|
■ 2020年12月号 |
|
■ 星団暦3062年 (2020年12月号p63) 時代は少し進んで星団暦3062年からスタート。ラキシスとゴリリダルリハの邂逅から25年後。マグダルの目覚めから始まる。 デザインズ4に掲載されていた設定から2年ほど時間がズレている模様。以前の設定では、マキシ誕生が3035年、マグダルとデプレの目覚めは3060年であった。 一応設定上では、3068年にワスチャとジークが魔導大戦に復帰。69年にはクリスがエンペラーズ・ハイランダーとなり、ヨーンがミラージュ入りしてアイシャが引退。その翌年の70年にはドーマ連合に対してジークが出陣する流れとなっている。おそらく、ジークの戴冠とかヨーンとデコースの勝負とか、結構重要なエピソードが間に入ってくるはずである。 その辺を見据えて展開を追っていきましょう。 舞台はカーマントー付近の小惑星帯から。設定のみ明かされていたバーガ・ハリ・ダンダグラーダが登場。 頭部・肩部にデブリを排除するセンサー類とビーム砲を多数装備。背中のアイドラ・フライヤーは翼状の高機動型に換装されており、コクピットも上方に90度回転する仕様になっている模様。開発に協力したのは「ハルペル」であるが、彼女の死によってその来歴が明かされたことで、AP騎士団内では「インタシティ」が協力したものと見なされているようだ。 SPK隊の支隊長はオロダムド・ハル。パートナーはモラード候のアリエ。 彼らとオッカ総督の会話から、宇宙民の立ち位置とイオタ宇宙騎士団が使用するGTMの性能が窺える。 オッカ総督のセリフに「宇宙は初めての任官」とあることから、魔導大戦の勃発後に異動してきた人物であることが判る。職位上で彼が上官になるとは云え、宇宙での経験が少ないことを考えれば、ハル隊長に対して多少の配慮があって然るべきだろう。にも拘わらず、彼が胸中で語るセリフには合同演習の相手に対する敬意というものが一切ない。宇宙民を格下におく植民地支配の感覚が透けて見えるようだ。しかし、ドーマ連合とてウモス国の後ろ盾を得て難民を奴隷に流している背景がある訳で・・・大国から見れば彼もまた格下の扱いを受ける立場にある。この辺の位置関係が何とも切ない。 イオタ宇宙騎士団の主力GTMはデ・ハビラントであるが、ダンダグラーダと同等の性能をもつのであれば、おそらく高速機動に特化したパーツが付属していると見てよいだろう。となると、団長のジャコーも同等以上の性能をもつGTMを所持していなければならない訳で・・・彼が使うブリンガーB3彗王丸にも高速機動パーツが備え付けられていることが予想できる。 (2021.02.13) ■ マグダルの目覚め (p68) マグダルの目覚めに呼応してデプレが目覚める。昏睡していたデプレもまた成長が止まっていた模様。 マグダルが意識の中で会話した相手は・・・現時点では不明。こういう芸当ができるのは天照であるが、「だれー?」という質問を投げたのであれば天照ではないだろう。んーと・・・普通に考えて彼女の弟に当たるマキシになるのかな。 ボスヤスフォートとの戦いで視覚野を喪失したマグダルは、人工眼球への置き換えができず、今後も視覚を取り戻すことができないようだ。寝ている間に髪の毛は伸びたみたい。 サンサ・ホウレ監察官は身請けの手間賃としてマグダルの耳に付けられていたイヤリング(母ヤーボの形見)を取り上げたようだが・・・おそらくこれがキーとなってマグダルが発見される流れになるのではないだろうか。 彼女のセリフから、アデム・ユラなる人物が死亡扱いになっていることが判る。赤十字の判断で死亡扱いとなったヘアード(=アデム・ユラ)ではあるが、その後でちゃんと娘を迎えに行く通達が難民ステーションには届けられていたはず(コミック13巻p198)。おそらく、その情報を入力する直前に海賊の襲撃があったため、そのまま赤十字社の情報(=死亡したとみなされた情報)が優先されてしまったのだろう。 (2021.02.13) ■ ミラージュ勢が動く (p74) デプレの目覚めを機に状況が動き出す。 典星舎とA.K.D.は無関与としたい意向を示しつつ、私兵を各地に派遣する辺りがなんとも首ツッコミの天照らしい。 クニャジコーワさんは育児休暇の模様。ラキシスに連れられてきてミラージュ入りしたのか、エフィー・ドライとボー・ゼクスが「漆黒の花十字」を身に着けている点に注目。ナンバーが「2」と「3」のように見えるが・・・この説明はこの後の1月号の扉絵で明かされる。 覚えておきたいのが各ミラージュ騎士の動き。 アイシャはベラ国、マドラはイースト・ハスハ、マエッセンはベイジ、ウラッツェンとバイズビズはカステポーと。 おそらく、アイシャはベラ国に入りつつ北部ミノグシア(中立派)の様子見、マドラはマキシ関連の様子見、マエッセンはバッハトマ軍の様子見、ウラッツェンとバイズビスはボスヤスフォートの捜索、エフィーはデプレ周りの警備とボスヤスフォートの動きの監視、ボーはフィルモア帝国とカリギュラの監視ということになる。 天照がマドラに合流する可能性を匂わせているのは、それだけマキシを重視しているということだろう。 (2021.02.13) |
|
■ 2021年1月号 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
■ ミラージュ騎士一覧と来歴 (2021年1月号p63) 星団暦3062年以降のミラージュ騎士の一覧と来歴が公表された。 とりあえず新旧設定を補完しつつ、便宜的に第1期〜第4期以降に振り分けて整理してみた。 新たに加わったメンバーが誰と入れ替わりになっているか、一応はチェックできるはず。 下記、赤字で示したメンバーが3159年のアドラー侵攻に参加予定。16名が参加予定でマキシは特別騎デストニアスでの参戦となるため、ツァラトラは予定通り15騎が並ぶことになるはず。 ただし、ベルベットも参戦としている資料があるため、メンバーの入れ替えが発生するか、搭乗するGTMが異なる可能性もある。 こうやって見ると、連載が開始された時点でミラージュ入りしていたメンバーはほとんど舞台装置のような扱いで、その後に登場・入団したメンバーは皆3159年の大侵攻に参加するメンバーであることが判る。
ひとつひとつ見ていくと・・・新規設定がてんこ盛りですな。
新規メンバーとして、右翼No.6に謎の人物、No.13にクニャジコーワ、左翼No.2にエフィー・ドライ、No.3にボー・ゼクス、No.7はこの後で発売された2月号の内容からアーリィ・ブラストになる模様。 右翼No.6はハロルドラント・シャンディ・マーカスの直系とのこと。劇中登場キャラクターだとメリー・マーカスあるいはローラ・マーカスと呼ばれる人物が直系のはずだが・・・この辺はまた新たにキャラクターが追加されるのだろうか。 来歴の変更・追加も多い。 ディッパ・ドロップスはアドラーのメルサス国(初出)出身に変更。ミラージュ以前はナルキア連邦の騎士。旧設定ではグリース王国出身であった。 ハインドが元シナーテ家の家臣。これも初出。 エレーナが元暗殺者。 ステートバルロがアンザ首長国出身に変更。旧設定ではカラミティ・ゴーダースにあるイラカ国の王族の末裔。 ルンの出身がムスルチカ。 マドラ・モイライの来歴に元フィルモア帝国元老院騎士が追加(これについてはフィルモアの面々との関係をみれば妥当だろう)。 キンキーはクロス王国の属州を治めるキンキー家の王女に変更。旧設定ではクロス国の王女とされていた。 メイザー・ブローズもナルキア連邦出身。ナルキア連邦はAD世紀の末期から星団暦初頭にかけてデルタ・ベルンの東方に存在していた国家であり、現在のデルタ・ベルンの地図上では確認できない国名であったが、どうやら存続しているようだ。 パゴナ・ヘルバートはバーグル・デ・ライツァーの甥とのこと。 リキッド・オーシャンに関して、ニオ・ハスラーと桜子の遠縁にあたりアーキロンス・ナトリウム・バビロン(家名?)と説明されている点がなんとも。アーキロンスという名はハスラー・アーキロン家から引き継ぐものだろう。問題はバビロンという名である。つまり、桜子がニオの遠縁に当たる騎士との間に子を儲け、ログナーが治めるバビロン王国に籍を置くということか。現時点ではその意味するところが全く見えてこない謎の設定である。 なんだろう・・・右翼No.6と合わせてフィルモア勢とのクロスオーバーが発生しそうな雰囲気がある。 あとは・・・ズームの設定ですよね。アッセルムラトワ・メル・アザミドXXVII。 彼女の実母とされているビューティ・ペールの本名はBeauty Pale Azhamid XXVI Asylmuratova Disturb(ビューティー・ペール・アザミド26・アセルムラトワ・ディスターブ)であり、世数を引き継いでいることが判る。ただし、ズームは血縁という訳ではなくペールが造り上げた超帝國魔導人形の可能性もあるという。 イペール・ボルテッツ魔導剣聖という新たな設定も追加されたので、左翼の騎士として活動する可能性もあるということか。 先月号の時点でミノグシアへの潜入が明かされていた騎士のほか、数名の動きが新たに挙げられている点に注意。 ステートバルロはイースト・ハスハの領事館に逗留中。そこにアイシャが合流する模様。 マドラがイースト・ハスハからスバース市に向かうのは、おそらくデプレ付きの騎士となる設定への布石である。 イマラが出雲に向かっているのは・・・3月号においてヘアードの支援であることが判明する。 キュキィは以前の設定のとおり、ザンダシティに滞在中。 ブラフォードとブローズがアドラーに潜入中・・・おそらくボー・ヨーグン周辺とビューティ・ペールの動向を追っているのだろう。 (2021.03.13) ■ アイシャのベラ国訪問 (p64) おそらくベラ戦から間を開けて初の訪問となるアイシャの来訪。 エーディスとサイトの間に生まれた子供がちょっとだけ登場。こういうキャラクターが絶対あとで絡んでくるからね(コーラス26世の時代とか)。 ワイマールの整備に当たっているコーラス・ファティマが誰か判らん。 ソープと面識があるファティマとなると・・・誰だろう。セイレイが本国に戻っているならシクローンもおそらく戻っているはずだし。マロリーが滞在しているのであればモンスーンの可能性もあるが、ワイマールの面倒を見るかな?という感じもするし。そもそも風の4ファティマとソープに面識があるのかも謎。あとは・・・コーラス王家の預かりとなっているエフロシューネという可能性もあるか。んが、戦場でファティマスーツを着用しているのであれば、シャーリィに替わるマスターがいることになる訳で・・・。うーむ。 トリオのメンバーの制服とかワイマールの設定画とか、その辺の解説が欲しいな。 (2021.03.13) ■ マグダルの奴隷民生活 (p67) アンビラン鉱山西区の住環境とマグダルの生活が語られる。あんまり考察するポイントは無いけどメモ程度に。 カーマントーの惑星温度はマイナス150度程度とのこと。太陽系に例えると土星(マイナス130〜140度)に近い温度である。もちろん大気組成によって気温は変わって来るが、太陽からの距離をなんとなく想像してみるのも面白い。 ホルレの語る量子運動のアレコレは読み流しても問題ないと思えるが・・・GTMは量子の運動エネルギーを得て稼働するらしい。例えば電子が移動することで発生する運動エネルギーがすなわち電気ということになるので、GTMは電子以外の素粒子の運動から同じようにエネルギーを得ている・・・という理解でいいのかな。設定上、電磁エネルギーという用語もあるが、電磁波の量子は光子であり、光子のような素粒子の運動エネルギーがすなわち電磁エネルギーと解釈すれば、おそらく辻褄は合うはず。 ヘリオス鋼と同じ地層からとれるレアメタルがGTMの安定稼働に必要な触媒として機能すると。コンテナに付属した土砂からレアメタルを採取するのであれば、一般的な手法として水で洗浄した後に沈殿槽から砂を採取する方法が思い浮かぶが・・・カーマントーのような惑星では水も希少な物質ということになるのかも知れない。ハーモイド・システムを用いれば大量の水を作ることも可能かも知れないが、それよりも奴隷民を雇う方が安価ということだろう。 解説にある旧ソビエト軍はおそらく第二次世界大戦中の状況を指しているので、おそらく当時の労働者・農民赤軍を指していると思われる。創設はロシア革命後の1918年1月28日。41年に開戦した独ソ戦を経て、46年には赤軍を基盤としてソビエト社会主義共和国連邦軍が正式な国軍として創設された。こちらがいわゆる旧ソ連軍である。 (2021.03.13) ■ アララギ・ハイトとミースの逢瀬 (p71) 最初にエストを連れて来たのが3031年だから・・・そこから30年以上も継続してミースの下を訪問していた模様。地球で云えば7〜8年ぐらいの感覚になると思われるが、一途と云うかなんというか・・・相変わらず思考パターンがアレな感じなアララギくんである。 ミースとの会話から、デコースがエストのシークモードについていろいろと知りたがっていることが窺える。デコースが「バーシャ」を見たのは出会ったときだけなので、それだけ最初の戦闘(とそれがヨーンに絡む動きであったこと)を気にしているということだろうか。まあ、ミースに怒られたことでエストのメンテナンスに気を使っているのかも知れないが。 ベルクトがアウクソーに連絡をとってバランシェ邸の監視を行っているのは、おそらくマキシの状況を探るため。サテライトモードを展開していることから、おそらくグラン・シーカーやビヨンド・シーカーといった監視端末を使用していることが窺える。おそらく、マドラはイースト・ハスハに潜入するに当たって、何らかのGTMを持ち込んでいるのだろう。 設定どおりであれば、ラミアス・メデューサ(フゥアー・インマー・メドゥーサ)を持ち込んでいるはずだが・・・天照が索敵端末を付け足したと考えればいいか。 ミースのセリフから、この3062年の時点まではミースがラーンに出入りしてたり、デコースに呼ばれていたり(=ベイジに行ったということか)、結構自由に動いていることが判る。3075年の時点ではバッハトマに捉えられている状況であることがコミック11巻で語られている訳で・・・62年から75年の間にバッハトマとミースの関係性が変わっていることになる。75年にエストがミラージュと行動していることを考えれば、デコースがそれまでに死亡することはほぼ確定している訳で・・・おそらくは彼の死によってバッハトマが強硬手段に出る流れとなるのだろう。 マキシの登場で今月号は終了。 (2021.03.13) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
■ 2021年2月号 |
|
■ マグナパレスの解説 (2021年2月号p59) 扉絵はマグナパレスの全身像。細かい用語はあとで辞書ページにまとめます。 今回の解説に拠ると、ハーモイド・システムは素粒子の変換によってエネルギーを生み出しているらしい。ストレンジ素子とはおそらくストレンジクォークのことだろう。 素粒子は、物質を構成しているフェルミ粒子と、力を媒介するボース粒子に分けられ、フェルミ粒子はさらにクォーク(アップクォーク、ダウンクォーク、チャームクォーク、ストレンジクォーク、トップクォーク、ダウンクォークの6種)とレプトン(電子、ミュー粒子、タウ粒子、電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、タウニュートリノの6種)に分けられる。 ストレンジクォークは第2世代のクォークであり、崩壊するとアップクォークになるらしい。おそらく、GTMは素粒子が別の素粒子に変換される(=粒子崩壊する)際のエネルギーを取り出しているのだろう。・・・うん。よく判らん。 タイカ宇宙に送られたマグナパレスは、カレンとユライヒによってMMTに作り替えられるらしい。 うーん・・・これまでに明かされた設定を振り返るに、カレンがタイカ宇宙に向かった後に一時的にユライヒと敵対する構図が見えていたのだが・・・その二者が協力してマグナパレスの改装を行うと。 つまり、両者が和解した後でMMTに改装したということか。十曜亜族と闇華亜族が和解した後で、さらにマグナパレスが戦力として必要な状況があったと捉えればいいのか。そしてさらにジョーカー宇宙に戻った後でマーター・マーターとクラウ・クラウ(初出)によって改装されるらしい。これまた改装の理由は判らないが・・・とりあえずいろいろイジられる運命にあるようだ。 (2021.03.14) ■ マキシの「おいた」 今月号はあまり考察ポイントがない。 アララギくんがマキシを見た際に「ミースが製作しているファティマ」と誤認したようなので、おそらく「そのように見える背格好」ということになるだろう。 カイエンとミースの遺伝情報のほか、ミースがバランシェより引き継いだゲノム書き換えプログラム、アウクソーの胎内に入れられたことで獲得した形質もあると思われるので、傍から見ればファティマにしか見えないのかも知れない。 ただ、アウクソーはそれでもナッカンドラやカイエンとは全く面影が異なること、自分の匂いが付いた服だけを着ること(プラス自分に手出ししないこと)に疑問をもっている模様。 うーん・・・これに関してちょっと引っ掛かる部分があったのだが、この後の4月号の内容でピースが埋まった感じなので後でまとめます。 他者を容易に駆逐してしまうマキシの思惑の根源には、カイエンに替わってミースを幸せにしたい、という感情があるようだ。 極度のマザコンと見るべきか、超帝國剣聖から続く狂気があると見るべきか。 アララギくんに絡んできた騎士くずれのひとりが「DUM DUM」と描かれたシャツを着ている。・・・これの元ネタが判らず。 スコットランド出身のロックバンドThe Vaselines(ヴァセリンズ)が1989年に発表したアルバム「DUM DUM」か。 ロサンゼルス出身のガールズロックバンドDum Dum Girls(ダム・ダム・ガールズ)か。 ほかにもいろいろあり過ぎて判らない。情報求む。 扉絵の永野センセーのメモから、ミラージュ左翼No.7に収まる騎士は「可哀想な子」であるアーリィ・ブラストということになる。 非番を利用してヨーンを探しているようだが・・・なんか抜け忍みたいな状況になっていないか。 久々にワックス・トラックスの名前が出たところで今月号は終了。 (2021.03.14) |
|
■ 2021年3月号 |
|
■ Z.A.P.の解説 (2021年3月号p64) 扉絵でセンタイマがお詫び(?)。前エピソードで3070年としていたのを3075年に訂正。 彼がもつ杖に「螺旋の円十字」が付けられている点に注意。なるほど闇華亜族もほぼ同じシンボルを使用しているのね。 Z.A.P.については・・・とくに云うことなし。マグナパレスよりカッコイイかも。細かい用語はあとで辞書ページにまとめます。 バスター・ランチャーが連射式になったことと、後頭部にパッセンジャー・セルが付くのは初出の設定。 周囲に浮いているロボットはおそらくビヨンド・シーカーとグラン・シーカー。コミック14巻p177に出ているデザインと似ている。おそらく高空定位した後で各部を展開するのだろう。 次回の作品集が楽しみですねー。 いやーZ.A.P.のデザイン画を大きく見たいけど・・・作品集で見開きにするのはやめて欲しい。見開きの間の部分が見えなくなるから。 つっても・・・折り込みにすると、それはそれで見にくいし。 (2021.03.14) ■ 鉱山地区の大人たち (p67) 子供たちを監視するホルレ、騎士の出現に注意を払うドーマ勢、反抗を企てる奴隷民の大人たちが描かれる。ホルレも元はミノグシア民の模様。 今月号では、同じミノグシアの民としてハル隊長の心情も描かれる。 先々月号でナルミが口にしていたとおり、ミノグシアの民がひとつにならなければ、反撃の狼煙は上げられない。 カーマントー周辺の各キャラクターがどのようにまとまっていくのか、楽しみですね。 んでもって・・・マグダルの面倒をみていた「班長」の名前がアイル・フェルノアであることが判明。 この名前についてはいくつか設定あり。 ひとつはAP騎士団[ラーン王宮支隊]の別名とされているもの。聖宮ラーンの近衛警護騎士団であり、魔導大戦の終結後はナルミ・アイデルマが支隊長になる。聖宮ラーンは研究機関ダリ・キアと配下の学術開発グループに依頼して新型GTMアトラの開発を進めており、後に制式GTMとして採用する予定。要するに、少し未来の時代に付けられる名称である。 もうひとつはアトール聖導王朝が組織することになる星団最強の騎士団。アトール聖導王朝は天照の星団侵攻が開始された後に発足する星団各国による連合体制であり、ミノグシア連合調停議会がその母体になったとされる。魔導大戦の終結後にダリ・キアが開発したGTMアトラを配備した騎士団であるが、アイル・フェルノアにはハスハ・ミノグシア各国、フィルモア帝国、クバルカン法国の騎士団が合流したため、史上唯一、星団三大GTMが揃う騎士団になったという。騎士団長はキャナル・アイデルマ神聖神官。剣聖デプレもこの騎士団の所属となるようだ。こちらは遠い未来の時代に付けられる名称である。 という訳で・・・おそらくこの班長がマグダルを守るために命を落とすか何かして、マグダルが詩女となった後に自身を守護する軍グループにアイル・フェルノアと名付ける・・・という未来が見えて来る。なんというか、がっつり死亡フラグが立っている気配がしますね。 (2021.03.14) ■ イマラがやってくる (p76) 先々月号でイズモにて極秘任務中とされていたイマラが登場。 彼女は天照から情報をもらっているのでマグダルの生存を確信している。マーク2を持ってきたようなので、ここには出ていないがソルティアを連れてきているはず。 ジャコーが食べているのは京都府舞鶴市のアメイロビストロアルルが販売している「マイヅルプリン」。 赤岩高原で採れた新鮮卵と丹後のヒラヤミルクで作られたプリンで、福井県で開かれるプリンの祭典P-1でグランプリを獲得したこともある逸品。 箱の赤レンガBOXは舞鶴の名所として知られる赤レンガ建造物がモチーフになっている。 集まっているファティマに関しては・・・こたつで寝ているのが弁天、ショートカットでタイを付けているのが大門、餅を焼いてきたのがクーン、ストーブの近くにいるのがカリオペー。 これ「弁天ねーさまねてるー」のセリフがないと誰が誰だかわからん。 つーか、ストーブとか薬缶とか、アイテムが昭和過ぎる。 (2021.03.14) |
|
■ 2021年4月号 |
|
■ メヨーヨとコーネラのAFスーツ (p59) 扉絵はメヨーヨとコーネラのAFスーツの解説。 メヨーヨのAFスーツはオレンジピンク色とのこと。おそらく同国の騎士礼服と並ぶと暖色系の派手な集団に見えることだろう。 一方のコーネラはモノトーンで統一。デモールの最新ロットに合わせて白とグレーのツートンカラーとなるようだ。 ダイアモンド・ニューの新作ファティマとして竜胆(リンドウ)が登場。 彼の製作するファティマには星の名前が付けられるとの設定もあったが、竜胆は植物の名前である。ただし、竜胆の花は青紫色の美しい星型をしている。 (2021.03.14) ■ メヨーヨとコーネラの演習 (p60) 荒野の広がるウエスト・カステポーでメヨーヨとコーネラが演習を実施。新ロットのデモールとホウライの実戦テストである。 デモールはAF搭載型に変更して背部にあった冷却パーツの一部がオミットされている模様。カラーリングもグレーとホワイトのツートンカラーになっている。また、よく見ると装備しているガット・ブロウも変更されているようだ。 一応、AF搭載型のデモールはデモール・タンジェリンと呼ばれる設定もあったが・・・今回の扉絵を読む限りデモール・22(ツバイツバイ)という名称になったようだ。ただし、これもおそらく制式騎となる以前の試作騎だろう。 あと、騎士ナロックが剣を受け止めたのは、右腕ではなく、おそらく左腕ではないだろうか。 クラーケンベールの着ているタンクトップに描かれている「OVERROCKET」という文字。 渡部高士、鈴木光人、本田みちよの3人が結成したエレクトロ・ポップ・ユニットOVERROCKETが元ネタか。 首からぶら下げているのは、ちゃあ・ティからもらったネギうどんギュービーさん。 ホウライが使用しているガット・ブロウは、セリフを読む限り、泰千錫華が打ったらしい。 ダイヤモンド・ニューがA.K.D.に納入した2騎のGTMとは、おそらく雷丸(B2)と暁姫(B4)のことだろう。 ニューと各国のつながりが示されるのも、全て天照の大侵攻以降につながる国家間連携への布石と思われる。 (2021.03.14) ■ ファティマ・デルタベルン (p66) ついにファティマ・デルタベルンが登場。 彼女についてはこれまでに設定が二転三転しており、製作者をミース・バランシェとしている資料や、それを引き継いだリュービル・ジュード(=ラベル・ジュード)が完成させるという資料もある。また、同様にマスターとなる人物もコーラス24世以降とされていたり、聖宮ラーンからコーラス26世に託されるという設定もある。 今回の登場を見る限り、少なくとも製作者はミースである。 また、モラード候が作成するデルタベルン・パッチデータというものがある。 モラードは極秘に開発されたこのパッチデータにMC-38(モラードの銘入りファティマに充てられるシリアルの38番)を付与したようだが・・・今回の描写をみる限り、アウクソーから抜き出したフォーカスライトのデータをパッチ化して、デルタベルンにインストールすることになるようだ。 それにしても・・・デルタベルンはフォーカスライトから「星団すべてのGTMを強制リブートする」能力を引き継ぐことになると。 なるほど。この情報は重要過ぎる。 だからこそ、デルタベルンは「クローソーを載せたまま凍結しているSR4ジ・エンドレス」を動かすことができるのか。 デルタ・ベルンがなぜ将来的に聖宮ラーンからコーラス26世に託されるのか・・・この理由が見えてきた感じである。 彼女は、この世界で唯一、マスターファティマとしての機能を用いて「エンドレスを動かせる存在」であると。 詩女として覚醒したマグダルは、未来を見通せる花の詩女ベリン・ラーンの記憶も引き継ぐ訳で・・・デルタベルンというファティマがいかに重要な存在であるかを知り得ていたと。だから、未来に向けて彼女を預かることになるのだろう。 (2021.03.14) ■ マキシの暴走 (p68) 「暴走」してミースを襲ってしまうマキシ。 おそらくこの「暴走」というのは初期の超帝國騎士にみられた不具合と同様の症状だろう。 ふーむ・・・なんとなく見えてきたような。 2月号までに提示されていた謎は下記のとおり。 ・マキシはなぜかアウクソーの匂いが付いた服だけを着る(マキシはアウクソーにのみ従う) ・マキシはナッカンドラやカイエンとは全く面影が異なる ・プラスして、マキシにアウクソーが必要となることを、天照もまた予見している(コミック14巻p117) これに加えて下記の状況。 ・炎の女皇帝は未来においてモナーク・セイクレッドに到達してから、過去に向けて超帝國剣聖のリストアを開始した ・マドラ(アマンダ・プロミネンス)、ナオ(ディオ・クルマルス)、レンダウド(ミキータ・オージェ)といった超帝國剣聖が次々にリストアされている この辺の状況をまとめて考えるに。 マキシの中に超帝國剣聖がリストアされつつある・・・と仮定すると、結構スッキリする部分はないだろうか。 炎の女皇帝が超帝國剣聖のリストアを進める上で、その剣聖が母体を破壊しないよう、何らかのセキュリティを施すことは容易に想像できる。 となれば、剣聖を胎内に宿していた母体に対して「剣聖を従えるような因子」を埋め込むことも可能なのではないかと。 あるいは、剣聖に対して「母体に服従する因子」を埋め込む感じだろうか。 カイエンの血筋に加え、バランシェとミースの技術の結晶として生まれてくるマキシに対し、さらに超帝國剣聖の因子が下ろされたのであれば・・・ 幼少期のマドラにあったとされる狂気が発現したとしてもおかしくないだろう。 それを見越したセキュリティの結果が、「母体」すなわち「アウクソー」にのみ従うという現象なのかなと。 うーん・・・アウクソーだけにMHの記憶が残ってしまったバグも、その辺の影響という可能性はないか。 まあ、これだけだとなんの証左もない訳ですが。 永野センセーはデザインズ6でララファ・ジュノーンのデザインを掲載していて「残すところあとはフラーマ・アトールのみ」と書いているんですね。 しかし、この時点でデザイン画が発表されていたのは、筆頭騎士のアサラム・スキーンズ、7剣聖のうちのコロッサス・バング、ディオ・クルマルス、ミキータ・オージェ、ララファ・ジュノーンの4名。そしてアマンダ・プロミネンスは劇中で顔のみ登場。つまり、キーラ・ネプチューンはまだデザインされていないにも関わらず、さも描かれた後のようなコメントを残している訳です。 そう考えると、実は既にキーラ・ネプチューンがデザインされているというオチも考えられなくはないかなと。 これらを総じて考えるに。 マキシの中にキーラ・ネプチューンがリストアされつつある(キーラ・ネプチューンのデザイン画=マキシ)・・・という発想は突飛すぎるだろうか。 と書きつつも、もしマキシがリストアされた存在となると、なんか勿体ない設定のような気もしてくる。 彼はやはり、時代を超えて新たに生み出された最強の超帝國剣聖であるべきよね。 ネプチューンはおそらく巨大戦艦シングにおいて女皇帝の留守を預かっているはずだし。 もう一点。今回、マキシはミースを犯そうとした訳だが・・・ミースは彼の母親でありながら、実質的に処女のはず。 天照の命(ミコト)が処女懐胎でソープを宿したように、ミースもまた(方法は全く異なるが)処女懐胎でマキシを宿した訳で、その子供たちが揃って神になるという点にオーソドックスな神話性が垣間見える。永野センセーも敢えてそういう要素を残しておくことで「おとぎ話」を成立させているのだろう。 マドラが乱入してきたところで今月号は終了。 なんだよ。今月号かなり重要なエピソードじゃん。 (2021.03.14) |
|
■ 2021年5月号 |
|
■ マキシとマドラの出会い (2021年5月号p68) 4月から仕事で死んでました(FF14はやってたけど)。毎年4月から9月は忙しいのでご勘弁。やっと文章書きが再開できます。 さて、剣聖位を欲しがるマキシと現剣聖のマドラが邂逅する。コミック11巻の冒頭のシーンにつながる関係性がここからスタートしたことになる。 アウクソーの匂いがついた服を着たがるマキシと11巻で描かれたマキシの間には若干の齟齬があるようだが・・・この辺はおそらくするっとつながるだろう。もう年代的にあまり空きがない状態でもあるため、なにかこうアウクソーとの関係性がスパッと切り替わる話が出てくるかも知れない。 ミースが口にしている生存ロジックとは、自身の生存において適用する論理・論法のこと。 多くの生物は本能的に自身を生き永らえさせることが可能な選択・行動を採ることでその生命を維持している。それはヒトであっても基本的に変わらない。ただし、ヒトはヒト社会の中で生きていく上で他者との対話・共存が必要となるため、本能に加えて理性をもって選択・行動することになる。他者を排除しなければ生きていけないギリギリの状態に追い込まれると、この理性と本能の間で揺らぎが発生する。 ミースの評価に拠ると、マキシは生存ロジックが普通とは異なるらしい。曰く、(本来であれば理性と本能が互いにバランスを取る部分が無く)スイッチが切り替わるように挙動し、互いに制御しようとしない傾向があるとのこと。マドラの弁に拠れば、ヒトを殺すことを義務として作られた超帝國騎士に特有の症状であるらしい。まあ、殺戮を目的として造り上げた一方で、心は通常のヒトと同じ構造をしているのであれば、心的防衛機能としてそのようなロジックが形成されたとして不思議ではないだろう。 おそらく、超帝國時代においては、女皇帝自身がそのロジックの切り替えを制御することで安全性の担保が取れていたと。それが、超帝國騎士同士で子を生すというイレギュラーが発生したために、あるいは、現在の騎士にリストアするという規定外の運用を考えたがために、その担保が取れなくなったということか。あるいは、現代の詩女に丸投げしたのかも知れないが。 マキシがカイエンに似ていないのは、単純に父ではなく祖父に似たからってことになるらしい。先月号の考察でまとめた「ネプチューンのリストア説」は完全は外れたようだ。うーん・・・となると、匂いがついた服の設定は単にアウクソーに対して「母親」としての刷り込みがあるということだろうか。 マドラの見立てでは、カイエンに似ているのはむしろデプレということになるようだ。 アウクソーがマキシに説こうとしているフェザー本位制について。 ジョーカー星団の通貨であるフェザーを本位貨幣とし、その価値を保証している制度のことをフェザー本位制と呼称しているのだろう。我々が生活するこの地球では貨幣価値を金あるいは銀の重さに置き換える金本位制あるいは銀本位制が長らく採用されており、通貨当局による調整によって成立する管理通貨制度への以降は20世紀の後半以降である。 劇中では、アウクソーが「そもそも金を含めた重金属の合成コストが・・・」という話から始めており、ジョーカー星団においても以前は金本位制であったことが窺える。おそらく金を含めた重金属の合成コストがジョーカー世界において一定と見なされなかったため、金本位制に不具合が生じたことを伝えようとしているのだろう。 ここで判るのは、ジョーカー星団においても金(きん)はやはり希少金属であるということ。そうでなければ金本位制が成立していた時代は無かったはず。 (2021.09.10) ■ AP騎士団本部訪問 (p71) マドラは天照からマキシとデプレを引き合わせるよう指示を受けていたらしい。異母兄弟を合わせることにどのような意味があるかと云われれば・・・おそらくコミック11巻で描かれる未来を天照は既に予測しているということだろう。何より、マキシが成長する上で、彼と同等の力をもつ者が必要と考えたのかも知れないが。 後に剣聖となることが判明しているマキシであるが、この時点では現役のAP騎士を圧倒するほどの実力はない模様。マドラが手にしているのは木刀のようにも見えるが・・・万が一の場合にマキシを制止するためだろう。この木刀、たぶんコミック11巻で持ってるやつと一緒。 ギラが(記憶にあるはずのハリスの姿から)ほとんど別人になっているマドラを見たにも拘わらず「待たせたなハリス」と口にしているのは、おそらくマドラ自身が「元スキーン隊のピッキング・ハリスが来たことを伝えてくれ」とAP騎士に照会をお願いしたためだろう。一方、バルンガはマドラの名をフィルモア帝国元老院の所属騎士として記憶していたようだ。この辺はさすが参謀というべきか。 ギラが「ミス・マドラ」と呼ぶことにした点について。 かつてAP騎士団スキーン隊に所属していたピッキング・ハリスが戻ってきた形であるため、改めて職位や階級を付けて呼ぶのは余所余所しく、一方でただ単にマドラと呼ぶほど近い距離間でもない。また、天照の騎士となったマドラになんの敬称もつけないというのも儀礼に欠くという判断があったのだろう。 あと、ハスハ王宮に詰めていたギラたちAP騎士団の男性陣にとって、カイエンを追って入城してきたミースは心のアイドルであったようだ。彼女がいかに美人であるかは、アララギ・ハイトの言動でも十分に伝わる部分ではあるが・・・個人的にはカイエンが手を出さなかった、という部分がまたそれを一層際立てているような気がする。つまり、カイエンの視点から見ても汚すことができないほどキレイに映っていたということだろう。 デプレとコンコードが登場したところで今月号は終了。 (2021.09.10) |
|
■ 2021年6月号 |
|
■ マグダルと話していたのはマキシだった (2021年6月号p73) 今月号はとくに考察ポイントなし。 目覚めたマグダルの頭の中に響いていた声は、やはりマキシだった、というお話。 その声を聴いてデプレが目を覚ましたので、彼もまたマキシの声を聴いていたようだ。 (2021.09.11) |
|
■ 2021年7月号 |
|
■ 3159年 (2021年7月号p59) 扉絵で描かれる3159年のワンシーン。 映画GTMのラストで聖宮ラーンを訪問したレーダー9世(=ジーク)、クリスティン、エストを迎え入れたのは、デプレ、マグダル、マキシの3名だったと。 この後でマグダルとレーダー9世は何らかの協定を結び、ホーダウンを自治都市にしたとされる。このホーダウンは2019年3月号の時点でフィルモア帝国・萌葱グループが制圧した場所として劇中に登場している。 協定の立ち合いには天照が参加し、その成立をもってGTMカイゼリンが預けられたようだ。 映画のシーンを見る限り、フィルモア帝国はかなり大きな船団を率いて移動してきたことが判るため、てっきりカラミティが失われる3239年の出来事かと思っていたのだが・・・。そうではなくて、天照が大侵攻を開始する3159年の出来事であったと・・・おそらくアドラー侵攻の直前の出来事ということになるだろうか。 星団侵攻が開始される年と、フィルモア帝国-ミノグシア連合の協定が結ばれる年がたまたま一緒であったと考えるのはほとんど無理。どう考えても、この協定に参加したメンバーは星団侵攻が開始されることを見越して集まったとしか思えない。まあ、おそらくは未来において発生するカラミティの消失に備え、フィルモア帝国の難民を受け入れることを意図したものであったことが想像できる。 ここで重要なのは、星団侵攻が始まるこの先の未来について、彼らがおそらく「知り得ていた」だろうということ。 この後のわずか100年の間に自国が蹂躙されること、あるいは、星団侵攻が移民開始のトリガーとなることを全て知り得ていたのかも知れない。 また、今月号で登場してくるヨーグンやダスニカの動きも含めて考えると、トランを治めるビュラードも天照が動き出すことに一枚噛んでいた可能性が高い。 さらに、詩女の記憶を継いだマグダルであれば、フンフトとピアノ・メロディ(=剣聖ハリコン)のつながりも知り得ているはずで、おそらくそこからつながる未来においてラベル(=コーラス6世)をいずれ迎え入れることも予見していたはず。 要するに、天照が星団を一変させることが国家のトップにとっては既知の、すべて出来レースであった可能性が出てきたと。 今回公開された3159年という数字には、そこまで考えさせる影響力があります。 この・・・なんというか全てが3159年に集約される状況、そしてそれに絡む人物が全て親の世代から丹念に描かれているという事実・・・かつて永野センセーが「FSSは4巻から始まっている」的なことを云っていた意味が全部つながったようにも思えますね。歴史の転換点につながる人物すべての背景を描いているようなもんだから。ストーリーテリングとしてホントに凄まじい組み立てをしているとしか云えない。 FSSって結局のところまだ本当の意味のクライマックスが来ていないのかも知れないですね。ずーっとそのお膳立てをしているようなもんだから。 GTMに変わってから読者が離れたという話も聞きますが、なんとも勿体ない。まさに山場に入るタイミングである。 ただ一方で、それ以前に永野センセーがちゃんと描き切れるかどうかという年齢的な不安もありますよね。センセー頑張って〜。 (2021.09.11) ■ マドラがミノグシアに移籍する (p60) マキシがミノグシアに残る意思を見せたことで、お目付け役たるマドラもミノグシア軍に加わることになった模様。 以前の設定がイキているのであれば、マドラはこの後でデプレ隊の支隊長となる。おそらく使用GTMはラミアス・メデューサ(フゥアー・インマー・メドゥーサ)となるはずだが果たして。 一方、アウクソーとミースがマキシと離れる状況になるため、この後の展開でコミック11巻の冒頭につながる舞台が整いつつあること判る。 つっても、マキシがS.S.L.を娶り、B4デストニアスを得るイベントが必要だし、なんといってもエストがバッハトマから離れる(=デコースを失う?)イベントがある訳で・・・まだまだ盛り込まれるべきエピソードは山盛りである。 アウクソーが口にしている妹とは・・・おそらくアトロポス、ラキシス、クローソーのことだろう。彼女たちはマキシの姉でもある。 (2021.09.12) ■ 蠢くモノたち (p62) 舞台がアドラーに移り、ついにヨーグンとダスニカが登場。今回は情報が多い。 AD世紀の末期、ヨーグンとダスニカはひとつの国家であり、超帝國科学省に実験体として国民を提供する見返りに自治権を得ていた模様。この実験の結果から生み出されたのが奇怪な生物兵器群であり、その中には魔導人形とされるズームと人造騎士が含まれていたようだ。女皇帝の帰還により関係者はすべて粛清されたはずであったが、ビューティー・ペールの協力によってヨーグンでは人造騎士の育成が可能になったと。 一方、ダスニカもお披露目を必要としない高性能ファティマを開発し、マウザーの協力を受けてGTMフドウの配備も進んだことで蜂起が可能な状態になったらしい。 その蜂起が向かう先は・・・魔導大戦が終結した後のトラン連邦とバキン・ラカン帝国になると。 彼らの目的は他国の支配ではなく、自国をも滅ぼすこと。つまり、国家の自殺である。 底辺国家とされ、ヒトが集まらない国家にファティマやGTMの開発がまともに進められるとは思えないので、おそらく彼らの背景にはマウザー以外にもシステム・カリギュラの協力があったと考えて間違いないだろう。カリギュラからしてみれば、人造騎士の製造技術やAD世紀から続く国家の情報はおそらく見返りとしても大きいはず。 ただちょっと疑問なのが、ビューティー・ペールとカリギュラの関係性である。 もちろん、両者の間につながりがなくても今回の状況が成立することは可能だが、カリギュラの視点からみてボスやんやペールがどのように見えているのか、これまで描かれていないのが微妙に気になる。同じ超帝國由来の存在でありながら、ボスやんが歴史に登場するまで直接的なつながりは無かった訳で・・・あっさり手を組むようにも思えない。 あと、ビューティー・ペールの今回の姿が本来の姿なのか、ヨーグン・ダスニカの両国から信頼を得るための偽装なのか、この辺がまだよく判らんですね。ズームと同じように作られた存在であったとしても、それはAD世紀末期の話になる訳で・・・現在の人造人間と同じ姿になるとは思えない。ウーム。 もうひとつ。 彼らを「大きな炎で包み灰にする存在」として、ビューティー・ペールは天照を想定しているようだ。天照がその力を有していることは、ボスやんも知っているはずだし、ダイアモンド・ニューも気付いている(コミック10巻p172)訳だから・・・それ自体は問題ではない。しかし、わざわざ巻き込もうとする意図をどう読み解くか・・・おそらく、ボスやんとペールは天照を戦争の当事者に置こうとしているのだろう。神として傍観者の位置に立つのではなく、ヒトの世界に立って罪に、泥に、血に塗れよ!お前はこの世界にいるのだから!みたいな感じなのかなと。 とはいえ、天照がヨーグン・ダスニカの挑発に乗って軍を動かすとも思えない訳で・・・結局それを起こす主因となるのが、今月号の表紙で描かれた3159年の密約と各国の思惑なのかなと。天照が星団侵攻を始めるのは、結局のところヒトに乞われた結果なのかも知れない。 (2021.09.12) |
|
■ 2021年8月号 |
|
■ ダジャー・ビームスとピア将軍の立ち位置について (2021年8月号p63) 扉絵の地図とデザインズ2の掲載情報を合わせて先月号の彼らが登場したシーンを再チェック。 先月号でダジャーは「オレのまとめたヨーグン3連邦」と口にしていた。一方、デザインズ2に掲載されていた情報では星団暦3075年にヨーグン大陸の北部に位置するボー・ヨーグン群国、同じく中部のディ・ヨーグン群国とマブーフ連合、南部のライ・ヨーグン青民帝国が経済協定を結び、ディ・ヨーグン統一連邦が成立することになっていた。つまり、先月号の時点ではまだ連合に参加していない国が残っていたことになる。ライ・ヨーグン青民帝国は名称から察するに帝政国家のため、連合への加入に積極的に動くとは思えない。また、他の3国は隣接していることもあり、地理的に連合体制を組みやすい状況が窺える。よって、おそらく3075年にライ・ヨーグンが加盟することでディ・ヨーグン統一連邦成立することになるのだろう。 もう一点。ダスニカ神聖連合の国家元首はアダマス皇帝(かつてアダマス帝国を治めていたアダマス皇帝の末裔)であるが、ダスニカ・アダマス神聖連合帝国の連合総裁の座にライ・ド・ピア将軍が就いていることに注意。連合総裁とは連合体制のトップである。つまり彼は、アダマス皇帝の側近でありながら、より巨大な連合体制においてトップに立っていることになる。アダマス皇帝がいかに彼に対して信を置いているか、この辺の肩書きからでも読み取ることができる。 ついでに。以前の設定でマウザーが開発に協力していたGTMフドウはディ・ヨーグンが納品先となっていたはずであるが、先月号の会話を見る限りダスニカに変更されたようだ。また、デザインズ4に掲載された情報ではフドウのほかにズダルダがヨーグンの主力GTMとされていたのだが、こちらも後の設定追加でアダマス連合のGTMガーランドであるキルリ・セトメ(ピチカート公国に籍を置くキアリ・セトメの孫娘)が開発したことになっていた。よって、GTMおよびファティマの開発はダスニカ、人造騎士の開発はヨーグンが進めており、彼らが手を組むことで武装集団の運用が可能な状態になったと見るべきだろう。 マウザーが協力していたことを考えるに、これらの資金源の提供はシステム・カリギュラということになるが・・・ボスやんもこの2国に肩入れしているようなセリフがあったはず(15巻p45)。おそらく、戦火をアドラーに広げる目的でバッハトマもそれなりの投資をしたのではないだろうか。それを踏まえた上で先月号のp64を見ると、少しセリフの重みが変わってくるはず。「バッハトマが消滅しているという前提か?」というセリフには、わざわざ他国に投資した上で自国を潰すつもりなのかと問いただす意味が含まれていたのだろう。 それにしても、セントリーとヒトの和平を成し遂げたダッカスの名をもつ遺跡において、戦火をさらに広げようとする密談が行われていたというのが何とも皮肉である。 (2021.09.26) ■ マグダルと大人たち (p64) 舞台が再びカーマントーに戻り、2年間を生き延びたマグダルの様子が描かれる。 大人も顔負けの知見の広さは王宮を住まいとしていた幼少時の経験が大きいのかも知れないが、多くのヒトとつながりを持ち、輪を(和を)広げていく素養はマグダル自身が成長に伴って身に着けたもの。記憶の継承など無くとも、詩女は生まれた時点で詩女足りえる資質をすでに持っているということだろうか。 カジマやノイ議長の会話から、宇宙民の立ち位置と現状が丁寧に説明される。イオタや出雲が動くためには議会の承認や世論が必要であり、それらもまた星団議会や大国の後ろ盾が無ければ腰を上げることがないということ。我々読者の視点では、フィルモア帝国とラーンの関係性(ダイ・グとフンフトの婚姻うんぬん)がその布石になるであろうこと、そこからつながってレーダー9世となるジークが3070年にカーマントー星解放に動くことが既に見えている訳だが・・・それ以前にイマラとイオタの面々がどう動くか、この星の現状を知ったマグダルがどう動くのか、結構怒涛の展開になるような気がしますね。 セクト議会に供されている紅茶は「DAY DAY」「日東」という文字から日東紅茶のデイ&デイティーバッグであることが判る。また、牛乳は大山乳業農業協同組合の白バラ牛乳である。鳥取県東伯郡琴浦町に本拠をもつ農協で、鳥取のほかに岡山、広島、京都、東京に営業所がある模様。おそらく、永野センセーが実家にいる時に飲んでいた牛乳なのだろう。 ついでに。 「明日が今日よりちょっとだけいいなー」という慎ましやかなマグダルの考え方と、些細なことにでも幸せを感じるチャア・ティの考え方には似ているモノがある。チャアもクラーケンベールと知り合いになって「ケンカしない」約束を交わしたりするなど、ちょこちょこと平和につながる立ち回りをしており、なんやかんやでこのふたりは似ている気がする。 というか、おそらくは星団侵攻の後に未来を担うことになる詩女サイドと天照サイドの双方に「平和を願う者たち」がいたことを描くために、チャアというキャラクターが作られたのではないかと邪推する。 (2021.09.26) ■ ノイス・グリオノフが背負う罪 (p70) ノイ議長ことノイの兄貴の正体がGTMガーランドのノイス・グリオノフであることが判明する。 これまでに明かされている設定で、ノイスは聖宮ラーンの研究機関ダリ・キアに所属することになるGTMガーランドであることが判明している。魔導大戦の終結後に「アイル・フェルノア」に配備される新型GTMアトラを開発することになっているので、彼は自身の過ちを認めた上で、やがてGTMガーランドとして復帰し、当初から持っていた夢を叶えることになるのだろう。 ちなみにGTMガーランドの名前は銃器のメーカーや技師が元ネタになっている。彼の場合は第二次世界大戦中の1943年にソ連軍で配備され、後にポーランド軍でも使用されたSG-43重機関銃の設計者Pyotr Maximowicz Goryunov(ピョートル・マキシモビッチ・ゴリューノフ)から。機関銃を大幅に発展させた技師でもあるため、おそらくノイスもGTM開発において新機軸の技術を造り上げることになるのだろう。 カーマントーの上空を飛んでいるセントリーはおそらくセントリー・パルサー。星と宇宙を象徴する存在で、重力や電磁波の操作が可能。星すらも動かすことができるという。出現すると他の星が見えなくなるほど巨大とされる。コミック15巻ではアンスリノの周辺に登場。飛んでいる手前に衛星が描かれている点からも判るとおり、かなりの巨体である。 (2021.09.26) |
|
■ 2021年9月号 |
|
■ ちょこちょこメモ程度に (2021年9月号p64) 9月号はデザインズ形式。大半はこれまで発表されていたデザインのカラーシートと補足説明。最後に新デザインのブリンガーB3とB4およびファティマ1名が掲載されている。 あまり考察するポイントもないのでメモ的に。 センチュリオの解説にある時間軸と自己再生の話をもちっと判り易く整理。 FSSに登場する神や悪魔は、肉体の損壊・損失があったとしても過去や未来の自己データに置き換えることで瞬時に再生ができる。彼らにとって時間の流れは不可逆ではなく、目に見えている肉体はその次元に現れる際に投影しているアバターに過ぎない。三次元の存在が自分の描いた絵(=二次元の存在)を自在に編集したり、新たなモブキャラを追加したりできるように、神や悪魔は三次元世界において自在に自身の投影を書き換え、新たな生命や物体を配置することができるということ。我々が定規の目盛に対して何ら時間の経過を感じないのと同様、彼らにとって時間の流れは「経過する」ものではなくて、全て目の前にある長さのひとつにしか過ぎない訳です。 逆に云うと、彼らにとって再生できない傷とは、過去から未来の全ての時間軸における自己データの損壊・損失ということになる。これがバフォメートの右手にできた傷である。彼らもまた不滅の存在ではないということだろう。 次。カレンとアンカーの関係性は今回の内容ですっきりしたのではないだろうか。雅欄大御神という名は初出だが・・・天照とラキシスが融合して天照大御神となるように、ユーリヒとカレンが融合して雅欄大御神が出現するのかも知れない。 明かされている設定から整理すると、コミック6巻に登場したカレンはかなり先の未来から現れているという点に思いつく。コミック6巻では、肩を並べて出現することができないはずのデモンとバイナスが同時に出現し、(おそらく神となった後の)ユライヒとカレンも仲睦まじく登場していた訳で・・・この数ヶ月で永野センセーが明かしている情報とは状況が異なる。新設定ではあるものの、年代的に埋まっていない中間部分(カレンがタイカに移ってからユライヒと夫婦になるまで)を補足している形なのだろう。まあ、カレンがユライヒと敵対していたというのは思いもよらなかったけど。 コミック16巻のルシファは通常次元から異界に移動した上での襲撃⇒ほかの神が気付くまでに時間が掛かったけど、ある意味で神々も好き勝手ができる状況だったと。 コミック6巻のルシファは通常次元に無理やり出現⇒ほかの神がすぐ気付ける状況ではあったが、通常次元であるが故に神々の干渉も制限される状態にあったと。だから、より上位の力を行使ができる未来の(全能神となった後の)ユライヒとカレンが揃って登場した・・・と考えると辻褄が合うかも知れない。 アンカーのモノノフの説明に若干の変更あり。 コマンダー=ブショー(武将)からジキサン(直参)に変更。直参とは江戸時代における将軍家直属の家臣のこと。将軍に謁見できる御目見(おめみえ)以上の家臣=旗本(はたもと)と、謁見できない家臣=御家人(ごけにん)を指す総称である。 イェーガー=ジョーニン(上忍)からスッパ(素破)に変更。素破とは盗人のこと。また、武家が野武士や野盗を取り立てて間者とした者のこと。 んでもって、ツワモノ(強者)の派生型としてゴウケツ(豪傑)が追加。 コミック16巻の巻末ではジキサンやスッパといった新名称が掲載されていないため、結局どの名称が正式名となるかは分からないが・・・おそらく16巻のコメントより今回の掲載内容の方が新しいはず。 数式生命体の解説はコミック16巻の巻末に詳しいため今回はメモ程度に。 おそらく、その素粒子が宇宙の開闢から現在に至るまで辿ってきた軌跡を指して素粒子運動記録と呼称しているのだろう。あらゆる物質はいずれ分解されて分子・原子となり、原子が崩壊したとしても素粒子は残る。その素粒子が辿ってきた軌跡を読み取り、かつての構成体の情報を引き出すことができれば、その宇宙に存在していたあらゆる物質の再現ができるかも知れない。ヒトの手では成し得ないそのような考えを、遥か未来の超技術力で実現して生み出された生命体が数式生命体ということになるようだ。 もっとも、モナークも数式生命体という解説がコミック16巻にあるので、未来の超技術なのか、太古の超技術なのか、微妙に判らない点もあるが・・・まあ、モナークもまた遥か未来から送られてきたモノと考えることもできるのか。 ヴィクトリー=バフォメートはヴィーキュルではない・・・とのこと。でも劇中で「我らヴィーキュル」というセリフがあるのよね。 ノイス・グリオノフのキャラシートを見ると左腕に詩女のマークあり。つまり、復帰してダリ・キアの所属となった後の姿である。 サンサ・ホルレからローラ・ホルレに名前変更。しっかりマグダルの耳飾りを付けているのが何ともイヤな感じよね。 あとは・・・名称が変更された賽星と火之姫ですよね。辞書ページもアチコチ修正しました。 マイティ・シリーズは3騎で全くシルエットが異なる点が気に入っていたのですが・・・賽星と火之姫は似たようなスレンダー体形である。なので雷丸はマッシブなままでいて欲しい。 火之姫の2号騎はマキシが搭乗した後にアトール聖導王朝に譲渡され、デプレの管理下に置かれることになるが、スタント遊星攻防戦においてはマキシに再び戻されるとのこと。3159年の時点でマキシがデプレおよびマグダルと一緒にいる描写があるので(2021年7月号p59)、実質的に(デプレ配下の)マキシの搭乗騎であったと考えればいいか。 というか、マウザーがミラージュに移籍した後でジャグワ・フレームを開発し、火之姫はジャグワ・フレーム採用していることがデザインズ6で公開されているため、1号騎の時点ではダイアモンド・ニューが採用したフレーム(設定上不明)、2号騎の製作時にジャグワ・フレームに変更したことになるはず。なので、2号騎ってたぶん微妙に違うデザインになると思うんだけど・・・どうなんだろ。 最後のファティマは・・・火之姫と並んでいて漆黒の花十字を身に着けているのだから、マキシのパートナーということになるだろう。つまり、ファティマ・アトラスことS.S.L.である。 (2021.10.14) |
|
■ 2021年10月号 |
|
■ マキシの解説とミラージュGTM (2021年10月号p59) マキシの解説。英訳表記に「Maximum Holtfors Kaien Ballancu XII」と書いてある。マキシマム・ハルトフォラス・カイエン・バランス12世。カイエンの息子にしてバランス家の家督を継ぐ12代目当主ということ。バランシェが11世となるため、ミースは家督を継がずにそのまま息子に譲ることが読み取れる。13世としていた資料はボツ設定に。 新情報としては・・・マキシのパートナーになるファティマとして雫雫(ドロップ・ドロップ)が追加。名称から察するにFネーム・ファティマのひとり。つまり、星団暦7777年以降に作られるファティマである。うーん・・・スタント遊星攻防戦で他界して異世界タイカに渡るマキシに、7777年以降のファティマとの接点があるとも思えないが。はて。 ラキシスとマキシの仲が良いのは、おそらく姉弟という感情もあるからだろう。ラキシスにとっての唯一の弟であり、遥かなる未来においてともに神となる「仲間」である。 あとは火之姫の別名としてヒトエフタエ(一重二重)が追加。 J型の正式名はツァラトウストラ・グローサー・デトネーターで決定したらしい。 ミラージュGTMの開発系統樹に新たにル・マキャオという騎体が追加された模様。 A001がトリバネル(旧設定のオージェ・アルスキュル)⇒プディン・モルフォで、閃1011(閃1014試作シングルエンジン)搭載。 A002がル・マキャオで、閃1012(閃1014試作2番シングルエンジン)搭載とのこと。 つまり、おそらくはA003がデムザンバラで、閃1013(閃1014試作3番シングルエンジン)搭載ということになるのだろう。旧設定と異なり、トリバネル(オージェ)とデムザンバラ(シュペルター)はシングルエンジン騎に設定されているようだ。 マグナパレスの星団認識型式名がPz-Kpfrbt-ケ-Am-D-004Aとなっているので、004に至る前の3騎が揃ったことになる・・・のかな。 レオパルト・フレームの設計母体として作られた試作騎Aa型ミラージュ(旧設定におけるイーエス、イーエル、イーノウに相当)とはおそらく異なるはず。どちらかと云うと、ティティン・フレームの設計母体として作られた試作騎Ab型ミラージュの系列である。 トリバネルはアトロポスが使用した騎体(旧設定のオージェ・アルスキュル)で、過去の設定を引き継いでいるのであれば、回収されたエンジンを元に帝騎メガロコートが造られるはずであるが・・・どうやらプディン・モルフォと呼ばれるGTMになる模様。トリバネルを使用するとの設定があるミキータ・オージェの搭乗騎となるのだろう。つまり、メガロコートの開発経緯はおそらくまるっと見直される感じになるはず。 一覧を見ていて思うのが、「ヨーンはどのGTMに乗り込むか」という点。旧設定のままであればおそらくグリット・ブリンガーということになるが、おそらくそうではない。 ブランシェラック(白の幸運)ことバクスチュアルが駆け付ける場合は、モルフォ・ザ・スルタンになる可能性も無くはない。 しかしここに来て謎の新GTMル・マキャオの追加である。うーん。どれに乗るんだろ。 (2021.10.24) ■ なんだかんだで後輩の面倒をみているジィッド (p60) 自身の欲望のためにハイトを利用しようとするジィッド。相変わらず嫌われるタイプのキャラクターであるが、こういう形で後輩を可愛がる先輩は一定数いる。 周囲から完全に嫌われていれば部下は寄り付かない訳で・・・なんだかんだで後輩の面倒をみている様子が窺える。 今回も、ハイトの境遇を知っている上で騎士再生プロジェクトの話題を振りつつ、それが少しヤバイ話であることをちゃんと仄めかしている。まあ、彼からしてみればアウクソーに渡りをつける手駒がいなくなるのも面倒、という側面があるのだろうが・・・。 アダマスやヨーグンと手を組み、魔導大戦の終結後に向けて準備を進めているペールの動向は、要するに「負け戦の準備を始めた」状況と云える。 この状況を何となく察して「雲行き変わった・・・?」と云えるジィッドもまた、それなりに戦慣れした人物であるということだろう。 (2021.10.24) ■ マドラが使用しているポーチ (p65) マドラが使用しているポーチに犬の顔と「BAFU」の文字。 ワスチャ・コーダンテが学生の頃からクビに掛けて持ち歩いているガマ口のバッグ(ギャルソン・ポーチ)に刺繍されているモノと一緒である。劇中のファッションブランドか、アパレル商品の展開が行われるような人気キャラクターであることが窺える。 ■ 超帝國騎士の完全体 (p69) エフィーが天照から受けていた指示は、@デプレの様子の確認とAボスヤスフォートがマグダルの目覚めに気付いているか否かの確認。つまりはミノグシアの中枢に関して魔導的な接触があるかないかが重要となる訳で、国家騎士団に潜入している一般騎士はさして重要な相手ではない。彼女が探ろうとしていた「変なの」とはおそらくボスやんの手駒として動く魔導師の類であったと思われる。が、手駒どころか予想に反してボスやんの側近たるビューティー・ペールがやって来たと。 一方、ペールの方も「マグダルの弟=デプレが目覚めた件」を洗っていたようだが、そこに別の要素があることを訝しんで出張ってきたようだ。その要素がすなわちマキシであった訳で、この瞬間、両者は互いにドンピシャな相手と出くわした状況と云える。 超帝國に由来をもつ(らしい)ボスやんやペールと、同じく超帝國に由来するシステム・カリギュラが互いに相手のことをどう見ているのか疑問でしたが・・・出会った瞬間に即戦闘に発展するとは。エフィーが先にバッハトマの騎士を殺害したせいもあるけど、とりあえず超帝國に由来をもつモノ同士で何か慮るような間柄ではないようだ。 マキシの姿を一目見たペールは「超帝國騎士の完全体」と評価する。つまり、ジョーカー星団に残された科学技術の残渣からでは造り出すことができない「超帝國時代の騎士」、ヨーグンの人体実験では到達できない「人造騎士の完成体」という意味か。マキシを造り上げたのはカイエンの血筋とバランシェおよびミースの技術ということになるが・・・数多の人体実験でも到達できなかった成果にバランシェとミースが漕ぎつけた点をどうみるか。 とんでもない偉業を成し遂げたという評価もできるが、カイエンがとくに望んでいなかった子を作り、マキシ本人も抑えきれない狂気を宿している点を考えると、とてつもなく業が深い行いをしたという評価もできそう。ミースはそれを「カイエンへの愛」と呼ぶのかも知れないけど・・・ある側面では完全に倫理観が欠落した人体実験である。 (2021.10.24) |
|
■ 2021年11月号 |
|
■ ツァラトウストラ・グローサー・デトネーター (2021年11月号p59) 天照家J型駆逐戦闘兵器の騎体の一部とスペックが公開された。デザインがかなりぶっ飛んでいて好き。 スペック表の単語は辞書ページにまとめたので参考にされたし。 全高52.0m・・・というのが意外と小さい印象。通常のGTMの2倍程度である。砲を含む全高でも148m。初期設定で200mを超えるという設定もあったが、サイズが見直されたようだ。 ちょっと納得いかないのが砲全長が125.5mとなっている点。主砲の型式番号がホ-023型71口径2400mmBT-RBとされているのだが・・・この場合の「口径」は口径長を指しているので、砲身内径2400mm×71口径=砲身長170.4mということになる。計算が合わない。というか、以前の設定でツイン・グローサー・レンジブレーカー・KwK44とされていたので、ドイツ8号戦車マウスに合わせて55口径が来ると思ってました。 あと、調整担当ファティマにフォーカスライト、S.S.L.、ニーブが入っている点。アウクソーではなくフォーカスライトとしている点から察するに、3人ともバランシェが天照とつるむようになった後でバストーニュを訪れ、次のマスターに渡る前に開発に参加した形になるだろうか。つまり、フォーカスライトはアウクソーとして再構築される前、S.S.L.はレーダー6世から分かれて天照の下で休眠する前、ニーブはジェスター・ルースと別れて詩女ジキジディに渡される前、ということになる。・・・となると、ツァラトウストラ・グローサー・デトネーターの開発はいつから始められたのか、という疑問が浮かんでくる。少なくともジキジディ存命していた星団暦2700年代ということになるが・・・旧設定でレッド・ミラージュの開発開始は2882年とされていたんですよね・・・まあ、この辺は気にしなくてもいいか。 (2021.11.04) ■ エフィーの記憶 (p61) エフィーの記憶にマキシの記憶が焼き付いているのは、コミック16巻でマキシとルシファが戦った際の情景である。 彼女はこの時点で死亡しているため、その情景を目に映すことは無かったはずだが・・・記憶の改ざんをしたのがポーターであるため、誰か別の視点の記憶が入り混じっているのかも知れない。 (2021.11.04) ■ 天照がやって来る (p64) 天照がエイリアスを飛ばしてくる。服装が甲種1等正装に近いデザインで、乙種より厳かな服装に見えることから、おそらくは甲種2等もしくは3等正装だろう。 マドラのセリフで次元回廊の解説が入るが、詩女フンフトが有していたとされる能力がおそらく本来の次元回廊。天照とラキシスのもつ能力はおそらく別モノで、彼らは実際に次元に穴を開けて異界に引きずり込んだり、異界の者を呼び寄せたりしている。そのような神技は一般人に理解できる枠に収まらないため、次元回廊という名称で無理やり一括りにしているものと思われる。 マニウさんの変化が深海魚のホウライエソもしくはドラゴンフィッシュの如き顔で怖すぎる。これたぶん、マキシは実際に食われており、天照が神の力で元に戻しただけ。 (2021.11.04) ■ ビューティー・ペールの正体 (p70) 今回死亡したビューティー・ペールは予備体のひとつとのこと。 アドラーに別の予備体があることが判るので、ダジャー・ビームスやライ・ド・ピアと会談していた身体がおそらく5号ボディである。彼女は自分の意識を転写できる予備体を有しており、平時はこの予備体を通して人前に現れているようだ。劇中のセリフを読む限り、予備体の意識は常に母体と同期している訳ではなく、定期的なデータ転送が無ければ見聞きした情報を共有することはできない模様。つまり、予備体が稼働している間の母体には意識がなく、データ転送が無い状態で予備体が停止すると、起動した時点の意識に逆戻りするということだろう。母体をPC、予備体をUSBメモリとして捉えると判り易い。出先でUSBメモリのデータを更新したとしても、母体に移す前に壊れればデータの更新は反映できない訳だ。 それにしても・・・こういった非常事態が起きた場合、普通は予備体の記憶をまず最初に母体に戻そうとするはずである。にも拘わらず、ペールは同じ予備体である5号ボディを使おうとしたと。つまり、母体は「アドラーよりも離れた場所にある」もしくは「データ転送できない=接続できない場所にある」ということ。後者の場合、心霊的にあるいは精神的にアクセスできない隔離された場所、ということになるだろうか。ふうむ。 エフィーのセリフに拠ると、その正体は皇帝家アセルムラトワの者を実験体として開発された実験アンドロイドとのこと。超帝國騎士ではなく、それを超える超帝國総帝の再現を目的として造られた存在らしい。おそらく、それを進めたのは超帝國科学省ということになるだろう。つまり、ボスやんとペールは、星団から去った炎の女皇帝からも、スタント遊星に渡ったシステム・カリギュラからも見捨てられた「残渣」から生み出された者たちということになる。システム・カリギュラのメンバーから見れば、ある意味で格下に置かれていた者たちの中から、このような存在が生まれてきた訳で・・・互いに危険視する間柄であることが判る。 もっとも、天照はボスやんが単なる超帝國の亡霊ではないことを見抜いている訳で、彼の出自にはまた別の謎があるようだ。 ズームが勝手にいなくなっていることが判ったことで今月号は終了。 (2021.11.04) |
|
■ 2021年12月号 |
|
■ ハイファ・ブリンガーN (2021年12月号p55) ハイファ・ブリンガーの全身デザイン公開。名称の最後に「N」が追加されており、派生型が存在することが窺える。 うーん・・・左手のガット・ブロウの反りの方向がおそらく間違っている。握把との位置関係を見るに上下逆。コミック14巻と見比べてもやっぱり間違っている。 あとは解説部分を見てちょこちょこメモ程度に。 2代目トリバネルの名称はアゲハとのこと。アトロポスが使用したトリバネルの改装騎体はプディン・モルフォと呼ばれる騎体になることが判明しているため、おそらくアゲハは派生する新型騎となるはず。フルネームはモルフォ・アゲハとなるのではないだろうか。レンダウドが搭乗する予定のトリバネルとは、おそらくこの2代目トリバネルを指しているのだろう。 という訳で、旧設定にあったオージェ・アルスキュル⇒パトラクシェ・ミラージュという開発系譜がおそらく無くなり、メガロコートはおそらく完全新規の騎体になることが予想される。少なくとも、トリバネルはシングル・エンジン、メガロコートはツイン・エンジンとなることから、この2騎が改装騎体という形にはならないだろう。 天照家GTMに引き継がれる脚部の構造は、おそらくオージェ・アルスキュルにあった「ランダムスレート」の名残・・・ということになるだろうか。 ある意味でエルガイムの時代のデザインラインに回帰しているかもですね。 ル・マキャオはデムザンバラの別名らしい。おそらく開発名ということになるだろうか。 うーん・・・以前の設定で、デムザンバラという名称も正式ではなく、本当の名称はアウクソーのみが知る、という設定もあったが・・・おそらくル・マキャオという名前もまた正式名ではない。これは単純に「アウクソーだけが記憶しているMHの名称」すなわち「シュペルター」ということになるのではないだろうか。 ル・マキャオ=デムザンバラであることが明かされたため、10月号で予想した閃1013エンジンは存在しないことになる・・・のかな。 (2021.11.29) 追記。 2022年1月号では、グリット・ブリンガーに雌型であることを示す「F」が併記されているため、雄型でも雌型でもないハイファ・ブリンガーにはノーマル・タイプとして「N」が併記されているのかも知れない。 ■ ATP値=生体エネルギー (p56) おそらく生体中あるいは血液中のATP濃度をATP値と呼称しているのであろう。生体の多くはATP(アデノシン三リン酸)の合成によりエネルギーを貯槽し、分解により行動に必要なエネルギーを得ている。それ故に、ATPは生体エネルギーあるいは生体のエネルギー通貨とも形容される。ヒトに関しても同様で、筋収縮や生合成、各細胞の能動輸送はATPを介して行われる。体内からATPが枯渇することはすなわち衰弱・死亡につながるため、何らかの補填が必要ということになり、通常は食事と呼吸によってこれが賄われる。 ・・・のだが、今回のマキシの治療に当たっては「砂糖水に漬ける」という斬新な方法が採られた。要するに、細胞に無理やりエネルギーを注入する方法であり、医療ポッドが実用化されているジョーカー星団ならでは裏技のようなものだろう。 (2021.11.29) ■ 新デザインのドウラーがやって来る (p57) Z.A.P.の運用を考慮して改装された新デザインのドウラーがやってくる。 コミック7巻でルンがキャプテンを務めた艦船が同型艦のミル・ギグである。両者を比べると、ブリッジの位置を含め完全に別物になっていることが判る。 (2021.11.29) ■ ブリンガーB4とアトラスが登場 (p58) マキシの専用騎となるGTMブリンガーB4とファティマ・アトラスがやって来る。 ミースはひとめでアトラスが偽名であること=その正体がS.S.L.であることを見抜いたようだ。 アウクソーとアトラスの会話から、もうひとりの妹ニーヴが「クラヴィア」の偽名をもっていること、その彼女が浮遊城で眠っていることが判る。 あー・・・アウクソーが7月号で云っていた「私にも妹がいます」ってニーヴ、S.S.L.、インタシティのことだったのね。なるほど。偽名に置き換えると・・・クラヴィア、アトラス、ハルペルがその「妹たち」ということになるのか。 ちなみに、星団初の4ファティマの名前は音響機器メーカーが元ネタになっているのだが、アトラスとクラヴィアにもやはり元ネタと思われるメーカーが存在する。 アトラスはアメリカのカリフォルニア州に本拠地を構えるAtlas Sound(アトラス・サウンド)がおそらく元ネタ。マイクおよびスピーカーを取り扱う1934年創業の老舗メーカーとして知られる。 クラヴィアはスウェーデンのストックホルムに本拠地を構えるClavia Digital Musical Instruments AB(クラヴィア・デジタル楽器社)がおそらく元ネタ。アナログシンセサイザーとデジタルパーカッションを取り扱う1983年創業のメーカーである。 ハルペルの元ネタは判らず。 マキシがアウクソーの匂いに拘る理由は「同じ“巣”のもの」という認識をもつためであることが判明。ミース曰く超帝國の昆虫型支配の名残とのこと。 つまり、泰皇帝=炎の女皇帝を女王蟻、総帝を雄蟻、超帝國剣聖を兵隊蟻とする関係性であり、同じ氏族(トライブ)か否かという認識が影響していると。星団初の4ファティマはナッカンドラ・スバースに近い体質・特性を有していることが想像できるので、アウクソー=フォーカスライトに対して安心感を得られるのであれば、その姉妹であるアトラス=S.S.L.に対して同じ感覚を持てるという訳ですね。マドラもマキシに対して「直系」の匂いを感じたようなので、超帝國剣聖に特有の波長のようなものがあるのかも知れない。 となると、マキシの暴走の原因はおそらく「女王蟻の不在」ということになるのではないだろうか。つまり、炎の女皇帝の直接的な干渉があれば安定するのかも知れない。 うーん・・・フンフトが炎の女皇帝の姿を「降ろす」ようなイベントでも発生するのだろうか。 (2021.11.29) ■ アルルの覚醒 (p63) ホーダウンを訪問中のアルルが「名前のない女の子」と出会い、自身の幼名をとって名付けを行う。 詩女ナカカラの予想に拠ると、アルルはマグダルと対を成すもうひとりの詩女となる模様。うひー・・・んなの誰にも予想できない展開ですわ。 アルルの実母はバランカ家の王女シリセであるが、その出生に当たりフンフトが胎を貸している。その影響もあって詩女の力を継いでしまったのかも知れない。 リズ・コールの命名について。 まず、「番号とかで呼ばれていた名前のない子」の対応を「むつ子」こと「ボー・ゼクス(BO-6)」が口にしている点がなかなか面白い。 カリギュラのメンバーであるゼクス、ドライ、ツバンツヒはいずれも「番号」で呼ばれてきた存在である。その彼女が名前のない子を慮っていると。 案外、「みつ子」とか「むつ子」という名前は、彼女らにとっては嬉しいものなのかも知れない。 アルルが名付けたコールユーブンゲン(Chorubungen)はドイツ語で「合唱練習書」の意。コーラスの血筋に付けられる音楽用語の名前がリズに受け継がれたことになる。 そしてリズ・コールの息子がいずれ4代目黒騎士のバンドライン・ゴールになると。「ゴール」という姓はもともと「コール」であったと考えればいいのか。 このシーンで注目すべきは、バントラインの衣装にコーラスの紋章がある点。 エストが4代目黒騎士を得るのは、レーダー9世と別れてから聖宮ラーンに預けられた後の話となる。また、天照のボォス侵攻が始まる際は既にマスターを得ているため、時代的には3159年以降〜3199年以前のタイミングということになる。今回のアルルのセリフで「遠く離れた風の国」「黒き死の女神を連れてやってくる」と口にしていることから、アルルが詩女としてバントラインと会う場所はおそらくコーラス王朝ということになる。5代目黒騎士グラード・シドミアンがコーラス軍に加わる以前に、4代目黒騎士が詩女アルルの導きで既にコーラスに招かれていたということですね。 次。詩女ナカカラは、ホーダウンがやがて「希望と旅立ちの地」となることを知り得ていても、その理由を知り得ていない模様。 これに対し、アルル(の詩女としての記憶)は既にリズが「ホーダウンと草原の国」の柱になり、北の皇帝の想いを継ぐことを知り得ているらしい。 つまり、同じ詩女でありながら、既に別の知見と預言を得ていることが読み取れる。ナカカラが口にしている「あの方」はおそらくベリンを指しているので・・・ベリンが歴代の詩女に引き継ぐ記憶とは別に何らかの情報を誰かに渡していることになる。これまでに明かされている設定と描写から、ベリンはおそらく未来に現出していたであろうことは読み取れるので、あるいはこの先の未来においてアルルと出会うのかも知れない。 もういっこ。むつ子(ボー・ゼクス)がナカカラ・クルル王国のホーダウンで学生ボランティアをしていたのは、天照の指示を受けて潜入していたため。彼女の目的はホーダウンに干渉してくるであろうフィルモア元老院の動きの察知である。が、今回のエピソードで「アルルが詩女の力を継いだこと」に気付いた訳で、当然その情報は天照に伝わることになる。ふたりの詩女が同時に存在する時代が来ることに対し、天照がどう対応するのかが結構重要な気もしますね。 とくに3159年。マグダルとレーダー9世の間で取り交わされる超法規協定については天照が立会人となるが・・・このとき、おそらくコーラス王朝に籍を置いているであろう詩女アルルはどのような立ち位置となるか・・・全く無関係とは思えないなぁ。 (2021.11.29) |
|
■ 2022年1月号 |
|
■ グリット・ブリンガーF (2022年1月号p59) グリット・ブリンガーの全身デザイン公開。名称の最後に「F」が追加されており、雌型であることが明記されている。 Z.A.P.は劇中でもなかなか登場できない特殊仕様騎として設定されているため、ミラージュ騎士が持ち出す汎用主力騎として再設定された模様。 また、これまで名前の挙がっていたC型ミラージュのキャラメート・ブリンガーは一部の機能をオミットした雄型として設定された。ゴーズ騎士団およびA.K.D.各国家騎士団に配備されるようだ。 パーソナルカラーとなるアイシャ騎の草色、ディッパ騎のライトブラウンは、旧デザインのクロス・ミラージュの騎体色を引き継いでいると考えていいだろう。 (2022.01.09) ■ イオタによる海賊討伐 (p60) 前回のエピソードから5年が経過。イオタ宇宙騎士団によるオーダ宇宙海賊の討伐が描かれる。 2騎編成を指す「ローテ」は航空機の基本戦術となるロッテ戦術(Rotte)が元ネタ。ドッグファイトで常に優位に立つため、戦闘機2機が相互補完・支援することで敵機を撃破していく戦術である。メヨーヨ騎士団がコミック11巻で2列突撃を「ROTE」と呼んでいたのと語源は一緒。フィルモア帝国も2騎編成を基本とするロッテ編成である。AP騎士団は3騎編成を基本とするケッテ編成を採用しており、いずれの場合もリーダー騎とその僚騎という組み合わせが最小単位となる。ロッテ編成2個による4騎編成はシュバルム(Schwarm)と呼ばれる。 ちなみに、米空軍では2機編成を「エレメント」、4機編成を「フライト」と呼ぶ。自衛隊も同様であるが、2機編成を「分隊」、4機編成を「小隊」と呼ぶ場合もある。また、英空軍では4機編成を「フォーフィンガー」と呼ぶ模様。いずれにしても、2機編成2個での運用が航空戦術の基本であり、FSSの世界でもGTMの運用でそのような編成が基本となるようだ。 宇宙戦用GTMは背面にハーモイド推進器を備えるが、噴射されるエネルギーは電磁波となって後方に流れるため、通常は肉眼で目視することができないはず。劇中では高速移動であることを伝達するための漫画的表現として噴気や光を後方に伸ばして描いているのだろう(映画GTMではアニメーションで表現できるため、マーク2の後方に噴気が出ているシーン等は無かったはず)。 ジャコーのセリフから、イオタ宇宙騎士団は宇宙保安議会から逮捕状を取り付けた上でオーダ宇宙海賊のほかブローカーの討伐・捕縛を進めたことが判る。つまり、イオタ宇宙騎士団は議会から公的な捜査機関として認められているということ。ただし、逮捕状の発行の裏にA.K.D.の圧力があったらしく、議会を動かすのはあくまでも政治ということが判る。腕っぷしが強いだけでは自分の正義を貫けないことに気付き始めるジャコーが描かれる。 (2022.01.09) ■ シェラスタの登場 (p63) シェラスタはプリズム・コークスが製作したファティマ。ミラージュ騎士ポエシェ・ノーミンのパートナーである。星団暦2997年、バッハトマの動向を探るマスターと共にカステポーのヴァキシティを訪問。ボスヤスフォートの襲撃によりマスターを失っている。設定上、コークス博士の預かりとなっていたはずであるが、何らかの経緯によりオーダ宇宙海賊の頭目グスコ・グルゥのパートナーを務めていたようだ。 シェラスタのスーツの首元にあるギザギザ模様はミラージュ騎士団の意匠である。この辺からも、彼女はコークス博士の手を経由せず、マスターを失った後に不当な取引によって海賊の手に渡ったと考えるべきだろう。イオタの面々の会話からもそのような雰囲気が窺える。 イマラ、タイトネイブ、斑鳩の3名がマーク2で登場。設定上、ツバンツヒ、マウザー、エフィー、ボーがミラージュに移籍したことでミラージュ騎士団は計4騎を運用しているらしい。残る1騎は浮遊城で留守番中。もしかしたら、コミック16巻p18で登場した状態のまま未だに放置されているかも知れない。あるいはログナーが参戦する際に持ち込むか(デコースとヨーンのエピソードに絡んで登場するらしい)。 (2022.01.09) ■ ガーメントスーツ (p67) ミラージュ・ファティマとミラージュ騎士の面々がZ.A.P.用のガーメントスーツで登場。マーク2の実戦テストに合わせて天照が貸し出しを認めたようだ。まあ、メタ的な意味でそろそろZ.A.P.関連の情報をセンセーが公開しておきたいという意図もあるのだろう。ファティマのスーツはデザインズ1に掲載されていたデザインと大きく変わっていない。騎士服は今回が初出である。 騎士服はパンツとプリーツの部分にパーソナルカラーがあしらわれる模様。でも、イマラのカラーって確かライトイエローなんだよね。イオタの騎士服からタイツの色をそのまま持ってきてしまったのかな。 斑鳩のパーソナルカラーはホワイト(歴代筆頭王子に引き継がれるカラー)で、男性騎士はカフスバンドの色に宛がわれるはずだが・・・Z.A.P.スーツにカフスをつける訳にもいかないはずで、こちらもパンツのカラーに充てるのが正解ではないだろうか。 (2022.01.09) ■ ねーちゃんキック (p70) 「ねーちゃんキック」はイマラ・ロウト・ジャジャスのレクチャーによって、アルル・フォルティシモが完成させた女性限定の対剣聖技。技の源流はイマラの「母ちゃんキック」である。スカートを捲り上げることで相手の隙を作り、そのまま金的を蹴り上げるという究極の足技。この技の重要なポイントは、相手にスカートの中身をちゃんと見せるということ。アルルのパンツ見たさにカイエンが複数回食らったという逸話がある。ハスハの王宮騎士ヘアード・グローバーにも伝授されたようだ。もっとも、オーダ宇宙海賊のグスコ・グルゥが「アティアの鬼姫」の名前を聞いただけでこの技を連想したので、イマラが結婚する以前は「母ちゃんキック」ではなく、やはり「ねーちゃんキック」と呼ばれていたのだろう。 また、グスコのセリフで「お姫様キック・・・さらに・・・」とあるので、ほかにも色々と別バージョンが存在する模様。 イマラはオーダ宇宙海賊が星団暦3031年に難民収容ステーションを襲撃したことを知り得ており、その際の映像データからマグダルの追跡を進めるようだ。マグダルが生存していることは天照も既に知っているはずだが、今回の描写を見る限りアンビラン鉱山に囚われていることを把握していないのだろう。あるいは、予想が付いていたとしてもなんの証拠もなく踏み入ることはできないため、確固たる証拠となる情報を集めているのかも知れない。 三条がアデムの正体を知っているのは、高校生時代の同期であったドヌーブと情報をやり取りしているため。これは劇中では描かれておらず、9月号の解説で説明されている。 (2022.01.09) ■ 斑鳩の宇宙戦デビューと計器操縦 (p71) 互いに成長して程よい間柄となっているタイトネイブと斑鳩。 斑鳩のセリフによると、この時点で既にZ.A.P.を持ち出した宇宙戦闘訓練が行われていた模様。まあ、地上で訓練すれば衛星軌道上からでも確認できてしまう訳で、超機密GTMであるZ.A.P.の訓練となると宇宙でしか実施できないのかも知れない。 斑鳩が口にしている「計器操縦」とは、おそらく有視界情報が限定される条件下で計器(スキャナ)の計測・観測値だけを頼りに騎体を操縦することを指しているのだろう。宇宙戦闘では地上戦闘における敵騎との相対距離が大きく異なり、有視界情報では暗闇中の光点のひとつとしか認識できない(今月号p60のカラーのコマ参照)。敵GTMや周囲の状況はモニターに映し出されるマーカーや文字情報に頼らざるを得ない状況となるため、いくら騎士の反応速度を持っていたとしても緊張感は拭えないということだろう。敵・味方の双方が地上よりも高速で移動するのだから、簡単に慣れるものではあるまい。 (2022.01.09) |
|
■ 2022年2月号 |
|
■ 斑鳩と天照家における皇位継承について (2022年2月号p67) 女系王家である天照家の皇位継承に関する解説。 2代目天照の命(ミコト)である「インタシティのミコト」とその妹「ニーブ・エックス・アトワイト」の設定は今回が初出。 アトワイト家も女系王家で且つ完全直系という設定が追加されたことで、亜奈美・ヘンシェル・クルップ(亜奈美・ヘンシェル・アトワイト)の血筋を「外部から引き入れる」というパターンは発生しないことになるが、この点の矛盾点は翌月3月号の解説で補完される。以前の設定では、亜奈美・ヘンシェル・アトワイトがエイダス大陸の東方諸国と公爵位を与えられたことで成立した王家という設定であったが、天照家による王朝が誕生する以前に亜奈美がエックス共和国を治めていたようだ。この点は後で別途まとめる。 天照家は女系王家であり、旧設定を含めてまとめると男性の皇帝は現皇帝を含め4人しか輩出されていない。今回の解説で、アトワイト・エックス家から女帝が誕生していた事例があることが判るので、男性が皇帝となった場合はアトワイト・エックス家の血縁から次の皇帝が選ばれたということだろう。 解説の中で「エラニュース王朝」という単語があるが、エラニュースはダイ・グが即位した際に付けられた皇帝名であって、現時点では家名ではない。よって、正しくはダイ・グ王朝となるはず。ダイ・グの血筋が残ればエラニュース・ダイ・グ家という家名が興るかも知れないが。 いずれにしても、フィルモア帝国は直系の血筋に拠らず、数ある王家の中から次代の皇帝が選出される体制を取っているため、皇位の継承が起きる度に王朝交代が起きることになる。時代を置いて以前の王家から皇帝が選出されることもあるため、王朝制による時代区分はあまり意味がないだろう。 そのほか、イギリスが形成されるまでの4国と歴代王朝、当時の君主の話は整理するのが面倒なため、別途単語辞書にまとめます。 (2022.02.23) ■ ドーマ・ウモス連合について (p71) 天照のセリフで「ドーマ・ウモス連合」という呼び名が登場する。 その名のとおり、ドーマ連合とウモス社会主義共和国連邦による連合体制である。戦場で意図的に難民を生み出し、人身売買組織を介してドーマに労働力を提供する見返りに、ウモスはヘリオス鋼を安価で仕入れるルートを確保できる利点がある。つまり、双方にとって経済的に潤うことを目的とした連合体制である。もちろん、そのような連合体制は国際的に批判を受けることになるため、対外的にはおそらく海賊から資源を守るための軍事提携ということになっているのだろう。 一方、今回のセリフでドーマ・ウモス連合が他星・他国のヘリオス鋼を買い占めていることも判る。ヘリオス鋼を安価で仕入れることで浮いたお金を、市場の買い占めに充てることで、今後の価格統制を牛耳り、さらに利益を上げようとしている訳である。 また、ドーマ連合が裏でやっていることは海賊相手の人身売買であり、公になれば国際的に非難を受け、契約も全て無効化されることになるが・・・彼らはおそらく「明らかに無効と断じられる手前の契約」を取り交わすことで、星団議会や司法機関の介入を牽制しているのだろう。天照がイマラに対して人身売買組織を叩くように指示した一方、ドーマ・ウモス連合に対して静観しているのも、この辺の事情があるためである。 ドーマとウモスに直接的に手を出すことができないため、人身売買組織を潰す。その過程で宇宙保安議会を動かして逮捕状を取り付けることで、議会に参加している各国家が警告しているように受け取れる体裁を整えろと。天照にとっては人身売買組織も「悪」という訳ではなく、国家安泰を図る中で生殺を判断して利用する「コマのひとつ」ということ。 ただこの連合状態・・・ウモスはいつでも尻尾切りができる状態な訳で、カーマントー星がこの後で解放されたとしても、ウモスのダメージはほとんどないものと思われる。 (2022.02.23) ■ ログナーが口にしている「あやつ」 (p75) ログナーの弁に拠ると、ファティマ・イエッタにはほかのファティマにはない「展開式」が組み込まれているらしい。周囲を嗅ぎまわっている連中は、この展開式を狙っているようだ。 フェイツ公国にいた「あやつ」が誰のことを指しているかは判らないが・・・フェイツ公国に関連するのって同国の騎士団長を務めたナッカンドラ・スバースしか思いつかない。 ナッカンドラの活動時期を考えると・・・星団初の4ファティマの誕生が2310年。他界したのが2490年である。 一方、アルセニックの活動時期は判然としないが、彼女の生み出した光のタイ・フォンは星団暦2600年代初頭にハリコンと共に神騎スルーエクセルナSR1を駆ってロンド大陸を制覇している。 ナッカンドラの他界からタイ・フォン誕生までの間が100年ちょっとであることを考えると、このふたりに面識があったとしても不思議ではないか。 また、イエッタの完成は2790年であるため、彼女に謎の「展開式」が組み込まれていたとしても、アルセニックやナッカンドラが直接的に絡む要素はないように思える。が、アルセニックはその生涯において生体演算理論の展開型に重点を置いて研究を続けたという設定がある。ファティマが完成した当初から(=リチウム・バランスの時代から)その展開型に関して何らかの基礎研究があったのであれば、ナッカンドラが晩年に至るまでそれを守護していた、という推論も成り立つだろうか。うーむ。 (2022.02.23) ラキシスの髪に残留思念を遺していたゴリリダルリハが登場したところで今月号は終了。 ライブ、ブリッツ、カラットは転生中。パルサーはカーマントー付近にいるため、マグマが比較的近いということになるんか・・・そんなに近くないだろ。 |
|
■ 2022年3月号 |
|
■ 天照家の開祖について (2022年3月号p59) 収光帝の誕生に関する詳細説明。解説されているとおりなので考察するポイントはないが、幾つか間違いと思われる箇所がある。 フォーカスライトのミコト(即位以前はアゲハ・フォーカスライト)の肩書きに「東方3国初代議長」とあるが、センセーの解説を読む限り、初代議長は彼女の母親(グリース自治区の自治官)である。 アゲハ・フォーカスライトは5ヶ国連合の初代議長。そこから外圧に耐えるために、議会名「アマテラス」を戴いた皇帝が誕生したと。 また、解説の中で皇帝となる際に統治者「エイダス」の名字を得たことが書いてあるが、天照家当主のもつ「エイダス」の名は「世数80代」であることを示すので、おそらく支配地「グリース」もしくは「グリエス」の間違い。アゲハ・フォーカスライトの即位後の名前は天照・メル・グリース・アインスである。 また、アゲハの英訳表記は「AUGEHA」となっており、「AUGE」を含む名前であることが判る。 次。収光帝の配偶者がエックス共和国の(おそらくは国主であるところの)GTMガーランドであったアルスキュル・ネイパー・アトワイトであったことが判明。この人物が亜奈美・ヘンシェル・アトワイトの息子とのこと。おそらく、息子が婿入りする以前の名前が亜奈美・ヘンシェル・クルップ。アルスキュルが結婚した際にアトワイト姓が付けられ、同時に母親の亜奈美・ヘンシェル・クルップに公爵位が与えられて、亜奈美・ヘンシェル・アトワイトに改名したのだろう。 設定上は娘のニーブ・エックス・アトワイトがアトワイト家始祖とされていることから、エックス共和国とグリース王国が合併してアトワイト公国が興されたのは、次女ニーブが生まれた後のタイミングになるはず。公爵位をもつ者が必ずしも公国の当主となる訳ではないため、結婚当初はアルスキュルがおそらく王配として「プリンス・オブ・アマテラス」のような称号をもっており、その母親である亜奈美がアトワイト公爵という扱いであったと考えられる。次女ニーブが成人した後にアトワイト公国の国王として迎えられ、アトワイト公家始祖/アトワイト公国国主となり「太閤」の称号を得たとすれば辻褄が合うはず。 グリーン・ネイパーがアトワイト家を出自とする人物に変更。以前の設定では、天照家をも裁く権利をもつ家系で、同家との血縁関係はないという位置づけであった。 先月号の継承権の説明をちゃんと読んでいないと混乱してしまうが、天照家の直系や傍系でも男子に継承権は発生する。発生しないのはその子供である。継承権をもつということは、斑鳩やネイパーの母親は天照家の血縁者であるということ。よって、現皇帝が崩御した場合に彼らが皇帝となる可能性は存在する。しかし、その配偶者が天照家の王女でない場合は、例え娘であっても継承権は発生しない。男性皇帝が生まれたとしても男系皇帝が出ないということ。これは日本の天皇家も一緒。過去に女性天皇がいた事例はあってもその子から女系天皇が輩出されていないのと同様である。 あとは・・・今回はじめて明かされた「ナッカンドラとフォーカスライト帝の間に生まれた可能性のある子供」=「ソリッドの名をもつ人物」ですよね。 永野センセーの解説を読む限り、確実に生まれていることになる訳で。まあ、サローン・バスコを妻とした際に血を薄めて子を生したという設定があるため、フォーカスライト帝との間に生まれた子は通常の出産で生まれたとは考えにくいか。その子孫が今後のエピソードに登場するか否かは不明であるが・・・まさかボスやんの先祖みたいなオチはちょっとご勘弁。 (2022.03.12) ■ ゴリリダルリハの目的 (p60) ゴリリダルリハの目的は、「閉じられた我ら」=「高次元の世界に渡ることを望みながらも進化の袋小路に追いやられたヴィーキュル」をより高位な存在へと導くこと。 現在のラキシスがまだその力を自由に発揮できる訳ではないことを知りつつも、いつの日かその目的が達成されることを予見したようだ。 ヴィーキュルの支配者たる女帝がラキシスの守護者となるのであれば、その配下たるジェネラルが現世に向けて侵攻する動きは停止するものと思われるが・・・これまでに明かされている設定によると、星団暦3225年には魔王ラドナリスリビオンとミラージュ騎士団および超帝國剣聖騎士団が戦うスタント遊星攻防戦が勃発することになる。つまり、ゴリリダルリハは必ずしもヴィーキュル全軍の指導者ではないということか。 あるいは、ラドナリスリビオンが個人的に何等かの怨念を抱えている可能性もあるだろうか。この後のゴリリダルリハのセリフで、スタント遊星がモイキュードの宇宙船であったこと、また、モイキュードがヴィーキュルに協力しようとしていたことが明かされるわけだが・・・例えばその接触の当事者がラドナリスリビオンであり、モナークがスタント遊星を制御下に置いた際にそのまま捕縛している可能性はないだろうか。であれば、人類に対して沸々と怨念を貯めている状況も想像できる。 ログナーが口にしている「三位一体のあのスゴイの」とは、おそらくマニウのことを指していると思われる。 50億年ぐらい前の超集積恒星の意思体であるとのこと。うん。わからん。 (2022.03.12) ■ ログナーの正体がほぼ明かされる (p61) ゴリリダルリハの口からログナーの正体があっさり明かされる。曰く、姿を変えて現世に出現したモナーク(機械神)であるとのこと。ログナーの影がインシグニア・フラッグ・マークになっている点に注意。 モナークは、デザインズ4の解説で「創造神でジョーカーのコントローラー」とされていた謎のキャラクターである。 ゴリリダルリハのセリフを読み解くと・・・ジョーカー星団の創世以前、超太古の時代にヒトが造り上げた巨大兵器がモナークであると。機械神とも呼ばれるその本体は今もなお集積恒星(ブラックホール)の中に存在しており、20億年以上前に4つの太陽系を集めてジョーカー太陽星団を作り、異界のエネルギーを求めるヴィーキュルに協力しようとしたモイキュードの巨大船=スタント遊星をも制御下に置いたようだ。さらには、自らを統制システムに変じて計算式となり、4つの星を数式崩壊させることで世界創世式(4つの力)をも得たという。劇中に登場しているログナーはこの機械神が転じた現身であり、4度の時代を見て来た管理人であるとのこと。 つまり・・・1つ目の時代=モナーク紀においてジョーカー太陽星団(スタント遊星含む)を生み出したのは、超太古の時代に造られたモナーク(機械神)であると。 2つ目の時代=伝承紀において活動したのはアイエッタ姫であるが、彼女が「モナークの素子姫」と呼ばれている点から察して「モナーク自身が生み出した端末」であったと考えれば説明が付くだろうか。 モナークがヴィーキュルを駆逐する肉体を得るために母となるアイエッタ姫を造り、その胎を依代として生まれたのがムグミカの云うところの「太古の人類」にして「真の遺伝子をもつ者」=カラミティ・ゴーダース星団皇帝=モナークが得た生身の肉体「ヒト」であったと考えればいいか。 次に、統制システムとなって4つの星を数式崩壊させたという部分。ラキシスがコミック16巻で云ってたアズデビュート数式生命帝による式崩壊と同義であれば、3つ目の時代=アズデビュート紀においてモナークはアズデビュート帝だったことになるだろうか。ただし、コミック16巻では式崩壊によってモナーク・セイクレッドの世界創世式の解を得たことになっているので、モナーク自身がアズデビュート帝に変じた上で自己分析をしていることになってしまう。ちょっと微妙。 そして4つ目の時代=統合紀=AD世紀において、ログナーは超帝國騎士団の剣客として活動していたことが判明している。 まとめると、統合紀以前の歴史はすべて「モナークによって紡がれてきた歴史」ということになるだろうか。 次。4つの星を式崩壊させることで得た「4つの力」を内蔵した制御装置が素子姫であるらしい。別名がパーティクル・プリンセス(particle princess)であることから、本来は「素粒子姫」の意味をもつ名であることが判る。4つの力とは、物理学において素粒子の間に相互に働く力のこと。この力をもつということは、おそらくジョーカー世界のあらゆる物理現象を制御・支配できることと同義であるが・・・モナークが何故にこのような装置を作り出したのかは不明。素子姫の名前で呼ばれているのはアイエッタ姫であるが、ゴリリダルリハ曰くその素子姫は星団紀の現在においてログナーの傍に置かれているらしい。つまりおそらくはファティマ・イエッタということになる。 うーん・・・時系列を考えると、伝承紀の素子姫=アイエッタ姫は4つの力を持っておらず、その後に生み出された素子姫=イエッタに4つの力が搭載されたことになるはず。 先月号で話題に出ていた「展開式」はアルセニック・バランスが研究していた生体演算理論の展開型に関連するものと思われるが・・・4つの力と何らかのつながりがあるのだろうか。 Fネーム・ファティマの最初のひとりが聖聖(ホーリー・ホーリー)で、イエッタの形質を引き継ぐファティマである点がなんとも気になりますね。アルセニックとログナーがナンヤカンヤ投入した結果、イエッタを起点としてFネーム・ファティマが誕生することになるのかなと。 まあ、総じてみると「やっぱりよー判らん」というのが率直な感想。そして天照もこの件に関しては全く無関心の模様。あるいは既にいろいろ知っているのかも知れない。 5月号に掲載された情報を含めて追記。モンソロン紀とアズデビュート紀が明確に分けられた。よって、4つの時代とはモナーク紀、伝承紀、モンソロン紀、アズデビュート紀ということになる。 ログナーは機械神(モナーク)が現世に関わるために生み出した現身らしい。超古代におけるジョーカー星団の星王がバビロン・ハイペロン総帝で、その保存個体の最後の1体がログナーのオリジナル体とされている。 つまり、ハイペロン総帝の時代に造られた太古の巨大兵器がモナーク。そのモナークが現身を造る際にハイペロンの保存個体を使用。その最後の1体が2020年(天照の誕生年)に死亡し、ドウター・チップによって復活させられたと。 AD世紀以前の時代においては、モナークがモナーク紀(=バビロン・ハイペロン総帝の時代)、伝承紀(カラミティ・ゴーダース紀=カラミティ・ゴーダース星団皇帝の時代≒フーバーク大帝の時代?)、モンソロン紀(=モンソロン帝の時代)、アズデビュート紀(=アズデビュート大帝の時代)と4つの時代において、人類を監視し、サタンの侵攻を食い止めていたようだ。 ただ一方で、アズデビュート数式生命帝とゴリリダルリハが語る「統制システムとなって4つの星を数式崩壊させた」存在がたぶんイコールとなるので、モンソロン帝以外はログナー=モナークが実質的にヒトを支配していた時代ということになるのか。 (追記 2023.01.08) ■ 三人官女 (p64) 典星舎の上層部に三人官女と呼ばれるメンバーがいる模様。指揮命令系統において一定の権限をもつ実力者と思われる。 三人官女とは雛人形において2段目に飾られる3体の女官のこと。後宮における世話役の女性を表しており、通常は向かって左から「提子」「三方もしくは島台」「長柄」をもつ女官を並べる。お内裏様に祝いのお酒を注ぐ役割をもつ。ちなみに、3段目に飾るのが五人囃子(向かって左から太鼓、大鼓、小鼓、笛、謡)、4段目に飾るのが随身(右大臣と左大臣)、5段目に飾るのが仕丁(向かって左から台笠、沓台、立傘あるいは熊手、塵取、竹箒)となるのが一般的。 一応、連載時の扉絵でサッチャー配下のメンバーが描かれたことがあって、その際はダイバー(魔法使い)、ディスペラー(霊払い)、パラ・サイヤー(霊媒師)、ミコ(神子)などがデザインされていたはず。すべて旧設定な上に、ミコと云えばアトールの巫女を指すイメージが強くなっているため、この辺のデザインとか組織図とかが次のデザインズに掲載されると嬉しいですね。 という訳で、思ったよりもずっと早い段階でゴリリダルリハがラキシスに合流。ラキシスが星団を離れる以前の段階から既に守護者として傍にいたことになる。これ微妙にあとで響いてくるエピソードのような気もする。というのも、これほどの力をもつ存在であっても、カラミティの爆発からラキシスを守ることができなかった訳で・・・いや、違うのか。カラミティの爆発こそがラキシスの旅路の始点となると、未来のラキシスにつながる進化への分岐点であると、彼女は見抜いていたのかも知れない。そんな感じがする。 (2022.03.12) ■ 新刀と古刀 (p65) 泰千錫華がミラージュ騎士のために「血の十字架」を打ってくれた模様。欄外にある新刀と古刀の説明を補足する。 新刀は安土桃山時代末期から江戸時代中期に掛けて打たれた日本刀を指す。不純物が少ない玉鋼の使用によって硬い刀身が作られるようになったが、その反面粘りがなく折れやすい刀身となったため、「造り込み」すなわち含有炭素量や折り返しの回数が異なる心金(しんがね)、棟金(むねがね)、刃金(はのかね)、側金(がわがね)を合わせて作る手法が主流になったとされる。 古刀は平安時代から安土桃山時代末期に掛けて打たれた日本刀を指す。それ以降の「造り込み」ではなく、不純物を含むが故に粘りのある鋼を以て打たれた日本刀を指すが、その製法は現代に伝わっておらず再現は不可能とされる。ただし、心金と皮金(かわがね)がある古刀も確認されており、「造り込み」は必ずしも新刀との相違点とはならないという説もある。 泰千錫華が打つ刀は不純物を多く含む古刀寄りのタイプとなるようだ。 ついでに、江戸時代末期以降の日本刀は「新々刀」と「現代刀」に分類される。「古刀」以前の刀は「上古刀」となるが、これは直刀で日本刀に分類されない。おそらく劇中に登場する天照家の宝剣「安来の剣」はこれらの分類に沿うと「上古刀」に分類される太古の剣となるはず。 (2022.03.12) ■ イマラ⇒三条⇒ヘアードへとつながる天照の導き (p66) イマラがオーダ宇宙海賊から巻き上げた情報が三条に渡され、そこから天照の名前も添えた上でヘアードに情報が渡される。この後のカーマントーのシーンも同様、イオタの動きによってアンビラン鉱山にも影響が出ている様子が描かれる。要するに、天照の指示によってピタゴラスイッチよろしく状況に変化が生まれつつあるようだ。 事前に明かされている情報に拠ると、このエピソードの後に三条はバランシェ邸に向かうことになるが、そこで(おそらくバッハトマに拉致されて)捕虜となってしまうらしい。三条が捉えられればその動きに応じてドヌーブも動く可能性があるだろうか。いずれにしても、魔導大戦の終盤に向かって話が動き始めたようだ。 ヘアードの視点から見ると、最初にランドの助けがあり、次にジャコーの協力があって(たぶんミラージュ騎士イマラの子であることは知っているはず)、今回も三条の口から天照の名が出ているので、何度もミラージュ勢に助けられていることを意識せざるを得ないと思うんですよね。マグダルが詩女となり、ヘアードが神官長に返り咲いた後で、その目にミラージュ騎士団がどのように映るのか、その騎士団が後世において何をするのか、を考えて読むのも面白い。 ナカカラからいつの間にかカーマントーに移動してきたボー・ゼクスと、先行して鉱山に潜入していたブローズが登場したところで今回は終了。 一応、2021年12月号では、ブローズとブラフォードは3062年時点でアドラーに行ってたことになってたはず。 ミノグシア所属になっているメンバーがランド、マドラ、マキシ。イースト・ハスハやカステポーに潜入している可能性のあるメンバーは、アイシャ、ウラッツェン、ステートバルロ、キュキィ、エフィー、バイズビズ、マエッセン、ツバンツヒ。一部は帰国しているかも知れない。出雲にイマラ、ジャコー、斑鳩、タイトネイブ。カーマントーにボーとブローズ。このあとでたぶんログナーがやって来る。なんやかんやで半数以上は魔導大戦に参加中。 (2022.03.12) |
|
■ 2022年4月号 |
|
■ ヴィス・モナークについて (2022年4月号p51) 先月号の本編につながる形で明かされる素子姫の設定。 素子姫とは、肉体を得ることで本体と切り離されたモナーク(=ログナー)が、現代の科学技術を用いて新たに生み出した自身の制御装置であるという。 イエッタだけがもつ「展開式」とはすなわち「4つの力」を制御する世界創世式であり、ログナーからアルセニックに提供された後に息子バランシェの手によってファティマの形をもって生み出されたと。 先月号の内容と合わせると・・・モナーク(機械神)がカラミティ・ゴーダース星団皇帝に転じたことで本体とのつながりが希薄になり、その補填となる新たな制御装置を生み出すために「4つの力」=「世界創生式」より正確には「モナーク・セイクレッドの世界創世式の解」を求めた、ということになるのかな。 となると・・・ログナーが2月号で語っていた「あやつ」とはアルセニック公が生きていた時代にフェイツ公国にいた人物ということになるのか。うーんと・・・ナッカンドラではないのか。わからん。 また、先月号の内容から、ログナーがその制御装置に組み込む「4つの力」を得たのは、おそらくアズデビュート紀ということになるので、それ以前に活躍した「モナークの素子姫」ことアイエッタ姫と、星団紀に入ってから生み出されたイエッタの役割は微妙に異なることになる。素子姫とはつまり、モナークが生み出した(役割がそれぞれ異なる)女性型端末を指す単語なのかも知れない。 この点を踏まえると、ヴィス・モナークはおそらくファティマ・イエッタのみを指す別称。ヴィス(vice)はラテン語で「代理の」とか「副」の意。つまり、ヴィス・モナークは「代理モナーク」あるいは「副モナーク」という意味になる。また、対象がイエッタであることを考えると、ドイツ語で「白」を意味するヴァイス(Weiss)を被せている可能性もある。 クリスティン・Vがナカカラ攻防戦以降に搭乗することになるGTMナキメーカ・カイゼリン。おそらく、カイゼリンの2番騎として設計・開発されたメロウラの改装騎体と思われる。ファティマ・町がカイゼリン・スーツを着用する理由もこれで説明がつくはず。ナキメーカの語源は古事記に登場する雉の「ナキメ(鳴女)」だろうか。あるいはバンシーの和訳である「泣き女」か。 (2022.03.13) ■ 天照には「理由がない」ここ重要 (p55) 宇宙議会に圧力を掛けた国がA.K.D.であることを見抜くマグダル。 ブローズのセリフに拠ると、天照が語ったドーマによるヘリオス鋼の市場占有やマグダルへの借りうんぬんという言動はフェイクであり、実際には全く考慮の対象とはなっていない模様。曰く、「ただ言ってみたかっただけ」「理由などない」ということらしい。各国要人が「天照陛下であれば他者の及ばない深慮があるはず」と思い込むところを、マグダルは子供ならではのフラットな視点で見て「理由がない」と感じる部分があるのかも知れない。 ところでこの「理由がない」という部分。一見ふざけているようにも見えるが、国家の安泰や損得勘定が全く無い状態でマグダルを手助けするのでれば・・・天照の中で生まれた「気まぐれ」「感情」が起点ということになるのではないか。「感情」を一切持たないはずの天照が理由もなく他国を助ける行動に出たと・・・これって結構重要なのでは。 ホルレ監査官は「詩女」という存在に対して一定以上の脅威を感じている模様。まあ、過去になんかあったのだろう。ムグミカかフンフトの在位時ということになるはず。 (2022.03.13) ■ アドー王とボスやんの会談 (p60) ボォスの衛星軌道上で密談を交わしたアドー王とボスやん。 アドー王の指示を受けてバッハトマ枢軸全軍と共闘するのであれば、もちろん皇帝配下のノイエ・シルチスではなく、元老院配下の騎士団すなわちブーレイ傭兵騎士団に偽装したノイエ・センチュリオン(萌葱グループ)の出番ということだろう。枢軸全軍でナカカラに進軍し、皇帝配下の騎士団を蹂躙すること、そしておそらくはダイ・グに死に場所を与えること=暗殺することが目的と思われる。つまり、現皇帝の戦死をもって、ミノグシアに対して何らかの代償を求める=おそらくはナカカラへの永久駐留を認めさせる算段といったところだろうか。 この奸計がどのような形で現実となるかは今後のエピソードで描かれるとして、おそらく重要なのはこの逆境の中で詩女フンフトがクリスティンに語った預言がどのような形で成就されるか、という部分だろう。 多くの詩女が語った「倒れないで」「助けてくれる人々は別のところいます」・・・という部分。これこそがナカカラ攻防戦のクライマックスとなるはず。 3075年のハスハント解放戦に参加した各国家の連携が、おそらくナカカラ攻防戦において紡がれるものと仮定すると・・・ミラージュ勢、暴風三王女、ルーン騎士団の参戦などが予想される。また、ノイエ・センチュリオンを率いる立場でありながら、解放戦ではミノグシアに加勢するナイアスの動きがどのようになるか注目。ラミアス・ゴーゴン3騎(あるいは剣聖慧茄とマドラが駆るフゥアー・インマー・メドゥーサ2騎とナイアスが駆るイー・ズィー・イー・ステンノ)の揃い踏みという展開も期待できるなぁ。 (2022.03.13) 来月号でコミック17巻収録分が完了する模様。 |
|
■ 2022年5月号 |
|
■ ログナーが口にしていた「あやつ」 (2022年5月号p60) ログナーが処分対象にすると云っていた「あやつ」の正体が桜子であったことが判明する。 サッシャタウン郊外にある桜子邸からスタート。おそらく借家と思われる。 ログナーが引っ掛かってしまった「アナログな警報機」とは、気温変化や振動に応じて変形する部材をトリガーとする警報器を指す。窓の開放や破損によってトリガーが外れて鳴るタイプや、手動でスイッチを押すタイプ、大音量と振動によってストッパーが外れて鳴るタイプなどもアナログ式である。劇中の描写を見る限り、桜子の悲鳴によって警報器が鳴り響いたようだ。 警報システムの作動によって出動したのであれば、通常は警備会社が駆け付けるはずであるが・・・すぐさま警察が駆け付けるあたり、彼女は確かにVIPとして扱われているようだ。あるいは、「痴漢」という叫び声が伝わって直ちに確保・逮捕案件として扱われたのかも知れないが。 桜子はルミナス学園に在籍している期間中にアルセニック・バランスの研究を調べていたらしい。 ログナー曰く、彼女の研究を追うことで桜子が辿り着いたであろう仮説がふたつ。 ジョーカー星団の真の歴史とはすなわち、モナークによる人類史への干渉と現存人類が既に古代人類から作り変えられているという事実(コミック13巻p72でタイ・フォンが匂わせていた情報)のことだろう。タイ・フォンが造られた理由を追えば、モナーク・セイクレッドにつながる情報や炎の女皇帝がナッカンドラの血に残したメッセージ(コミック10巻p158)も目に入るはず。 また、ログナーがアルセニック・バランスに託したとされる「4つの力」や素子姫の情報もおそらく閲覧できたはずである。つまり、この時点で桜子はログナーの正体に気付いていることになる。 もうひとつの仮説。自分(=桜子)の血統とはすなわち、桜子の父親のルーツである。桜子は母親がフンフトであることは知りつつも、実父については知らないという設定がある。が、アルセニックの研究を追う中でタイ・フォンやハリコンの名に行きつき、フンフトとのつながりを見抜くことをログナーは予測していたのだろう。 アルセニックの研究であれば、その息子であるバランシェが全て引き取っていても不思議ではないが・・・おそらくアルセニックは息子が結婚するつもりがないこと(=その研究成果を子孫に継がせる気がないこと)を見抜いており、あえてフェイツ公国に研究成果を残しておいたのだろう。いずれ誰かが自分の足跡を追うであろうことを予測して。 つまり、ログナーがやってきた目的は、彼女の立てた予測について正解を告げた上で、機密情報保護の観点からA.K.D.に引き込みに来た、ということらしい。 桜子がその事実をどうこうすることを恐れているのではなく、おそらくその情報を求めて群がるモノがいる危険性を案じているものと思われる。カリギュラ然り、ボスやん然り、ヨーグン・ダスニカも絡む可能性もあるし、何よりヴィーキュルが干渉してくるかも知れない。ほえ?なんでヴィーキュルが?と思うかも知れないが、桜子がアルセニックの研究を追うことで人智を超えるファティマが生み出されるかも知れない。そうなると、遥か未来において何らかの影響が出る可能性もある訳で・・・ラキシスを狙ってヴィーキュルが干渉してくるように、未来から過去へ干渉してくる可能性も出てくる。その辺もまるっと含めてログナーが守ってやると云っている訳ですね。 次。今回のイエッタのセリフで、モンソロン紀とアズデビュート紀が明確に分けられた。3月号でゴリリダルリハが口にしていた4つの時代とは、すなわちモナーク紀、カラミティ・ゴーダース紀(伝承紀)、モンソロン紀、アズデビュート紀の4つを指すらしい。つまり、モナークが「計算式だけとなった最後の時代」がすなわちアズデビュート紀であると。これで、アズデビュートが数式生命体であることとも辻褄が合うことになる。 桜子のセリフに拠れば、イエッタはアルセニック公が復活させた素子姫ということになるが、モナークが「4つの力」を得たのがアズデビュート紀である以上、それ以前の伝承紀に存在していた素子姫=アイエッタ姫とはベースが異なることになる。この辺はもうちょっとセンセーの解説が欲しいところ。 (2022.05.04) ■ コーラス王家開祖 (p65) ログナーの口から明かされるコーラス王家の開祖ディス・クェン・ラ。他者の技量や知識・記憶を取り込み、次世代に引き継がせることが可能な奇跡とも云える因子・能力を得ていた人物であったらしい。超帝國剣聖ララファ・ネーデルノイドによって見出され、彼女の技量と知識を受け継ぐことでコーラス王家を興したようだ。 描かれている人物がほとんどララファと同じ容姿のために混乱してしまうが、おそらくララファがその一族の男子と契りを結び、生まれてきた子供がディス・クェン・ラ(おそらくは女性)ということになるのかな。 コーラス直系の血筋において世代交代による能力の劣化は避けられなかったものと考えられるが、コーラス22世や23世が騎士そしてガーランドとして活躍したことから判るとおり、その資質は今もなお濃く引き継がれているようだ。また、ララファの残した残留思念は分家筋に当たるハリコンや桜子にも引き継がれていることから、必ずしも直系の血筋を拠り所とするものでもないことが窺える。メロディ家はコーラス20世の妹妃ソプラノ・コーラス・メロディが興したコーラス王家の分家筋であり、桜子は実父からその因子を受け継いでいるため、男系・女系も関係ないことになる。 また、現在のこの時点でララファの意識体が形成されつつ肉体はコーラス24世であることが劇中で語られている(14巻p167) という訳で、炎の女皇帝から超帝國剣聖ララファに託された思念は、コーラス24世、アルル、桜子に引き継がれ、それぞれがコーラス王家嫡男、次代詩女、そしてミラージュ騎士団へと広がるルートが描かれたことになる。桜子の遠縁に当たるというミラージュ騎士リキッド・オーシャンもこの辺の影響を受ける人物となるのかも。この辺の展開も面白そうですね。 (2022.05.04) ■ ナカカラ攻防戦が始まる (p66) 枢軸軍の進軍によってナカカラ攻防戦が開かれる。 白騎士団や帝国駐留騎士団の半分が不在なのは、最初からそのタイミングを狙った進軍であるため。アドー王に拠る奸計である。 ⇒間違い。女性騎士では無く、トライトンが丁寧語で話しているだけでした。 ・・・これだけの主要騎士を追い込んだらフィルモアの軍事力もガタ落ちになることは明白。アドー王が形振り構っていられない状況であることが窺える。 フィルモア帝国の皇帝騎について、ちょくちょく設定変更があるので混乱してしまう。 ホルダ19型がレーダー王家所有のディー・メロウラ (クリス所有) →改称ナキメーカ ホルダ21型がフィルモア王家所有のディー・プリンシパル (ジークママ所有) ←別称ジー・ボリショイ・グーガント ホルダ23型がフィルモア王家所有のダス・ゴーストあるいはダス・ガイスト (ダイ・グ所有) ←旧称ディー・ウィリーズ で最終決定かな。 ホルダ25型は不明。27型および29型がユーレイの旧型で現在は欠番扱い。ホルダ31型がユーレイの現行モデル。33型バイカル(重装型)と35型アムール(指揮型)は設定がゴチャついているので不明。アルカナ騎士4名の搭乗騎は35型アルカナ・オーデルという設定もある。 おそらくp65までがコミック17巻までの収録分。ナカカラJ攻防戦スタートは18巻の冒頭になると思われる。 (2022.05.04) |