柿右衛門 真文字繋花果文皿
延宝期 径14.5cm 高2.5cm 

当地区の震災は海岸部の津波被害、埋立て地区の液状化被害が深刻なもので、
それ以外は比較的軽くすみましが、停電、断水、道路不通など大なり小なりの被害がありました。
仕事柄、復旧工事に伴う作業も生じ、3月度は昨日まで目一杯、やっと一段落しました。

 このお皿も染錦と呼べるのでしょうか。染付の環状文と 柿右衛門手の花果文が描かれております。
特に染付の「真」文字繋ぎの環状文は藍九谷を髣髴させるもので私の琴線を捉えました。
柿右衛門手の色絵は、桃と石榴と菊花が描かれております。
釉薬は鉄分の多い緑色の強いものですが、その色合いからして意図的に使用されたものと思われます。
あるいは青磁と呼ぶべきか微妙な色合いなのです。
裏銘はなし、極小の目跡が1個。

私の勝手な解釈ですがこのお皿には以前から祈りを感じて、大切にしてきたものです。
「真」文字繋ぎをお数珠に見立てて大震災の犠牲者のご冥福をお祈りさせていただきます。
まさかこのような形でご披露するとは想像もしませんでしたが、これで良いと思っております。

2011年4月1日