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Ⅰ宅地建物取引業をするには免許がいる
Case 高級住宅地に住み、巨額な資産を相続した建一・建二の宅兄弟、これを資金に、下記の事業をすることにした。
| 兄の宅建一氏は、 |
マンションを建て、多くの人に売る |
ことに
した。 |
| 執事の大地氏は、 |
買いたい人をさがして、建一氏にあっせん・紹介する |
| 弟の宅健二氏は、 |
マンションを建て、多くの人に貸す=賃貸する |
| 執事の館氏は、 |
借りたい人をさがして、建二氏にあっせん・紹介する |

兄弟とその執事がやろうとすることには、何か手続きが必要だろうか。 |
希少で高価な不動産を扱う業界に、ふさわしくない者が入ってこないよう、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業につき免許制度がとられている。
免許制度とは、監督官庁から免許を受けた者だけが、免許にかかる営業をできるというシステムだ。したがって、宅地建物取引業をするためには、監督官庁から、免許を受けなければならない。

とすると、宅兄弟とその執事がやろうとすることが、免許が必要な宅地建物取引業に当たるのかどうかを検討しなければならない。
免許が必要な宅地建物取引業とは、「宅地又は建物」の「取引」を「業とする」ことだ。
1 宅地建物とは
まず、宅地とはなにか。
宅地とは、「建物が建っている土地、又は建てる目的で取引される土地」をいう。したがって、山林を、建物を建てる目的で分譲すれば宅地だが、山林を山林として取引すれば宅地ではない。
しかし、都市計画法にいう用途地域内の土地では、「道路、公園・広場、河川・水路以外の土地」は、すべて宅地と扱われる。用途地域*は、建物を建てるための地域だから、現に、道路・公園・河川等)になっていない以上は、宅地と扱うのだ。
*用途地域 都市計画の一種で、その中で建てられる建物の用途(住宅・事務所 ・倉庫など建物の種類)を制限する地域(都市計画法)。普通の平地であれば、定まっている。もちろん宅兄弟が住んでいる地域にも定まっている。
建物については、特に定義されていない。アパートの一室も建物であること。住居用に限らず、事務所や倉庫も含むことに注意しておこう。

1-1 宅地・建物とは(2条1号)
宅
地 |
用途地域外 |
現に建物が建っている土地、又は建てる目的で取引される土地 |
| 用途地域内 |
道路・公園・河川以外の土地 |
|
| 建物 |
アパートの一室、事務所、倉庫等も含む |

Caseの宅兄弟が分譲又は賃貸しようとしているマンションは、用途地域内にある建物だから、「宅地」上の「建物」である。 |
2 宅地建物取引業とは
上記の「宅地建物」につき下記の「取引」を「業」とすることが、免許を要する宅地建物取引業である。

1-2 宅地・建物取引とは(2条2号)
| 1 当事者となって、 |
宅地・建物を売買*又は交換※すること |
| 2 媒介✩又は代理★として、 |
他人の宅地・建物の売買を成立させること |
| 3 媒介 又は代理 として、 |
他人の宅地・建物の貸借♯を成立させること |
当事者となって、 |
宅地・建物を貸借することは 「取引」ではない |
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注意しなければならないのは、「当事者として貸借する」ことは、宅地建物取引業の「取引」ではなく、したがって、免許を要せず自由にやって良いことだ。当事者として貸借するのは、一般に小規模な事業なので、自由にしたのだ。
なお、当事者として貸借することは、宅地建物取引業ではないということは、いろいろなところで関係してくるので、頭に叩き込んでおこう。

1-3 業とするとは
| 不特定多数を相手に、繰り返し(反復継続して)行うこと。 |
たとえば
転売目的であっても、競売物件を一回限り購入するのは、業とするのに当たらない。また、多数であっても、会社の福利厚生課が自社従業員に限定して宅地を分譲する場合は、特定多数を相手にするから、業とするに当たらない。
これに対して、宅兄弟及び大地氏、館氏の活動は、いずれも不特定多数を相手とするので、「業」とするに当たる。

以上、Caseの4人の免許の要否を確認しよう。
◎マンションを、多くの人に売ろうとする宅建一氏は、マンションの売買を業とするもので、免許が必要。
◎マンションを買いたい人をさがして、建一氏にあっせん・紹介しようとする大地氏は、マンションの売買の媒介を業とするもので、免許が必要。◎マンションを、多くの人に賃貸しようとする宅建二氏は、マンションの貸借を業とするが、マンションの賃貸は宅地建物「取引」ではないので、免許は不要。◎マンションを借りたい人をさがして、建二氏にあっせん・紹介しようとする館氏は、マンションの貸借の媒介を業とするもので、免許が必要。
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結局、免許が不要なのは宅建二氏だけで、あとは免許が必要である。
3 免許の主体
Case 免許を受け、営業が軌道に乗った宅建一氏。 会社を設立し、会社名義で宅建業を継続することにした。もう一度免許を受けなければならないだろうか。

1-4 免許の主体
免許は、個人と法人*が受けられる。
両者は別個の権利義務の主体だから、個人免許と法人免許は、別のものだ。
*法人 法律が独立の権利義務の主体と認めた団体や財産の集合。株式会社、持分会社、公益法人等。
したがって、個人免許を受け開業したのち、会社を設立して、会社名義で営業を継続する場合は、法人としての会社が新たに免許を受けなければならない。

Caseの答 宅建一氏は、設立した会社名義で免許を受けなければならない。 |
4 免許をうけた地位はその人限り
免許を受けた地位は相続できるだろうか。

1-5 免許を受けた地位の一身専属性
免許を受けた地位は、その人限りのものだ(一身に専属する、という)。相続や法人の合併があっても、免許を受けた地位が相続人や合併会社に引き継がれることはない。

したがって、相続人や合併会社が、新規に宅地建物取引業を行うには、自ら免許を受けなければならない。
ただし、取引の途中で免許が失効した場合に、その取引をやめてしまっては、相手方の迷惑になるので、免許失効時の残務処理は、免許がなくてもできるようにされた。

1-6 免許失効時の残務処理には免許不要(76条)
宅地建物取引業者が、すでに締結した契約に基づく取引を結了する前に、有効期間の満了、死亡、合併もしくは廃業等の届出又は免許の取り消しにより、免許が失効したときは、元業者又はその一般承継人*は、当該業者が締結した契約に基づく取引を結了する目的の範囲内においては、なお宅地建物取引業者とみなす。
*一般承継人 相続や合併の場合に、権利義務をまとめて引き継ぐもの。相続人、合併会社。
つまり
取引の途中で免許が失効した場合には、その取引をやりきってしまうまでは、元業者又は一般承継人を業者とみなしてやる。したがってやりかけ取引は適法に結了できる。
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5 無免許営業と名義貸しの禁止
無免許営業とそれを助ける業者の名義貸しは、当然、禁止される。
1-7 無免許営業と名義貸しの禁止(12・13条)
1 無免許営業・表示広告の禁止
無免許者は、
(1)宅地建物取引業を営んではならない。
(2)営む旨の表示・広告をしてはならない。
2 宅地建物取引業者の名義貸しの禁止
宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、
(1)他人に、宅地建物取引業を営ませてはならない。
(2)他人に、営む旨の表示・広告をさせてはならない。
3 無免許営業や営業のための名義貸しには、最も重い罰則*が科される
*無免許営業、営業のための名義貸しの罰則
3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金又はこれらの併科=両方科す
また、名義貸しは、監督処分としての業務停止処分*の事由である
*業務停止処分 1年以内の期間を定めて宅地建物取引業の一部又は全部を禁止する処分⇒Part7
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ただし、免許を受けないで宅地建物取引業を行える者がいる。
第1に、宅地建物取引業法は、国及び地方公共団体には、適用しない。したがって、国・地方公共団体は、免許を受けず、宅地建物取引業を行えるのはもとより、同法上の規制は一切及ばない。
第2に、信託会社及び信託業務を兼営する銀行*には、宅建業法の免許に関する規定は適用しない。 ただし、同会社・銀行が宅建業を営む場合は、その旨を国土交通大臣に届け出なければならず、届け出れば、国土交通大臣免許を受けた宅建業者とみなされ、免許以外に関する宅建業法の規定が適用される。
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* |
不動産信託とは、不動産の所有者が委託者となって受託者に不動産を信託して移転し、受託者は受益者のために不動産の管理処分を行い、そこから生じる利益を受益者に交付する制度。海外滞在等の長期間の不在管理のほか、不動産の証券化に関連して、利用される。 |

1-8 宅地建物取引業法の適用除外(77・78条)
| 1 |
この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。 |
| 2 |
信託会社及び信託業務を兼営する銀行には、宅建業法の免許に関する規定は適用しない。 |
| 3 |
同会社・銀行は、宅建業を営む旨を国土交通大臣に届け出れば、国土交通大臣免許を受けた宅建業者とみなされ、本法の適用を受ける。 |
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6 免許権者
申請に対して免許をできる監督官庁=免許権者は、つぎのとおりだ。
1-9 免許権者(3条)
1
2
3 |
一の都道府県内に事務所を設置する場合⇒所在地管轄都道府県知事
複数の都道府県に事務所を設置する場合⇒国土交通大臣
知事免許は直接知事に申請するが、国土交通大臣免許は、主たる事務所が所在する都道府県知事を経由して申請する。
大臣免許も知事免許も、免許の効力は同じ。 |
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そして、免許権者を決める基準となる事務所とは、次の施設だ。
1-10 事務所とは(施行令1条の2)
1
2
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宅地建物取引業を営む本店(主たる事務所)又は支店(従たる事務所)。
なお、本店は、直接宅建業を営まなくても事務所だが、支店は、直接宅建業を営む場合のみ事務所となる。
名称のいかんを問わず、継続的業務施設で、宅地建物取引業に係る契約を締結する権限を有する使用人を置くもの。 |
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1なお、のこころ
本店は支店の営業を統括するので、直接宅建業をしていなくても間接的には宅建業をしていることになり、常に事務所とみられる。
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Ⅱ 免許の基準-ふさわしくない者には免許しない
| Case 破産手続開始の決定を受け、つい先月復権を得たばかりの大地氏。神奈川県知事免許を申請した。免許を受けることができるだろうか。 |
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1 自己の財産を管理できない者は、免許欠格
申請者が免許の欠格事由に当たる場合は、免許を受けられない。
免許欠格事由には、そのときだけの事由と5年間続く事由がある。
そのときだけの事由の代表は、
| 《成年被後見人もしくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの(5条1項1号)》 |
である。
成年被後見人とは、判断力がほとんどないことを理由に家庭裁判所から後見開始の審判を受けた者。
被保佐人とは、判断力が著しく低いことを理由に家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた者。いずれも契約をする能力が制限される(権利2-1)。
破産者とは、借金が払えず、裁判所から破産手続開始の決定を受けた者。復権を得るまで、自己の財産の管理処分権が制限される。
*
※ |
破産手続 借金が払いきれなくなったとき、保有財産を換金し、各債権者に分配清算する手続。
復権 破産手続開始の決定により、一定の公職に付けないとか、資格を取得できないとかの制限が生じるが、が、これらの制限がなくなくなること。 |
これらの者は、自分自身の財産さえ管理できないのだから、不適格者として免許を受けられない。

Caseの答 大地氏は、破産手続開始の決定を受けているが、復権を得ているので、免許は受けられる。 |
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2 悪質な免許取消処分を受けた者は、5年間アウト
Case ①不正手段によって免許を受けたことを理由に、4年前に免許を取り消されてしまった剛田住建 が、再起をかけて、このほど大阪府知事に免許を申請した。
②剛田住建の免許取消し当時取締役だった剛田氏個人 が、免許を申請した。
③剛田住建が、4年前に免許取消しの聴聞の期日場所が公示された翌日に、先手を打って、廃業の届出をしていた場合 は、どうだろう。 |

5年続く欠格事由の第1弾は、
《悪質な免許取消処分*を受け、5年経過していない者(5条2号)》だ。
| * |
悪質な免許取消処分とは、
ⅰ不正手段により免許を受けた、もしくは、
ⅱ業務停止処分の事由に該当し情状が特に重い、又は、
ⅲ業務停止処分に違反した
ことを理由とする免許取消処分(66条1項8号・9号)だ。 |
|
これらの免許取消処分は、免許取消処分の中でも特に悪質なので、よーく反省してもらうため、5年間は再免許しない。

そして、この基準から次の3タイプの免許欠格者が派生する。
派生タイプの1は、
| 《法人が悪質な免許取消処分を受けた場合の、処分の聴聞公示*※日前60日以内の法人役員〔支配力ある者〕☆で、処分の日から5年経過しない者(5条1項2号)》。 |
*
※
☆ |
聴聞 処分をする前に弁明の機会を与える手続。
公示 役所の掲示板や官報・公報等に掲載して知らせる。
役員 免許の基準との関係で役員とは、名称いかんにかかわらず、法人に対して取締役等と同等以上の支配力を有する者をいう。 |
つまり 法人を動かしているのは役員なので、法人が処分を受けたら、役員も処分を受けたと同視して、免許を受けられなくする。

派生タイプの2は、
| 《悪質な免許取消処分のための聴聞の期日場所の公示があってから、解散又は廃業の届出があった者で、廃業等の届出の日から5年経過しない者(5条1項2号の2)》 |
つまり
廃業等の届出があると、免許は失効するので、免許取消処分ができなくなってしまう。このように廃業等の届出は処分を逃れる行為なので、処分逃れをしても、処分を受けたと同視して、5年間は免許を受けられなくする。
派生タイプの3は、
| 《悪質な免許取消処分のための聴聞の期日場所の公示があってから、合併消滅又は廃業等の届出があった法人の、処分の聴聞公示日前60日以内の法人役員〔支配力ある者〕で、廃業等の届出等の日から5年経過しない者(5条1項2号の3)》 |
つまり 処分逃れ法人の役員も処分を受けたと同視して、5年間免許を受けられなくする。

Caseの答 ◎剛田住建は、悪質な免許取り消し処分を受けてから5年経過していないので、免許を受けられない。
◎剛田住建が免許取り消し処分を受けた当時の同社の取締役剛田氏も、処分を受けたと同視されるので、免許を受けられない。
◎剛田住建が廃業の届出で処分をまぬがれても、処分を受けたと同視されるので、やはり免許は受けられない。 |
3 禁錮刑以上の重犯者も5年間アウト
Case 神奈川県知事免許を申請した館氏。 1年前に酒酔い運転で交通事故を起こし、禁錮2年執行猶予2年の刑に処せられ、現在執行猶予期間中だ。 免許を受けられるのか。 |

5年続く免許欠格事由の第2弾は、
| 《禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者(5条1項3号)》 |
そのこころ
禁錮以上の重い刑*に処せられた者は、宅地建物取引でもなにをやらかすかわからないので、免許をあげられない。
| * |
禁錮以上の刑とは、禁錮、懲役、死刑である。禁錮と懲役の違いは、刑務所に入れられることは同じだが、懲役は、一定時間家具や靴を作ったりして働かなければならないのに対し、禁錮は働かなくてもよい。 |
ここで、刑に処せられとは、刑が確定したということだ。したがって、刑が確定していない控訴・上告中は免許欠格ではない。
また、執行猶予が付いている場合、執行猶予中は免許を受けられないが、執行猶予期間が執行猶予を取り消されることなく経過すると刑の言い渡しが効力を失う(刑法27)ので、ただちに免許を受けられる。

Caseの答 執行猶予期間中の館氏は、現時点では免許を受けられないが、執行猶予期間が無事経過すると、直ちに免許を受けられる。 |
4 業法違反・暴力犯罪・背任罪は、罰金刑でも5年間アウト、
5 暴力団員も5年間アウト
Case 免許申請をした宅健一氏 、免許がおりるのを待ちきれず無免許営業をしてしまった。が、 これがバレて100万円の罰金刑に処せられた。 免許の申請に影響があるのだろうか。
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5年続く免許欠格事由の第3弾は、
| 《宅建業法違反・暴力的犯罪・背任罪で罰金刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者(5条1項3号の2)》 |
つまり
業法違反や暴力犯*、背任罪の場合は、罰金刑でも、5年続く免許欠格となってしまう。暴力犯は〇暴関係を排除するため、宅建業法違反と背任罪は不動産がらみの犯罪者を排除するため、一般の犯罪より厳しく扱う。
| * |
暴力犯とは、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反、傷害罪、傷害助勢罪、暴行、凶器準備集合罪、強迫罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すことである。なお、 過失傷害罪や業務妨害罪は、暴力犯ではない。 |
なお、罰金刑にも執行猶予がつけられ、付けられた場合、執行猶予期間中は免許を受けられない。が、執行猶予期間が無事経過すれば、直ちに免許を受けられる。
そして、第4弾は、
| 《暴力団員もしくは暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(5条1項3号の3)》 |
第4弾は、つまり
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律にいう暴力団等は、暴力団員であったというだけで5年間アウトになる。

Caseの答 宅氏は、罰金刑の執行が終了したときから5年経過しないと、免許を受けられない。 |
6 ただの子供が免許されるかどうかは、親しだい
Case 剛田氏が、懲役2年の実刑判決を受け、このほど収監されることになった。 剛田氏は息子の一郎くん(15歳) に免許を受けさせ、収監中の組織維持と業務 継続を考えている。まだ15歳の一郎くんは、免許を受けられるのだろうか。 |

未成年者は、次の基準による。
《営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者*でその法定代理人が免許欠格者であるもの(5条1項4号)》は、免許を受けられない。
| * |
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者とは、法定代理人から宅建業に関して営業許可を受けておらず、また婚姻もしていない普通の未成年者(ただの子供)のことだ。ただの子供は、自分が一人では契約することはできず、法定代理人の同意を得るか、又は法定代理人(普通は親)が身代わりで契約をするほかない。 |
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この基準は、ただの子供でも免許を受けられることにするが、免許を受けた場合、実際に取引をするのは法定代理人だから、その法定代理人が免許欠格者であれば免許は受けられない、ということを言っている。
この反面として、営業に関し成年者と同一の行為能力を有する未成年者(法定代理人から営業許可を受けた、又は婚姻している)は、宅建業に関して成年者と同一の能力があるので、自分自身が欠格事由に該当しなければ免許を受けられる。

Caseの答 普通の子供の一郎君は、その法定代理人の剛田氏が、懲役刑に処せられた免許欠格者なので、免許を受けられない。
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7 幹部が免許欠格者の組織は免許欠格
8 暴力団系企業もダメ
Case 「明日、免許の申請をするぞ。審査では、幹部の経歴も問題になる。気になる人は、今のうちに申し出てくれたまえ。」と宅社長。
同社の政令で定める使用人の大地氏 は、かつて不正の手段により免許を受けたとして免許を取り消されており、その取消しの日から5年を経過していない。 その旨申し出たほうが良いのだろうか・・・・
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組織の体質を問題とする基準もある。
第1に、
| 《法人でも個人でも、その役員又は政令で定める使用人*のうち1人でも免許欠格事由に該当するものがあるもの(5条1項7・8号)》 |
は、免許を受けられない。組織を動かすのは幹部スタッフだから、役員や政令使用人のひとりでも免許欠格者がいれば、その組織そのものが免許欠格となるのだ。
| * |
政令で定める使用人 事務所の代表者であるもの。具体的には、営業部長、支店長・支配人クラスである。 |
第2に、
| 《暴力団員等*がその事業活動を支配する者(5条1項8号の2)》 |
は、免許を受けられない。暴力団が設立したり、経営に参加したりする企業だ。
| * |
暴力団員等 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第2条第6号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者 |

Caseの答 大地氏は、申請書の政令使用人の欄から自分の名前を外してもらわないと大変なことになる。免許欠格が発覚すれば、宅建建拓に免許がなされないのはもとより、仮に申請時にはごまかせても、後に発覚すれば、宅建建拓の免許は取り消されるうえ、5年間続く免許欠格事由となってしまう。 |
9 その他の欠格事由
| 《5年以内に宅地建物取引業に関し不正又は著しく不当な行為をした者や宅地建物取引業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者》(5条1項4・5号) |
も、免許を受けられない。
たとえば
②~④の事由にあてはまらないものの、宅建業に関して悪いことをしたことが明らかな場合は、この基準で免許を拒否される。
また、
| 《事務所に業務従事者5人に1人以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置いていない者(5条1項9号)》 |
は、免許を受けられない。
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免許欠格事由をまとめておこう。
1-11 免許の基準(欠格事由)(5条)
そのときだけの事由(①)と5年続く事由(②③④)とがある。
①成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ないもの
②悪質な免許取消処分*を受け、5年経過していない者
| * |
悪質な免許取消処分 ⅰ不正手段により免許を受けた、又は ⅱ業務停止処分の事由に該当し情状が特に重い、もしくは ⅲ業務停止処分に違反したことによる免許取消処分 |
| ②-1 |
法人が悪質な免許取消処分を受けた場合の、処分の聴聞公示日前60日以内の法人役員〔支配力ある者〕で、処分の日から5年経過しない者(聴聞公示日前60日以内の法人役員) |
| ②-2 |
悪質な免許取消処分の聴聞期日場所の公示があってから、解散又は廃業の届出があった者で、廃業等の届出の日から5年経過しない者 (廃業等による処分逃れ) |
| ②-3 |
悪質な免許取消処分のための聴聞の期日場所の公示があってから、合併消滅又は廃業等の届出があった法人の、処分の聴聞公示日前60日以内の法人役員で、廃業等の届出等の日から5年経過しない者(処分逃れ法人の役員) |
| ③ |
懲役又は禁錮刑に処せられ執行終了等してから5年経過していない |
| ④ |
業法違反・暴力犯・背任罪で罰金刑に処せられ執行終了等してから5年経過していない者 |
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※ただし、③④は執行猶予期間が無事経過すれば、直ちに受けられる |
| ⑤ |
暴力団員又は暴力団員でなくなってから5年経過していない者 |
| ⑥ |
宅建業に関し成年者と同一の行為能力がない未成年者(ただの子供)の法定代理人が免許欠格事由に該当 |
| ⑦ |
組織の中の政令使用人又は役員の1人でも免許欠格事由に該当 |
| ⑧ |
暴力団員等がその事業活動を支配する者 |
| ⑨ |
その他、1)5年以内に、業に関し違法・不当なことをした、又は、現在不正・不誠実なことが明らか 2)事務所に必要な数の成年者である専任の宅地建物取引士を置いていない |
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暗記お経
①せいねんひこう、に、ひほさ・はさん
②悪質免取5年経過せず、
②-1法人役員・②-2処分逃れ・②-3処分逃れ法人の役員も含む
③懲・禁執行終了から5年経過せず
④業法違反・暴力犯・背任罪で罰金刑の執行終了から5年経過せず
⑤暴力団員やめても5年経過せず
⑥~⑨は略(理解していればわかる) |
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10 免許後・免許欠格事由が生じると、免許取消処分
Case 無事免許を受けられた後、免許欠格事由が生じるとどうなるだろう。
たとえば、宅建業法に違反して罰金刑に処せられた(link)場合だ。 |

この場合は、監督処分として、免許取消し処分を受けることになる。
1-12 免許後に免許欠格事由が生じると免許取消し処分(66条1項1~4号)
| 免許を受けた後、免許欠格事由が生じると、免許取消処分(7-2)を受ける。 |
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Ⅲ 免許制度に付随する各種の届出等
1 業者名簿の備置と記載事項の変更の届出
Case 「社長、取引先の剛田住建ですが、気をつけたほうがいいですよ。昨年、何度も監督処分を受けているようです。」と月曜ミーティング での、大地支店長の発言。剛田氏 に直接聞いてみるわけにも行かず、どうしたら確認できるだろう。 |

免許権者は、免許をした業者の名簿を作成し、免許内容と監督処分歴を記録する。これを閲覧できれば、取引の安全にも役立つ。そこで、
1-13 宅地建物取引業者名簿の備付け、一般への閲覧(8・10条)
国交大臣又は都道府県知事は、宅地建物取引業者名簿を備え、免許をした宅建業者(及び知事の場合は、主たる事務所が当該都道府県にある国交大臣免許の宅建業者)に関する下記の事項を登載し、業者名簿閲覧所を設け、一般の閲覧に供しなければならない。
① 免許証番号及び免許年月日
② 商号又は名称
③ 事務所の名称及び所在地
④ 役員(個人業者本人)及び政令で定める使用人の氏名
⑤ 事務所ごとに置かれる専任の宅建士の氏名
⑥ 指示又は業務停止処分を受けたときは、その年月日及び内容
⑦ 宅建業以外の事業を行っているときは、その事業の種類 |
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Caseの答 宅氏は、剛田住建の免許権者の事務所に出向き、業者名簿の閲覧をすればよい。もし、処分歴があるのなら、違反行為の概要(例 重要事項説明違反)と処分内容(例 業務停止14日)、処分年月日が記載されている。

名簿の登載事項に変更があれば、それを名簿に反映させる必要がある。
1-14 名簿登載事項の変更の届出
名簿登載事項の②~⑤は、変更があれば、30日以内に、その旨を免許権者に届け出なければならない(国交大臣には、主たる事務所を管轄する知事経由で)。
② 商号又は名称
③ 事務所の名称及び所在地
④ 役員(個人業者本人)及び政令で定める使用人の氏名
⑤ 事務所ごとに置かれる専任の宅建士の氏名
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| ⑦ |
宅建業以外の事業を行っているときは、その事業の種類は、 変更があっても届出不要
そのこころ
あまり重要でない。 |
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2 免許の有効期間と更新
Case 「社長、再来月で創業5周年になりますね。」
「なに、そうすると免許の有効期間が満了するな。無免許の空白期間をつくらずに、業務を途切れなくやるためには、いつまでに更新手続きを取れば良いのかね。大地君、調べておいてくれ。」 |

免許には有効期間があり、それは5年だ。有効期間の満了後も、引き続き業を営むには、更新しなければならない。
1-15 免許の有効期間と更新手続(3条)、規則3条
1
2
3 |
免許の有効期間は、5年 。
免許の更新を受けようとする者は、免許の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出しなければならない。
所定の更新申請があった場合は、有効期間の満了後もその処分がなされるまでの間は、従前免許は、なお有効とする。 ただし、更新免許の有効期間5年は、従前免許の有効期間が満了した日の翌日から起算す る。 |
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Caseの答 免許の有効期間満了の日の90日前から30日前までの間に免許申請書を提出しておけば良い。そうすれば、更新免許が遅れても、無免許の空白期間は生じない。 |
3 免許換え-免許権者が異るに至ったら
Case 「業務が好調なので、大阪に支店を出す。事務所の名称・所在地は、業者名簿の登載事項なので、業者名簿の変更の届出が必要になるな。大地くん、準備しておいてくれたまえ。」
「社長、大阪に事務所を設置するのなら、業者名簿の変更の届出じゃすみませんよ。」
「じゃあ、なにをしなければならんのだ。」 |

免許を受けたあと、事務所の増設・廃止・移転により免許権者が異なるに至ることがある。その場合には免許を受け直さなければならず、これを免許換えという。
1-16 免許換え(7条)
1
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事務所の増設・廃止・移転により、免許権者が異るに至ったら、新免許と同じ手続で、免許換えの申請をしなければならない。
⇒ ⇒ |
知事免許への免許換えのときは、新免許権者である知事に直接申請する。
国土交通大臣免許へ免許換えのときは、主たる事務所を管轄する知事を経由して申請する。 |
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| 2 |
免許換えによる新免許を受けたときは、従前免許は、その効力を失う。 |
| 3 |
免許換えすべき場合に免許換えを怠り営業をしていると、実質的に無免許営業なので、免許を取り消される(7-2)。 |
| 4 |
免許換え申請後、新免許の交付を受けるまでに、たまたま従前免許が満了となっても、従前免許はなお有効と扱われる。ただし、免許換えによる免許は新免許であり、この場合も含め、有効期間の5年は新免許を受けたときから起算する。
免許の更新の場合(1-15)とは違うことに注意。 |
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Caseの答え 東京都知事を経由して、国交大臣への免許換えを申請すべき。 |
4 業務活動消滅の届出
Case 「大変残念なことだが、我が社(都知事免許)は、剛田住建 (国交大臣免許)に吸収合併されることになった。」月曜ミーティングでの、宅社長の爆弾発言。
「大地君、監督官庁への必要な手続を調べてくれ。」 |

業務活動が消滅したら、業務監督の必要もなくなるから、関係者は、免許権者(免許をした国交大臣又は都道府県知事)に届け出なければならない。
1-17 業務活動消滅の届出(11条)
届出事由が生じた場合には、その日から30日以内に(死亡の場合、知った日から30日以内 )免許権者*に届け出なければならない。
| 届出事由 |
届出義務者 |
| ① 死亡 |
相続人( 30日以内の起算点注意) |
| ② 合併消滅 |
消滅した法人の代表役員 |
| ③ 破産手続開始の決定 |
破産管財人 ※ |
| ④ ③以外の理由による解散 |
清算人☆ |
| ⑤ 宅建業を廃止(廃業) |
本人又は法人の代表役員 |
免許の失効時点 ①②の場合⇒死亡・法人消滅時に権利主体性(人格)が消滅するの で、その時点で免許も失効する。
③~⑤の場合⇒届出があった時点。 |
*


※
☆
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国交大臣には、主たる事務所管轄知事経由で届け出る。
30日以内の起算点注意。
消滅した法人の代表役員が消滅した法人の免許権者に届け出るであって、合併した法人の代表役員が合併した法人の免許権者に届け出るのではない。
破産管財人 破産手続開始の決定と同時に、裁判所が選任する破産者の財産管理人。
清算人 法人を解散するときに清算の職務を担当する者。
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Caseの答 合併消滅してから30日以内に宅社長が東京都知事に届け出なければならない。 |
学習の指針 免許は、2問以上出ます。定番は、免許の要否と免許の基準。 次いで、免許制度に関連する各種の届出等。すべてのパターンを紹介したので、徹底的にマスターしておこう。 |
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