ジェイムス・ハンラッティ |
ハンラッティの有罪を報じる新聞 |
ジェイムス・ハンラッティが処刑された「A6号線殺人事件」は、冤罪の可能性が極めて高いケースである。仮にハンラッティが犯人であったとしても、決定的な証拠なくして死刑を宣告した司法のあり方には疑問を抱かざるを得ない。 |
二つの人相書き(左がヴァレリーのもの) ピーター・アルフォン |
ヴァレリーの証言に基づき「30歳前後、身長170cm、中肉、黒い髪、茶色い眼、イーストエンド訛り」の男の人相書きが作成された。また、23日の早朝にレッドブリッジ駅付近で問題の車が走っているのを目撃したエドワード・ブラックホールの証言に基づく人相書きも作成されたが、ヴァレリーのものとはまったく似ていなかった。そのために、2つの人相書きが並べて手配された。 |
ハンラッティを擁護するジョンとヨーコ |
検察側の拠り所は2個の薬莢とヴァレリーの証言のみだった。ヴァレリーは澱みない口調でハンラッティが犯人である旨を証言したが、彼女はアルフォンの首実検の際には別の男を犯人として指差していた。その男は裁判には召喚されなかったので、ハンラッティに似ているかどうかは判らない。 |
参考文献 |
『殺人紳士録』J・H・H・ゴート&ロビン・オーデル著(中央アート出版社) |