ジル・ド・レ |
ジル・ド・レ |
マルキ・ド・サドが敬愛した男、ジル・ド・レ。『青髭』のモデルになったことでも知られる彼は、少年たちを残虐に殺害した。犠牲者の数とその所業は多分に誇張されているとの批判もあるが、その伝説は永遠に語り継がれて行くことだろう。 |
ティフォージュ城跡 |
芸術と奢侈をこよなく愛したジルは、世界中の豪華な美術品を買い漁り、連日のように盛大な宴を催しては、その莫大な富を蕩尽していく。数年後にはフランス随一とまで云われた財産を使い果たしてしまう。彼が錬金術に魅せられたのはこの頃からである。 |
ジル・ド・レの処刑 |
これだけの数の行方不明者が出れば良からぬ噂がたつのも道理。近隣では領主の人喰いの噂で持ちきりになった。これがやがて大司教の耳にも入る。内密に調査が行われ、やがてド・レ侯は確かに失踪事件に関与している旨の報告書が提出された。しかし、侯は仮にも百年戦争の功労者、フランス最大の領主である。確かな証拠があがっても、彼を処罰することができるかは疑問だった。 |
参考文献 |
『連続殺人紳士録』ブライアン・レーン&ウィルフレッド・グレッグ著(中央アート出版社) |