニクル』マーティン・ファイドー著(ワールドフォトプレス)


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