レオ・フランク |
メアリー・フェイガン 遺体のそばに落ちていたメモの一つ |
それは1913年4月26日土曜日、南部諸州の住民が南北戦争の戦没者を追悼する祭日の出来事だった。ジョージア州アトランタに住むメアリー・フェイガン(13)がパレードを見に出掛けたまま行方不明になった。そして翌日未明、彼女の勤務先であるナショナル鉛筆工場の地下で冷たくなって発見された。 |
レオ・フランク |
4月30日、レオ・フランクが逮捕されると、彼に不利な証拠や証言が続々と集まり始めた。 |
ジム・コンリー |
やがて警察は「レオ・フランクの共犯者」としてジム・コンリーという黒人を逮捕した。彼は鉛筆工場で清掃などの雑用をしていたが、暴力事件の前科があり、女工の間では当初から犯人ではないかと疑われていた人物だった。 |
リンチされたレオ・フランクと野次馬 リンチされたレオ・フランクと野次馬 |
もっとも、南部の人々が皆一様に偏っていたわけではない。中にはマトモな人もちゃんといた。ロウン裁判長もその1人だ。彼は裁判過程における報道を目にしながら、陪審が無罪を評決すればフランクがリンチに遭うことは間違いないだろうと危惧していた。だから、弁護側の再審請求も棄却した。そして、政治的な決着を見ようとしたのである。 |
参考文献 |
『殺人紳士録』J・H・H・ゴート&ロビン・オーデル著(中央アート出版社) |