ご挨拶

生命力強化を目指す鍼灸治療

 生命力の強化、これは素晴らしい言葉です。一言にして鍼灸医学の真意を現している簡にして妙を得ている言葉であると思います。

 漢方はり治療の定義を作成する時に、私は強くこの「生命力の強化」を入れる事に固執しました。担当の委員も、その真意を良く理解して賛成され、この言葉が定義に入れられたのです。
 また、私たちが希求する鍼灸医学を、何故に「漢方はり治療」と命名したのか、経絡治療ではなく・・・・・。

 その真意は、真に正しい伝統的鍼灸医学の構築にあったのです。漢方の正しい理論を基礎とした鍼灸医学の構築こそ、漢方はり治療となるのであります。そして、臨床の現場では「生命力の強化」がその目的となるのです。
 生命力の強化とは、人間が生まれながら自然に持っている「健康に生き抜く力」の事です。言葉を変えれば「自然治癒力の強化」となります。

 私たちの目指す治療は、この生命力の強化を助ける事になると考えています。鍼灸治療は、病気そのものを攻撃するのではなく、人間が本来持っている生命力を強化する手助けを目的とするのであります。それが出来れば、結果として病気は治癒する経過を取る事になるものです。

 生命力を強化するものは正気の正常な働きであります。この正気を賦活させる治療こそ「漢方はり治療」であると私は考えています。

                                    令和24年1月1日