† ニュータイプ 2019年3月号〜2020年11月号に関する考察 †
NewType 2019 Mar - 2020 Nov
 
このページでは、単行本化されていない「NewType」連載分について取り上げていきます。
コミック16巻に収録されるであろう2019年3月号以降の記事について考察しています。
下に行くほど新しい記事になります。
 

 

■ 2019年3月号


■ ラキシスの動向 (2019年3月号p63)

デモールの実戦試験(シーゾス戦)より半年が経過。おそらくコミック16巻に収録されることになるエピソードの開始である。
ベラ国でソープと別れたラキシスは、ミス宇宙軍とバイズビズを伴ってムンスターに立ち寄り、湖畔都市のシャルデファーに移動してきた模様。
そこにショウメがやって来る。

ラキシスが聞いているホーダウン周辺の戦局について。DE6に掲載された情報に拠ると、ホーダウンの周辺に展開している枢軸軍はメヨーヨ朝廷主力軍と枢軸騎士連合。
フィルモア帝国の萌葱グループがホーダウンを再制圧したことをラキシスは訝しんでいるようだが、おそらくフィルモアの狙いは単純に交戦状態の長期化である。戦局を安定させないために、陣取りを繰り返しているものと考えられる。

ラキシスがダイ・グの人となりを知っているのは、おそらくジークが慧茄に預けられることになった2977年に顔を合わせているため。
ラキシスら三姉妹は、ジーク、茄里、彼らの両親、ダイ・グ、慧茄とも顔見知りであり、この後のエピソードで再会する可能性がある。

ラキシスがショウメを観察する際に使用した携帯端末の画面に「Buty Plus」と描いてある。おそらく、iOS/Androidデバイス用のカメラアプリ「BeautyPlus」が元ネタ。開発元は中国福建省アモイ市に本拠を置くMeitu Technology Inc.(メイトゥ社)。撮影シーンに合わせたフィルター機能でいつでも鮮明な写真を撮影でき、自撮り画像を簡単に加工できる機能をもつことから女性に人気のカメラアプリとのこと。また、使用している端末もアップルマークに近いアイコンが確認できるため、iPhoneが元ネタであることが窺える。
ついでに、ラキシスが拡大観察した画像で、ショウメが6本指であることが判る。
うーん・・・初登場の時点でそもそも小さい体なのか、命の水を預けたから小さくなったのか、よーわからんですね。

ショウメのセリフを読む限り、彼女は命の水をフンフトに預け、自身の保護のためにラキシスの下を訪れたようだ。つまり、ショウメはラキシスがサタンと対峙し得る存在であること(より正確にはサタンと対峙し得る存在がラキシスを保護していること)を知っているということか。
この行動から、ショウメ争奪戦に絡む存在が朧気ながら見えてくる。ショウメの捜索をしているシステム・カリギュラどころの騒ぎではない。彼女を狙っているのは(ハリコンが云うところの)この世界に穴を開けようとしているサタンたちである。サタンが動くのであれば、コミック6巻と同じくカレンやU.R.I.も出て来ることになるのだろう。これまでの設定公開でマドラが懐園剣を使用することは判っているので、現在の所持者であるアルルも絡んでくるだろうし、アルルに紐づいて桜子や剣聖ララファのエピソードが語られることになるはず。
(2019.03.24)


■ アーク・水霊とクライン (p67)

新デザインの水霊と5種のクライン。
ブリッツのクラインに大きなヒビが入り、フンフトの手に命の水を垂らしているのが確認できる。
フンフトの横にいるのは新デザインのモラード。何等かの手法で若返るらしい。
(2019.03.24)


■ ジークママと別れたヨーン (p70)

ジークママと別れてシーゾス国境にやって来たヨーン。ストラト・ブレードを会得した模様。
スキッパーの近くに2本のアンテナが立っている。おそらく地面の振動を感知するセンサーではないだろうか。周辺の見通しがよく、戦闘の危険性がないことを確認してから民間のスキッパーで乗り込んできたものと思われるが、万が一に備えてGTMの接近を警戒しているのだろう。
(2019.04.06)


■ 朱塔玉座が直った (p72)

劇中に登場する度に不幸に見舞われる場所ミラージュ・パレスが再び登場。
7つの塔の名称として、新たにグラウ・タワーとパルス・タワーが追加された。よく見ると、コミック6巻のp110〜111とほぼ同様のアングルで描かれており、名前が明かされたタワーもちゃんと以前から描かれていたことが判る。パルス・タワーとグラウ・タワーは初出であるが、前者は6巻に名前が出ていたパレス・タワーと同一ではないだろうか。今回の名称公開で名前が出ていないが、劇中に登場したデモンズ・タワーを含めると7つの塔の名前が確定できる。過去の設定にあったネードル・タワー、ミラージュ・タワー、パトラクシェ・タワーはボツ設定に。

アイシャがフロート・テンプルに戻ったようだが、メレトレに指令を出しているのはおそらく「ついで」ではないだろうか。ミノグシア各国への言い訳外交が終わって本国に報告に来た・・・というよりは、天照のところに文句を言いに来たものと考えられる。

メレトレが口にしている従帝について。位階を上下に分けた場合の下の階級を「従」、上の階級を「正」と呼ぶため、天照王朝において正帝(=国王)に次ぐ地位をもつ者を従帝と呼んでいるのだろう。従帝座はおそらく天照の玉座の真下の階層に置かれているのではないだろうか。椅子の両側に飾られている垂れ旗に四つ菱とコーダンテ家の花紋が確認できる。おそらく将来的にワスチャが座ることになる椅子である。
アイシャはヨーンが正統な騎士として剣を取ることを望んでいるようだが・・・彼を失いたくないという姿勢はどこか妹のワスチャに近いものがある。ふたりとも好意と呼ぶには些か大げさな感じで基本的に「I think of you」なんだな。

クラカラインがデコースの居場所を聞きに来たところで今月号は終了。
メレトレが茶菓子として食べているのは森永エンゼルパイ。実はビオレート・トライトンの好物だったりする。
クラカラインのアシリア・スーツが地味に登場。彼女自身もコミック11巻から久々の登場となる。
典星舎でチラシの裏が流行っているのは、天照がツバンツヒの来訪を手書きのメモで伝達したため。おおかた「陛下がやったのだから何か意図があるのかも知れない」的な流れでみんなで真似するようになったのだろう。
(2019.04.06)
 
 

■ 2019年4月号


■ この後スタッフが美味しく頂きました (2019年4月号p59)

付録のスクールカレンダーと扉絵ページにmomokoエストの写真あり。周りに並べてあるお菓子の大半はFSSに登場しているらしい。
辞書ページにまとめていたお菓子の名前と写真を照らし合わせたところ、おそらく下記のお菓子が並んでいる。

ラデュレのマカロン
ピエール・エルメ・パリのイスパハン
春水堂のタピオカミルクティー
ジャン・ポール・エヴァンのショコラ
グリコのビスコ
森永のエンゼルパイ

ゼリービーンズは手前に映っているヤツにロゴが見えるが判別できず。アメリカ・カリフォルニア州フェアフィールドに本拠を置くJelly Bellyのやつだろうか。
カレンダーの方に山付きのバウムクーヘンが見えるが、こちらもメーカーが判らなかった。どなたかバウムクーヘンの情報をください。
ビー玉のように見えている丸いお菓子はショコラブティックレクラの惑星ショコラ。これはおそらくFSSの劇中には登場していない。
また、青い小瓶はフェイクスイーツブランド「Tommy fell in love with sweets!」のDrink meボトル(不思議の国のアリスに出てくる魔法のドリンクの小瓶がモチーフ)である。

永野センセーはバイオRE:2にハマっている模様。
ゲームに登場しているサブマシンガンは9mmパラベラム弾を連射集弾と書いているが、調べた限りRE:2に登場するサブマシンガンはMAC-11(イングラムM11)とのこと。使用する弾丸は少し小さい.380ACP弾(9x17mm弾)である。9mmパラベラムは9x19mmなので少し大きい。
んで、このサブマシンガンを「22口径の水鉄砲」に例えているあたり、威力が弱すぎることに腹を立てているようだ。実際のMAC-11は45口径である。ちなみに、22口径は5.6mmのライフル弾であるが、この口径のサブマシンガンは一応存在しており、1960年代に使用されたアメリカン180(American-180)が該当する。丸いパンマガジンを装着する短機関銃で、昔のギャング映画などで見ることができる。
桜牧師は怖いのが苦手なので、バイオは最初の2までしかやっていません。現在はDMC5にハマってます。この数年のカプコンってホントにすごいですね。
(2019.03.24)


■ タワーの製作再開 (p60)

ショウメより命の水を預けられたフンフト。ムグミカの記憶を継承したのか、モラードから事前に情報を得ていたのかいまいち不明であるが、タワーの製作を進めるべくモラードを呼び出したらしい。
詩女の瞑想室として使われていたアンダーゲートをタワーの育成場所として提供したようだが・・・その巨大さ・堅牢さを見るに、この空間は「何かを呼び出すための空間」あるいは「何かを封じ込めるための空間」であるように思える。大仰な開閉ゲートも緊急事態に備えた安全措置ではないだろうか。おそらく、フンフトはタワーが暴走する場合を想定しており、封じ込めによって被害が抑えられる場所としてこの空間を提供したのだろう。もっとも、タワーが本気で暴走すればこの程度の施設は一瞬で吹き飛んでしまうのかも知れないが。

問題は、ウラニウム・バランスがラーンに在籍していた時代もこの施設を使用していたこと。つまり、ウラニウム公も「封じ込めを考慮しなければならない何か」を研究していたことになる。うーん・・・ウラニウム公の時代はファティマがまだ生まれていなかった訳で。このような空間が必要ということは・・・超帝國剣聖に絡む何かだろうか。また、詩女ラーンが現れたということは、時代に大きな影響を与える「何か」がそこにあったということ。その手向けとしてウラニウム公に「種」が渡されたものと考えられる。

さらに、天照家内宮にも同様の施設があり、この禁断のゲートは2020年に開かれたことがあるという。2020年は天照の生年である。となると、その詳細を知る者はおそらく天照の命(ミコト)ただひとりということ。これまでに明かされている情報から察するに、カラミティ・ログナー・ラスト1と魔王タンツミンレの戦いがその場所で起きていたのではないだろうか。
(2019.04.06)


■ マドラの来訪 (p62)

クラカラインから情報を得たマドラがデコースの潜伏場所にやって来る。これ、エストが留守中でよかったかも。もし彼女がいたら、マドラに問答無用で殺されていた可能性がある。

マドラはデコースとの以前の邂逅を「この前」と云っているが、ハリスと戦ったのは3010年であるため、実際には26年が経過している。「この前」と表現するには些か長すぎる時間な訳で、普段は出てこないマドラの視点では時間の経過がうまく認識できていないのかも知れない。また、ピッキング・ハリスはマドラの存在を認識しているものの(コミック11巻)、マドラはハリスの存在を認識していないか、意図的に無視しているようだ。強い騎士の血を求めるのであれば、以前出会ったはずのカイエンが最強ということになるが・・・その際はこのような肉食系の女子では無かった。おそらく、デコースに「身体を傷つけられた」ことで、フンフトが施していたであろう「箍(たが)」が外れ、時間の経過と共にマドラの意識が表層化したのではないだろうか。

にしても、このほとんど逆レイプとも云える子作りはなんというか怖い。
生殺与奪を完全に握られている化け物に襲われているのだから、デコースが泣いてしまうのも無理はない。戦場で死ぬ覚悟ができている人間でも、自身を一瞬で食らうような化け物がにじり寄ってくれば誰でも恐怖を感じてしまうだろう。

マドラの内に潜んでいる超帝國剣聖はアマンダ・プロミネンス。彼女のセリフを読む限り、プロミネンスは自身が作られた本当の理由を聞かされていないようだ。超帝國剣聖は炎の女皇帝が星団民に恐怖を与えるために作り出したものであるが、炎の女皇帝率いる剣聖騎士団はAD世紀6000年頃にスタント遊星において魔王ノストスパスムスと対峙したらしい。おそらく、この戦いこそが超帝國剣聖が作られた「本当の理由」ということになると思えるが・・・プロミネンスはこの戦いに参加していなかったのだろうか。
(2019.04.06)


■モラードの不老化 (p69)

モラードはツバンツヒにショウメの情報を与えた見返りとして、ポリメリゼーション転化技術のコア(もしくはそのデータが入った端末)を受け取ったようだ。
詩女がシステム・カリギュラの技術を知っているのは、おそらく炎の女皇帝の記憶をも引き継いでいるため。カリギュラの一派と女皇帝が分かれてから数十世紀が経過しているはずであるが、大きな技術革新は起きていないようだ。

にしても、モラードが若くなることは判っていたものの、まさかカリギュラの技術を使うことになるとは。これ、モラードはおそらく騎士の力ももつことになる訳で・・・最終的に名前を変えてミラージュ騎士になる可能性が出てきましたかね。
デコースとマドラの子(=ベルベット)がつくられるエピソードと、タワーが作られるエピソードをわざわざ重ねて描くあたり、永野センセーの意図するところが微妙に見えているような気がする。要するに、次世代のミラージュ騎士が歴史に登場してくる過程を見せられているのかなと。なので、不老化するモラードももしかして・・・と思わずにはいられないですね。
(2019.04.06)
 
 

■ 2019年5月号


■ カイゼリンの立体モデルの告知とグロウダインの設定 (2019年5月号p62)

扉はカイゼリンの立体モデルの告知とグロウダインの設定解説。
立体モデルはファンなら誰でも欲しくなるような高品質のアイテムですね。んが、8万円を払えるヒトは限られてると思う。いやー手が出せない。
私の場合、9月発売予定のフレアの2Bフィギュアのために貯金中。これだって2万超えでギリギリ買えるレベル。カイゼリンは諦めます。
(2019.04.27 追記 ホービージャパン6月号にカイゼリンの記事あり 写真がデカくて詳細が判ります)

グロウダインについての新規設定はないが、ホウザイロ・グレントは現在ブラウ・フィルモア王の所有となっている模様。
HL550エンジン搭載の駆逐仕様とのことで、おそらくレストアした際にエンジンを交換したものと考えられる。
また、ユーゾッタの配下にいたメンバーの一部はパイド・パイパー騎士団からの移籍組とのこと。設定上、12名が所属していたことになっており、バイパー将軍とケルシャーが戦死したため、イアンとマエッセンを抜くと8名程度の騎士が移籍したことになる。

コミック15巻はページの差し替えと書き直しがあるとのこと。えー永野センセー激務すぎないか。ちょっと心配。がんばってくださーい。
(2019.04.24)


■ ツバンツヒがやって来る (p64)

3月号でラキシスが吸い込んでしまったショウメがあっさり復活。んで、ラキシスの護衛役としてツバンツヒがやって来る。クニャジコーワとの入れ替わりらしいが、ログナーが別件の指令を出すために彼女を呼び戻したのか、これから起こり得る事象を予測してツバンツヒが適任と判断したのか、ちょい微妙な感じがする。んー劇中の描写はありませんが、セントリー・ブリッツの転生に関してログナーが知り得ていない、ということはないと思うんですよね・・・。サタン関連の動きに予兆があれば、おそらく察知するのではないかと。

ラキシスが見ているパンケーキの画像に「cafe accueil Ebisu」と描かれている。東京都渋谷区恵比寿にあるカフェ・アクイーユ恵比寿が元ネタ。株式会社R&Jザ・ワークスが展開しているカフェ店のひとつ。2015年と17年に全国パンケーキ人気店ランキングで1位となった有名店である。ラキシスはソープが休みをとって来てくれることを期待しているようだが・・・果たして来るのだろうか。来たら来たでいろいろ話がぶっとびそうだけど。

ツバンツヒの春休みについて。
プロムナードのエピソードを見る限り、ルミナス学園は欧米と同じく9月が進級のタイミングとなっていた。このような学校では4月に休校を設ける意味があまりないため、大半は1週間程度の短い春休みが置かれているだけである。んが、各太陽系間の移動時間は民間機で1週間という設定もあるため、わずか1週間の春休み中にお付きを交代させるとは思えず、したがってグリース王国内宮高等学校の進級タイミングはおそらく日本と同じ3-4月という想像ができる(それでも2〜3週間であるためツバンツヒは軍用機で移動してきた可能性はある)。
また、9月進級の学校であれば、ツバンツヒの学生証は学年が切り替わる前となるため、この時点で「3036年度」の記載か、年表記であれば3037年中の学期記載、もしくは発行年の記載が無ければならない。しかし、彼女の学生証は「3037年度」の発行になっている。この点からもグリース王国内宮高等学校の進級タイミングは日本に近い3-4月であることが窺える。

ツラック隊においてラキシスが名乗っていた名前は「ファナ」であるが、ツバンツヒはちゃんと「姫様」と呼んでいて、後半では「人妻」と呼んでいる。女子高生ミラージュによる新人教育の甲斐があって、ツバンツヒはラキシスがどういった存在なのか正しく認識できた模様。また、超セレブのミラージュ騎士でありながらスーパーの特売品をチェックするあたり、ツラック隊での炊事・洗濯を通して節約を心掛ける主婦の根性が身についたものと思われる。やっぱり花嫁修業だったのね。スーパーに全力で走っていくあたりも微妙にむごい。

お土産を買ってきた萃茶は東京都豊島区西池袋にあるタピオカ専門店。甘さ控えめで大粒のタピオカが特徴。深夜まで営業していることで有名。現在は千代田区飯田橋にも店舗がある模様。また、学生証の裏に「SUIC」という文字列が見えるが、おそらくJR東日本が発行しているICカード乗車券「Suica」が元ネタである。彼女が学校に通う際に公共交通機関を使用していることが判る。
(2019.04.17)


■ ダイ・グの静養@ (p66)

3月号で出ていたフィルモア軍によるホーダウンの掃討に関して。表向きは萌葱グループの派遣に際して筆頭騎士のクリスティンが同行したことになっているようだ。ダイ・グに静養をとらせるため、戦線を一時鎮静化する目的で彼女の名前を周知したらしい。それだけ魔導大戦においてクリスティンが恐れられているということだろう。
また、ダイ・グに静養を取らせる話はブラウ・フィルモア王の要請に拠るもので、詩女フンフトからの助言も後押ししたようだ。ダイ・グの体調悪化は関係各所でウワサになっているらしい。ミヤザが云うところの氷グループの一件は、茄里がジークを刺してしまった件を指している。これに関してジェイン・ボルガ女王とブラウ・フィルモア女王の双方からバルバロッサに圧力を掛ける動きがあったということだろう。幾重にも重なるカーテンの奥の出来事であっても、こういった形で情報は漏れてくるということ。ミヤザさん、裏の事情はほとんど知らないはずなのに見事な伝令ぶりである。微妙にいい仕事してますね。

話がダイ・グ本人に移る。ダイ・グが食べているジェラートのカップに「gelateria MIC」と描いてある。おそらく京都府舞鶴市にあるイタリア菓子とジェラートの専門店パスティッチェリア・ジェラテリア・ミカ・マーレ(Pasticceria Gelateria Mica Male)が元ネタ。永野センセーが地元贔屓なしで最高と称えるお店である。ついでに、エルメラ王妃もこのお店のヴァローナチョコジェラートが好物とのこと。

ラキシスとダイ・グの再開は後でまとめるとしてクリスの方。
ツバンツヒは物陰で監視しているクリスの視線に気付いたらしく、カフェラテを差し入れに話しかける。
カフェラテを買ったお店はONIBUS COFFEE。株式会社ONIBUSが主に都内で店舗展開している同名のコーヒーショップが元ネタ。東京都目黒区の中目黒店と世田谷区の奥沢店のほか、渋谷区道玄坂に系列店のアバウトライフコーヒーブリュワーズ、渋谷区神宮前にレシオ・アンドシーというお店がある。オニバス(onibus)はポルトガル語で「公共バス」の意味だが、その語源に「万人のために」という意味があるとのこと。

クリスが耳につけているイヤリングを見て、ダイ・グと「訳アリ」な関係であることを見抜くツバンツヒ。それを察して「人妻ですよ」「心配ないですよ」というあたりは確かに女子力が高そうである。んが、そのダイ・グと婚姻話が出ているフンフトは元「人妻」な訳で、クリスの心配は余計に増えてしまったかも知れない。彼女にとって「人妻」枠は決して静観できる対象ではない訳で。
ついでに、一見して騎士と判らない人物ほどコワイということをクリスは幼少時に学んでいる。なので、目の前にいる女子高生がミラージュ騎士であると知ったのであれば、彼女は同時に非常に強い騎士であることも認識できたはず。
(2019.04.24)


■ ダイ・グの静養A (p66)

上記と切り分けて再度ダイ・グの話。

まず、ダイ・グがラキシスを見つけるシーンについて。これがちょっと難しい。2通りの受け取り方ができる。
ダイ・グは幼少時の(藍色の髪の)ラキシスを知っているため、(僕の記憶にある彼女の)「髪の色は茶色ではないけど」と口にしているのであれば、彼はこの時点で現在の姿のラキシスをただ見ていることになる。
んが、後半の会話を見る限り、ダイ・グはラキシスがファティマであることと、天照のパートナーであることをちゃんと認識した上で話していることが判る。
となると、ダイ・グは(藍色の髪ではない)現在の茶色の髪のラキシスをよく知っている上で、(今見えている)「髪の色は茶色ではないけど」と口にしていることになる訳で、彼はこの時点でうっすらと見えている「藍色の髪のラキシス」を認識していることになる。うーん・・・どっちなんだろ。まあ、コーラス3世が未来のラキシスの姿を見ていた点を考えれば、後者の方がしっくり来る感じではある。

ふたりの会話でラキシスが天照のことを「人でなし」と罵っているが、天照は文字どおり「ヒトではない存在」なので、ヒトが考えるところの責任、プライド、見栄、メンツといったモノが備わっていないのは当然のこと。ラキシスはそれを全て知った上で、敢えて責めるような云い方をしているっぽい。まあ、ダイ・グの前ということでヒトの視点に立った物言いをしているのだろう。

んで、未来のラキシスである。
コーラス3世の目に未来のラキシスの姿が見えていたことから、このラキシスは「死の予兆」として現れる存在、という見方ができるかも知れない。だが、おそらく彼女が出て来るのは「その死の先にちゃんと未来がある」という祝福を与えるためである。ヒトはいずれ死ぬものであるし、どのように望んでも未来永劫には生きられない。たとえその死期が思ったより近かったとしても、それは未来の礎となるし、アナタにはその力がある、という安心感を与える行為。これが未来のラキシスによる「導き」なのではないだろうか。

考えてみると、気が遠くなるほど昔から続く過去の記憶を受け継いでいる詩女、とくに、花の種を未来につなげるべく時を超えて現出するベリン・ラーンと、遥か未来から現れて導きを与えるラキシスは、完全な対存在である。今を生きる人々に過去の歴史を伝え、遥か未来においてもなお人々の営みがあることを伝える・・・彼女たちの言葉を受ける主人公たちが、どれだけ大きな心の支えを得ることになるか・・・この辺、FSSでしか成立しないドラマですねー。なんだかんだでラキシスが与えてくれるのは常に「希望(フォーチュン)」というところとか。ホントに面白いわ。ベリンとラキシスが対存在であるからこそ、このふたりの声優は同じ、という屁理屈も付けられるかも(実際には永野センセーの奥さん激ラブぶりということになると思う)。

あと、それぞれ出会う順番はバラバラであるが、天照はリトラと現在のラキシス、モラードはムグミカと未来のラキシス、ダイ・グはフンフトと未来のラキシスという「過去」「未来」と触れ合うことで、それぞれ導かれている図式になっていることに気付く。こう考えると、未来のラキシスを目撃したコーラス3世と詩女のつながりが無かった点が惜しいところであるが・・・この後に続くショウメのエピソードで、懐園剣をもつアルルとラキシスが出会うことになるかも知れない。コーラスはFSSを引っ張っていく血筋でもあるため、そういった「接点」となるイベントが欲しいところ。フンフトとハリコンの関係性が明らかになったこのタイミングであれば、コーラスの血筋とラキシスの導き・詩女の導きがクロスオーバーする場面が出てくるのではないだろうか。

ラキシスと会話したダイ・グがどのような行動に出るのか・・・「あとは」というセリフから察するに、ダイ・グには気に掛けている対象がある模様。
たぶん、彼が最後まで心配するのはジークのことと、クリスのことでしょうね。

いやー3159年に向けた舞台がどんどん整っていくような感じ(つっても後10年ぐらい先だとは思いますが)。
ここんところのエピソードはホントに気が抜けない。
(2019.04.24)
 
 

■ 2019年6月号


■ デモールの設定 (2019年6月号p59)

GTMデモールの最新設定。デザインズ6に掲載された情報からさらに改定が入っている。
SBB-00がマヨールの搭乗騎デモール・ゾロ
SBB-0Eがシーゾス戦においてゾロの僚騎として運用されたデモール・レガータ(DE6で旧設定のロクサーヌとしていたのはボツ設定)
SBB-01が先行量産型のデモール・バイブルズ(エトラムル搭載型/本編未登場)
SBB-02が制式量産型のデモール・タンジェリン(ヒト型ファティマ搭載型)
SBB-03がその派生型タンジェリン2(エトラムル/ファティマ両用モデル)
とのこと。天照の大侵攻以降はファティマの供給が減るため、エトラムルの搭載に対応できるタンジェリンが多くの国家で採用される模様。
バルター・ヒュードラーの設計ではあるが、カリギュラの関与したGTMが天照の大侵攻の時代で対抗勢力の「力」となる点が微妙に面白い。
ブーレイ傭兵騎士団もカリギュラの差し金による部分が大きい訳で、サタン勢とはまた別の位置付けで、シリーズ全体を通して天照と対峙する組織なのかも知れない。

デモールのデザイン画を改めてみると、ピエロがモチーフになっているようにも見えなくもない。
骨組みのような放熱パーツの先端はおそらくスタビライザーが伸長するのではないだろうか。
(2019.05.19)


■ ダイ・グとクリスと (p60)

今回は考察・・・というレベルの話ではないが、メモ程度に。
p60でダイ・グが口にしている「ボクが守ろうと決めた・・・あの子」とはおそらくクリスティンのこと。ダイ・グは魔導大戦のデビュー戦でもクリスを守るために戦場に降下している。騎士の力を使えば寿命が減ることを自覚しているのに、である。
p60の最後のコマで「え?」と焦っているのは、クリスがいたこと+ちょうどクリスのことを考えていたことで二重の驚きが含まれているのだろう。
買物用のカバンを持ち歩いているツバンツヒに対し、クリスは学校指定のカバンを持ち歩いている模様。おそらく、クリスの学校(フィルモア帝国帝国近衛兵学校)は兵学校を兼ねているため、軍命令・私用に関係なく外出する際は学校指定のカバンを持ち歩く規則になっているのだろう。
ラキシスが湖畔の向こう側にあるカフェを指定したのは、なるべく一緒の時間を多く取るため。
p62の1コマ目の左側にBO-6が既に描かれている。

ダイ・グが「あの事件」のことを知っている点から、ブラウ王家の裏事情や茄里の現状を全て知り得ていることが判る。ただし、茄里は自分の意志でボォスに乗り込んできたため(コミック13巻p172)、バルバロッサをそのまま「黒幕」と位置付けるのは少々微妙かも知れない。そのような行動を採るように茄里を教育したのかも知れないが、彼女の自由意志がある以上、全ての責任をバルバロッサに負わせることはできない。
また、ジークママの行動を止めたのはジークではなく、ジークの中のフィルモア1世であるが、ダイ・グがp63で考えている「彼」はおそらくジーク本人のことを指している。うーん・・・ジークの中にいるフィルモア1世の意識には気が付いていないということか。

今回のエピソードで気になる点があるとすれば、ラキシスや茄里との出会いがあることすらも全て見通した上でフンフトが静養を取るように助言した可能性があるということ。
一方、この後で茄里がクリスに会いに来るのは、詩女ナカカラによる導きがあったためである。詩女(と過去の詩女たち)がどこまで先読みをしているのか、気になりますねー。
(2019.05.23)


■ 驚愕のマウザー (p63)

裏切者の処刑に向けて情報を収集しているマウザー。ツバンツヒの痛々しい変貌ぶりを見て開いた口が塞がらない模様。
調理クラブが作りあげた海賊風パエリア「南海の大決闘手長エビ対明石のタコ」の元ネタは、1966年に東宝の配給で公開された特撮映画「ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘」から。この映画では、南海のレッチ島を舞台にゴジラ、モスラ、大コンドル、エビラが戦う。ゴジラ・シリーズでタコに近い怪獣と云えば、1962年公開の「キングコング対ゴジラ」に登場する大ダコになる。ただし、この大ダコはキングコングと戦って敗走しており、ゴジラとの絡みはない。
じゃーじゃーは中等部で調理クラブのメンバーでもないのに、料理にあり付くために出入りしているようだ。

「はっはーん」と何かに勘付いた様子のマウザーであるが、何をどこまで想像しているのか少し微妙。
3030年の浮遊城襲撃は単なるデモンストレーションではなく、ボスやんがラキシスを狙っていたことが匂わされている(コミック10巻p219)。p63でボスやんの行動を訝しんでいることから、おそらくボスやんに何らかの狙いがあったこと、その対象がダイ・グと話している「A.K.D.の少女」であることに気付いたのだろう。ボスやんが狙うほどの対象であれば、普通ではない「何か」があるということ。その「何か」を突けば、人外の領域で動きが出て来るであろうことを予想しているのではないだろうか。懐園剣に絡んで動いているEV-3に対して「面白くなるぞ?」と語った点から、マウザーは懐園剣がサタン絡みで力を発すること、そのサタンが何かを狙って魔界から来ていることをうっすらと勘付いているのかも知れない。
(2019.05.30)


■ 茄里の来訪 (p66)

茄里がクリスと話すためにやって来る。
ジークと茄里は幼少時に慧茄に預けられたため、ダイ・グとは兄妹のように育ったようだ。
エラルド島のエピソード(コミック10巻)を慧茄から聞いていたのであれば、そこそこ成長するまでエラルド島で一緒に生活していたということか。ダイ・グが皇帝になる際に慧茄が本国に戻ったと思われるので、その際に茄里も本国に向かい、そこから何等かの理由でバルバロッサ家に預けられたことになる。ジークはこの時点でルミナス学園に渡った感じだろうか。

クリスの右腕を斬ったのはカイエン。そのカイエンはダイ・グにもケガを負わせている。この辺の関係性を考えつつ10巻ぐらいから読み直すと、ユーゾッタとかヨーンの話も絡んできて15巻・16巻につながるエピソード群が一気につながってきて面白い。
茄里とダイ・グの会話は、両家の血筋と両者の立場が分かっていれば、敬語・口語が入り乱れる理由も分かるはず。
ナカカラの云っていた「二羽の小鳥」はクリスティンと茄里のこと。このふたりが支えることになるのが、おそらく未来のジークである。サイレンの言葉に導かれ、ジーク、茄里、クリスがフィルモアを背負う状態となったとき、つまり、ダイ・グの語る「いい未来」が実現化したとき・・・おそらく天照の大侵攻が始まってしまうことになる。ドラマだなーホントに。
(2019.05.30)
 
 

■ 2019年7月号


■ 流れる血を減らすということ (2019年7月号p60)

実兄を「あの男」と呼んでその言葉を疑う一方、ほぼ兄と同じことを云っているダイ・グの言葉は素直に聞き入れてしまう茄里。
どうにも違和感があるが、ヒトを殺めることを恐れて剣を捨てた男と、殺めることを是としながらもその責を背負う男では言葉の重みも違ってくるというもの。まあ、茄里から見れば兄への恨み節の方が強いのかも知れないが。
とは云え、ジークは剣を捨ててもなお敵を迎え撃ち、その敵ですら守ろうという姿勢を貫いており、妹の放った技も真正面から受けて説得する覚悟を見せている。その重みがダイ・グに劣ろうはずもない。彼がやろうとしていることを尊いと思うからこそ、ジークママはその行動を認めて見守っているのだろうし、同じ岐路に立つヨーンにも選択肢を与えようとしている訳である。家族であることを意識してわずかでも心を開けば、茄里もまた兄の言葉に耳を傾けられるはずであるが・・・彼女の頑なさは若さゆえの了見の狭さという見方もできるだろう。
(2019.06.22)


■ ダイ・グの名采配 (p61)

おそらく斬首すら覚悟した上でダイ・グに事の顛末を語るアラン・リー。
彼女の言葉に拠れば、元老院とバルバロッサ王家は茄里の振る舞いを危険と見なし、関与を否定すべく放逐したようだ。前述のとおり、茄里は自分の意志で乗り込んできたため、その責をバルバロッサ王家に問われたとしても言い訳が立ちそうなものだが・・・王家・貴族の手前、突かれるような隙をわざわざ見せたくないということだろう。裏でクリスティンの失脚を狙っていたり、バッハトマとの密約も進めていたりするのであれば、トカゲの尻尾切りとなるのも当然である。

一方、皇帝としての責をもつダイ・グは、アラン・リーの言葉を聞いたとしても直接的にバルバロッサ王家を非難することができない。相手は強大な権力を有しており、迂闊なことをすれば足元を掬われてしまう。また、運よく追及することができたとしても、3王家のバランスが崩れれば帝国そのものが傾いてしまう危険性もある。彼女の言葉を聞いたが最後、何等かの沙汰を下さなければならず、真に忠を尽くした言葉であったとしても国家の混乱を招いた者として斬首は必須であると。

もっとも、慧茄に育てられたダイ・グであれば、帝国内に蠢くそのような奸計にこれまで全く気付いていないということもないだろう。バルバロッサを警戒しているジークママもいるし、慧茄やフンフトの導きもあれば何らかの対策は打てるはず。海千山千の王家当主同士が繰り広げるパワーゲームを前に、死を覚悟して進言すれば何かが好転するかも・・・と考えてしまったアラン・リーもまた若過ぎると云わざるを得ない。
その若さを気付かせると同時に、フィルモア1世の指輪を預けることで重大な責任を負ってもらい、以て迂闊な行動ができないよう戒める・・・ダイ・グの采配は流石の一言である。ブラウ女王の方は、おそらく茄里にこの指輪を渡すことで娘に寄せる信頼の気持ちを伝えようとしたのだろう。

にしても、フィルモア1世に関連するアイテムが劇中のあちこちに登場してきましたね。
七宝の指輪はブラウ・フィルモア⇒ダイ・グ⇒アラン・リー⇒後に茄里に渡されると。ただし、この指輪は最終的にレーダー9世に渡されるはず(映画GTMより)。
サイレン・ガットはブラウ・フィルモア女王が所持しており、後にレーダー9世の手を経てクリスに渡される。
十字の銀の耳飾は慧茄⇒ダイ・グ⇒クリスが所持。
ベリンから渡された織物は皇帝のガウンとなり、現在はダイ・グが所持。後にレーダー9世に渡される。
ゴルゲットはレーダー王家に伝わっており、後にエンペラーズ・ハイランダーとなったクリスに渡される。
皇帝笏はバルバロッサ王家が引き継いでいるらしいが、これも最終的にレーダー9世かクリスがもつことになるのではないだろうか(映画GTMでレーダー9世が持っていたやつかも)。
これらのアイテムの流れから察するに、レーダー9世の即位はサイレン皇子の再来という意味をもつことになるはず。3王家の血筋を継ぐ者が現れ、各王家に散らばった宝物がすべて集まり、フィルモア帝国の黄金期が始まると。そこに天照の大侵攻が重なることになると。

うーん・・・宝物がすべて集まる、という捉え方をすると、カイゼリンがフィルモアに返還されるイベントがあってもいいかも知れない。レーダー9世に渡されて、そこからクリスの乗騎になるのであれば、ファティマ・町がカイゼリン・スーツを所持することも説明がつく。んが、カイゼリンはマグダルから天照に託されることが判明しているため、フィルモアに返還されるはずもないか。となると、町のカイゼリン・スーツがどうにも気になってくる。
クリスは現在レーダー王家の養子となっているため、そこにジークが婿入りすることで将来的に(フィルモア6世ではなく)レーダー9世になる点は説明がつく。皇帝の妃となったクリスであれば双頭竜の紋章を身に着けることになるため、ファティマ・町のスーツにこの紋章が付くことも納得できる。では、なぜファティマスーツまでカイゼリン・スーツとなるのか。ファティマスーツの色は乗騎の色合いに合わせるパターンが多いようなので、レーダー9世の即位により皇帝騎たるメロウラがカイゼリン・カラーに改装されるのかも知れない。いや、ちょっと突飛すぎるか。
(2019.07.03)


■ デコースのその後 (p66)

舞台がバッハトマに移り、デコースが意外に幸せ(?)そうなことが判明。
んが、東の君は「シャデルファーが近いのが幸い」と云っているので、おそらくラキシスの護衛役としてマドラを呼び出すつもりなのだろう。
この後、別口でレンダウドが派遣されることも判るので、超帝國剣聖ふたりの揃い踏みとなるはず。
もしかしたらログナーも来るのだろうか。
(2019.06.24)


■ 動き出す神々 (p67)

んで、フロート・テンプルでは天照が何かを察知して手駒を差し向ける模様。
レンダウドの「体」が必要で、サイズの合わない靴を貸し与えるというのであれば、彼女はこの後で一時だけ超帝國剣聖の体と力を取り戻すということだろう。
24K張りのサンダルとはおそらく純金が張り付けてあるサンダルのこと。24Kとは24/24の割合で純粋な金(きん)が入っている金を指す。

スペクターが公園の池で釣りをしていたところで捕まってしまう。ちゃんと止水域に適した棒浮きを使用しているのがエライ。
天照がカステポーに行ったときは池で水遊びしており(コミック6巻)、ブラック・スリーの襲撃時はクロス山の麓の池の周りで散歩していた(コミック10巻)。暇な時に水場へ行くという行動パターンは子供と一緒。

天照がシャデルファーに行けない理由は現時点では不明。セントリーとの盟約に引っ掛かるのだろうか。
ポーターの正体はアーク・水霊であることが判明(まあ、水霊と同等という設定はあったけども)。そう云えば、水霊が絡んでくることは3月号の時点でショウメも予測してましたね。
ポーターが口にしているアワ・プロビデンス(Our Providence)を直訳すると「我々の摂理」という意味になるが、命令に対して「Yes, Our Providence.」と返答した場合は「神の意のままに」あるいは「天帝の意のままに」と訳される。ルビにある「天主」とは神のこと。対象が国王であれば「Yes, Your Majesty」となるが、天照は王朝および国民にとって「神そのもの」であるため、「あなた様の威厳に対して」返答するのではなく、「我々全てに与えうる神意に対して」返答する体裁を採っているのだろう。あるいは、「ポーター」と「ポーターに同化している(?)水霊」の両者から見た視点で「我々の」と口にしているのか。

んで、摂理とは、創造主である神が被創造物に対してもつ計画や配慮のこと。この世の遍く事象は全て神の計画と配慮に基づいて起きているという考え方を表した言葉であり、ヒトの行いは全て神の意志に拠るもの、それは運命そのものであるという受け取り方ができる。天照の指示を受け取ったポーター(=アーク・水霊)はその言葉を「摂理」として受け取った。彼の言葉こそは私の運命ということだろう。
(2019.06.24)

さて、カリギュラの介入が匂わされていたのに加え、ラキシスを狙ってサタンが動き出しそうな予兆が出てきたところで今月号は終了。
懐園剣をもつアルルがどう絡んで来るか、すえぞうやほかのセントリーはどう動くのか、マキシは登場するのか・・・いろいろ盛り上がってきましたね。
 
 

■ 2019年8月号


■ マグナパレス用ラピデア・カノンの解説 (2019年8月号p63)

すんません。7月からこっち、頭の中がしこたま忙しく、文章を書く余裕がありませんでした。

8月号の扉絵はマグナパレスが装備するラピデア・カノンの解説。
主装備の細かいデザインが発表されるということは、マグナパレスの騎体デザインもおそらく完成しているということ。近日中に連載の扉絵に掲載されるか、特集記事で発表されるのではないだろうか。

解説にあるウィンチェスターM1873とは、ウィンチェスター・リピーティングアームズ(Winchester Repeating Arms)が1873年に発表したレバーアクション方式のライフル銃。ニューヘイヴン・アームズ社が生産していたヘンリー・ライフルの製造権と製造ラインを買収した同社が改良を重ねたモデルで、M1866の真鍮製の機関部を鉄に変更し、耐久性を高めることで拳銃弾より威力を高めた44-40センターファイヤ実包(.44-40ウィンチェスター)が使用可能になったモデルである。アメリカの西部開拓時代に最も売れたライフル銃であり、コルト・シングルアクション・アーミーと共に「西部を征服した銃」と呼ばれていたようだ。西部劇の映画などでM1866やM1873に近い銃が出ているので、映画を見ればレバーアクションがどういった機構をもつモノか確認できると思う。

マグナパレスはアンクル・クレーンが不要とか、天照家J型駆逐戦闘兵器がそのまんま正式名とか、微妙に以前の設定から変わっている模様。
(2019.08.14)


■ マドラがやってくる (p65)

何気なしにツバンツヒ(追っていたヒト)とショウメ(追われていたモノ)の初顔合わせ(?)を済ませてしまうラキシス。
ショウメは人間に捕獲されることを恐れてラキシスの下に来たようだ。つまり、この世のモノではない存在を認識し、そのまま受け入れてくれる擁護者としてラキシスを選んだということか・・・うーん。単にヒトから逃げるだけであれば、ラキシスでなくともよいはず。というか、最初に出会った際に「命の水を渡してしまって力がないこと」、「保護の代償として自身の一部を天照に捧げること」、「自身の喪失はジョーカー世界のバランス崩壊につながること」をちゃんと伝えていたはず。命の水やジョーカー世界の趨勢が関わる事象であれば、脅威の対象が「自分を捕獲しようとしている人間」ということはあるまい。ラキシスを選んだことには別の理由があるはず。
あー違うのか。この部分は単純にギャグか。ショウメが恐れていた「自分を捕獲しようとしている人間」のひとりが、目の前にいても気付けないアホだったというオチなのね。

ピッキング・ハリスの意識が回復した状態でマドラがやってくる。んが、彼女の言動を見る限り、マドラの意識もちょこっと混じっているようだ。プロミネンスの意識が一度完全に表層化したことで、リストア状況(マドラの場合は多重人格の中の一人格という状況)に変異が生じたのかも知れない。あるいは、この後の悪魔との戦いに備えて無意識下で人格の統合が進んでいると考えればいいのか。
マドラの持ってきたカバンに描かれている三角形アイコンは、レースカーなどでキルスイッチの場所に張り付けられる稲妻マークのステッカーである。最近、ファッションアイコンのひとつとして流行っているらしい。

ツバンツヒが作っていたデザートはハウス食品の「プリンミクス」。同社が1964年に発売したインスタント食品である。お湯を注いで混ぜ、冷やすだけでプリンが完成する。卵原料を使用しておらず、卵アレルギーのある子供でも安心してプリンを楽しむことができるのが特徴。「プリンエル」も同じくハウス食品が1988年に発売したインスタント食品であるが、こちらは牛乳を混ぜてから加熱する工程がある。
60年代当時、手作りプリンは蒸し器で作るのが一般的であり、子供の調理体験としては少々難易度が高いものであった。よって、小学低学年でも簡単に作れるプリンミクスは、プリン好きの子供たちの味方であったと思う。マドラが「やるな」と表現したのは、要するに60年代の子供の味方であり、且つ、同じプリンの素でも元祖に近い商品である「プリンミクス」を選択したことを称えてのこと。

マドラが冗談で話した「天照陛下の鉄拳制裁」という言葉にラキシスが反応している。天照が来たのであれば、なぜ自分の前に現れないのか、と考えたのだろう。実際には東の君がマドラを正気に戻した(=おそらくスコーパー的な干渉をして意識を戻した)訳で、ラキシスもすぐに納得したようだが・・・ソープが来れないことに違和感を覚えたようだ。7月号の天照の対応、すなわち、ラキシスに何らかの干渉があるという予測は、まだ彼女自身に伝わっていないことが判る。なぜ天照だけが察知し、ラキシスには察知できないのか・・・天照にスコーパーの能力(実際はそれに似た神の力)があるということか。
(2019.08.20)


■ ユーゴ・マウザーがやってくる (p69)

ツバンツヒにケジメをつけさせるため、マウザーがお供ふたりと共にやってくる。あー・・・このヒトは元デザインの方が好みかな。あの腰痛を患っているような振る舞いがいい感じだったので。あと、右耳だけピアスをしているのはゲイの象徴だろうか。

欄外の解説に拠ると、ラキシスもまた天照家の王女扱いとのこと。天照家の王女と云えば、アイシャ・ルーマー、ワスチャ・コーダンテ、パナール・エックス、シトロン・メナーなどが該当する。ラキシスは天照の内縁の妻(?)であるが、先代命(ミコト)の養女でもあるため、便宜的に姫として扱われるとのこと。この場合の「姫」とは「王家当主の娘」としての「姫」ではなく、プリンセス(princess)の訳語である「王族の貴人の女性」としての「姫」に当たる。ちなみに、皇女、王女、公女、内親王、親王妃、皇太子妃、皇族の王女や王妃、姫などは全て英語でプリンセスとなる。
ラキシスが天照の正式な妻となれば王妃(クイーン)且つ皇后(エンプレス)ということになるが、人工生命体という出自もあるし、そもそも公にその存在が明かされていないこともあって、姫扱いとなっているようだ。

その意味では、マウザーがチェスのコマに例えて「クイーン」と呼ぶあたり、内情もちゃんと判っているようで面白い。彼女が最強であることも十分に理解しているようだ。というか、ジョーカー星団にはチェスがあるのね。まあ、将棋、花札、トランプもモチーフとして登場しているので当然か。将棋は三条香のピアス、花札はカイエンの浴衣、トランプはアルカナ騎士のスートとして登場している。

マドラがツバンツヒとマウザーの技量を比べて「互角」と称している。初対面で技量の判断ができてしまうのは、おそらく(他者の追随を許さないほど高位に位置する)剣聖クラスであるため。
ディモスやカイエンが天位を渡せるのも、こういった技量判断ができるためである。

ラキシスが着用している衣装はパジャマとのこと。調べてみたら半袖とショートパンツのパジャマが各メーカーやブランドから出ている模様。胸に「PQ」と描いてあるが、元ネタが判らず。iOS/Androidデバイス用のライブコマースアプリ「PinQul」が2017年に立ち上げたプライベートブランドとして「P.Q. by PinQul」という名のブランドがあるが、このアプリのサービスは2018年中に終了していることもあってブランドの詳細は判らず。海外ブランドの可能性が高いが、調べた限りでは特定できず。PQからピケの略称のようにもみえるが、ピケの商品で似たような形状は確認できず。ふーむ。

ラキシスを狙って何者かが動き出したところで今月号は終了。
ツバンツヒ・・・ダイジョブだよね。
(2019.08.20)
 
 

■ 2019年9月号


■ ヴィーキュルの介入 (2019年8月号p65)

ヴィーキュルの介入によって一同が異界に閉じ込められてしまう。
今月号はショウメが全部解説してくれているので考察は少ない。というか、ほぼ無い。メモ程度に。
最後に登場しているのはコマンダーのため、まだ魔王クラスではない。以前の解説では魔王ゴリリダルリハの登場が仄めかされていた訳だが・・・さて。

ひとつめ。
マドラが頭痛で倒れてしまったのは、おそらく潜在意識下にあるプロミネンスの影響と思われる。
強制的な意識の統合が始まって、頭脳に負荷が掛かり過ぎているのではないだろうか。
たぶん、目覚めたらプロミネンスになるはず。

ふたつめ。
ショウメは「命の水を失っている自分」を「ヴィーキュル侵攻の対象外」と思っていたようだ。んが・・・もともと「狙われる」ことを危惧してラキシスによる保護を要請していたはず。彼女が気にしていた相手はヴィーキュルではなく、言葉どおり人間であったということか・・・その場合、カリギュラのほかに、セントリーを研究対象として見ているガーランド、あるいは世間に注目されたい一般の騎士・人間が脅威の対象ということになるだろうが・・・ショウメにとってこれらが脅威の対象になるとは思えず、この辺がどうにも解せん。

みっつめ。
ショウメ曰く、コマンダーの姿が以前とは異なるようだ。つまり、コミック6巻で出ていたコマンダーがもともとの造形で、何らかの影響によって姿を変えたということだろうか。うーん・・・ロボット(MH⇒GTM)やスイレーのデザインが(主にメタな理由で)変更されているので、コマンダーの姿が変わっていても何ら不思議でないのだが・・・劇中で「姿が異なる」と云われると、じゃあ元デザインはどれが正解ということになるのか少々混乱してしまう。

ツバンツヒが死んでもうた・・・。
んが、彼女は7777年まで天照に付き合うことが判明しているため、ダイジョブ・ダイジョブ。あ、マウザーのピアスが無くなっとる。
(2019.09.20)
 
 

■ 2019年10月号


■ オーロラのデザイン画 (2019年9月号p63)

扉絵はオーロラのキャラシート。バッハトマ戦で着用していたアシリア・スーツである。
いいなこれ。デカダン・スーツやプラスチック・スーツよりスマートにまとまっている感じ。
(2019.09.20)


■ ツバンツヒの復帰とマウザーの入団 (p65)

先月号で絶命したかに見えたツバンツヒが復帰。マウザーは心臓部に直接生体エネルギーを送り込んでツバンツヒの回復と変形を促したようだ。胸の中央にチャージャーがあるということか。あるいは心臓自体が不定形のエネルギー・コアのようなもので、電磁的なエネルギー(?)であれば全て取り込むことができるのかも知れない。体の各部にスイングパーツがあるので、おそらくエネルギー源はGTMと共通になると思われるが、さすがに生身の肉体にハーモイド・エンジンを搭載しているとも思えん。という訳で、バッテリーの役割を果たす不定形パーツが胸部中央にあるのかなと。

んで、マウザーが「面白そう」という理由だけで入団を決めてしまう。
やっぱり、不老であるが故にこの世界に飽いていたと考えるべきだろう。
にしても、デモールの開発は投げっぱなしになるし、バッハトマとの関係もすべて投げうってしまう訳で・・・これ結構、魔導大戦の戦局に大きく影響するような気もする。
優秀なガーランドがいきなり消えたようなもんだろうに。バッハトマ敗北の遠因になっているような気がしないでもない。
あと、この流れだとEV-3とBO-6も移籍しそうな勢いであるが、さすがにミラージュ入りではないだろう。

ツバンツヒのセリフによると、完全機械化は対GTM・対戦艦戦の形態とのこと。エネルギー消費が大きく、最大戦力の維持は10分程度。つまり、駆逐戦闘ではなく、あくまでも非常時の形態である。超帝國剣聖の能力に追随するために生身を捨てたのであれば、システム・カリギュラが生み出された時点で既に超帝國の技術が失われていたことになる。カリギュラの本拠地はスタント遊星のはずで、炎の女皇帝が星団を離れる以前に向かった先がスタント遊星であるが、この辺の技術格差がどのタイミングで生まれたのか・・・素直に受け取れば、カリギュラは「置いてけぼりにされたヒトたち」ということになるだろうか。

「じゅーせんきなんたらのどーたい」とラキシスが表現しているので、「重戦機エルガイム(1984)」に登場するヘビーメタルと同様、胴体、首、手の部分はラバー製もしくは軟質パーツで構成されているのだろう。
髪飾りの部分に手を触れることで全身の変形が始まった点から察するに、この部分に制御系の重要な機器が埋め込まれているものと思われる。頭部だからもちろん重要な部分であるが、脳内コマンドではなく、手動で操作する点が面白い。最終安全装置として、わざわざ手動でスイッチを入れる仕組みになっているのかも。女子高生ミラージュの面々に頭を触らないよう懇願していたのも、この辺が理由と思われる。
(2019.10.12)


■ 侵攻の理由 (p71)

ラキシスはヴィーキュル侵攻の意図を汲みかねている模様。彼女の視点では、スレイブ、ソルジャー、コマンダーのいずれも本来の能力を発揮できておらず、無謀な介入をしているように見えているようだ。となると、単に「命の水」を狙った行動(=自分たちを進化させる行動)ではなく、もっと別の深刻な問題に対処するための行動ということになるだろうか。現時点では不明。
(2019.10.12)


■ マドラの人格統合 (p72)

ついに人格が統合されたマドラが登場。スパーク、プロミネンス、戦うことを恐れていたマドラ(カイエンと出会った頃のマドラ)の人格は消え去ったようだ。コミック11巻に登場していた3075年のマドラは人格統合後の姿だったことになる。
p72の最終コマ、彼女のブラウスのカフスボタンを見ると、ヴィヴィアン・ウエストウッドのブランドマークが確認できる。芸がコマかい。

さて、マドラのダムド・ストロークは圧縮された空気の発熱でプラズマが発生するらしい。
つまり、断熱圧縮によって大気を構成している分子が分解されて粒子の遊離が起きていることになる。
簡単な物理現象で例えると、通常の剣聖クラスが真空(カマイタチ)を生み出す運動量を発揮できるのに対し、超帝國剣聖クラスは大気圏突入に匹敵する運動量を瞬時に生み出していることになる。これが、カリギュラでも到達できなかった超帝國剣聖の戦闘能力ということだろう。あー・・・GTMを素手で壊すというのも納得ですわ。
おそらく、超帝國剣聖が使用するガット・ブロウには電磁剣や電磁ライフルの機能が付いていないのではないだろうか。彼らはヘリオス錬鋼の刀剣を振るうだけでその刃にプラズマを纏い、自在に射出することが可能なはずである(デザイン画にはトリガーがあるが)。星団紀の騎士にはそういった芸当ができないため、ガット・ブロウにそのような機能が追加されたのではないだろうか。
(2019.10.12)
 
 

■ 2019年11月号


■ コミック15巻の表紙 (2019年11月号p59)

扉絵はコミック15巻の表紙(の一部)。
オーロラが描かれているようだ。イラストのタイトルは「Praying Marble」。直訳すると「祈る大理石」という意味になる。
全体像が見えないと何とも解釈が難しい。
にしても12月に15巻発売ですね。いやぁ、いい年末が過ごせそうだ。
今月号は濃いなぁ。
(2019.10.18)


■ 懐園剣の覚醒 (p60)

武器を欲するマドラの声に答える形で空に異形の声が響き渡り、覚醒した懐園剣が落ちて来る。
アルルの手元から飛んできたのか、全く別の次元から飛ばされて来たのかは不明。
赤子のような声が聞こえたようだが、JOKERあるいは水霊の声なのか、あるいは懐園剣そのもの(正体はビュランコートという設定あり)の声なのか、現時点では一切不明。
ラキシスの観察では鍔に封印された太陽系はイースター太陽系に見えたようだが、神そのものが関与している武器のため、未来においてイースター太陽系そのものが剣に封じ込められたとしても不思議ではない。

懐園剣の過去の記憶がマドラによって読み解かれる。
委細不明の状態に重ねて謎だらけの情報開示である。旧設定から一部変更がみられる。

まずノストスパスムス戦。旧設定では炎の女皇帝がスタント遊星に出向いたAD世紀6000年頃に出現したことになっていた。
使用者はアッサラム・スキーンズで変更ないようだが、事象としてはこれより未来の話となるようだ。

次にタンツミンレ戦。これはこれまでに何度か設定が公開されているとおり。天照が誕生した2020年のエピソードである。
この時、全てのセントリーとカレン、懐園剣を得たログナーが参戦してこれを撃退したようだ。ログナーがその長い人生の中で唯一黒星を付けたとされる戦いが、この2020年の戦いである。懐園剣の最初の戦いとして設定されていたはずであるが、今回のマドラのセリフの順番からいくと、ノストスパスムス戦の方が先に起きた感じである。
また、旧設定ではAD世紀5000年頃にスタント遊星に出現し、緋紫の皇帝アーハトが撃退したことになっていた。アーハトは以前の設定でナインの前皇帝になっており、設定変更により女皇帝が星団から離れていた時期の総帝となったため、懐園剣に絡むエピソードがボツになった可能性が高い。
タンツミンレは3220年頃(現在の星団暦では3225年頃)に再びスタント遊星と共に襲来する設定になっていたはずであるが、新設定ではこの詳細な記述が消えているため、別の魔王になる可能性がある。この時の使用者はマキシとなるはずで、彼はこの戦いで肉体を失いタイカ宇宙へ転送されることになる。

次にカリストチェル戦。旧設定では太古の時代においてアズデビュート・デルタベルン・モンソロン大帝が撃破していたことになっていた。
今回の設定変更により、遥かな時空において超帝國剣聖ララファ・ジュノーンが討ち払ったらしい。過去か未来かは不明であるが、炎の女皇帝がAD世紀5000年頃にスタント遊星に向かっていた際に魔王クラスと対峙しているはずである。この時、「遥かな時空」に飛んだ状態で戦った可能性はある。
うーん・・・劇中に登場したハリコンのセリフだと、過去に超帝國剣聖の力を発揮して懐園剣を使用したことがあるように見受けられる。この戦いが実はカリストチェル戦だったということはないだろうか。あるいは、その戦いの記憶をララファから継承しているのかも。

次にダリスドゥバース戦。超古代においてアズデビュート大帝が討伐したらしい。旧設定ではカリストチェル戦だったが、上記のララファと入れ替えになる。

そしてオピクル戦である。旧設定ではカラミティ・ゴーダース・フーバーク大帝の手によって撃破されたことになっていた。
五つの星の物語に登場していた国王がおそらくフーバーク大帝、その娘がアイエッタ姫、そしてアイエッタ姫からログナーが誕生したと思われるが、今回のセリフではアイエッタ姫が懐園剣の使用者だったようだ。また、セントリーの初出現が絡むエピソードのため、アイエッタ姫のエピソードは伝承紀のはずであるが、ここでは「モナークの素子姫」とされている。ログナーもまた「モナークの騎士」と呼ばれており、彼らの起源がいつの時代となるかは判然としない。

順当に考えれば・・・。
モナーク紀にモナーク・セイクレッドが作られたが、その記録は一切なし。
伝承紀(フーバーク大帝の時代あるいはカラミティ・ゴーダース王の時代)のエピソードは伝承として残されたが、詳細は不明。
アズデビュート紀にモナーク・セイクレッドが発見され、伝承紀以前の遺物として考えられたことでモナーク紀の存在が認められた。
という流れになるはずなので、アイエッタやログナーの呼び名に「モナーク」が冠せられる点がなかなか難しい。この辺は何とも結論が出ない。

炎の女皇帝が懐園剣を指して「遊星兵器」と定義づけたことについて。
つまり、スキーンズの戦いか、ララファの戦いの時点で炎の女皇帝がこの剣を検分していたことになる。
マドラ自身の記憶に未来が含まれているのであれば、スキーンズの戦いの際でも問題ないが、マドラ自身に未来の記憶がないのであれば、過去の時代において出現した際に検分したことになる。
あーでも炎の女皇帝がモナーク・セイクレッドに到達してから、過去に向けて超帝國剣聖をリストアしたことが判っているので、マドラ自身に未来の記憶があっても不思議ではないか。あーヤヤコシイ。

もうひとつ。マドラは懐園剣から「本来の主」について情報を得たようなので、おそらく剣聖マキシに渡すことを依頼されたのだろう。
式神オフェロスとかその辺に至っては一切不明である。
懐園剣の質量と重さについては永野センセーの解説のとおり。もし判らない場合でも「質量 重量 違い」で検索するとアチコチ細かく解説されているのでよく判る。質量がないのに星ひとつ分の質量を打ち出す点が「あり得ない」。まさに神が作った兵器と云える。
(2019.10.22)


■ おっぱいミサイルとツバンツヒの頭 (p64)

ツバンツヒの変身が解けた際に「おっぱいみさいる」というセリフがある。アニメおよびコミック作品の「マジンガーZ(1972)」に登場したアフロダイAのミサイルがその元祖。後継機のダイアナンAや「グレートマジンガー(1974)」に登場するビューナスA(こちらは光子力ミサイルという正式名がある)も同様の機構を有しており、シリーズを通して登場するネタ兵器となった。正式名称ではないが、コミック版で「おっぱいミサイル」と呼んでいるシーンもあるようだ。この兵器の最大の疑問は途中からムチャクチャ連射ができるようになること。謎だ。
ツバンツヒの変身が解けた際に頭部のモジュールが顕になっている。自在に変形できる身体でありながら、この部分のパーツは体内に収納できないようだ。髪飾りの内側に隠していたことが判る。
(2019.10.22)


■ 女性のヴィーキュル (p66)

センチュリオが登場したことでショウメが状況を理解し、これまでのコマンダーと姿が異なっていた理由が明かされる。
ショウメのセリフに拠ると、今回介入してきたヴィーキュルは女性型で支配種に位置付けられるらしい。つまり、ショウメは女性型の存在を知りつつも、過去に遭遇していなかったことになる。あるいは、セントリーもまた神の一種である訳で、今回の遭遇だけで支配種が存在していることを一瞬で推論したのかも知れない。

最上位種と思われる女魔帝ゴリリダルリハが登場したところで今月号は終了。
サタネスはおそらく名前ではなく肩書き。おそらくサタン(Satan)に女性を表す「-ess」を併せた造語である。直訳すれば「女サタン」ということになるが、そのまんま「女魔帝」と意訳した方がよいだろう。
あとはそのうち辞書ページにまとめます。
(2019.10.22)
 
 

■ 2019年12月号


■ マウザー教授のGTM特別講義 (2019年12月号p59)

今月号は情報過多で何が何やら。
扉絵の永野センセーのコメントでも絵だけ見て楽しむように云っているので、考察とか土台無理な話ってことで見ていきましょう。

扉絵はユーゴ・マウザーによるGTMの解説。
MHとは異なり、GTMは誰でもファティマなしで操縦可能とのこと。操者の身体の反応や意思を読み取って肉体の動きを完全に再現するらしい。とは云え、一般人と騎士の運動量はそもそも完全に異なるため、一般人を乗せても意味がないとのこと。整備士がハンガー内で移動する場合などは一般人が操縦するのだろう。GTM本来の性能を引き出すにはファティマの補助が不可欠であり、騎士自身の操作もかなり複雑になる模様。騎体を動かせればOKという訳ではないようだ。身体の動きを完全再現するだけのロボットであれば、搭乗した状態での教導訓練は必要ない訳で、そこはやはり騎士だからこそ必要になる操縦テクニックというものがあるのだろう。

コマの中で描かれている戦闘機はおそらくMe262とF-35。第二次世界大戦中のジェット戦闘機と最新型のステルス戦闘機である。
Me262はドイツのメッサーシュミット社が開発したジェット戦闘機。実戦配備した初のジェット戦闘機とされる。ペットネームはシュヴァルベ(Schwalbe)。ドイツ語で「ツバメ」の意。また、同機種の戦闘爆撃機仕様のモデルはシュトゥルムフォーゲル(Sturmvogel)と呼ばれ、こちらは「ミズナギドリ」の意。1941年に試作機が初飛行。44年より実戦配備された。
F-35はアメリカのロッキード・マーティンが開発した第5世代ジェット戦闘機。ペットネームはライトニングII。2000年代以前より開発が進められており、量産機は06年に初飛行。11年より実践配備されている。開発当初から多用途戦闘機として開発されたため、装備に変更により制空・対地攻撃が可能。また、一部の仕様変更だけで通常離着陸型(CTOL)、短距離離陸・垂直着陸型(STOVL)、艦載機型(CV)に派生する優れた設計が特徴。

下段に描かれている戦車はおそらくドイツの5号戦車。1938年に開発がスタートした中戦車で、ダイムラー・ベンツ社、クルップ社、MAN社がそれぞれ試作車の開発を担当。42年に制式採用されたMAN社の車輌に5号戦車パンサーの名称が与えられた。戦車に詳しいヒトであれば何型かも判るのかも知れない。桜牧師には無理。うーんと・・・砲塔番号から第3中隊第2小隊2号車ということになるのかな。大隊がどこか判らず。

欄外のセンセーの解説に拠ると、アルルが所持している懐園剣は現在も彼女の手元にあるとのこと。今回のエピソードでラキシスたちが囚われた異界は既に現世から離れた次元・時代にあるようだ。
(2019.12.21)


■ 悪魔の視線 (p60)

ゴリリダルリハの視線に魅入られて正気を失くす面々。
シオのメンバーの思考が食欲メインになっている点が意外。半有機生命体であれば、食べ物に興味を失っていても不思議ではないはず。それとも、長生きすることでほかの欲求がどんどん消えていって、最後に食欲が残るのか。母星での普段の食生活がジョーカー星団の一般的なモノからかけ離れており、彼女たちから見て「ある意味レトロな味」が逆に新鮮に感じられるのかも。
BO-6が考えている資生堂パーラーは化粧品メーカー資生堂の子会社。レストランの運営や洋菓子の販売を行う企業であり、展開しているチェーン店も資生堂パーラーと呼ばれる。1902年創業の「資生堂ソーダファウンテン」がその起源。現在の社名は1941年から。銀座本店のほか、都内、横浜市、名古屋市などに店舗がある。チキンライスは同店の人気メニューのひとつ。また、「資生堂パーラー・チキンライスの素」という商品も売られているようだ。

マウザーのセリフに拠ると、GTMフドーの開発にコーネラとダスニカが絡んでいるようだ。設定上はディ・ヨーグン連合の主力GTMであるが、バルター・ヒュードラーの協力を得ながら、ダスニカおよびディ・ヨーグンと共同開発を進めていることになるだろうか。ボスやんもこの2国に肩入れしているようなセリフがあったはず(15巻p45)。

コマンダーやセンチュリオの関節がツインスイングであることにツッコミを入れているマウザーであるが、実体化する際にこのような形態を取ったのか、もともとこのような身体をもっているのかは不明。

超帝國剣聖の動きですら凌駕する女魔帝ゴリリダルリハと親衛隊(センチュリオ)の連携攻撃に対し、マウザーは神経レベルのリンクがあるのではないかと考察したようだ。個々の判断で動くだけではなく、各個体がリンクすることで統一した総体として意識をもつことが可能ということか。うーん・・・微妙にミラージュ・マシンのストライパー・システムと似通っている気がする。
もしかしたら、天照はヴィーキュルのこういった特性を事前に知り得ており、その対抗策としてストライパー・システムを開発したのかも。
(2019.12.23)


■ 星団暦7444年 (p63)

ラキシスがゴリリダルリハに掴まれた際にタイトルが入る。「運命のラキシス7444〜大君主バフォメートのまなざし〜」とのこと。今現在描かれているエピソードが7444年ということか。それとも、未来のラキシスがバフォメートと会話したのが7444年ということになるだろうか。コミック巻末の星団暦でも空白の時代である。
もし、今回のエピソード自体が(3037年から呼び出されて)7444年(に移動してきた状態)の話であったとしても、ラキシスが「時を駆け下りてきたヒト」(3巻p176)である以上、未来の記憶を宿していても不思議ではない。現に、ラキシスが未来の姿に転じて話しているセリフには、7281年にアズデビュート大帝と出会った際に得た知識が含まれているようだ。もしかしたら、バフォメートとも直接面識があるかも知れない。

ラキシスのセリフから読み取れることを整理すると・・・モンソロンの時代にアズデビュートが自身を式崩壊させることで、モナーク・セイクレッドの世界創世式を解いたと。んで、ヴィーキュルの頂点に立つ存在は大君主バフォメートであり、バフォメートもまたアズデビュートと同様に世界創世式の「解」を知り得ていると。ただし、これに同族が触れることを禁忌としているらしく、ゴリリダルリハは独自にその「解」を得る行動を起こしたようだ。

世界創世式が何であるかは不明であるが、その名称から察するにジョーカー宇宙あるいはジョーカー世界を生み出したその根源となる数式ということだろう。この世界のあらゆる存在が、この数式に沿って生み出され、生まれ変わり、変遷を繰り返していると。単純に考えれば、ジョーカー世界のすべてがその数式を組んだ極めて上位の存在によってコントロールされていることになるだろうか。んで、それはまたヴィーキュルも同じであり、バフォメートはそれを理解していることになる。
うーん・・・旧設定で、ヴィーキュルが所属する宇宙は大剛神モイキュードが支配する「バスター宇宙」とされており、ジョーカー宇宙とは異なっていたはず。そのふたつの世界に共通して世界創世式が絡んでいることになると、天照大神ですら超える超々上位の存在が両者を作ったことになる・・・のかな。
この辺の設定はすべて説明されるとも思えないので、とりあえず流し読みの方向で。

バフォメート(Baphomet)とはもともとキリスト教における悪魔のひとり。黒ミサを司る山羊頭の悪魔である。また、旧設定において大君主と呼ばれていたのはビヨンド・クラスファー・オーバーマテリアル(あるいはオーバーマインド)であるが、これらが同一の存在であるか否かは不明。おそらく今後も答えは出ないだろう。
(2019.12.23)


■ マグナパレスの乱入 (p68)

コミック1巻のK.O.G.の起動シーンを彷彿とする流れで主役ロボ・マグナパレスが登場。ぎゃーカッコイイ。
2018年4月号で表紙を飾ったマグナパレスと比べると、後頭部の巨大なパーツが目立つ。ツァラトウストラのヘッドバック・ハロおよびベンダー・ウィグに相当する放熱パーツが取り付けてあるようだ。下半身はツァラトゥストラとほぼ共通の模様。
それにしても「ナイト・オブ・ゴールド」というその「名」である。
思うに、MHがGTMに置き換わり、コミック13巻以降で(読者に紹介する目的で)ドカドカ登場させてきたその一連の流れの大トリとして、本作を象徴する主役ロボがついに登場したということだろう。ただ、今回のエピソードはコミック16巻に収録されるはずで、まだ巻末に入るような長さではないため、この後でもっとスゴイGTMが飛び込んで来るかも知れない。
これまで本編に登場した主役級のMHで、まだGTMデザインが公表されていないものと云えば・・・天照家J型駆逐兵器になるだろうか。さて。

ミキータ・オージェが予想通り大人の姿で登場。履いている靴は天照が与えたサンダルである。彼女の言に拠ると、超帝國剣聖は同調神経によりファティマなしでGTMを操縦できるとのこと。ただし、ファティマと比較して感応レベルは低いようなので、騎体制御のレスポンスは悪くなっている可能性がある。ミキータのパートナーはパシテアであるが、たまたま連れてくることができなかったのか、マグナパレスであるが故に搭乗できなかったのか・・・。もともと完全制御できるのはラキシスとヒュートランだけという設定もあったため、後者の可能性が高いか。

あとはメモ程度に。
GTMの腕装甲が見えた時点でツバンツヒがヴェーパー・ラティス・ラミネート(格子蒸化装甲)と呼んでいる。ヴェーパー(vapor)は「蒸気」、ラティス(lattice)は「格子」、ラミネート(laminate)は「積層板」の意。おそらく、純金を一旦蒸気化して格子状に定着させ、透明装甲に挟み込んだサンドイッチ装甲をこのように呼んでいるのだろう。マグナパレスだけがもつ特殊装甲ではないだろうか。
ティティンD型ツァラトウストラという呼び名は初出。ツァラトウストラはB型の呼称であるが、先行開発したD型のデータが同型フレーム・同型エンジンのB型に反映されているはずなので、ツァラトウストラの原型モデルとして同じ呼称が使われているのだろう。ツバンツヒがこのような反応を示したということは、少なくともマグナパレスのデータを閲覧しているということ。あるいは既に実騎に触れて改修を手伝っているのかも。

惑星の衝突に匹敵する懐園剣よりも、マグナパレスのビー・ベロックの方が威力が高いように見えるが・・・単純にマドラは懐園剣の本来の能力を引き出していない、と考えればよいのか。いずれにしても、生身で戦うよりGTMで戦う方が安全なはず。

マグナパレス登場までの経緯を考えるに、ちゃあ・ティはヨーンを追う形で魔導大戦に乗り込んで来たものの、ジークと再会した後で捜索を一旦打ち切り、(ジークに捜索をお願いして)ルミナス学園に戻ったと考えていいだろう。んで、マグナパレスはフロート・テンプルに戻されて装甲と装備を戻したと。
今回は天照がラキシスの危険を察知し、緊急に手配できる最大戦力としてミキータにマグナパレスを渡したものと考えられる。異界に干渉するために次元を超える機能をもつマグナパレスが与えられたのか。いや、JOKERとスイレーが絡んでいる時点で何でもありと云ってしまえばそれまでだが。
天照が与えた命令は「可能な限り時間を稼げ」とのこと。さらにトンデモない何かが出て来るようだ。
(2019.12.30)
 
 

■ 2020年1月号


■ バスター砲3連射 (2020年1月号p64)

マグナパレスのバスター砲3連射までの流れを追ってみる。
p64でサイドクレーンを伸ばしてラピデア・カノンを連結している。ナイト・オブ・ゴールドの2段折りバスター砲とは異なり、マグナパレスは3段折りとの設定。3つのパーツをスライドして連結するようだ。トラベリングクランプはおそらく移動・輸送時に砲身を固定して、振動による破損や故障を防ぐ役割をもつ支持架のこと。ヒートベンダーは排熱器である。

p66でインナーバレルを回転して砲身内発生電子による熱上昇を抑えている。おそらく、バスター・エネルギーが砲身内を通過する際、砲身の一部や空気に分子結合の崩壊が起こり、電子が大量に遊離するのだろう。砲身の回転で電子の位相を反転する(=陽電子に変換する?)という部分がナゾ技術であるが、単純に砲身の回転で熱を系外排出するのではなく、強制冷却のための仕組みがあるということだろう。

p67で電子照準と電波照準を停止し、肉眼照準に切り替えている。
電子照準はスキャナーや距離測定ビームなどを用いると共にコンピューターによる支援を受けて行う照準合わせのこと。
電波照準は初出であるが、単純に電波を用いた照準合わせということ。電波は波長によって様々な周波数帯に分けられるが、おそらくレーダーやビーコンを用いた照準合わせということになる。電波だけで目標を絞り込むことは難しいと思えるが、ほかの電子銃を含めた複合解析を行っているのだろう。ちなみに、電波天文学で使用されるのもミリ波(30〜300GHzの電波)である。

肉眼照準としてラキシスが表示した円は、おそらくカメラや望遠鏡のピント合わせで昔から使用されているスプリットイメージの円マークではないだろうか。円の上下のズレを合わせてピント調整するアレである。

p67後半でチャンバー圧力が最大となり、ラピッドアクションレバーを下げて装填している。
ディスコネクターは銃火器のパーツのひとつ。トリガーを引いて弾丸が発射された後、トリガーとハンマーの連結を一旦遮断する機構をもつ。つまり、ディスコネクターが作動していると、トリガーを引いた状態にしていてもハンマーはフリーな状態となっており、トリガーを戻して初めてハンマーを起こすことが可能となる。
シアーはトリガーとハンマーの間にあり、ハンマーを起こした際に固定する役目をもつ。トリガーを引くことでシアーが解放され、ハンマーが倒れる仕組みになっている。
ディスコネクターは本来オートマチックピストルでフルオートを避けるための機構である。ディスコネクターを作動させた上でシアーを解放してロックすると、3連射の次弾装填が自動でできないことになるが・・・ラピデア・カノンでは発射の度にハンマーを起こす訳ではないので、トリガーを一度引いた状態で3発分のバスター・エネルギーが発射されるまで固定する役割を持っていることになるのかな。うーん・・・連射しない場合はディスコネクターを作動させ、連射する場合は停止させる方が一般的なイメージに近いはず。

んで、バイザーを下げて3連射。余剰エネルギーはスラッシュカット・エキゾーストから排出。発射時にサイドクレーンの先端が伸びているのが確認できる。ビロビロ伸びている部分はおそらくスタビライザーである。

ツバンツヒのセリフに拠ると、破烈の人形のラピデア・カノンは威力を落とした2連射となるようだ。
(2019.12.30)


■ マドラのパンツ (p65)

マドラがジャンプしているシーンで、コマ外にパンツの説明あり。「Ravege hip hang Tanger」と書いてある。
「Ravege」では無くて「Ravage」が正解。スペインの下着ブランドGemma(ジェンマ)のチーフデザイナーを務めたLaure Atain(ロール・アタン)が1990年にフランス・リヨンで創業した高級下着ブランドRavage(ラヴァージ)が元ネタ。ブランド名はフランス語で「退廃」を意味する。丁寧な刺繍はもちろんのこと、素材の段階からオリジナル・デザインの生地を作ることで知られ、「ランジェリーのオートクチュール」と評される。1999年にBarbara(バルバラ社)と合併。ナトリウム・シング・桜子もこのブランドの下着を着用している。
また、「Tanger」では無くて「Tanga」が正解。ヒップハング(hip hang)はお尻を大きく覆うタイプのショーツで、タンガ(tanga)は両サイドが細い帯状もしくは紐状になっており、フロントとバックがV字状に切り込まれているショーツを指す。この両者を融合させた形状で、腰周りを大きくベルト状に覆うタイプのタンガをヒップハングタンガと呼ぶ。
(2019.12.30)


■ 紫電雨 (p66)

マウザーが解説キャラになっているのがちょっとかわいそう。
今回初出の紫電雨(プラズマ・フォール)という技。おそらく、プラズマを纏う扇状のソニックブレードを放つことで敵集団を薙ぎ払う効果を発揮する剣技と思われる。地面を抉る際に地霧の如く波状にプラズマが広がることから、滝壷に広がる霧雨に準えてこのような名前が付けられたのだろう。
(2019.12.30)


■ お守り役がやって来た (p72)

絶体絶命と思われたところでラキシスのお守り役であるポーターがやって来る。ちなみに、ポーターがラキシス・ガードとして設定公開されたのは、リブート4巻刊行時。なんと2011年である。マドラが懐園剣を使用するのはコミック11巻の時点で明かされていたので、今回の話はそれだけ前から既に設定されていたことになる。

ポーターはアーク・水霊でもあるため、これに従う立ち位置にあるセントリー=ショウメがその登場にビビっているようだ。p73で「おこられるー」と云っているので、ラキシスを頼ったことを咎められると考えているのだろうか。結果としてラキシスと一緒にいなければショウメがあっさりヴィーキュルに拉致られた可能性もある訳で、結果オーライのような気もするが。

ポーターのセリフに拠ると、現在ラキシスたちがいる場所は星団暦7444年時のシャデルファーとのこと。異界からヴィーキュルが来たのではなく、ヴィーキュルたちがラキシスたちをこの時代に呼び寄せたようだ。ウエスタは寿命が尽きかけており、赤色巨星となっている模様。
赤色巨星は寿命を終えた恒星の進化段階のひとつ。恒星は中心部の水素を使い果たすとヘリウムを中心核として水素に覆われた星となる。中心部の核融合が無くなることで星は収縮を始めるものの、重力エネルギーが熱に転じることでヘリウム中心核のすぐ外側の層で水素の核融合が起こり、その熱によって外層が膨張し続け恒星が大きく成長する形となる。これを赤色巨星と呼ぶ。恒星の寿命は質量により異なるが、我々が住む太陽系の恒星も55億年後には赤色巨星になっているタイミングである。

あと、イースター太陽系が懐園剣に飲み込まれるのも本当の出来事らしい。星団暦7777年にカレンが誕生してフォーチュン宇宙を創造すること、ジョーカー宇宙最後の星フォーチュンを新たな宇宙に移すことは設定公開されているため、それ以前にほかの太陽系は終焉を迎えているということだろう。

ジョーカーは対峙する相手が女魔帝と知って逃げ出したようだが、おそらくポーターだけで対応可能なことが判ったから勝手に帰ったのではないだろうか。
ゴリリダルリハがポーターに対して「使い魔」と罵っているので、ヴィーキュルの方でも彼女と主従関係にある使役者がいることを既に把握していることが判る。

ポーター曰く、ヴィーキュルにはバックアップが存在するために死滅させることは不可能とのこと。自身が破壊された場合に再生するのではなく、バックアップ=破壊される前の時空から肉体を呼び出しているのだという。つまり、意識そのものは別の次元にあり、肉体は現世にアクセスするための人形であって、あらやる時間帯から無限に呼び出すことが可能ということだろう。
ベルトコンベアの上に、過去・現在・未来の自分が無限にあると考えれば判りやすい。ベルトコンベアを回すのと、そこにアクセスするのに多大なエネルギーが必要なため、まずはそれを断ち切る(=バスター砲発射)ことで無限に湧き出る仕組みを停止させたと。残った目の前にあるモノはオマケの一発(ノヴァ・フレーム)で消せばいいという訳だ。なるほど。

名称がノヴァ・グリッターからノヴァ・フレームに戻っている点は気になるが、あとはポーターが決めてしまうことになるようだ。
が・・・マドラが片腕を失う描写がまだ描かれていないので、もうひと悶着あるのは必至なはず。
(2020.01.01)
 
 

■ 2020年2月号


■ ログナーの出番が無い (2020年2月号p51)

扉絵で突然の宣言。ヴィーキュルの登場に合わせて乱入してくるもとの思われたログナーはまさかの未登場。えー。
デザインズ以降に発表されていた情報を見る限り、絶対ログナーがセントリーを引き連れて来ると思っていたのになぁ。残念。
(2020.02.08)


■ 物理と精神の世界を超えよ (p52)

大剛神モイキュードがヴィーキュルに遺したという「物理と精神の世界を超えよ」という言葉。
より正確には「物質と精神の世界」と表現すべきだろう。これは、ルネ・デカルトなどが唱えた実体二元論から読み解くと判りやすい。
実体二元論とは、いわゆる肉体(物質的実体)とは別に、魂や意識を成す実体(心的実体)が存在しており、思考や判断はこの心的実体が担っているという考え方である。
現在の哲学あるいは形而上学においてほとんど支持されることの無い考え方であるが、無限に肉体を構築できるヴィーキュル(や劇中の神々)は、まさにこれを体現している存在と云える。むしろ、実体二元論に完全に縛られた存在という見方もできるだろう。肉体が死滅しても心的実体から無限に復活できる存在・・・そのような永続性に縛られた存在が「何をもって超越を果たせるか」という部分を考えると、ゴリリダルリハが求めているモノも薄っすらと見えて来るかも知れない。

例えば、今月号ではアトロポスとクローソーが登場する。彼女らはゲートキーパー(門神)であり、おそらくヒトは死を経ることで門神に導かれ、現世から常世に渡ることができる。これがヒトにとっての超越であるとすれば、ヴィーキュルにとっての超越とは何であろうか。あるいはモイキュードがその方法を見つけたのかも知れないが・・・ゴリリダルリハの目的がこの「超越のための模索」であるならば、これを「盲信」と切り捨てられるスイレーは、やはりヴィーキュルよりも上位にある存在ということになるだろうか。

モイキュードの肩書きは「アクト・リジット・オーバーロード」。アクト(act)は「行為」の意。また、演劇等のパフォーマンスにおける「一幕」や「一席」という意味もある。リジット(rigid)は「厳格」の意。よって、「非常に厳格な行為を示す超神」と訳せばいいだろうか。
一方、スイレーの肩書きは「アーク・オブ・ユニバース」。アーク(arch-)は「首位の」とか「頭目の」という意味の接頭語であるが、ここは素直に「宇宙の主」と訳した方がよいだろう。ただ、アイエッタ姫の眼前に現れたスイレーは「異界異形の少女」と呼びかけていたので、本質的にはジョーカー宇宙の神ではなく、別世界から干渉している異界神とした方が収まりが良いのではないだろうか。

ポーターを依代(?)としてスイレーがついに顕現する。スイレーとラキシスの遭遇は今回で2回目となるが、ラキシスはおそらく前回の遭遇を忘れているはず(コミック6巻p106)。
また、前回はスイレーが去った後にポーターの登場シーンがあるが・・・この時点で既にポーターと同化(?)していたのか否かは不明。
というか、デザインズ1で浮遊城動乱の原因はJOKERの抑制となっており、スペクターはアークの登場を異界からの手助けとして見ていた(6巻p123)ので、この時点で同化はしていなかったと考えるべきか。
(2020.02.08)


■ すえぞうの登場 (p57)

スイレーが白のクラインを割ることでスターバーストが生み出され、その中心からセントリー・ライブが飛び出す。
スターバーストとは、銀河同士の衝突によって星の材料となる星間ガスが大量に発生し、短期間で大量の星形成が起きる現象のこと。爆発的星形成とも呼ばれる。また、スターバーストによって生まれつつある銀河をスターバースト銀河と呼ぶ。クラウン銀河の中心部にはスターバーストが存在しており、その空間に「この世の全てを手中に収めた者が求めるであろう聖典」とも云われるモナーク・セイクレッドが安置されているらしい。うーん・・・今回の描写を見る限り、モナーク・セイクレッドを求める行為は、セントリー(の中枢?)に近づくことと同義のようにも思えるが・・・。

という訳で、すえぞうが久しぶりに登場。その全長はなんとアンドロメダ銀河の直径とほぼ同じとのこと。
アンドロメダ銀河はメシエカタログにM31として記載されている渦巻銀河。さんかく座銀河(M33)や天の川銀河(我々の太陽系を含む銀河)と共に局部銀河群を構成する。直径は22〜26万光年とされており、天の川銀河の8〜10万光年と比べて遥かに大きい銀河である。地球から250万光年ほど離れており、肉眼では見えないが、夜空では満月の約5倍の大きさに見えるらしい。すえぞうの大きさも何となくイメージできるだろうか。

んで、アトロポスとクローソーがすえぞうと共に登場する。コミック9巻に登場した際はすえぞうの両翼にシルエットが浮かび上がっていたのだが、今回は実体(?)を伴っての登場である。吸収したというよりは、同化することでふたりがゲートキーパー(門神)に進化したと考えればいいだろうか。
運命の3女神のうち、「誕生」と「死滅」を担うアトロポスとクローソーは常世と現世の狭間に立つ女神でもあるため、門神となり得るし、すえぞうが属す世界との接点も見出すことができる。一方、「誕生」と「死滅」の間を埋める「一生」あるいは「生そのもの」を担うラキシスは常に現世に留まる女神ということになるため、門神には成れず、すえぞうとの接点も薄いのかも知れない。というか、すえぞうはラキシスが単純のコワイだけか(グーで殴るし)。
すえぞうがこの姿となったために、ソープが与えた首飾りが消えてしまっているのは残念。身体のどこかに取り込んでいるのだろうか。
(2020.02.08)


■ 3つの名前 (p63)

消えゆくゴリリダルリハの念波が語る3つの名前。
所々欠けているものの、「母神アスタローテ」「大君主バフォメート」「ヴィクトリー」と云っているようだ。あるいは「バフォメート・ヴィクトリー」というフルネームか。

アスタローテは炎の女皇帝が衛兵として常に身近に置いている騎士。その正体はサタンの一体とされている。劇中に登場したシーンでは、女皇帝以下、超帝國騎士全員が光子結晶に精神を移した後も、ただひとり本来の姿(?)を維持して焔星緋帝母艦「星(シング)」の中で守衛を務めていた(コミック9巻p79に登場した「阿斯達羅特」)。新設定においては、スキーンズら超帝國剣聖と共に焔星緋帝母艦「星(シング)」に在り、現在は女皇帝の留守を預かっていることになっている。また、コミック巻末に記載されている年表に拠ると、彼女は星団暦4100年以降にモナーク紀から続く星団記録を停止することになっている。ゴリリダルリハの口振りから察するに、アスタローテが炎の女皇帝と共にあることを知っているのか否か微妙な感じである。

ヴィクトリーは、設定上、ミラージュ騎士団のNo.34とされている異形の騎士である。天照がジョーカー太陽星団を離れた後、つまりウィル星団暦の時代にスカウトするらしい。レディ・スペクターと同じく異星人であるが、出身星などのプロフィールについては明かされていない。ゴリリダルリハのセリフから、バフォメートとヴィクトリーがそれぞれ別の個体なのか、同一の個体を指すのかは判断できないが、少なくともアスタローテと同レベルのサタンの一体であることが明かされたことになる。
ただ、ヴィーキュルの支配種は女性型という設定が出ているので、(公開されているデザイン画では)男性型にしか見えないヴィクトリーがどのような立ち位置になるか。この辺は今後の設定公開を待つしかない。
うーん・・・デザインズ1でヴィクトリーのデザイン画と設定公開が見送られたのは、これが理由ということになるだろうか。つまり、ミラージュ騎士のひとりというより、サタンの一体として盛り込むべき設定の方が多かったと。次のデザインズでヴィーキュル関連の情報が盛り込まれるかも知れないですね。
(2020.02.09)


■ 運ぶモノ (p64)

ポーターの弁に拠ると、彼女は現世と常世の間を結ぶ運び役(ポーター)の役目を負っているようだ。アトロポスとクローソーは門神、ポーターは門の間で橋渡しを行う運び役ということになる。門神となったふたりより現世に近い位置にいる形となるため、ポーターが劇中で果たす役割は今後も大きくなるかも知れない。
あるいは、ラキシス外伝において、天照をラキシスの元へ「運ぶ」役割を担うことになるのか。
永野センセーの解説では、ポーターはウィル星団暦7777年までラキシスを超える最終兵器として君臨するらしい。天照に付き添ってラキシスの探索に同行するものと考えられるが、スペクターの方はウィル星団暦6599年のレディ・スペクター入団時には既に退団したことになっている。天照がジョーカー太陽星団から旅立つ際に居残るということだろう。
(2020.02.09)


予想どおり、ゴリリダルリハを超える何者かの接近が匂わされたところで今月号は終了。
マドラが片腕を失くすシーンが近づいている・・・のかな。
 
 

■ 2020年3月号


■ クーン (2020年3月号p59)

扉絵はクーンのデザイン画(アシリア・スーツ)。初出。
おそらく14巻で登場したことで新規に起こされたデザイン画と思われるが・・・セットで精霊体の新デザインも必要なのでは。
永野センセーお願いします。


■ 虚無空間の発生 (p60)

ゴリリダルリハの干渉を退けたポーターは、エネルギーの大規模消費によって発生した静穏な状態を「虚無空間」と称した。
虚無とは何物も無い状態のこと。おそらく、その「場」を構成するエネルギー・ポテンシャルが著しく低くなることで、別宇宙からの干渉が容易にできる状態になってしまうのだろう。
ポーターの弁に拠ると、コミック6巻の浮遊城動乱においてヴィーキュルを撃退した際、これと酷似した状況が発生していたらしい。
あの時は、ヴィーキュルの干渉に対して、セントリー・カラット(フェザー・ドラゴン)が登場し、次元回廊の解放、千手観音(?)の出現、カレンとユライヒの乱入と確かに膨大なエネルギーが消費されていたかも知れない。それ以前に浮遊城のエンジンが停止して「場」を支えるエネルギーが枯渇していたような描写も見られた。
そのタイミングで接触して来た存在がルシファ・センタイマである(6巻p119)。

今回は状況が全く異なるものの、ヴィーキュルを抑え込んだ後というタイミングは一致している。
この隙を縫って、別の宇宙の神々が干渉してくる。
(2020.02.14)


■ 神々と星の創造 (p63)

ラキシスを弄ぶ(?)べく干渉して来た異界の神々。カレンやユライヒの感知を避けるためなのか、時間軸と座標を悟られないように新たな星を想像したようだ。
青い岩を見てツバンツヒがシアン化合物ではないかと疑っている。
シアン化合物はシアン化物イオンを含む塩類の総称。シアン化物、青酸塩、青化物とも呼ばれる。シアン化カリウム(青酸カリ)などが有名。多くは毒性を持っており、この物質に晒されることで中毒症状を発症する。例として、シアン化ガスを吸引すると数分以内に頭痛や眩暈が起こり、次に嘔吐や発作、最終的に心拍数低下、意識消失を経て心停止する。ガスで無くとも、固形物を摂取したり、液体が皮膚に触れることでも同様の症状が出る。ただ、シアン化合物の全てが青色を呈する訳ではないので注意。ツバンツヒのセリフを読む限り、生体兵器に変身できるシオのメンバーでも毒物に完全な耐性を持っている訳ではないようだ。

ポーターが「神々」と呼ぶ存在について。ヴィーキュルやアークも神とされているため、この辺の関係が判らずちょっと混乱してしまう。
設定上、スイレーは星の破壊は可能でも創造はできないとされている。その下位に位置するセントリーもおそらく同様であろう。アークは異界神という設定もあったが、ポーターの視点から見て今回登場したモノたちが「別の世界の神々」であるとするならば、アークはジョーカー宇宙あるいはジョーカー世界に属す神ということになる。ヴィーキュルの頂点に立つ大君主バフォメートもまたアズデビュートと同様に世界創世式の「解」を知り得ているとの話があったので、アークとヴィーキュルは共にジョーカー宇宙に属す存在ということになるだろうか。先月号のポーターのセリフでも、ヴィーキュルは「次元は違えど私たちと同じ宇宙世界の住人」とされていたので、おそらくそのように捉えた方がよいだろう。

ではその場合、ヴィーキュルたちが崇める(?)大剛神モイキュードが「バスター宇宙の支配者」である点をどのように捉えるか。
ジョーカー宇宙から見て、タイカ宇宙に属すユライヒ、フォーチュン宇宙を創るカレンは、異界神であると同時に全能神である。それと対峙するモイキュードは同クラスの全能神という想像ができるが・・・その下位にあるヴィーキュルたちがジョーカー宇宙に属すことになると、彼らの関係性が見えなくなってくる。まあ、モイキュードがバスター宇宙に渡ってしまい、その際に「物理と精神の世界を超えよ」という言葉を遺して去ったと考えれば辻褄が合うか。

いずれにしても、今回ラキシスに接触してきた存在は、星ひとつを瞬時に創造する全能神であるということ。
また、そこから遡って浮遊城動乱の際に接触してきたルシファ・センタイマもまた同クラスの神に位置づけられる可能性があるということ。
劇中の登場シーンを見る限り、彼がそこまで上位の存在になり得ているとは思えないが・・・センタイマに苦戦していたシルヴィスもまた異界に渡っている(コミック10巻p15)ことを考えれば不思議ではないか。
(2020.02.18)


■ 魑魅魍魎の宴 (p64)

あとはメモ程度に。

切り刻まれたメンバーの血が黒い霧に転じてしまうのは、接触によってこの星と同様に構成物質を作り替えられてしまったためか。
あるいは、液体が存在し得ない物理法則となっているのか。
ちなみに、ドラゴンクエスト・シリーズにはプレイヤーが掛けた補助効果を消して呪文を無効化する「黒い霧」という技が登場する。

マドラが刻まれるシーンを見て。ふと、既に懐妊しているんだよなぁ・・・と。
この創られた星での出来事がマドラの子ベルベットに何らかの影響を与える可能性はないだろうか。
直前にデコースの下を訪問するエピソードが描かれたことを考えると・・・うん、その辺を勘ぐってしまうなぁ。

オージェが小さな身体に戻ったのは、おそらく力を与えていた存在とのリンクが切れてしまったため。天照が一時的に未来の姿を与えていたのだろうか。
一方、ポーターは不滅の肉体を維持しているようなので、彼女の異能は天照やJOKERとのリンクで得ている力ではないようだ。

身体を刺し貫かれたラキシスも一瞬で未来の姿に変じているため、ヴィーキュルたちと同様に心的実体をもつ存在という見方もできる。
んが、これに関しては「現在のラキシス」と「未来のラキシス」で隔たりがある可能性もあるため、なんとも云えない。
浮遊城動乱でセンタイマが現れた際はカレンとユライヒに助けられており、JOKERは「まだまだ力不足」と評していた。そこから数十年を経たとはいえ、このわずかな期間でラキシスが進化(神化)したとも思えない。ただ、先月号までの話でラキシスは明らかに未来の記憶(=アズデビュートから得た情報)を語っている訳で、この辺は何とも判断が難しい。

いきなり罫線素片のような文字で会話を始めるラキシスだが、何を云っているか不明。unicodeとかいろいろ調べたけど判らないっす。
(2020.03.01)
 
 

■ 2020年4月号


■ モラード・ファティマ一覧 (2020年4月号p59)

ぬぉ・・・お!今月号の扉絵と解説・・・濃いなぁ。
エストがモラードの処女作では無くなったほか、ちょこちょこ新規設定あり。

まず、ポーターの周りに描かれているクラインについて。
白のクラインは劇中でも登場しているとおりセントリー・ライブのクライン。
金のクラインはおそらくセントリー・カラット、黒のクラインはセントリー・パルサー、紫のクラインがセントリー・ブリッツ、赤のクラインがセントリー・マグマですね。
旧デザインと比較すると、サンダー⇒ブリッツで青から紫へ(おそらく紫電のイメージ)、アース⇒マグマで緑から赤へ、イメージカラーが変更された模様。

ポーターの解説についてはこれまでと大きく変わっていないが、所属がバキン・ラカンであったことはたぶん初出。
んで、セントリーに関連するファティマとして、さらっと4ファッティースとアイジェルンの名が加わっとる。
まあ、フォーカスライト(アウクソー)はスバースとカイエン絡み、インタシティはビザンチン、ニーヴはダッカス、S.S.L.はマキシと、4ファッティースそれぞれが詩女と関係のあるキャラクターとつながっている訳で、当然と云えば当然か。
アイジェルンは今回明かされたフルネームでダリ・キア絡みということが判るので、モラードがラーンに滞在している間に手掛けるのだろう。・・・というか、今回の設定公開でモラードがデルタ・ベルンに関わることが明かされた訳で、ヤーン・ダッカスのパートナーとなるニーヴが実はアイジェルンということになりそうな気配も微妙に感じられる。

さて。これまで名前の挙がっていたモラード・ファティマの製作順が公開された。
ウラムとかレイルゥなんかは懐かしい名前だけど・・・マニケッツ、アリエ、リンラン・メー、ポワトニア、ガスレイビー、トートマーは初出。

処女作のウラムがボルサ・バスコとコーラス22世のパートナーを務めていたらしい。なるほど。
おそらく、このツテを通して黒騎士のファティマとなる以前のエストをボルサに預けることができたのだろう。ムグミカやフンフトがモラードと接触したのも、ボルサから引き継ぐ記憶があってのことと思われる。あと、ハリコンの時代に連なる詩女とコーラス王家の繋がりは22世の時代に紡がれたものであることが想像できる。コーラス22世のパートナーはシクローンという設定もあるため、ウラムをパートナーとしていた時期は晩年の短い時期になるのではないだろうか。つーか、詩女のバスコさんは騎士でもあった、ということになるのかな。

レイルゥのマスターはEV-7。えーと・・・A.K.D.に潜入していた方ですね。今現在ラキシスと一緒に巻き込まれているのはEV-3。ちょっと混乱する。
クエスラのマスターはBO-6とのこと。オーハイネがスタント遊星を知る唯一のファティマという設定が霞むな。
ベスター・オービットのパートナーであったテックはミース預かり。
マルター(マルタール)が新作ファティマという設定はボツ。ウリクルの姉に当たる中期の作品になるようだ。
ミロンはスキーン隊のファティマであるため、ボナン・ストレィはおそらくAP騎士。
ポワトニアのマスターは茄里。ということは、オディールとの関係を解消してポワトニアを迎えるということか。おそらくオデットはジークのパートナーとなるはず。
トートマーのマスターはマグダル・エイリアスとのこと。マグダルが詩女となる頃にエイリアスを生み出すことが読み取れる。
デルタ・ベルンについては、レイヤー化して取り出したフォーカスライトとアウクソーの記憶を統合し、1体のファティマとして機能させるために新たなパッチデータを組み上げたものと考えられる。このファティマについてはなかなか設定が定まらない感じですね。

設定されていた39体のうち、12体は工場製ファティマに設定変更。これまで最終作とされてきたタワーの製作が銘入りとしては25体目ということに。
しかも、モラードの延命後に製作数が増えるらしい。今回明かされたのは前半部分とのこと。ほえー。

んで。今回の設定公開で丁寧に補完されているのが実はパルスェットの方。
モラードが製作した工場制ファティマの12体目とのことなので、MC-26に相当することが読み取れる。晴れてモラード・ファティマに昇格である。
センセーの解説を読む限り、工場番号は星団統一の連番となるようだ。30番工場=アドラーのシードル工場ということで、ガーランドの共通認識となっているのだろう。
となると、ボカージュの工場(5巻に登場)なんかは若い番号の工場になるはず。バーシャの偽装データにあるカラミティのエンハル工場(10巻p78)はシリアルから考えて33番工場になるだろうか。

これまで名前が挙がっていたモラード・ファティマで、リストに名前が挙がっていないのがルーリィ。
レイルゥと名前が似ているのでボツになったか、工場製ファティマの1体として今後登場するかも知れない。
ポーターの人種タイプ(もしくは外見仕様)はロサンゼルス(Los Angeles)になると思われるが、永野センセーとしては国名・地名・民族名に拘った見方をして欲しくないとのこと。まあ、西海岸の南国ムードという受け取り方をして欲しいということか。チャーリーズ・エンジェルの本拠地がロサンゼルスとか、んなもん忘れてましたわ。
タイ・フォンが長女(BF-01)ということも今回の解説で確定された。

ついでにもういっちょ。
モラードがただの「延命」ではなく、カリギュラの技術で「延命」する点が気になってまして・・・もしかしたら騎士になるのではないかと。
んで、もし騎士になるのであれば、ミラージュ入りするのではないかと私は疑っております。
今回の記事にある「育成中」のスラート・・・そのマスターとなる「ヨッヘンマ」・・・微妙に怪しくないでしょうか。
(2020.03.24)


■ ラキシス無双 (p60)

魑魅魍魎(この後で判るがタイカ編で出ていた奇子体らしい)を相手に無双するラキシス。
ラキシス外伝で数多の世界を渡り歩いたことで身に付けた体術・・・と考えればいいのか。
先々月号のノヴァ・フレームの破壊力と比べてどっちがどう強いのか、とか考えるとキリが無いが・・・とりあえず超高速戦闘にポーターは介入できないようだ。

素手でM.B.T.を連射するのであれば、おそらく現在のラキシスの技量は本来の超帝國剣聖クラスと同レべルと思われる。
ラキシスが懐園剣を自在に操作できてしまうのは、おそらくその正体がビュランコートであるため。未来のラキシスにとって、懐園剣は「しもべの1体」である。
マグナパレスが装備するサテライト・ポリフォニック・ビームは都市殲滅兵器とのこと。設定上、ツァラトラとカイゼリンも装備していることになっている。
次元回廊はコミック6巻でも登場。あの時は千手観音(連載時の呼称では如来)も出て来てエライことになっていたのだが・・・本来はこれだけスマートな技であることが判る。
ファイナル・ファンタジーの「デジョン」みたいなもんだろうか(これもシリーズによって効果が異なるが)。
(2020.03.15)


■ 謎のブヨンブヨン (p67)

そういう訳で星を創造した親玉「ブヨンブヨン」さんが登場する。
ラキシスが倒したのは奇子体(ヴァンク)とのこと。コミック5巻p40で名前が出ていたヤツですね。つまり、タイカ編で出てきたアンカーが今回の敵ということか。
うーん・・・奇子体のそれぞれが神のように強いのではなくて、単純にジョーカー世界とアンカーの世界で時間の進み方が違うのかも知れない。タイカ編ではタイカの民もそれなりに戦っていた訳で。彼らの感覚では自分たちの行動が特別に速いという訳ではなく、ジョーカー世界の住人がヤケにもっさりしている感覚なのかも知れない。そもそも生活している場所の重力が違うのだろうか。
あと、ラキシスと戦っていた奇子体がM.B.T.のような技を出している(p65)のを見て、「あーなるほど騎士なのね」という納得ができた。
つまり、異界の騎士=キシ=奇子(体)なのかなーと。

んで、謎のブヨンブヨンさんがラキシスを捉えて「受粉」させようとする。
ここで面白いのが、ラキシスが生殖可能な存在であることを見抜いている点。
普通のファティマに生殖能力はない。ポーターも然り。また、既に死んでしまっているがカリギュラのメンバーは不老性を持っているのでおそらくこちらも生殖機能がない。子を作る必要のない存在であれば生殖機能は不要となるためである。一方、ラキシスは不死性を持ちつつも生殖機能を有している稀有な存在という見方ができる。ブヨンブヨンさんはラキシスにわずかに触れるだけでその機能を理解したのだろうか。まあ、ヴィーキュルですら性別が存在することを考えれば、とりあえず生殖したろ!という神がいてもおかしくはないのか。ただ、ブヨンブヨンさんが語る「混ぜる」が「子を生すこと」なのか、胎内を通じて「作り変えること」なのか、この辺はいまひとつ判らず。
ブヨンブヨンさん。タコっぽいというか、火星人のイメージっぽい。
(2020.03.25)


■ JOKER顕現 (p70)

ラキシスの危機に瀕してJOKERが出現する。外観から判るとおり、7巻で登場したデザインとは大きく変わり、今回はツァラトラの姿を模して現れたようだ。。
永野センセーの解説に拠ると、ジョーカー宇宙は136億年前に誕生しており、地球もジョーカー星団が存在する宇宙に含まれているとのこと。現在の研究で宇宙年齢138億年とされている地球から見て、星団歴3000年代のジョーカー星団は約2億年前に相当するようだ。・・・となると、劇中でほぼ中生代の時期に当たるとされるジュノーと地球がおおよそ同年齢ということか。また、ラキシス外伝においてラキシスがウロウロする世界は、全てジョーカー宇宙の中に存在する世界ということになる。ラキシスが1945年の地球に出現するのも、同じ宇宙の中に存在するためである。

ふーむ・・・ジュノーが2億年後に地球になるんでしょうかねー。サザンド太陽系の惑星はアトス、オハマ、ジュノー、ソード、スーロウサ、グラシャン(もしくはグラッヤン)、ペントリ(もしくはベントリ)、オデット(もしくはオテット)の8つ。太陽系と一緒である。ただし、FSSの連載が開始された当初は冥王星が惑星として扱われていたため、さすがに無理があるか。

JOKERがどこでもいいから脱出口を作れ、と云っているのは、脱出したメンバーが宇宙空間に放り出されたとしても、また、例え死んでいても復活させることが可能な創造神であるため。
あ、逆に云えば、死体をこの星に放置したまま脱出しても、完全な無から彼らを復活させることはできないということか。いや、異界に存在を縛られていては復活できないということかも。
JOKERのセリフにあるクェーサーとは準恒星状電波源(quasi-stellar radio source)あるいは準恒星状天体(quasi-stellar radio source)のこと。宇宙の膨張と共に光の速さで移動する銀河とされており、通常はその宇宙の最も外側にある天体とされる。

MGPの少女=オージェの声を聴いて「7本指の何か」が介入してきたところで今月号は終了。
一応、旧設置のドラゴンとヴィーキュルは「6本指」という設定があったため、「7本指」はさらに上位の何か、ということになるが・・・既に登場したゴリリダルリハも「7本指」であった訳で・・・今回出てきたのはどう捉えればいいのか。
(2020.03.25)

いやー今月号はホントに濃いなぁ。
 
 

■ 2020年5月号


■ オルダムド・ハルとアリエ (2020年5月号p59)

扉絵はデザイン画初公開のオルダムド・ハルとファティマ・アリエ。
アリエは4月号で公開されたモラード・ファティマのひとり。
ハルのデザインについては、宇宙騎士団であるためか、邪魔にならないよう制服のフリンジが短くなっているのが判る。
首回りはゴムパッキンの要領でフードと一体化する形になっているのだろう。
とくに新規の情報はないが、この感じだとダンダグラーダのデザインもおそらく完了しているのではないだろうか。
(2020.05.17)


■ 7本指の「お前」 (p60)

突如現れた7本指の手を見て「お前」と呼び掛けるJOKER。単純に既知の間柄と捉えてよいか否か。
まー普通に考えて、ラキシスを守ろうとする存在、且つ、このタイミングで絡むことが可能な異界・異形の存在・・・となると、おそらくは未来のミラージュ騎士ヴィクトリーということになるだろうか。
ただし、ヴィクトリーの入団は天照がジョーカー星団から離れた後になるはずで、JOKERがラキシスの捜索に同行して星団外に出るという明確な情報もないため、この両者に接点があるか否かは不明である。もっとも、JOKERとスイレイは未来の記憶を有しているようなので、もし既知の間柄であっても不思議ではないか。
また、ヴィクトリーは天照にスカウトされて入団するはずなので、7777年以前のラキシスとは直接的な面識がないはず(故にラキシスを助ける動機もないはず)。
前回のセリフから察するに、「7本指」は「マグナパレスの少女」の声に従って行動したことが窺える訳で・・・これをどう読み解くか。

@「7本指」は天照とマグナパレスのことを知っており、今回はJOKERと同じく天照の要請を受けて「マグナパレスの少女」を支援した。
この場合、手を貸したのがヴィクトリーだとすると、未来において出会うはずの彼について3000年代の天照が既に知っていることになる。
ラキシスはともかくとして、天照が未来の記憶を持っている描写はこれまでに描かれていないため、この点が引っ掛かる。

A「7本指」は7777年以前のラキシスと出会っており、今回は「マグナパレスの少女=オージェ」の声をラキシスの意志と誤認して手を貸した。
(つまり、今現在において皆が守ろうとしている対象がラキシスとは知らずに手を貸している可能性がある)
この場合、「7本指」は天照に先行してラキシスと出会っていることになるため、ヴィクトリーとは異なる存在である可能性が出てくる。
まあ、ラキシスとヴィクトリーが一度出会って、別れた後で天照に拾われる流れがあっても不思議ではないか。

B「7本指」は7777年以降のラキシスおよび天照と面識があり、今回はこの年代の危機を独自に察知して「マグナパレスの少女」を支援した。
この場合、「7本指」がヴィクトリーであっても何ら問題はないが、「マグナパレスの少女」の声を聴いて出現している点が少し引っ掛かる。
(既知の間柄のラキシスを守るためではなく、時間を稼ごうとするオージェの声に反応して現れた点が引っ掛かる、と云うべきか)

うーん・・・いずれにしても現時点では判断できないか。
ただ、ゴリリダルリハがヴィクトリーとの謁見を匂わせていた直後に、その本人があっさり「手だけ」登場するというのも何となく流れが悪いような気がするんですよねー。
未来と過去が同時に進行する漫画であったとしても、ああいった前振りがあるなら、「謁見」というイベントがひとつのドラマになっていなければならない訳だし。
という訳で、たぶんヴィクトリーなんだろうけど、いまひとつ納得できない感じ。
(2020.05.17)


■ シルヴィスとブヨンブヨン (p62)

ラキシスの危機に際してシルヴィスが登場。コミック5巻のタイカ編に出ていたシルヴィスではなく、11巻に出ていた「神界に渡った後のシルヴィス」である。
これに呼応する形で謎のブヨンブヨンがその正体を明かす。
今回、その名前が登場することは無かったが、シルヴィスとの会話から察するにアンカーの王子ルシファ・センタイマとみて間違いないだろう。
んで、そのルシファがなぜかデモンと融合する怒涛の展開につながる。

いやー・・・今回は新規設定がてんこ盛りですね。

まず、古代タイカにおいて「タイカの民」の敵対者とされてきた「アンカー」の正体は、同じタイカ民族の闇華亜族であったということ。
闇華亜族における治世の体制は十曜亜族と同一であり、ルシファ・センタイマもまた大権使であったと。
さらに、MMTの搭乗権は個人に紐づいているのではなく、同様の能力があれば融合可能ということ。そのため、今回はルシファがユライヒの搭乗機であるデモンを呼び出す形となってしまった。熾権使の歌で顕現するのであれば、カレンやユライヒが使用する際も歌が必要ということだろうか。
まあ、シルヴィスが神界に渡ったように、ルシファもまた全能神クラスに進化したことが読み取れるので、このクラスになれば何でもありと考えればいいか。
ほかにもデモン(とバイナス)が外神と呼ばれていたり、MMTがマジカル・ミューテーションの略語であったり、いろいろあるがその辺は後で辞書ページにまとめる。

(追記)6月号に掲載された情報によると、ルシファは神々の世界に渡って「無の神ルシファ」となっている模様。
シルヴィス、ルシファ、天照大御神、ユライヒ、カレンは全て神々の一柱であり、それ故にルシファはデモンとの融合が可能であったようだ。

デモンの全身デザインがここで来るとは思わなかったですねー。コミック5巻の異様なデザインも結構好きだけど。
GTMとシェル(シェルブリットに登場するロボット)のハイブリッド的なデザインラインである。デモンは永野センセーがものすごーく昔から何度も何度も描いているという究極のロボット。1985年に発売された「永野護'86カレンダー」に頭部のみ描かれたのが初出。まあ、搭乗者との融合によって権限する兵器であるため、ユライヒが使用する際はまた異なる外観になるのかも知れない。
手にしている剣が懐園剣とほぼ同じデザインのため、これもプラネタリ・ウェポンの一種ではないだろうか。

(追記)7月号に掲載された情報によると、デモンが手にしていた剣は懐園剣・雌剣とのこと。
本来の持ち主はルシファの子孫に当たるシルミラーで、先祖に当たるルシファの呼びかけに応じて出現したらしい。
この辺、7月号の考察で再度触れます。
(2020.06.14)


■ マンティコアの登場 (p70)

マンティコアもデザインを大きく変えて登場。
マンティコアとはもともとインドの伝承に登場する、獅子の身体と老人の顔、コウモリの羽、サソリの尾を持つ怪物である。ただし、永野センセーがこの名前を採用したのは、おそらくEmerson, Lake & Palmerの2ndアルバム「Tarkus(タルカス)」に収録されている「Manticore(マンティコア)」という曲が元ネタだろう。後のマンティコア・レーベルの由来になったタイトルである。
シルヴィスはラキシスのスーツの宝石からマンティコアを呼び出したように見えるが・・・ほかの宝石にもいろいろ「しもべ」が入っているのかも。

(追記)6月号および7月号でラキシスのしもべに関して設定が公開された。
ラキシスのスーツに付く29+1個の宝石にはそれぞれ何かが封じられている模様。
この辺、7月号の考察で再度触れます。

マンティコアが登場したことよりも、シルヴィスがその存在を知り得ていることが問題。FSS第3部におけるラキシスの放浪は、全能神から見てすべてトレースできているということ。つまり、いくらでも干渉可能な状態であったにも関わらず、(天照大神自身も)ラキシスと天照が再会するまでただ見守っていたことになる。
神がその進化を遂げる上で56億7千万年を過ごす必要があったということか。うーん・・・もしかして、天照に必要だったのではなく、ラキシスに必要だったのかな。
弥勒菩薩が56億7千万年後に悟りを開いて釈迦の次のブッダになるように、天照あるいはラキシスの真なる進化にこれだけの年月が必要であったと。
弥勒菩薩=マイトレーヤであり、コミック3巻p21に出ている存在は「ミロク」のイメージで描かれたという設定がありましたね。
これでいくと、ミロクとはすなわち未来のラキシスということでいいのかも知れない。

(追記)6月号に掲載された情報に拠ると、ラキシスの神としての本体はメイトリィーア・ラキシスと呼ばれ、これが弥勒菩薩となるようだ。

今月号はカレンが到着したところで終了。
バイナスはデモンと対になる外神のため、デモンが既に出現している状態では呼び出すこともできないらしい。
デモン=外神ではなく、MMTが外神ということらしいので、タイカの民から見た場合でも「外なる神」「異次元の神」と呼ぶべき異質なモノということだろう。
にしても・・・ユライヒとカレンがこれを使用するのであれば、その敵対者もまた同等の兵器を使用していることになる訳で・・・未来のアンカーもまたMMTではないにしても、強大な力を有する兵器を使用している可能性が見え隠れする。今回のルシファはそれを敢えて使わずに余興としてデモンを呼び出した・・・ということになるのかな。

(追記)9月号に掲載された情報に拠ると、デモンを製作したのはユライヒ、バイナスを製作したのは闇華亜族とのこと。
MMTが戦うべき相手(兵器)が別にいるのではなく、この2体がもともと敵対する間柄にあるようだ。

あと、カレンがMGPに対して「今のお前」と云っている点に注意。マグナパレスもまた強化されていく(あるいは進化する?)らしい。
これまでの設定では、タイカ宇宙に渡ったMGP(劇中の描写ではKOG)がバージョン11になっていたはずで・・・あの時点で既に強化が完了しているのか、それともタイカに渡ってからさらに強化されるのか。

(追記)6月号に掲載された情報に拠ると、MGPはマンティコアら機械生命体に搭載されていた駆動システムとエネルギー・システムを組み込むことで強化されるらしい。
また、タイカ宇宙に渡るのはラキシスと天照が再会した後のため、ラキシスが放浪中に強化⇒再会後に天照が更に強化する流れになるはず。
あと、古い設定でバイナスはK.O.G.シリーズの5号機という設定もあり、正式名はKnight of Titin KALLENとされていたんですよねー。なので、カレンによって異世界タイカに持ち込まれたマグナパレスが、バイナスとニコイチで合体するのかも知れない。
ちなみに、ナイト・オブ・ゴールドの1号機はシュペルター、2号機がK.O.G.[ラキシス]、3号機がK.O.G.[アトロポス]、4号機がザ・ウィル、5号機がバイナス、そして未発表のマシン)が6号機でしたね。この設定もまだ死んでない感じがします。
(2020.06.14)
 
 

■ 2020年6月号


■ デザインズ (2020年6月号p51)

公式サイトでお知らせされていたとおり、6月号は連載を休んでデザインズの掲載となった。緊急事態宣言を受けて休載になってもおかしくなかった訳で・・・読者をがっかりさせないという永野センセーの気迫が感じられます。んでもってデザインズの中身ですが・・・こっちも「何もかもぶっ飛ばす」という気迫がにじみ出ててスゴイことになっとる。
ホントね・・・「大体ワカッタヨー(白目)」という感じだす。

扉絵は幼妻風のラキシス。・・・にゃんだこれ。今まで発表されたラキシスの中で一番カワイイじゃないか。こーゆーのでいいんだよ(とか云ってると、二度と描いてくれないような気がする)。
(2020.06.15)


■ シルヴィスとマンティコア (p52)

シルヴィスの解説。とは云え、シルヴィスに関して大きな設定変更はない模様。
懐園剣は赤子の天照が何者かの「武器が欲しい」という声に応えて創造した武器とのこと。カレンが生み出したという設定はボツ設定になるようだ。
んーとつまり・・・2019年11月号でマドラに懐園剣を与えた存在は赤子時代の天照だったと。
ただし、マドラが懐園剣に触れた際に過去の使用者の記憶を読み取っていたようなので、あのシーンは「懐園剣が作られた瞬間」を全員が幻視した、と考えた方がいいのか。となると・・・マドラのように「武器が欲しい」と考えた人物が未来にいたことになるのか。ポーターもイースター太陽系が飲み込まれたのは「本当の出来事」と云っていたので、イースター太陽系から人類が消え去った未来において武器を欲する声を発した者がいるのだろうか。

(追記)7月号に掲載された情報に拠ると、懐園剣の初出現は星団暦3037年とのこと。マドラが欲したあの瞬間が、まさに初出現の状況であったようだ。
つまり、マドラの声を捉えた赤子の天照が、55億年後(永野センセーの解説では56億年後)のイースター太陽系を用いて懐園剣を創造し、マドラに与えたと。
マドラが過去の使用者の記憶を読み取れたのは、未来においてビュランコードの力を取り込むことで、過去から未来の全ての記憶を吸収したためらしい。

マンティコアについても、ボーグ・ジェネレートやクェーサー・モータードライブといった新用語が見られるものの、以前の設定から大きく変更されている部分は無さそう。
ラキシスのファティマスーツに付いている宝石には、それぞれ「何か」が収まっているとのこと。劇中に登場している「ラキシスのしもべたち」である。
これまで名前が挙がっているのは、マンティコア、クフィル、ビュランコートの3種。今月号で追加されたのがマニウとシノアレグ・ゼア。
6巻でいきなり登場した「あれ」もしもべとのこと。6巻p90に出ているヤツのことだろう。エピソードガイドでは便宜的に千手観音とされていた。永野センセー自身は「カーリー神」のイメージでもあることを明かしている。千手観音とは仏教における菩薩の変化(へんげ)の一種。千の腕の掌それぞれに眼があり、世界中のあらゆる衆生を見つめ、救済する力をもつとされる。劇中に登場した異界神も掌に眼のようなマークが確認できる。

(追記)7月号に掲載された情報に拠ると、「あれ」=マニウとのこと。
(2020.06.15)


■ 十曜と闇華 (p54)

新規設定がてんこ盛り。
永野センセーが「オバケ」と云っているのはこれまでルシファ・センタイマと呼ばれていたキャラクターであるが、6巻p119における登場がラキシスへの初接触で、今回はラキシスを取り込むべく割り込んできたらしい。アンカーとヴィーキュルは全くの無関係とのこと。
問題はシルミラー以降の設定。おそらくシル・ヴィス・ミラーを略してシルミラーと呼んでいるのだろう。
シルミラーはアンカーの大権使。独裁者ユライヒからタイカ世界を守るために戦っているらしい。んでもって、懐園剣・雌剣の正統な所有者でラキシスに託されたクフィル・インペリューンを使役するらしい。あー・・・TOJ#23の表紙に描かれてたヤツね。あの設定はやっぱりイキなんだ。

旧設定におけるシルミラーの設定では、神聖タイカ(古代タイカの10万年後の世界)と呼ばれる時代に出現したシルヴィスの分身。マキシ(M.X.)の因子も受け継いでおり、2人にとっては娘とも呼べる存在。タイカ宇宙に持ち込まれたクフィルを駆り、U.R.I.やカレンと共にアンカーと戦うことになっていた。
しかし、一方で、永野センセーがPSOで使用していたS.I.L.と呼ばれるキャラクターがおり、これに関してはルシファ・センタイマのパートナーとか、かつてのシルヴィスをイメージして生み出された戦闘ヒューマン(複合人間)で、アンカーのクイーンとなる存在とか、ちょこちょこ設定が公開されていた。この辺が全てまとまって今回のシルミラーになった感じである。

ユライヒが悪の帝王みたいな存在になっているようだが・・・これは星団侵攻を開始する天照と似たようなイメージだろうか。んが、ユライヒは天照の娘カレンの夫でもある訳で、カレンはシルヴィスの祈祷に応じてタイカに渡ったはず。これに対抗するメンバーがシルミラーらアンカー勢であるが、そのアンカー勢にタワーがスケダチに入るという、かなりよく判らん状況である。
さらによく判らんのが、シルミラー、ヴォージュ・トー、ウーリィ・ラーの3人が「漆黒の花十字」を付けている点。
現在までに公開されているメンバーとは別の未来のミラージュ騎士か?・・・と思われたが、ヴォージュ・トーの説明のところに「ファーンドームの星王」のマークって書いてある。つまり、タイカに転生したマキシが「漆黒の花十字」を身に着けており、ファーンドームの星王のエンブレムとして引き継がれたようだ。それにしても、マキシは十曜亜族に加担していた訳で、10万年後に闇華亜族に引き継がれている点に疑問が残る。長い年月において歴史の大転換があっても不思議ではないが、カレンがユライヒの妻である以上、闇華亜族はその敵対者になるはず。ふーむ。

次。
やはり懐園剣の正当所有者がシルミラーという点。以前の設定ではシルヴィスが正統所有者であった。んーと・・・マキシの転生と同時に雄剣と雌剣がタイカ世界に渡り、マキシとシルヴィスがその使用者になると思われていたのだが・・・そこから10万年後にアンカー勢の手に渡ったことになるのか。いや。懐園剣だから過去と未来に同時に存在していても問題ないのか。
こうなってくると、10万年後の世界においてマキシの使用していた懐園剣・雄剣がどうなっているのか気になるな。

ルシファが連れていたふたりの巫女は、本来はシルミラーの補佐役たる熾権使とのこと。
よくよく考えると、「螺旋の円十字」は十曜亜族が用いるシンボルであって、闇華亜族が掲げるシンボルではないんだな。なのに、5月号で「オバケ」が正体を現した際、ふたりの巫女が「螺旋の円十字」を掲げていたことになるわけで・・・シルヴィスとJOKERはその違和感で少々混乱して印象転化を防げなかったのかも知れない。
(2020.07.24)


■ 闇華の戦闘種族 (p56)

ラキシスを襲った奇子体は、闇華(アンカー)の高速戦闘武士を素体として「オバケ」が様々なブーストを掛けた状態の姿であったらしい。その中身はシルヴィスらと同じくネコ型の人類であったようだ。
戦闘職として、上忍、武士、強者の3種を紹介。また、アンカー勢を助ける謎の存在として「助太刀」のタワーが掲載されている。

上忍は斥候および支援役の模様。別名のイェーガー(Jager)はドイツ語で「猟兵」のこと。本来は戦場でライフルを用いて狙撃と側面支援を行う兵を指す。
上忍は忍者の階級のひとつとされ、一般的なヒエラルキーでは組織の頭領を上忍、部隊を指揮する隊長を中忍、指揮下で動く構成員を下忍とする場合が多い。ただし、史実においてそのような階級が存在していたか否かは不明とのこと。
武将と強者は、解説内容から部隊の隊長と盾役であることが窺える。
強者の解説にあるタンカーとはいわゆる盾役のこと。永野センセーもプレイしているFF14ではタンクと呼ばれる。2020年7月現在のパッチ5.2では、剣術士(ナイト)、斧術士(戦士)、暗黒騎士、ガンブレイカーがタンクに相当。同じくFF14に例えるのであれば、武士と上忍は攻撃を担当するDPS(アタッカー)ということになる。

本編中の奇子体とラキシスの戦闘を思い起こすと・・・パーティリーダーのヒーラー(今回の場合はルシファ・センタイマ)に連れられたメンバーが無理やり未知の惑星に下ろされた状況だったのかも知れない。んで、よく判らんけど、とりあえず敵がザコばっかりで「きゃっきゃうふふ」していたら、その中にレベル不明のリスキーモブ(ラキシス)が混じっていて全滅させられた感じだろうか。
シルミラー率いる一団のメンバーから見れば、自グループは悪者たるユライヒに挑む正義の集団ということになるが、彼らがラキシスら一行を襲った際は殺戮を楽しんで笑っていた訳で・・・悪や正義といった捉え方、支配者や反抗者といった捉え方はあまり意味がないのだろう。十曜亜族と闇華亜族の戦いは10万年にも及ぶことを考えると、やはり一種の修羅界という捉え方がしっくり来るかも。

問題は、天照大神ですら干渉が制限されるタイカ世界なのに、ファティマ・タワーは自由自在に行き来できている点。
うーん・・・全能神であっても干渉に限界がある(低位の神は干渉すらできない)・・・という意味ではなく、その世界への影響が過度に大きくならないように、上位の存在であればあるほど干渉に制限が掛かると考えればいいのか。
今月号でビヨンド・クラスファーが最高位存在となった天照であることが明かされたことを考えると・・・天照大神の力は大きすぎるからタイカ世界では制限過多、タワーの力はそれほどでもないから制限解除、みたいなバランス取りなのかも知れない。
(2020.07.24)


■ オーバーロードとオーバーローデス (p58)

劇中に登場した女性型(支配種)のヴィーキュルとその最上位存在の設定が公開された。今月号は濃いなぁ。
これまでに公開されているヴィーキュルの階位を並べると・・・ビーネンクリーガン(最上位存在)>サタネス(女魔帝)>センチュリオ(親衛隊)>ジェネラル(魔王)>尖兵となる一般ヴィーキュルという感じだろうか。
スタント遊星攻防戦で登場するのがタンツミンレからラドナリスリビオンに変更。「ヴィーキュルの王」と書いてあるので、ラドナリスリビオンはおそらくジェネラル(魔王)だろう。
うーん・・・タンツミンレが来ないのか。いや。星団暦2020年の戦いで黒星を付けられたログナーが再戦を果たす機会がないまま放置される訳もなく、おそらくタンツミンレもこの戦闘に参加するのではないだろうか。

んでもって、スタント遊星攻防戦はまさかの和平により終結するらしい。戦闘を制止したのがオーバーローデス・ビーネンクリーガン・ディアブラとのこと。おそらくディアブロ(diablo)が語源であろう。スペイン語で「悪魔」を意味する名前である。
さらに、アスタローテもまたビーネンクリーガンであり、彼女こそがレディ・スペクターというびっくり展開。そう来ましたか。
コミック9巻p79に登場した際のデザイン上の差異は、永野センセーが解説しているとおりなので納得するしかない。コミック3巻の表紙で既に描かれていた、というコメントに関しては、3巻の表紙だけで気付くのは難しく、Toyspressの「CHARACTERS 5 MAKING OF THE BABY SITTER 3159」の表紙でカットされている部分も見ないとなかなか難しいと思われる。
まあなんだ・・・レディ・スペクターの正体がこうやって明かされた訳で、次はヴィクトリー(あるいはバフォメート?)の出番ですかね。

あと、地味によく判らないのが、死亡したマキシをタイカ世界に救い上げたのは女神シルミラーということ。
うーんと・・・闇華亜族の首魁としてのシルミラーではなく、神へと昇華した後のシルミラーということか。
闇華亜族にとっては敵対関係にある十曜亜族の側にマキシを導いたことになるが・・・神の視点からみた場合はその流れがベストだったことになる・・・のかな。

アスタローテの解説の部分でモラードの行く末も判る。モラード・カリホルニウムと名前を変えて、天照のラキシス探索行に同行するようだ。
カリホルニウム(californium)は元素記号Cf、原子番号98のアクチノイド元素。超ウラン元素(基本的に自然界には存在しない元素)のひとつ。
(2020.07.24)


■ Fネーム・ファティマについて@ (p60)

バランシェ・ファティマでありながらバランシェ・ファティマではない、謎のFネーム・ファティマが登場。
ただ、聖聖(ホーリー・ホーリー)の解説とシリアル番号、デザインを見てすぐに「イエッタとログナーの形質を併せ持つファティマ」ということが読み取れるので、おそらく未来において生み出されるファティマであることは想像できる。天照が神の力を用いて進化あるいは融合させたファティマだろうか。
かつてのマスターの形質を引き継ぐファティマであれば、先先(マーター・マーター)はおそらく「ヒュートランとワスチャの形質を併せ持つファティマ」という想像ができる。少なくとも髪型はワスチャの形質である。

ほかにも文文(ルーン・ルーン)、藍藍(ストラ・ストラ)、引引(リード・リード)といったメンバーがいる模様。
うーん・・・文文(ルーン・ルーン)は名前から察するに静の系列だろうか。ほかは判らんなー。
先先(マーター・マーター)がスタント遊星攻防戦に乱入するとか・・・ホントになんでもありという感じ。

零零(ゼロ・ゼロ)に関してはそのまんま令令謝の本来の姿と思っていたのだが・・・今回の解説を読む限り、「令令謝と誰かの形質を併せ持つファティマ」ということになるだろう。順当に考えれば、ナオ・リンドーの形質を受け継ぐはず。というか、デザインズ6では零零(ゼロ・ゼロ)のほかにもうひとりのタイ・フォン型ファティマとして先先(マーター・マーター)が挙げられていたのに、いきなり大量生産じゃ。

(追記)7月号の解説に拠ると、F1は生物の授業で習う雑種第1世代とのこと。つまりファティマと騎士の交雑種ということになる。
この辺、7月号の考察で再度触れます。
(2020.07.24)


■ 神々の世界の位置づけ (p62)

今回の設定公開で一番わかりやすい部分。
人間の世界から神々の世界までの階層とビヨンド・クラスファーの正体。
にゃんとビヨンド・クラスファーは最高位存在となった天照のこと。えーと・・・光の神アマテラスがラキシスと融合して全能神アマテラス大御神になって、そこからさらに進化して最高位存在になる・・・のかな。まあ、何も考えておらず、干渉もしてこないのであれば、それはイコール世界そのものということかな。

タイカ世界から神に昇華した存在として、シルヴィス、シルミラー、ユライヒ、ルシファが設定された。
今現在、ラキシスを巡る戦いに参加しているのが、神となったルシファとシルヴィス、そしてカレンである。
ユライヒは人間であった当時は冷酷無比の存在であったらしい。となると、コミック6巻に登場したユライヒは光の神となった後のユライヒということになるか。

セントリーとヴィーキュルは高次元ではなく異次元の存在。とは云え、4次元、5次元に干渉できるのであれば、ヒトから見てやはり高次元の存在である。
この階層で行くと、大剛神モイキュードは異次元の世界から脱して高次元の世界、神々の世界に渡った存在であることが推測できる。確かバスター宇宙の創造者であったはず。
異世界タイカは天照大神の干渉が制限される世界ではあるが、この階層では人間の世界に位置付けられるようだ。

ラキシスの本体はメイトリィーア・ラキシスとのこと。弥勒菩薩ということになる。
弥勒菩薩とは釈尊(ブッダ)が入滅してから56億7千万年後の現世に顕れて人々を救済し、永遠の楽土に導くと云われる未来仏のこと。
やはり、天照とラキシスが再会するまでの56億7千万年という期間は「ラキシスが弥勒菩薩となるまでに必要な時間」であったということだろう。
天照は生まれた瞬間から光の神であったが、ラキシスはファティマの1体(正確には個体進化を繰り返す素体)として出現した。その存在が神あるいは仏となるまでに修行が必要であった、と考えればいいのかな。

カレンの別名として「カリェルレン」という名前が新たに公開された。やはり、ネーミングの由来は、アーサー・C・クラークが1953年に発表した小説「幼年期の終わり」に出てくるオーバーロードのひとりKarellen(カレルレン)ということになるだろう。カレンの名付け親はバランシェとの設定もあったが、おそらくバランシェが付けたのは「カリェルレン」。云いにくいために通称が「カレン」になった感じだろう。
バランシェは運命の三姉妹の名前も「以前読んだ本」から拝借していた。その本とはおそらくゲーテの「ファウスト」であり、カレンの名前も「以前読んだ本」から引用していても不思議ではない。それが「幼年期の終わり」だったということだろう。ちなみに、この作品に出てくるオーバーロードは巨大な身体、コウモリのような翼、小さな角、矢印のような尻尾を有している。つまりはバランシェの趣味に沿った「醜い存在」という訳だ。

そう云えば、「幼年期の終わり」にはオーバーロードの上位存在で、宇宙を統括している精神体として「オーバーマインド(Overmind)」という存在も出てくるのね。なので、旧設定にあった「ビヨンド・クラスファー・オーバーマインド」もここから引用されていたことになるのか。
(2020.07.24)

なんか・・・新たな設定がてんこ盛りで混乱する部分も多いけど、これまでの設定がすべて丸く収まるように説明・補完している部分も感じられますねー。
FSSの風呂敷を微妙に畳み始めているような気配を感じるのは気のせいだろうか。
 
 

■ 2020年7月号


■ 藍色のラキシスに関して (2020年7月号p52)

特別目立った設定変更はないが、藍色の髪のラキシスは5899年以降の姿であることが改めて明確になった。
いやね、コミック1巻では3238年以降とされていたのよ。あと以前の星団年表だと6599年に目覚めることになっていたり。
なので、行方不明になった直後からバンバン異次元に飛ばされまくって、3000年代-4000年代の時点で既に寝る・目覚めるというサイクルを繰り返していたものと思ってました。
6599年の目覚めも「何度目かの目覚めのひとつ」だったのかなーと。

そうではなくて、3239年から5899年までは完全な空白期間になるようだ。
実経過時間は「past 1.2Giga years」となっているので、12億年後ということになる。
ただ、この期間をずーっと寝ていたのか、異次元を通ってその時代に飛ばされたのか、という意味ではおそらく後者になるだろうか。
光速以上の速度で移動していたとしても、ラキシスの視点で2660年もの長期間を寝たままというのはさすがに無理があるような気もする。

ラキシスの髪の変化については、これまでの解説において、マグナパレス(KOG)のコクピット内で羊液に浸かっているうちに変色したという説明も為されたが、現在の設定では原因不明となっているようだ。と云うか、幼少時のラキシスはもともと黒っぽい髪で、劇中で最初に登場してバランシェと会話したときのラキシスの髪も黒っぽい感じだったから、栗色の髪のラキシスの方が「世に出すために本性を隠した状態」であって、そこから成長・変質したというよりは「本来の姿に戻った」と考えた方がしっくり来る。

6月号の時点で匂わされていた7777年以降の生活について。
旧設定では、天照とラキシスが再会してすぐに融合⇒天照大神になってカレンが誕生するイメージがあったが・・・6月号以降に明かされた設定を読む限り、フォーチュンで再会した後はしばらく新天地でA.K.D.を再建しながらいわゆる新婚生活らしき状態が続くことが窺える。
まあ、13巻のムグミカとモラードの会話で、ムグミカは「ヒトがヒトの姿を保って未来に渡ること」を願っていた訳で、天照とラキシスが再会してさくっと融合して(人間をおっぽり出して)神界に渡っちゃいました、となると話が微妙に違ってくる。天照の庇護下でヒトがヒトとして生きる未来が描かれなければ、連載再開以降に出されていた「前振り」の意味が無くなるというものだろう。
A.K.D.の国民も数十万人規模でフォーチュンに移動したようだが、その未来に生きるヒトたちの象徴として新生命体のFネーム・ファティマが存在しているのではないだろうか。
(2020.08.01)


■ ジュエルスたち (p53)

ラキシスのファティマスーツに付く宝石の説明。
メインのしもべとなるのが、マンティコア、マニウ、シノアレグ・ゼア、クフィルの4体。しもべ以外の協力者として新たにゴリリダルリハ(!)が追加。
また、これまでに懐園剣の正体とも云われていたビュランコートは「宝石と懐園剣に分けて封じられた存在」であることが明かされた。
「29個の宝石」にはビュランコートが封じられている宝石がカウントされていないので、より正確には「29+1個の宝石」+「セントリードロップ」というセットが基本となるようだ。

いやー・・・これ、29個分の設定が日の目を見ることってあるのだろうか。
昭和世代のオッサンは仮面ライダーV3の「26の秘密」とか微妙に思い出しますねー。
デザインなしの文字情報だけでいいので、29個分をちゃんとリスト化して欲しいところ。
(2020.08.01)


■ マグナパレスの全身デザイン (p54)

マグナパレスの各部詳細設定。以前の設定で「スクランダ」と呼ばれていた小型艇が「パッセンジャー・セル」に変更された模様。
とくに考察するポイントはなし。全身各部の細かいギミックの説明こそが、永野デザインの真骨頂という感じですねー。
ファンをやっててヨカッタ〜と思える設定量である。

サイドクレーンの説明と2019年8月号のラピデア・カノンの説明を見直してから、2020年1月号の登場シーンを改めて見ると、飛び交ってる単語やコマの中の動きが理解できる。たぶん似たようなヒトもいると思うんですが・・・解説をじっくり読んでから本編を見ると、コマの中のアクションがちゃんと動いて見えて、頭の中で「アニメーション」になる瞬間ってありませんか。こういうのって、細かい解説が多いFSSだからできる楽しみ方だと思うんですよね。
(2020.08.01)


■ マニウとゴリリダルリハ (p58)

コミック6巻で出ていた千手観音のような異界神は「マニウ」という名前であることが判明。
マニウはインド神話に登場する戦神。怒りや激情を神格化したものとされている。ただ、神話・伝承においてマニウの外観について謳っている描写はない模様。

ゴリリダルリハがラキシスの協力者になるのはびっくり。
左肩にインシグニア・フラッグ・マークがあるので、おそらくモナーク・セイクレッドに絡んで協力するようになることが窺える。
あとは「同じような立場のキャラクター」が誰かという点。まあ、そのうち登場するでしょう。
あるいは、例の「7本指」のことを指しているのかも知れない。
(2020.08.01)


■ Fネーム・ファティマについてA (p60)

Fネーム・ファティマはF1つまり雑種第1代とのこと。要するに子供である。
生殖行為により生まれるのか、遺伝工学的に交雑種が生み出されるのか、その詳細は不明。ただし、明かされている設定を読み解く限り後者の可能性が高い。イエッタとログナーの形質を継いでそうな聖聖(ホーリー・ホーリー)はともかくとして、メガエラとビュラードの形質を継いでそうな藍藍(ストラ・ストラ)が「出産」により生まれるとは考えにくい。なんせビュラードは天照が星団から出る以前に他界してしまうのだから。
まあ、7777年以降になると天照やラキシスが何をやってもおかしくない訳で、神の力でちゃちゃっと作り上げても不思議ではないか。

おそらく、ムグミカが望む「未来」に至る過程の中で、星団民の記憶なり情報なりが天照によって運び出され、7777年以降に新たなヒトとして結実するのだろう。
その結果がFネーム・ファティマであると。案外、アウクソーに追加されたレイヤー・プログラムなんかが、ヒトの記憶の数値化あるいは保存化の起点になるのかも知れない。

あと、スペック上で勝るはずのFネーム・ファティマが母親に当たる従来のファティマには勝てない、という設定ですが・・・
これはFSSで最初から共通して描かれている絶対的なルールみたいなもんですね。
要するに「オカンには勝てない」ということなんでしょう。

天照はミコトに勝てない。
カレンはラキシスに勝てない。
ジャコーはイマラに勝てない。
セイレイはエルメラに勝てない。
ズームはペールに勝てない。
ミッションはスジャータに勝てない。

力の優劣というよりも、母親とはナンであるかという認識の問題。
まあ、母は強しですよ。ほんとに。

にしても・・・永野センセーが6月号で「Fネーム・ファティマに関しては単行本3巻のラキシスが(中略)とっくに語っている」と説明していたのは、単純にエルメラ王妃に語っていた「子供」という部分に掛けた話なのだろうか。しかしこれはたぶん娘のカレンに掛かって来るセリフなので、もうちょっと別のシーンで深読みしてましたよ。

コミック3巻でラキシスはモラードに向かって何やらごちゃごちゃ話していたのだが、この部分の解釈を13巻でムグミカが引き取っているんですよね。
曰く、「はたして未来・・・その時に人がいたとしてそれは私たちと同じ姿の人なのか」という疑問が投げかけられていたと。
これに対してムグミカは「ヒトの記憶を受け継いでいる者が人間」という回答をしつつ、それが機械や人工知能となることを否定している。
ムグミカは「ヒトがヒトの姿を保って未来に渡ること」を願ってモラードにタワーの製作をお願いした訳で、Fネーム・ファティマもまた単なる「子供」ではなくて、「ヒトの記憶を受け継ぐ新たなヒト」という部分に重要な役割があるように思えます。数十万人のA.K.D.の国民ではなく、モナーク紀から続く人類の記憶と英知をさらなる未来に運ぶ役割をもつヒト、という意味です。

つまり何が云いたいのかというと、ムグミカが望んだ未来がモラードに託され、タワーとモラードが天照の旅に同行した結果として、(もともと生まれる予定の無かった)Fネーム・ファティマが生まれたのではないかと。逆に云うと、未来を知るラキシスが「時を駆け下りて来て」モラードとムグミカに問いを発したことで、Fネーム・ファティマの出現につながったのではないかと思える訳です。
あ、ここで云う(もともと生まれる予定の無かった)というのは劇中の設定の話で、永野センセーがメタな部分で最初から予定していたのは解説のとおりなんだけど。

まとめると、ラキシスが3巻で語ったのは「ヒトの記憶を受け継ぐべき未来のヒトはどのようなモノであるべきか」という問いかけであって、ムグミカの導いた答えが「タワーの製作による記憶の伝承」・・・しかし、そのような希望をもさらに飛び越えた上位の存在として「ヒトの記憶をさらに未来に運ぶ媒介者・具現者」となるFネーム・ファティマが生まれて来る、ということなのかなと。・・・そう考えると、7777年以降の時代が描かれて初めてFSSという物語が終わるのかなーと思いますね。
うん。ごめん。うまくまとめられないや。
(2020.08.08)


■ 先先(マーター・マーター)について (p60)

先先(マーター・マーター)がスタント遊星攻防戦に乱入してくるのは、ザ・ウィル・スペンサードを用いた逆行移動の結果のようだ。
いくら優秀であったとしても、ただの気まぐれでそこまでやるとは思えないので、何らかの意図があって乱入してきたのだろう。
なんとなく、ディアブラとラキシスの活躍で和平につなげただけでなく、先先(マーター・マーター)がアスタローテ(レディ・スペクター)を連れて来るような気もしますねー。

先先(マーター・マーター)の隣に描かれているのは、おそらくヨーンとワスチャ。
ヨーンの服装は全身真っ黒でその特徴的なボタンの形から黒騎士を喚起してしまうデザインではあるが・・・おそらく彼は黒騎士にならないはず。
うーん・・・自ら剣をもつ決意をして騎士になり、デコースに打ち勝った上でバーシャの幻影を捨て、ミラージュ騎士の一員になる・・・というのがヨーンの成長ドラマとなるはずで、彼がデコースを倒した上で黒騎士となるのはなんというか物語のギミックとしておかしい。
あと、前にもこのページで書いたけど、ヨーンのことを覚えていないバーシャが、次に選んだマスターが「ヨーンにそっくり」のジークボゥ=レーダー9世だった、という部分にドラマがあると思うのね。だからこそ、ヨーンが黒騎士となるのはちょっと違うんじゃないかと。
おそらく、黒騎士を討ち取った人物として、その黒騎士の意匠を引き継ぐことを周囲の騎士が認めた、という流れなのかなーと。

ちなみに4代目黒騎士のバントライン・ゴールについては設定がほとんど明かされておらず、天照によるボォス侵攻の際にエストを得ていることが判明している。星団暦3199年前後ということになる。また、エストはこの時期(3200年頃)にフィルモア帝国から聖宮ラーンに戻っており、バントラインをマスターに選んだとの設定がある。ヨーンは3159年から始まる大侵攻に参加しているので、ラーンに渡るとは考えにくいんだよなー。
(2020.08.08)


■ 懐園剣の設定に関して (p62)

この数か月の連載内容で懐園剣の詳細が明かされ、劇中でも覚醒した状態が描かれたので、今回公開された設定でおそらく確定になると思われる。
以前は「ハイペロンの要請を受けてカレンが創った」とされていたのだが、「マドラの声に応じて赤子の天照が創った」という設定に変更された。
また、ハイペロンなる人物がログナーの本性であることも確定した。
うーんと・・・ルイ16世がフランス国王であったように、カラミティ・ゴーダース王あるいはカラミティ・ゴーダース星団皇帝という呼称は星の名前を戴いた肩書きのようなもので、個人名はバビロン・ハイペロンということになるだろうか。旧設定にあったカラミティ・ゴーダース・フーバーク大帝(たぶんアイエッタ姫の父君でログナーの祖父)とかはボツ設定になるのかな。とは云え、ずっと謎だったハイペロンの設定が一応回収された。

また、雄剣の正当所有者はマキシからラキシスに変更。雌剣に関してはシルヴィスあるいはカレンが最終所有者との設定もあったが、正当所有者は異世界タイカのシルミラーであることが明かされた。
これにより、2019年11月号でマドラが「本来の主は・・・なるほどそれで・・・」と話していた部分の意味が通じるようになる。つまり、マドラは式神オフェロスより本来の主が「ラキシス」であることを聞いた訳だ。
あと、5月号でMMTデモンが手にしていたプラネタリ・ウェポンのような武器は懐園剣・雌剣とのこと。シルミラーの先祖という関係性もあるが、基本的に何も考えていないらしい。まあ、善悪に関係なく、自身を振るう資格のある者であれば、その呼びかけに応じて現れるということだろう。戦いで使用されるのが武器の本質である以上、懐園剣はその本質を違えず忠実に守っていると見るべきか。

さて、懐園剣と魔王の歴史が旧設定から大きく変わったので、これまでに判っている情報と旧設定の一部を絡めてまとめ直してみた。
 
時代 懐園剣・雄剣 懐園剣・雌剣 備考
伝承紀
(フーバーク大帝の時代?)
モナークの素子姫ことアイエッタ姫が魔王オピクルと対峙・撃破。
アーク・水霊の出現と5体のセントリーの召喚。
その後、姫の体に宿っていた受精卵が摘出され、多くのクローン体が生み出された。
それがカラミティ・ゴーダース星団皇帝ことF.U.ログナーとなる。
不明。 アイエッタ姫はカラミティ・ゴーダース・フーバーク大帝の娘と思われるが、詳細不明。
アズデビュート紀
(宗帝アズデビュートの時代)
数式生命アズデビュート大帝が魔王ダリスドゥバースと対峙・撃破。
旧設定に沿うならモナーク・セイクレッド武士団とログナーも参戦。
不明。 アズデビュート帝のフルネームはアズデビュート・デルタベルン・モンソロン大帝と思われる。
AD世紀5000年頃 不明。 超帝國・緋紫の皇帝アーハトが雌剣を所持。  
時期不明 超帝國剣聖ララファが遥かな時空で魔王カリストチェルと対峙・撃破。ただし、AD世紀にはスキーンズが所持していたとの設定もある。 ララファは雌剣も所持していたらしいが、雄剣の使用時期と重なるかどうかは不明。 ログナーと炎の女皇帝がどのように関わったかは不明。
星団暦2020年 天照の命の前に双剣が出現。
全てのセントリーとハイペロン111(=ログナー)が魔王タンツミンレと対峙。
撃破後にドウター・チップが使用されたものと考えられる。
懐園剣は一度行方不明になるが、異なる時代・次元における戦いが終わった後に、再び天照家に戻ってきたようだ。
旧設定ではこれが初出現。
星団暦3000年代まで 雄剣が2200年代に剣聖ナッカンドラ・スバースに渡される。
2400年代から2900年代後期まで剣聖ハリコン・ネーデルノイドが所有。
2900年代後期からアルル・フォルティシモが所有。
雌剣が2600年代に剣聖ディモス・ハイアラキに渡される。
その後、ファティマクーンを介してダグラス・カイエンへ。
3010年にカイエンからミース・シルバーに、ミースからアウクソー渡される。
 
星団暦3037年 女魔帝ゴリリダルリハの干渉。一時的に星団暦7444年に強制転移。
マドラの願いに応えて赤子の天照が懐園剣を創造。マドラが雄剣を用いてヴィーキュル軍と対峙する。
ゴリリダルリハの撃退後にルシファ・センタイマが乱入。
ラキシスが雄剣を引き継ぎ、シルヴィスの導きにより式神ビュランコート召喚。
雌剣はルシファがMMTデモンと共に召喚。
最終的にファーンドームの星王が雄剣を持ち、雌剣を携えたルシファと対峙。
これが初出現。
星団暦3200年代まで 3070年にマキシが所有するらしい。
旧設定では3200年代に剣聖マキシに渡る。
3170年頃に剣聖マドラが所持。
3200年頃にファティマ・クーンが所持。
その後、一度マキシに渡される。
いずれも旧設定のため変更の可能性あり。
 
星団暦3225年 惑星バスターの出現を受けて魔王ラドナリスリビオンが進軍。
スタント遊星攻防戦。ミラージュ騎士団、超帝國剣聖騎士団、セントリーが参戦。
マキシが懐園剣を使用するものと思われる。
マキシはこの戦いで死亡し、雄剣を携えてタイカ宇宙へ移動。
不明。  
星団暦3300年頃 タイカ宇宙に移動したマキシがシルヴィスと共に大魔王ルシファ・センタイマを撃破し、タイカを平定している。また、この時はシルヴィスも雌剣を所持していたという記録がある(ボツ設定か、一時期だけ戻ってきたのか)。  
星団暦4000年頃 不明。 4100年頃にディジナ・マイスナーが雌剣を所持。 4062年にソープがコーラス26世に渡すらしい。
時期不明 超帝國剣聖アサラム・スキーンズが魔王ノストスパスムスと対峙・撃破。
おそらくこの時期に炎の女皇帝がプラネタリ・ウェポンと定義する。
  スキーンズが息子の名をとって懐園剣と命名。
星団暦6787年頃 惑星オリンポスにてラキシスがビュランコートをしもべに迎え、懐園剣にその力の一部を封じる。   これにより、過去から未来の記憶が全て統一化される。
太陽紀 マキシが所持していると思われるが、好き勝手に飛び回っている可能性あり。 惑星フォーチュンにてカレンの出現を待つ。  
56億7千万年後
(ザ・ウィル星団暦7777年)
天照大神、シルヴィス、ファーンドームの星王(マキシ)、シルビス・ミラーと共に神界に渡る。 カレンの手に拠ってタイカへと持ち込まれる。
あるいは異世界タイカのシルミラーに渡される。
7777年にフォーチュン攻防戦(またはラキシス救出作戦)があるらしいので、再度ログナーとセントリーが魔王と戦った可能性あり。
 
うーん・・・いろいろ不明な点が多いな。
超帝國剣聖ララファがカリストチェルと対峙した際に所持していたのが雌剣であれば辻褄が合うような感じだが、マドラが雄剣を手にした際に記憶を読み解いていたので、ここでは雄剣の歴史として整理した。案外、雄剣と雌剣で記憶を共有している可能性もあるか。
あと、気になるのが3070年の雄剣の所持者がマキシという点。ハスハ解放作戦の直前にマドラから渡されるのだろうか。以前は3170年頃までマドラが所有していたことになっていたはず。ディジナの手に渡るのも何やらありそうな気配である。
(2020.08.09)


■ バクスチュアルの登場 (p63)

前々から登場が予定されていたバクスチュアルの新デザインが登場。
別名のブランシシェラック(Blanc chanceux)はフランス語で「白の幸運」という意味になる。おそらく、エストの異名でもあるブラック・ファッティース「黒の運命」と対になる言葉だろう。現在のところ、ヨーン、デコース、エストのエピソードにバクスチュアルが絡む要素は見えないが・・・コミック11巻p10に描かれているカットから予想していたヒトも多いはず。

今回公開された設定の内容と合わせて読み込むと・・・ヨーンがデコースと対峙する際、天照がバクスチュアルを派遣し、何やら特別なGTMを持たせるようだ。
旧設定の流れで考えると、ヨーンが乗るのはおそらくクロス・ミラージュになることが予想されていた訳で・・・新たに設定されたグリットの雄型キャラメート・ブリンガーになるのか。それとも完全新規のGTMになるか。
んでもって、この戦いに立ち会う人物として、斑鳩、クラーケンベール、ログナーがいる模様。おそらく、ヨーンがこれを征して勝利することでデコースが討ち取られ、バッハトマの一角が崩れることで魔導大戦の終わりが見えてくるのだろう。
これは盛り上がるなー。
(2020.08.09)
 
 

■ 2020年8月号


■ デモンとバイナス (2020年8月号p59)

MMTデモンとバイナスの設定公開。コミック5巻で説明されていた内容から大きく変わっている。
デモンとグライフ(以前の設定ではグライア)を造り上げたのは(クェーサー人の協力を得た)ユライヒとのこと。
一方、バイナスは懐園剣(ビュランコート)の力と意思を取り込んで闇華亜族が造り上げたようだ。
これにカレンが搭乗するということは、ユライヒと敵対関係に置かれることになる訳で・・・つまり、タイカ・ジューヨー皇帝団が魔女のアスタ・ロッテ海でカレンを拾い上げた後、ユライヒと謁見したところで決裂して、闇華亜族の方に加担することになるのだろうか。うーん。

バイナスは全てにおいてデモンとは反対の属性をもつらしい。デモンを破壊し得る唯一の兵器であるが、この2機は敵対出現によって相手の出現を封じる機能を有するため、直接戦闘はできないまま互いに不倶戴天の間柄となっている模様。双方が同時に出現して決着をつけるためには何らかの条件が必要となるようだ。
まあ、コミック6巻に登場した際はデモンと並び立っていた訳で、そこに至るまでのドラマが用意されているということだろう。
なお、バイナスの仏訳名の部分に「ソール・アタッカー(SOL ATTACKERS)」と書いてあることから、ユライヒ率いるルーナ・アタッカーの敵対者として、シルミラー率いるソール・アタッカーと呼ばれる武装集団が存在していることが窺える。

ユライヒの消滅思想について。10万年もの闘争を続けてきた十曜亜族と闇華亜族は既に和平を見いだせる状態ではなく、例え勝利したとしてもその憎悪と怨恨に塗れた歴史は罪深いものとなるだろう。世界平和を真に望むのであれば、自身を含む全ての消滅を以て実現するしかない・・・といったような思想だろうか。まあ、普通に生きたいと願う者からすれば、非常に傍迷惑な思想と云える。十曜亜族と闇華亜族だけではない。この闘争に巻き込まれているタイカ銀河団あるいはタイカ超銀河団の異星人たちが、この思想についてどこまで「ノッているのか」。闇華亜族に加担する異星人も多いような気もする。

MMTが意外と小さいことは予想できたが、機体色がブルーだとは思わなかったなー。黒だと思ってました。
バイナスはナイト・オブ・ゴールドの5号機という設定もあるため、金色になるだろうか。
(2020.08.15)


■ 新デザイン群の乱入 (p60)

今月号はあんまり考察ポイントなし。
先月号までに明かされていた設定のまま、永野センセーがデザインしたメカやら神やらがポンポン出て来る。

マニウは「天の川銀河より来たる異次元空間タバラチの神」とのこと。
「タバラチ」について・・・インド神話の系列で調べたけど判らず。多胎児(たたいじ)のことをタバラチと呼んでいるのかも知れない。多胎児とは双子や三つ子の総称であり、劇中のマニウは三つ子が奇妙に絡まったようなデザインである。

すえぞうが飛び出してくるシーンで、ちゃんとラキシスのスーツに付いているセントリー・ドロップから呼び出されていることが判る。
ビュランコートの召喚に使用するのは脇腹の宝石である。まあ、ポーターやスペクターが言っているとおり、シルヴィスがボケをカマしたのだろう。
ビュランコートのデザインが微妙にセントリー・ライブのイメージに近いのも、何か意味がありそうな感じ・・・ではあるが、セントリーがどちらかと云うと東洋の龍に近いイメージに変わったため、西洋の龍に近いデザインを何らかの形で出しておきたかっただけかも。

式神オフェロスの正体がビュランコートであることが判ったところで今月号は終了。

今月号の内容で引っ掛かる点があるとすれば・・・やっぱりデモンとバイナスかなぁ。
カレンは生まれた瞬間から過去・未来の全ての記憶をもつ全能神として出現している訳で・・・今回登場しているカレンもまた「ユライヒと夫婦になった後のカレン」の記憶も持ち合わせていることが想像できる。これを前提にちょっとまとめます。
(カレンとユライヒが夫婦という設定が確定しているかどうかは不明な点があるが、コミック5巻の家系図では一応夫婦であることが読み取れる図になっている)

カレンとは異なり、ユライヒには「人間であった時代」があることが先月号までの解説で明らかにされた。人間であった頃のユライヒは冷酷無比であり、タイカ人類の消滅を目指してMMTを作り出したと。この設定を踏まえてコミック6巻に登場したシーンを見ると、そのような冷酷さは全く見られず、次元を超えて来た点から考えても既に全能神になっていることが想像できる。
ここで注目したいのが、この時点で「デモンとバイナスが同時に出現していた」点である。おそらく、ふたりが全能神となっている時期には「デモンとバイナスが同時に並び立つ条件が解明されている」のだろう。そしてその記憶もまた現在登場しているカレンは知り得ているはずである。・・・にも拘わらず、今回ルシファが呼び出したデモンに対しては同時出現が不可能な状態であったと。これをどう読み解くか。

デモンとバイナスが並び立つ条件がもしハード側に紐づいているのであれば・・・例えば何らかの制御装置によって制限されているのであれば、制御が外れた後のバイナスを呼び出せばいいということになり、今回のデモンとも戦うことができたことになる。が、おそらくこれは違う。
となると、デモンとバイナスが並び立つ条件はおそらく搭乗者側に紐づいていることになる。無の神ルシファとカレンではその条件を満たすことができない。同様に、人間であった頃のユライヒもまた条件を満たすことができない。しかし、夫婦になった後のカレンとユライヒであれば条件を満たせると。

この辺から察するに、デモンとバイナスは「敵対関係ではない状態で呼び出せば、おそらく同時出現が可能」ということが想像できる。
そこから振り返ってこれまでに明かされている設定をまとめると・・・カレンがタイカ世界に向かった直後はおそらくユライヒと決裂して敵対関係になり、その後で両者が和解することで十曜亜族と闇華亜族の和平が成立。結果、デモンとバイナスの同時出現が可能になった・・・ってな感じのドラマが推測できる。
ただそれでもなお、闇華亜族の怨念は凄まじく、全能神となったルシファまでもがそれに突き動かされる形でチョッカイを出してくる、ということだろうか。

シルヴィスの祈祷を受けて10万年後に救世主たるカレンがやって来たと。しかし、助けを求めていたはずの十曜亜族が逆に支配者となっており、そればかりか全人類を消滅させようと躍起になっていたと。・・・コミック5巻においてシルヴィスは「神々の言う"救い"が我らの想うところの"救い"と同一であること」を願っていた訳で・・・カレンが人間であった頃のユライヒと出会ったときに、何を感じてどう行動したか。なんとなく想像できるだろう。
「なぜ十曜亜族が支配者となっていたのか」を考えても答えはないが、「なぜそのような設定になったのか」という視点で考えると、「そのようなドラマが新たに用意されたから」「それもユライヒが人間であった時代から全能神になるまでのナンヤカンヤがたっぷり」という部分が見えて少しストンと落ち着くモノがある。未だ全貌が明かされていない異世界タイカのエピソードですが、桜牧師はそんな感じで受け取りました。
と云うかね・・・たぶんセンセーの中ではタイカ暦もそこそこ長いのが出来上がっていると思う。それが連載に反映されるかどうかは別として。
(2020.08.15)
 
 

■ 2020年9月号


■ 服屋さんの情報 (2020年9月号p63)

永野センセーの行き付けのお店の解説。
これについてはそのうち別途辞書ページに反映します。
(2020.08.16)


■ グラビトン圧縮とルシファの「反則」

ビュランコートがグラビトン圧縮を起こして全てを消し去ろうとする中、ルシファは「反則」と称して熾権使たちを異次元に飛ばして避難させる。

おそらく、何らかの膨大なエネルギーを用いてグラビトン(重力子)を圧縮することをグラビトン圧縮と呼称しているのだろう。ただし、重力子は重力を媒介する粒子とされているため、おそらくそれを圧縮することはできない。似たような物理現象としては、重力崩壊(恒星が自らの重力に耐え切れず崩壊する現象)あるいは粒子崩壊(素粒子が別の素粒子に変換される現象)が挙げられる。
同様に、永野センセーが解説している光子蒸発という現象も微妙に在りそうで無さそうな物理現象である。似たような物理現象としては、やはり重力崩壊もしくはホーキング放射(ブラックホールが光子を発しながら蒸発する現象)あるいは対消滅(物質と反物質が接触することで光子を発して消滅する現象)になるだろうか。
FSSはSF作品ではないので、この辺の設定はたぶん適当なのよ。
想像しやすいモノで例えると、マイクロブラックホールか反物質砲のような兵器になるだろうか。

ルシファの「反則」について。
おそらく、全能神の能力は使わず、あくまでも大権使としての能力だけでラキシスら一行を追い詰めようとしていたところ、ビュランコートが現れて星そのものを消し飛ばすほどの攻撃を放とうとしたことから、全能神の力を用いて熾権使たちを異次元に送り、さらに星の消滅を回避するために威力を相殺したのだろう。
要するに、ルシファにとっては最初から全力を出すつもりがない、チョッカイを掛けるだけの遊び半分ということだろう。

正体を現したルシファが思ったより童顔なデザインであるが・・・おそらくシルミラーの祖先であることから逆算してデザインし直したのだろう。
一応、旧設定のデザインはNT1992年2月号付録「THE OFFICIAL ART OF The Five Star Stories 1992-1996」でデザイン画を見ることができる。

懐園剣がルシファの手に渡ることについて。カレンは父親の性質を引き継いで「何も考えていない」と説明しているようだが・・・やはり、武器である以上、武器自身がその使用者の善悪を測る意味はないということだろう。逆に、この場に残ったメンバーの中でルシファ以上に懐園剣を振るう資質のある者がいなかったと云うべきか。この後のマキシとの戦闘を読む限り、ルシファは剣聖クラスの腕前をもつようだ。
うーん・・・覚醒していない懐園剣・雌剣をなぜ全員が脅威と感じているのかがナゾ。マキシも封印状態の懐園剣を太刀に変えたようだし。
(2020.08.16)


■ マキシ降臨 (p70)

懐園剣を手にしたルシファに一行が怯える中、剣聖マキシがついに降臨する。
今回は説明セリフが長いな。

いくつか疑問点あり。
まず、懐園剣を手にしたマキシが「久しいね」と口にしている部分。
マキシの説明に拠ると、懐園剣を手にしていた時期は、マグダルやデプレと共にボスヤスフォートを倒した時期となるようだ。
となると、3225年のスタント遊星攻防戦・・・対ラドナリスリビオン戦では懐園剣を使用していなかったということか。
と云うか、タイカ世界の戦いでは使用していないのか。いやぁ・・・ボスやんとの戦いで懐園剣を使うというのも微妙だし、タイカでも使用していなかったというのも微妙だな〜。
コミック11巻でも懐園剣を手にしているし、「2つの宇宙のあらゆる物を切り倒して参りました」って云ってる訳だし。

マキシの血縁については・・・まあ、彼自身が口にしているとおりなんだけど。
クーンがバランシェのコピーであったという設定は今回が初出ですね。

カレンから見ると、マキシは母ラキシスの弟に当たるために「叔父」。
マキシから見て、遺伝子上はカイエンが「父親」で、ミースが「母親」。ただし、受精時の胎はアウクソーであるため、アウクソーもまた「母親」。
また、自身の素体はクーンの情報のリマスターであるからクーンもまた「母親」。同時に、クーンは父カイエンの代理母でもあるため「祖母」でもある。
これをまとめて、マキシはクーンのことを「大お母様」としている。
46体目のファティマとしての視点ではバランシェが「父親」。ただし、バランシェはクーンの父親でもあるため「祖父」でもある。
さらに、母ミースはバランシェの養子でもあるため、二重の意味で「祖父」。
父カイエンの代理母がクーン、クーンの父親がバランシェと考えると、バランシェは「曽祖父」でもある。
ついでに云うと、マキシは幼年期にフンフトに育てられるという設定もあるので、フンフトも「母親」である。
コミック11巻の「母と母であった方々(マザース)」の意味がここでクローズアップされましたね。

精霊体となっていたクーンがファティマの姿となって現れたようにも見えるが・・・「付いてこられましたか」というセリフが微妙に謎。
「どこから」付いてきたか。神界に渡っていた星王に付いてきたのであれば、クーンもまた神界に渡っていたことになるが・・・。
あるいは、実体のクーンもまた未来において他界しており、別の精霊体に転生してこの場に駆け付けたのかも知れない。

次。マキシの口から「泰華銀河連合」という単語が語られる点。
おそらく、十曜亜族が宇宙へと進出した後、タイカ太陽系を含む周辺の銀河、銀河団、超銀河団へと版図を広げ、数多の異星人とのコンタクトを経て築き上げた連合体制もしくは連合国家を泰華銀河連合と呼んでいるのだろう。
しかし、マキシがタイカ世界に渡った時期は古代タイカの時代であり、この時点において十曜亜族に宇宙の知識が無かったことは、コミック5巻p60でシルヴィス自身の口から語られているとおり。
なぜ、マキシが活躍した時代に存在していない「泰華銀河連合」という言葉が出るのか。
うーん・・・可能性としては、「その時代にもマキシがいた」ということになるだろうか。
転生も可能かも知れないし、神として降臨することも可能かも知れない。女神シルミラーがこの時代に転移させたかもだし。いやーどうだろーなー。

そのほかの小ネタ。
マキシの誕生年は3037年で確定。以前は3035年としている資料もあった。
マキシの服に描いてある「滅」の字ははカイエンの浴衣と一緒(コミック9巻)。
マキシは幼年期から青年期まで天照家で育てられる予定。腰の部分に四菱のマークがあることから、天照家の一員でもあるのかも知れない。

あと、シルヴィスは巫女である以上、処女性の維持がおそらく重要視されるので、マキシと夫婦になったのは意外と全能神となった後かも知れないですね。
てか、今回の登場が「44分間の奇蹟」ではないんだよね。よく判らん。
(2020.08.23)
 
 

■ 2020年10月号


■ ヴァンク化 (2020年10月号p59)

扉絵はヴァンク化の解説と今後予定されているコミックほかの告知。

雅楽(うた)を用いて生物や機械を自在に融合変化させ、異形の生物を生み出すことをヴァンク化と呼ぶらしい。ベースとなる生物は動物や植物を問わず、生み出された生物はいずれも強力な生物兵器となる。同胞たる戦闘種族(=モノノフ)を強化するのもヴァンク化。MMTとの融合もヴァンク化の応用とのこと。
ルシファ・センタイマに特有の能力ではなく、闇華亜族(アンカー)がもつ能力のように読み取れるので、シルミラーや熾権使も同様の能力をもつ可能性が高い。

告知の内容によると、来月号の内容までがコミック16巻の収録分。デザインズ7とリブート8巻の発売を2021年に予定しているとのこと。
うちのようなサイトだと連載当時の記事がそのまま読めるリブートは大変助かるんだけど、設定改変後の扉絵の記事は細かい文字が多いので、その辺はフォント調整とかして読みやすい大きさにして欲しいですね〜。いやほんとに。欄外の書き込みも虫眼鏡で見てる状況なんです。
(2020.09.22)


■ ルシファの真意 (p64)

切り結んで互いに血を流したところで剣を納めるマキシとルシファ。戦いを終えた懐園剣は次の戦いの場に飛んで行った模様。
ルシファの言葉に拠ると、ラキシスがモラード候に語った「五つの星の物語」はそのまま異世界タイカにも届いており、彼はラキシスの力量を測ろうとしていたようだ。ただ、ラキシスの言葉の解釈は明確な形で読者に示されている訳ではないので、ルシファが今回の行動に出た思考(というか理屈)をトレースするのが難しい。

ラキシス語った「五つの星の物語」は、遥かな未来においてヒトが希望の地に至ることを語っている予言になると思われるが・・・主語なしで「種を運びたもう」となっているのがポイント。高位にあるモノが種を運んでくれることを暗示している訳だが、言葉を受け取る側としては「では何モノが種を運ぶのか」「そこに希望を見出してよいのか」という疑問につながる。
ヒトであった頃のルシファはその言葉を聞きつつも、生涯においてその意味を測ることができなかったため、全能神となった後もその気持ちが残っていたと。全能神になれば、おそらく過去・未来の全てを「視る」ことも可能になるため、ラキシスの言葉の顛末をルシファもまた知っているはずであるが・・・ラキシスそのものに対する興味がずっと残っていたと考えればいいのか。

うーん・・・「ルシファが聞いたその言葉を後世に残したか否か」また「十曜と闇華が未来においてどのような結末を迎えたか」が判れば、この辺の位置関係がスッキリすると思うんだけど・・・全然判らんなぁ。

一方、ラキシスの言葉もまた「惑星フォーチュンへ至った未来のラキシスの言葉」であることは想像できるけど・・・神々とも戦うという意思表示は「メイトリィーア・ラキシスに至る以前のラキシス」から発せられたようにも思える(メイトリィーアもまた神の一員であるため)。いや、そもそも全能神が集う神界においてラキシスが登場したことはないし、おそらくは既にアマテラス大御神とも融合しているはずなので、「五つの星の物語」を伝えた未来のラキシスがどの時点のラキシスなのかが今ひとつ判らない。
あるいはメイトリィーア=弥勒=「仏」と考えて、「神」とはまた異なる存在として捉えればいいのか。
いずれにしても、言葉を発した存在が神にすら挑もうとする気概をもつ人物であるころが判り、ルシファ自身は溜飲が下がったようだ。

ついでに。今回のルシファのセリフで判ったのは、「44分間の奇蹟」が星団暦3070年に起きるということ。
3070年はハスハント解放戦の5年前、ノルガン・ジークボゥがドーマ連合の征伐を開始する年であり、ワスチャがコーダンテ家の当主となる年である。この年に魔導大戦において何が起きるのかは不明。
(2020.09.22)


■ 記憶の消去とバグについて (p69)

神々の干渉を「無かったこと」にするため、全員の記憶の消去をスペクターに指示するカレン。
今回の戦いは、ラキシスとマグナパレスの記憶からも消されるようだ。

んで、今回改めて開示される情報。
FSSの世界からMHを消し去り、GTMに置き換えたのはカレンとビヨンド・クラスファーの仕業とのこと。
まーデザインズ1の時点でカレンが何かやらかすことは暗示されていた訳だけども・・・やっと劇中でちゃんと説明されましたね。
うちのホームページではその辺についてちゃんと解説されることはないだろうと早々に諦めていて、デザインズ以降の考察でも全然取り上げてませんでした。
トレーサーex2の発売直後のタイミングで、掲示板に「連載再開と同時にMHが全部GTMになってたとしても、そんなに驚かないですねー。(中略)何が起きても全部カレンのせいというか。」と自分でカキコんでいたようなので、当時はとりあえずカレンの仕業ってことで読者の皆も思っていたのかな。

さて、カレンが語る「とあるモーターヘッドの名前を覚えている者」についてだが・・・これまでに開示されている情報から察するに、おそらくアウクソーのことだろう。コミック13巻では「GTM感応機能」が失われていることになっていたのだが・・・GTMに置き換わった世界において「MH感応機能」が残っていると考えれば辻褄が合う。
アマテラスが云うところの「本当の本当のほんとうに死ぬよりもつらい時」=「カイエンに別れを告げられた時」に、彼女はおそらく「神」に対して自らの死を願ったと。それがおそらく今回のバグの引き金になっているのではないだろうか。
マキシにとってアウクソーは母親でもあるため、その「修正」をすれば自身にも影響が出ると考え、パッチ当てをやめさせているものと考えらえる。
(2020.10.05)


■ ショウメの行く末 (p72)

ポーターがほぼオマケの説明セリフとしてショウメの行く末を語る。
それによると、ラキシスがカラミティの爆発に巻き込まれて星団外に飛ばされる時期は、ブリッツの再転化の時期と重なる模様。
その再転化の際に、ショウメの一部がラキシスに同行するようだ。おそらくスーツの宝石の封じられる形になるだろうか。つまりジュエルスの一体である。
一方、ショウメの一部を取り込んだタワーはそのまま天照に付き添って星団外に出立。
本体はブリッツとなって、静と共に生きるようだ。・・・ということは、静はミラージュ騎士団に移籍しないということか。
ふーむ・・・破烈の人形がログナーの乗騎(星団暦3960年のジュノー侵攻最終戦にて使用)となることが確定しているため、なんだかんだで静も移籍するものと思ってました。
(2020.10.05)

ヴィーキュルの侵攻以前にラキシスの背後にいたふたつの霊体についてポーターが気付いていたこと、その何者かが上空から監視していたことが示唆されたところで今月号は終了。
 
 

■ 2020年11月号


■ MOMOKOの新商品 (2020年11月号p59)

扉絵のふたりは・・・公式サイトを見る限り、ファッションドールの新企画のようだ。クリスティン・Vとダイ・グのMOMOKOである。
MOMOKOについては辞書ページにまとめているので、参考にされたし。
ついでに、公式サイトにいくとダッカスのレジンキットの写真と、先先(マーター・マーター)のカラーシートも確認できます。
(2020.11.01)


■ 目覚める一行と明かされるアレコレ (p60)

ポーターの呼びかけに答えて目覚める面々。
ショウメはポーターに回収されたことでラキシスとはお別れ。
マドラは統一人格が安定したことで、改めてミラージュ騎士として活動する模様。「騎士相手に剣を取ることはない」というのは、剣聖位をもつ者として活動するということだろう。
カリギュラの面々はそのままラキシスの配下に収まるようだ。

カリギュラの指揮官クラスは超帝國の総帝・皇帝らのコピー体とのこと。オリジナル体は皇帝の粛清によって消滅したのか、あるいはコピー体となることで消滅したのか。
まあ、この後でモラードのオリジナル体とコピー体が同時に登場するといろいろ問題があるはずなので、コピー体の出現と同時にオリジナル体は失われると考えた方がよいだろう。
マウザーは6代目総帝ゼクスのコピー(劇中では皇帝となっているが総帝とするのがおそらく正解)。ゼクス(Sechs)はドイツ語で「6」の意。数字の大小と在位時期の順番は一致していないとの設定もあるが、彼はそのまんま6代目の総帝となるようだ。
一方、ツバンツヒは5代目総帝フィアの娘トーターエルフのコピー体とのことだが・・・5代目総帝フィア(Vier)はドイツ語で「4」を意味するため、この場合は総帝の代数がズレている。また、エルフ(Elf)はドイツ語で「11」の意。トーターの部分が「Tochter」であれば「娘」の意。「Toter」であれば「死人」という意味になる。おそらく「11番目の娘」という意味になるだろうか。

あとは、うーんと・・・永野センセーはたぶんEV-3とEV-7の設定がごっちゃになっている。あるいはどっちかがボツ設定になっているっぽい。
モラードの作品であるファティマ・レイルゥのマスターはEV-7(A.K.D.に潜入していた方)という設定があるが、共にラキシスの配下に入るBO-6とのバランスを考えると、この場にいるEV-3の方にそのような設定が必要と思える。おそらくレイルゥのマスターはEV-3と考えた方が良さそう。

ミラージュ騎士団にラキシスを絶対君主と仰ぐメンバーが加わるという設定について。
今回のメンバーに関して云えば、ツバンツヒはおそらく天照寄り、マドラは自ら宣言しているとおり双方寄り、マウザー(=クラック)はラキシス配下という感じだろうか。
EV-3やBO-6はミラージュ配下ではあってもミラージュ騎士とはならないはず。
おそらく、ベルベットなんかはラキシス配下になるのだろう。ほかは現時点では予想つかず。
(2020.11.01)


■ 天照の考える「希望」 (p65)

ルシファとの対話で天照大御神とも戦う姿勢を見せたラキシス。そのの言葉を、その天照本人に対して報告するスペクター。
ただし、この時点の天照はおそらくラキシスと自分がいずれ融合して天照大御神に昇華することを知り得ていないので、JOKERは「この世界を創造した神であっても戦う」というようなことを伝えたはず。
この後の天照のセリフから、彼の「神としての考え」が透けて見えるのだが・・・この部分はとても重要なため考察を最後にまとめる。
(2020.11.01)


■ 携帯端末の応用 (p66)

マドラが石を投げているシーンで、左手に携帯端末を持っているのが確認できる。
これはおそらくソナーを用いて魚群探知機として使用しているのだろう。芸が細かい。
(2020.11.01)


■ ふたつの霊体 (p66)

ラキシスを追っていたふたつの霊体の正体は、ゴリリダルリハが口にしていたヴィーキュルの最高位存在・・・アスタローテとヴィクトリーであったことが判明する。

この後の一連のシーンを読み解くと・・・レディ・スペクター(=アスタローテ)は未来において先先(マーター・マーター)をパートナーとして迎えており、その先先が設計したザ・ウィル・スペンサードを用いてこの時代を訪問していたようだ。
異界神ルシファの干渉に際して、ヴィクトリーはラキシスを庇うために右手を出して負傷し、その手の中央に未来永劫に残る傷を負ったと。しかし、それはもともと彼自身が気付かぬうちに負っていた「古傷」であったようだ。つまり、彼の肉体にとって星団暦7444年の出来事は「過去の事象」、精神にとっては「現在進行形の事象」であったということか。以前の考察で書いていた、実体二元論に完全に縛られた存在(=物質と精神が分かたれたままその壁を越えられない存在)であることが読み取れる。

以前のラキシスのセリフに拠ると、バフォメートはアズデビュート数式生命帝と同様に世界創世式の「解」を得ているとのことであったが・・・これが彼の云うところの「ラキシス様に受けた恩」ということになるだろうか。ただ、この「恩」はこの時代より過去において授けられたのではなく、おそらく遠い未来において授けられたものと考えられる。
つまり、遥か未来においてラキシスに救われたヴィーキュル(レディ・スペクターやヴィクトリー)がいる一方で、未だ救いを求めて世界に干渉してくるヴィーキュル(ゴリリダルリハ)が存在しており、この両者を隔てているのが「時間」という構図である。

うーん・・・未来において救われたモノたちが存在しており、そこから過去に移動することが可能な状態であったとしても、その手を過去に差し伸べることは「ヨシ」としないと。
ラキシスが弥勒となるまでに、ファティマが子を産むまでに、ヴィーキュルがヒトや神と共存するまでに、等しく56億7千万年が必要ということか。
なぜそれほどの時間が必要かと問われれば・・・おそらく「全てが「幼年期」に過ぎないから」ということになるのかな。カレンの本名がカリェルレンであり、物語全体が「幼年期の終り」のオマージュになっているのであれば、という条件付きの考察だけども。
つっても、この辺は明確にそう設定されている訳でもないし、永野センセーも全てを語るはずがないので、ただの「謎」としておくのが正解だろう。

ザ・ウィル・スペンサードの解説で、新規設定がてんこ盛りに出てくるが・・・この辺は「いろいろ想像できますね」という範疇に収まる内容なので辞書ページにまとめておきます。
(2020.11.01)


■ 未来からの来訪者 (p72)

Fネーム・ファティマの先先(マーター・マーター)が早くも登場。
彼女のセリフで重要なのは以下のふたつ。

@天照がアークマスターと呼ばれていること。
天照がこのように呼ばれるのは、バランシェによるプログラム制御ではなく、ソープにだけは迷惑を掛けたくないという歴代バランシェ・ファティマの「思い」が引き継がれた結果であったはず。先先が同様にアークマスターと呼ぶのであれば、母親たちの「思い」がウィル星団暦7777年以降に生まれるFネーム・ファティマにも引き継がれていることを示唆している。

A先先は「天照が肉体と精神を切り離せること」を知っている。
このセリフから、天照が未来において神の力の一部を人前で(少なくともFネーム・ファティマの前で)示していることが読み取れる。
もっとも、天照はこれまでにクーンやアウクソーの眼前でカイエンを蘇生したこともあるので、ラキシスほど力の開示に制限を掛けている訳ではないようだが・・・この点について少し引っ掛かる部分があるので、あとの考察にまとめます。

ほとんどオマケのような感じでファティマ・タワーも登場。身体からライトニング・ブラストが漏れとる。
アンカーのモノノフの助太刀として現地に降りたかったようだが・・・あの場でカイゼリンが現れてMGPと戦闘を始めたら収拾がつかないどころの話ではない。読者も大混乱である。
天照に服従するよう教育されているとの設定もあったが・・・彼女のセリフから「マスター」として認識していることが判る。

あとは・・・カイゼリンの改修状況とか、3225年のスタント遊星攻防戦に出現するのがジュラスターンだとか、カナハの娘としてFネーム・ファティマの織織(オリ・オリ)がいるとか、いろいろ新規設定がてんこ盛り。カナハがミラージュ入りすることになるのかな。
先先が会いたかったヒトはもちろん、ヒュートランのマスターであるワスチャのことだろう。
ヴィクトリーの実体でかい。身長は10mを優に超えている模様。騎士ではあるが担当騎が設定されていないのも納得。
(2020.11.02)


■ ミルクドロメダ・クェーサー超銀河について (p75)

永野センセーが解説しているとおり、我々が生活する天の川銀河は40億年後(諸説あり)にアンドロメダ銀河と衝突してひとつになると考えられており、この状態をミルコメダ銀河あるいはミルクドロメダ銀河と呼ぶ。FSSの劇中では、ジョーカー宇宙=我々が生活する宇宙とされており、遥かなる未来においてミルクドロメダ・クェーサー超銀河が誕生することになっているようだ。
ただし、惑星フォーチュンはジョーカー星団において最後に生まれる星で、カレンが創造したフォーチュン宇宙に移されるという設定もあるため、このミルクドロメダ・クェーサー超銀河もまたジョーカー宇宙で誕生した後に、フォーチュン宇宙に移されたものと考えればよいだろうか。
(2020.11.02)


■ 希望(フォーチュン)という名の星について (p75)

さて、16巻に収まる全エピソードを通した感想と考察をまとめます。
p65の天照のセリフから読み解くと・・・天照にとって「希望」とは、絶滅した人類に対して神が「与えるもの」。ヒトは儚く脆い。どのように生きたとしても死が訪れる。そこに救いを与えるのが神の役目と考えているようだ。アウクソーに「本当の本当のほんとうに死ぬよりもつらい時」に使うおまじないを与えたのも、この考えがあってのことだろう。

一方、ラキシスの考える「希望」は生きとし生けるモノ全てが「持つもの」。神によって創られたヒトだけでなく、ヒトが作り得た人口生命体であっても、その「希望」を持ち、死の間際であっても次なる生に「受け継がれるもの」という感じである。未来のラキシスがコーラス3世、モラード、ダイ・グの前に現れたのは、ヒトの未来に「希望」があることを伝えるためであったと考えられる。そして、その生あるモノがもつ「絶望への抗い」は、創造神に対してすらも向けられる・・・と考えているようだ。

天照とラキシスの根本的な違いがここにある。
果たして、「希望」は神が与えるものなのか、それとも、ヒトが最初から持ち得るものなのか。
おそらく、この両者が互いに成長し、両者の「希望」の在り方が変容・融和するとき・・・それが双方にとっての最終到達地=星団暦7777年という時代なのだろう。

この数ヶ月で明かされた、7777年以降の設定を振り返ってみよう。
神がヒト前でも神の力を行使し、ヒトと神と魔(ヴィーキュル)が共に生活し、人工生命体もまた新たな生命を紡ぐことが可能な時代。
生きている人々に神が「希望」を与え、生あるもの全てが「希望」をもって生きる時代。全能神が赤子になってヒトに甘えられるような時代である。
そのような「全てが融和する世界」がおそらく7777年以降に作られると。

なぜ、最終到達地にフォーチュン=「希望」という名が与えられたのか。これで十分に説明されたと云っても過言ではないだろう。

さらに、そのような時代を超えた後にカレンがタイカへと向かう。そのタイカにもまたラキシスの言葉が届いているという状況。
カレンが向かった先では十曜亜族と闇華亜族の戦いがあるが・・・それもまた、さらに先の未来においてデモンとバイナスが共に並び立つ世界が待っていることが暗示されていると。
まあ、この辺は多分に妄想の域を出ない訳ですが・・・なんとなく、FSSの全年表を通して描かれるモノが何であるか、今回のエピソードで見えてきたような気もしますね。

少し微妙な点として、ヴィーキュルとの和平が成立している平和な時代においてGTMや戦艦が作られる理由が判らない。新天地たるフォーチュン宇宙においてさらに上位のモノが接触してくる可能性があるのだろうか。少なくとも、異世界タイカの話はこの後の時代であり、ルシファ以外の異界神が現れる可能性もまたゼロではないか。
まあ、天照の趣味という線が可能性としては最も高いが。

そんなこんなでコミック16巻に当たるエピソード群を読み解いてみましたが・・・やっぱりFSSの風呂敷を微妙に畳み始めているような気配を感じますね〜。
一方で、永野センセーが好きなだけロボットのデザインができる環境が整ったとも考えられます。名前だけしか登場していないGTMの方が多い訳だし。
次月以降のFSSも楽しんでいきましょう。
(2020.11.02)
 
 
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