1975年6月17日のことである。ハンブルグのツァイス通り76番地の2階でボヤが発生した。駆けつけた消防隊が上階を捜索すると、屋根裏部屋で女性4名の遺体を発見、仰天した次第である。
仰天するのも道理で、遺体は状態はいずれも異常だった。1体は完全に屍蝋化し、2体は頭と手足を切断されていた。更にもう1体はバラバラに切り刻まれて、部屋の隅に積み上げられていたのである。
この部屋の住人はフリッツ・ホンカという39歳の夜警だった。
彼はオーラルセックスでしか興奮できない性的不能者で、しかも164cmの自分よりも背が低く、その上で歯がない女でなければ受け付けなかった。ちんぽこを噛まれることに病的なまでに恐れていたらしい。しかし、歯のない女なんて滅多にいるものではなく、彼は連れ込んだ女の前でインポテンツに陥った。そして、嘲り笑う女たちを殺害したのである。
死体は当然に腐敗し、異臭を放つようになる。近隣では以前から問題になっていたらしい。ホンカも一緒になって、
「最近臭うねえ。何の臭いかねえ」
などと首を傾げていたというが、その臭いの元で暮らしていたのだから凄まじい。
逮捕されたホンカは記憶喪失を装ったが、結局すべてを自供し、終身刑に処された。
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