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マイちゃんヨーロッパ滞在記 Vol.010
 ぅわぁあ〜〜〜い! やっと追いついたぁぁぁ〜〜!!オメデト〜〜〜マイちゃん!

というのも、Vol.002から今回までの「マイちゃんヨーロッパ滞在記」 実は2月+3月に、約8ヶ月分の溜め込んでいた日記を一気にまとめあげたもので、もちろんほぼ毎日書いていたのですが、とても人様にお見せできるような文章ではなく、そのままだと支離滅裂。その膨大なしょーもない文章をなんとか翻訳して(自分で書いたのに…)今月ようやくリアルタイムに追い付いたという訳です。
思えば、今までこんなに綿密に自分の過去を振り返ったことがなかった。。。(たぶん生まれて初めての体験)普段なら、日記なんていつも3日坊主で終わっちゃうけど、だって梁井さん(このHP:北海道美術ネットのつくり主)と約束したんだもん! そして、現在ようやく自分のHPをつくる気になり制作中。たぶん今年の夏辺りに完成予定です。(あくまで未定+希望)

この滞在記の制作は、自分にとって本当に興味深いです。
「この時こんなこと思ってたんだぁ〜」と改めて自分の思考に触れて、それを深く考えることで、異国の地ヨーロッパで何を学び、求めているのか、そしてこれからどんな人生を送りたいのかを日々再確認している感じ。
そんな訳で、むしろ自分のためか??というこの滞在記を、ここまで読んでくださった皆様!
物書きはど素人な私につき合ってくれて、本当にありがとうございます!!
2005年3月1日
今朝、食事の写真を撮ろうとした時(毎食記録している)に気づいたんですが、またもやハプニング。なんとぉ、カメラを落としたぁ〜〜〜〜;;;(ToT);;;
昨日、ギャラリーを出る直前まで写真を撮っていたので、無くしたとしたらその帰りか、その後の打ち上げに参加するため家に一度戻ってお金を取りに行った時か、その帰り道。一応、研修が終わってからCAIや近所、昨日通った道端をくまなく探したけど、ここ数日、ハンブルグには滅多に積もらない雪が降っていて、あの小さなデジカメを見つけるのは至難の業………。はぁぁあぁぁ〜〜……。ホント私って、どーしてこー抜けてるんだろう…。ガックリ。

そーしてるうちに暗くなってしまったので、今日は諦めていつものネットカフェに行ったら、日本人らしき女の子が話しかけてきた。服やオシャレがすごく好きだというので、今の私の状況を話したらすごく興味があるという。じゃ立ち話もなんだし、どこかカフェでも…と言っていったんそこを出て歩きながら話していたけど、いい子そーなのでせっかくだし部屋に案内することにした。
彼女は在日中国人で、大学を出てしばらく製薬会社で働いていたけど、職場が合わなくてストレスでしばらく外に出れなくなったり、長年つき合っていた彼との関係も、頼るための存在でしかなくなってしまったことに気づき別れを告げたところだという。初めて遇った子だというのに何故だか深い話になり、自分の気持ちを切り替えるため、そしてどうやら日本で出会った好きな人に会いにドイツに来たらしい。そして2週間ほどその好きな子の家に滞在する予定で来て、既に気持ちを告げたけど、ここ最近彼の機嫌が悪くてお互いナーバスになり、微妙な空気に堪え兼ねて外出したところに偶然私を見つけたと。
文化の違いか、それとも人種か…個人にもよるだろうけど、私が思うに一般にヨーロッパ人はかなりプライベートな時間を大切にするんではないかな。こっちに来て、いくつかのカップルの部屋にお邪魔したけど、同棲していてリビングや寝室は一緒でもプライベートは別。日本人のように、のべつ幕無く一緒にいないというか……流されやすくて夢見がちだと彼に言われたらしいけど、惰性でつきあっていた彼と別れて好きな人に会いにはるばる日本からやってくるなんて、私に言わせてみたら超現実的だし、勇気と行動力がある人だと思う。もし彼女の恋が今回は実らなかったとしても、事の起こりは偶然ではなく全て必然だから、今彼女がドイツにいることもきっと何かを得るためだろうし、会社でのストレスも「本当はわかっているけどあえて見ないようにしていること」が原因だったりするので、今はわからなくても信実を見失わなければ自ずと道は切り開けるだろうという話をした。

2005年3月3→4日

鼻毛も凍りそうな寒さ…。でも、ハンブルグは今雪が積もっていて、北海道っ子にはいいカンジ。あんまり嬉しくて雪だるまをつくってしまった。さっそく新しく買ったデジカメで撮影。

 (裏の中庭から 入り口に雪だるまをつくった)

次の日、仕事に行く時雪だるまを見たら大きくなっていた!朝っぱらから一人で大爆笑。アメリカの方だけかと思っていたけど、こっちの人も3段なんだ〜。もう一度パシャリ。

 (次の朝、3段になっていた雪だるま)

そして、こーちゃんから慰めのメールが来た。彼もまたガールフレンドと2人で京都に行った時に彼女が500枚もの旅の想い出がつまったデジカメを落としてしまって、その夜必死で探したけど見つからなくて、次の日ダメモトで警察に届けて、京都なだけにその後訪ねた神社やお寺で神様にお祈りしたらしい。そしたらなんと、ドイツに帰る直前連絡があってバスに踏まれてペチャンコになったカメラが返ってきてデータは無事だったという奇跡的なお話と「信じるものは救われる」という名言を最後に書いてくれた。それなら、私の得意とするところ。お祈りと例の有言実行的な私の言霊。私のデジカメちゃん! 出てきてください!!!

2005年3月7日

向かいの部屋に新しいゲストが来たので、ちょっとお邪魔して話をした。ここでの展覧会の写真を見せていた時に、たまたまこの前つくった雪だるまが表示されたので「あ、コレこの前つくったの」と説明すると、なんと雪だるまを3段にしたのは彼だったことが判明。

そして、そろそろNZへの出発を控えたアンナから外国で困ったことは?という質問が来た。(この滞在記を読んでいる人にも参考になればと思って、記述しておきます。)
あんまりなかったけど、強いていうならクレジットカードがないことかなー。(私は長期滞在のくせに持ってこなかった。皆に「信じられない…なんかあったらどーすんの?」と言われた)インターネットで飛行機予約できないし、ちょっと面倒。でも、これは普通の人は持ってくるから大丈夫でしょー。それから、ネット環境は整えておくのがベスト。(今ここはネット回線が無いので超不便)あと、私は意外と電化製品が多いから、滞在国のコンセントに変換するプラグはたくさんあると便利。奥の手は、日本の蛸足配線をひとつ持っておくこと。電子辞書も必需品。(変圧器が必要な国は絶対日本で買うべし。現地で買うと高いらしい。)
大体何でも現地で買えるだろうけど、お茶とか、かつお節とか、海苔とか(せんべいとか? これはかさばるか…)軽い物は持っていくと意外と重宝する。(日本で買った方が、安いし質がいい。特にお茶。)薬も、現地のより日本で飲み慣れている物を持っていった方が良いです。人種が違うから体質も違うし、外国の薬は強いから副作用とかあったら面倒だと聞いたことがある。そんなところかなぁー。

2005年3月11日
 (舞台裏)

今日は、II Turco in Italiaのリハーサルがあった。(ストーリーは、ラブコメのハッピーエンド。場面展開など、幕を閉じず役者が実際に舞台装置を組み立てたりして、ちょっと変わった演出。写真の役者がかけているマスクはわたしがつくった。全部で50個あった。)自分のつくったものが、あんなに立派な舞台で使われるなんて、やっぱりとても嬉しい!
(各部門のトップの方々)


工房で見たいくつかの舞台の記録写真には、かなり現代的な衣裳があった。この前観たオペラも、髭の生えた男前な主人公はなんと女性で、声を聞くまでわからなかったくらい。でも、なんとも言えない色気があるんですよ。(私、宝塚は実際に見たことが無いけど、たぶんこんなカンジなんだろうなぁ〜と。もちろん、男性もいます)演出や衣裳もすごく前衛的で、今まで私はオペラといえばこてこてのバロック調なイメージがあったけど、それこそポップでファッショナブルなミュージカルみたい。面白かったなー。

 (ポスターに使ったマスクが!)


夜、メールをチェックしたらこの前遇った在日中国人の女の子から、無事日本に帰国したというメールが届いていて、あの後結局連絡が無かったので仲直りしたのかなぁーと思っていたんだけど、どうやら失恋してしまったらしい。でも、人の気持ちほど未知数なものはない。そして人を想うことは、相手に対して誠意と思いやりがあればお互いにとってマイナスになることはないと思う。だから忘れる必要もないし、想い続けていてもいいと思うんだな。そしたら、もっと素敵になろうとか、キレイになろうとか、失恋してもポジティブでいられるでしょう? 恋心の活力って偉大なんだよー。向上心の塊。(ストーカーはダメね。自分本位で怖いし、ガンマ(γ)波系だから←悪いオーラ/良いオーラ→アルファー(α)波)
それから前にもこんな話をしたけど、自分を客観的に見れる人はどーすれば魅力的になれるかわかっているはずなので、彼女が今回それを再確認したと言っていたので、心配することはないだろう。彼女はまだ若いし、落ち込まないでまだ見ぬ未来を楽しむと良いよ。そんなメッセージを送っておいた。

2005年3月15日

待ちに待ったハンブルグバレエ団が日本ツアーから帰ってきて初の舞台を先日観に行き、今日は2回目。日本でもこれが上演されたと聞いた。キリストをモチーフにした内容で、実際にST.MICHELというハンブルグで一番大きい教会でも行われた「Matthaus Passion」 4時間近くあってかなり長いけど、ダンサーの体の動きや構成と言ったらもーこの上なく美しい! 素晴らしい!! 衣裳は白、舞台も装飾は一切無く移動したり形を変えられるイスのみで超シンプルだけど、彼らの場合肉体美が衣裳の一部…というよりは、裸同然でも既に充分というか…。確かにコンテンポラリー・ダンスは装飾がほとんどない事が多い。これは純粋に人間の体の動きを見せるためなのかなぁー。ミニマリズムだよね。でも、豪華絢爛な衣裳や舞台装飾もまた、伝統的なクラシックバレエやオペラの醍醐味のひとつな訳で、私はどちらも好き。

(男性衣裳のアトリエ)

それから住む場所だけど、昨日のミーティングでここの住人の一人が4月末から2ヶ月ほど部屋を空けるので借り主を探していて、もしまだ部屋を決めてないなら、私に借りてほしいという話。一晩考えた末、その申し出を受けることにした。だって、考えてみたら、4月末から住めるならちょうどKUNST MEILE ST.GEORGのためのワークショップ前だし、5月はまるまる作品をつくるためにここのアトリエを使える訳だし(それまで制作道具を引っ越す必要がない)6月頭ってことは、もしKunst altonaleの参加が決まれば、その搬入までは居れるってことだし。グーなタイミング。彼女のところに住めるまでたった3週間しかないんだもの。大きな荷物はアトリエに置いて、どこか短期間住める場所を探せばいい話で、きっと何とかなるでしょう!

2005年3月18日

今朝、4月以降の研修についてボスと話した結果、今シーズンまで見習いとしてここで研修できることになった! 「あなたが完全に理解しているか心配なので、詳しい話は通訳付きで週明けに」ということだけど、要は給料は無しだけど、交通機関の定期券をくれるってことと、期間は今シーズンの6月30日までというのが、重要なポイントだと思う。やったー! それまで、ここの舞台を心置きなくいつでも観れるんだわ!(ほとんどタダ同然。でも舞台の真ん前だし、役者やダンサーを間近で観ることができるという特典がある。)


という訳で、8月に日本に帰った時また助成金の申請をしようかなと。今週末にポーラ財団やアサヒの助成金制度、文化庁etc。。。秋に申請できるところを調べてみよう。CAIの次の展覧会のアーティスト・増山士郎さんの情報によると、文化庁はコネクションがないと難しいという話だし…もちろん、活動の本質やコンセプト、実績なども問われるのは当然だし。

あぁ…まずは一安心。ここ数日すごく天気が良くて、気づけば芝生にはチラホラクロッカスの花が。。。
 (春が来たハンブルグ)

暗い冬景色のハンブルグにも春の訪れが来たようだ。

2005年3月21→22日 *1=staatstheater Stuttgart

シュットゥガルト国立劇場。オペラ、バレエの他に、演劇の衣裳も担当するすごく大きなプロダクションなんだって!うぉー、楽しみだ。













杉さん(男性衣裳制作部の日本人)に通訳を頼んで助成金申請のために研修先として承諾してほしいという相談をしたけど、けっこう渋り顔。私の仕事に対しては文句のつけようがないほど素晴らしい(本当にそう言ってくれたのよ! これはかなり嬉しかった)と言ってくれたけど、要は言葉。ここで(給料を貰って)働くためには、完璧な英語か、ドイツ語をマスターしないことには正式に雇えないということだ。(それは当然でしょう。)そして、新しいシーズンになると見習いの数が増えるので、仕事を与えなきゃいけない手間が増えて、逆に大変な場合があるので二つ返事でOKできないそう。とにかく、1年間という長い期間の見習いはやったことがないそうで、人事部に聞いてみると言うことだ。杉さんが「ここで諦めたらダメだよ!」と、手を替え品を替えなんとかいい返事をもらおうと頑張ってくれて、そこでボスから「では、どこか他の劇場で行きたいところはないの?」と聞かれたので、私がヨーロッパでつながりがある名門なところといえばシュットゥガルトバレエ団なので、ダメもとで言ってみた。するとなんと! 偶然にも明日、そこの衣裳部の人が新しくなったスタジオを観にここに来るというではないか!! もしそこだったら1年の見習いをやっているかもしれないので聞いてくれるという話!! なんとまぁ運のいいことか…(もちろん返事は、まだわからない。)今回の研修が終わるまでには答えを出すということなので(つまり、6月末に答えがわかると。)どーか、快く引き受けてくれることを願うのみ。今はできることを頑張るしかない。

 

翌日、私が別棟にある印刷室で頼まれたコピーをして戻って来たら、昨日話していたstaatstheater Stuttgart(*1)の衣裳部の人がちょうど来たところらしく、まず最初に私のことについて話す時間を取ってくれたようで、そこには衣裳部のボスが既に通訳のため杉さんを呼んでくれていた!なんと親切な…そして、早速本題に入り自分のポートフォリオを見せたところ、なんと即OK。自分のところでは、1年間の研修をしているから来年の4月から私が見習いを始めるのは可能で、ただドイツ語は必須!英語じゃダメ。もちろん、完璧にマスターしろというんじゃなくて、研修に必要な会話ができればいい。「あなたがしなければならないことはたったひとつ!ドイツ語の勉強だけだよ。」という話。
やったぁぁぁ〜!! ここもまた研修先として申し分のない歴史と伝統を持つ劇場で、そこに来年の4月から見習いできるんだ!! そして、もし必要があればハンブルグとシュットゥガルトを行き来してもらうかもしれないということだ! なんて素晴らしい話でしょう! 私にしてみたら2つの研修先で学べる訳だから、むしろ望むくらいで。
受入れを承諾してくれたシュットゥガルトのディレクター、話を取り持ってくれた今の研修先のボス、そしてに彼女を説得してくれた杉さん大きな感謝!!

仕事帰りに、ビザのための手紙をGALERIE MESAOOに取りに行く。KUNST MEILE ST.GEORGのオープニングが延びて終了が8月末になったというので、嘘をつかなくても正式に日本に帰国するまで滞在するための理由ができた。これまたラッキー。

るんるんで家に帰り、賃貸契約書をもらいに住人の部屋を訪ねたら、ここの管理人が4月からの私の住める部屋を提供してくれるという話!詳しいことは週末に部屋を実際に見てから話しましょうということだけど、とにかくもう心配しなくて大丈夫なんだぁ〜。嬉しいー!

そして、部屋に戻るとドアに張り紙が…「たぶん、マイのカメラを見つけました。by Christoph」えぇぁ??? と首を傾げる私。彼は、先月まで私のお向かいに住むゲストで、今は上の5年部屋に住んでいるんだけど、私はここの誰にもカメラを無くしたことを知らせていないハズ…。半信半疑で、彼の部屋へ。なんと、そこには先月末に落としたカメラが!! マジで? と思った人。まぢデス。すごいでしょー。彼の友達が近所で拾った私のカメラを持っていて(たぶん「この前そこで拾ったさー!」などと話したのでしょう)残っていた私の撮ったデータを見た彼が「このカメラ、マイのだよ!」と気づいてくれたのです。…………ブラヴォーーーー!! よく見つかったよホントに。もちろん、データも無事だし、どこも壊れていません。こりゃまた嘘のようなホントの話で、こーちゃんの言った通り神様にお願いしたのが良かったのか…。自分でも信じられません。でも、これは現実。

 (奇跡的に見つかったデジカメ)

今日は超ミラクル・ラッキーDay。

2005年3月24日

数日前ビザの延長手続きの下調べに行ったら、住民登録の書類と賃貸契約書、銀行の領収書、滞在延長の理由が書かれている手紙とパスポートを持ってればよしということだったので、全部の書類を集めて確認したら、なんと!! 今回ヨーロッパに入国した時のビザの年号が2004年になっているではないか!(1年間違っている)こんなことがあっていいの? し、信じられない………だって、入国審査のハンコだよ?? 大丈夫なのかコレ??? 飛行機のチケットがまだあればいいけど…。でも確か、洗濯してボロボロになった記憶が……さ、さ、探さなきゃ…しかし、私の心配をよそに住民登録は何の問題も無くクリア。(でもオランダ人のいい加減さにも程があるよ!!きっと、同じ日にハンコをもらった外国人も今頃青ざめているに違いない…。)
そして、日本領事館で「ビザの更新にドイツ語の通訳できる人を連れて行った方が良い」と言われたので、CAIの目の前の建物ということもあり、ミキさんに来てもらって申請の予約をしに市庁舎へ。最初「朝の7:30に番号の札を引きに来て、そこで待機してね。」と、日本の公務員とは雲泥の差なふてぶてしい態度の受付のおばちゃんに説明されて、時間がなぐり書きされた予約用紙(というか紙切れ??)を渡され、マジで??と固まっていたら、ミキさんが「彼女は今STAATSOPERで働いてるから、この時間来れないのよ。違う時間に予約できない?」と聞いてくれた。すると、態度が豹変して「STAATSOPER!? 私ノイマイヤーの大ファンなのよ!」 それを聞いたミキさん、すかさずJiriやOtto(バレエ団のトップダンサー達)の名前を出して「彼らとも仲良いのよ! この子!!」(嘘じゃないが、かなり大袈裟な説明)ともう一押し。すると「わかったわ(TuT)d ノイマイヤーの為なら特別に約束してあげる! 何時がいいの?」と、結局希望の時間に予約してくれた。完全にひいきです、コレ。「おぉ…ハンブルグバレエ団の力は偉大だぁ…」と改めて感心。そして、後でミキさんが「言ってみるもんだね〜。マイちゃんはホントにラッキーだよ! 私の来た10年前なんて、朝の5:00に外の入口前に並んで待たされたんだから! もー競争だったんだよー!」と、いかに今回のことが異例なことか熱く語っていた。ありがとう!ミキさん。

そして、Kunst altonaleの担当者から、メールで「あなたの参加が決まりました! おめでとう! 展示の場所はあなたの望んだところではないけど、その近くにより良いと思われる店をがあって、今そこに相談しているところです。もしよければ、すぐにお返事をください」とのこと。その店は私の候補のひとつだったので、全然問題なし!という訳で、アート系の話も順調に事が運んでいるようだ。おしっ!

2005年3月26日

今日は管理人のOlafさんが、来て彼の事務所へ。2部屋あって、ひとつ空けてあげるからここに3週間いても良いよと言う話。ここには、大事なものがいっぱいあって(銀行の通帳とか、本当にパーソナルなもの)本当なら誰かに貸すようなことはないんだけど、私を信頼して貸してくれると言うではないか! なんと光栄な事かしら。場所は、少し街から離れたところにあるんだけど、家から最寄りの駅は近いし、Uバーン(ハンブルグ市にある地下鉄のようなもの)の2番に乗れば、乗り継ぎなしで18分で研修先の目の前の駅に行けるし、定期券も週明けにもらえるし全然不便じゃないよ! ハイ即決定!! その後、彼はこの付近を丁寧に案内してくれました。


と、ここ数日のラッキー続きと言ったらもー、両手両足がガクガクするほどです。ハッキリ言って怖い! 今!! これから何か起こるんじゃ…私は無宗教だけど、神様を感じちゃいました。(銀の象さんブレスレット効果?!)そんな訳で、ついさっきここの住人からS-AIR(札幌のレジデンススペース)の件で相談を持ちかけられたので、私にできる最大限の協力を惜しまずしよう。そして、今週末CAIの搬出を手伝ってほしいと言うので、これもまた体で奉仕。多すぎる幸せのお裾分け。と、神様に感謝。

2005年3月31日


 (私の部屋です)

今日は、3月最終日です。そして、明日は引っ越しです。
ここで、あえて最後の日ですと先に伝えたのは、ご察しの通りまたしても事件が起きたからです。ハイ…。
最後の最後は気をつけなきゃダメだよってあんた自分で言ってたじゃん…先月のカメラの時も、ロッテルダムで自転車盗まれた時もさー。ねぇ。しつこいようだが、最後の最後は必ず何かがあります。皆さんも、気をつけましょー!!(泣)

事の始まりは、日本から届いた荷物。昨日不在届けが来てたので、最寄りの郵便局へ即取りに行ったら「当日きちゃダメだよー。明日明日。」と言われたので、次の日(今日)また行った。また偶然にも、ケンイチさんが郵便局の長い列に並んでいた。(彼の家は、ここからすぐ近所)不在届けを見せると、奥で何か問題がある風な雰囲気でコソコソ話す従業員達。で、結局渡されたのは謎めいた手紙だけで荷物はここにないと言う。(ドイツ語で説明されてもわかんなかったので、偶然ケンイチさんに会って通訳してもらえたのは超ラッキー。)どうやら中身に問題があって税関で引っかかっているらしい。内容を見たら、薬、化粧品、電子辞書などなど。そして、値段のところがえらく高い! コレかぁ!!と思ったけど、母が老体に鞭打って送ってくれたものだし(しかも英語で中身を書かなきゃいけなくてかなり大変だったらしい)、たぶん途中でなくなると困ると思っての配慮だろう。けど、むしろ逆。海外に荷物を送る時は、できるだけ正直に書かない方が良い。特に値段。
という訳で、6:00までだから急がなくちゃ(この時点で5:00過ぎ)と思って、早速この前もらった定期券を片手にUバーンで家から中央駅の近くの税関オフィスへ。税金かかるのかなぁ〜…とドキドキしながら手紙を受付に差し出すと、荷物が奥からでてきた。「あ、良かった。あったんだね。じゃ…」と持ち去ろうとすると、「ちょっと待ちなさい。中身見せてからよ。」……ハイ来たぁ。やっぱりね…で、問題は薬だった。(確か生物や根菜も基本的にはダメなはず)ドイツは、薬に税金がかかるらしい。でも、葛根湯と痛み止めだけだったので10,000円分もない。一生懸命「母は英語ができないから間違えたのよ! しかも、この風邪薬って書いてあるヤツね、これ漢方薬だから薬じゃないの! (嘘じゃない)From China!」と説明したら、でも規則だし…と注意書きの資料を見せてきた。英語だったけど、専門用語ばっかりですぐに理解できないので、辞書で1語づつ調べようとしたら「あぁ〜…もーわかったわ。薬じゃないならいいわ。」と見逃してくれた。いいのかそれで? と思ったけど、とにかくまたしてもラッキー!

ここまでは良かった。その次!

ルンルンの帰り道事件は起きました。
乗車中、チェックマン(無賃乗車を取り締まる人。ヨーロッパは日本のように改札がないのが通常なので、彼らがいわば改札代わり。でも、私は未だかつて見たことがなかった)が乗り込んで来た。今までは自転車移動がほとんどだったので、Uバーンを利用する時はいつもチケットを買っていたのだけど、今回は研修先からもらった定期があるので「ふん! あるもんね。」と自信満々で見せると「Marz」(ドイツ語で3月)と一言、眉間に縦皺を寄せて突き返された。「はぁ?」と首を傾げていると、別の英語をしゃべる人に「チケットをもう一度良く確認してみてくれる? 4月からって書いてあるでしょ?」と言われた。私はこれをもらった時、てっきりその日から使えるもんだと思い込んで財布に仕舞い込んでいたので、そのことに今まで気づかなかったのだ。(だって、日本とかそーじゃん。)
そんな訳で、無賃乗車ペナルティー40euro払えってよ。(内心:マジで〜〜〜っ?!)「このチケットは職場からもらったもので、私は4月からしか使えないこと知らなかったのよ!」と、故意に無賃乗車してないことを必死で訴えてもダメ。泣き落しもダメ!眉ぴくりとも動きません。(この時、いつか聞いたオランダ人のドイツ人に対するブラックジョークで「縦皺にコインが挟める。」という言葉を思い出したのだった。そして「あぁーこれネタになるなぁ〜」とも思っていた。)
いやぁ〜、帳尻って合うもんなんですね〜。ここ最近の神がかりなラッキー続きに終止符を打つかのようなこの不運。数日前に「きっと何かが…」なーんて言ってたら、本当に起きた…。(またしても私の言霊力発揮。もー、絶対悪いことは言わない!)でも、今までの幸運に比べたら40euroなんて安いもんよ!と自分に言い聞かせ、厄払いだと思って払いますとも。えぇ。
(こんちくしょ〜!………死語??)