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上映時間 1時間32分 公式サイト |
2013年8月24日
現在 |
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市川 崑 |
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山本周五郎 「その木戸を通って」(新潮文庫「おさん」に収録) |
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浅野ゆう子 中井貴一 フランキー堺 井川比佐志 岸田今日子 石坂浩二 神山繁 榎木孝明 |
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どこかからふらっとやってきて、
男に束の間の幸せと可愛い娘を与え、
また去ってゆく女を描いた、美しく不思議な哀切の物語。
記憶を失った若い娘が、突然、城勤めの武士・正四郎をたずねてきて、家にいついてしまう。そのために家老の娘との婚約もながれてしまうが、「ふさ」と名付けられたその娘は誰からも愛され、やがて正四郎と結婚する。
娘も生まれ幸せな日々が続く。だが、「ふさ」はときどき昔の記憶が蘇るようになり、ある日、現実にはないその木戸を通って去ってゆく・・・。
淡い幻想と現実が美しく調和し、観る者を不思議な世界へと誘いながら、日常生活のかけがえのなさ、人間同士の思いやりとやさしさ、人の真心が人の頑なさを穏やかにほぐしてゆくさまが描かれた哀切の物語。
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待ち望まれた名作がスクリーンに蘇る
2008年2月に92歳で他界した巨匠、市川崑監督。70数本におよぶその作品歴の中で、生涯ただ1本、未公開(2008年現在)となっていたのが、本作。
ハイビジョン試験放送のため、わが国初の本格的長編ハイビジョンドラマとして、破格の製作費がかけられ1993年8月に完成した。その直後のヴェネチア国際映画祭ではフイルムで上映され、そのあまりの美しさに冒頭の雨のシーンから拍手喝采されたという伝説がある。
人の目にほとんど触れることなく眠っていた幻の逸品。叙情的な正統派ドラマとしての気品と、市川監督ならではの映像美をもった本作では、もう二度と見ることのできない“市川崑美学”を、存分に堪能することができる。
原作は、「どら平太」「かあちゃん」「椿三十郎」「赤ひげ」など数々の名作が映画化されている山本周五郎。
当時の日本が誇る「市川組」とフジテレビからの最高のスタッフが結集し、ハイビジョンという最新のメディアに敢然と挑戦した野心作である。
- 1993年ヴェネチア国際映画祭 特別招待作品
- 1994年ロッテルダム国際映画祭 批評家選出部門出品作品
- 2008年第21回東京国際映画祭 特別上映作品
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脚本/市川崑、中村努 音楽/谷川賢作 企画/能村庸一、遠藤龍之介 プロデューサー/酒井彰、鎌田敏郎 撮影/秋場武男 映像/皆川慶助 照明/本間利明 美術/松下朗、荒川淳彦 音声/大河真 調音/大橋鉄矢 編集/長田千鶴子 助監督/佐々部清 製作主任/紺野生、酒井実 製作/フジテレビ、ポニーキャニオン 配給/ゴー・シネマ
1993年/日本 |
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(C)2008フジテレビ |
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35mm / DVD |