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マイちゃんヨーロッパ滞在記 Vol.005

早いもので、私がヨーロッパに来てからもう4ヶ月目!
窓から見える木々が、こっちに来た頃は青々と茂っていたのに、すっかり紅葉してオータムチックな色と音を奏でている。

先月末に大学の同期の久野志乃ちゃんが、フランスで友人のプロジェクト(*1*2)に参加するため来欧して、彼女もまた自分の作家活動についていろいろ思い悩んでいるようで、今後のリサーチにロッテルダムにも訪れました。

日本の友達がたまたま立て続けに来て数日で帰っていくのを見て、こっちの人は「ティピカルなジャパニーズスタイルだね!日本人は働き過ぎだよ!!」と言っていました。(確かに…)
  ハンブルクの夕焼け
 (写真は、ハンブルクの夕焼け)


さて、10月はDuendeレジデンスが終わりホッと一息、もほんのつかの間で、住む場所を探すために3週間ほどハンブルグへ。札幌の友人(高 幹雄くん)が、CAI(ハンブルグの方)で個展があったため、搬入のお手伝いをしたり、ケルンへ小旅行などなど。
  天辺からの景色@ケルン大聖堂
 (写真は、天辺からの景色@ケルン大聖堂)

後半はお世話になっていた家の住人、ミキさんが引っ越しすることになり、荷造り&荷物運びして、体で奉仕。こんな時、健康で力持ちに育ててくれた両親にホント感謝します!

  引っ越しの運転手
(写真は、引っ越しの運転手)





*1=PRAHA project
私が以前所属していた、札幌を拠点に活動しているアーティスト・イニシアティブのスペース。

2=ELSHOPO
詳しくはこちらまで。日本語もあります。
Date:2004.10.11 

昨日(というかもう今日)の搬入は夜中にわたり、朝方4:00頃ようやく就寝。
  CAI ハンブルクでの個展

(写真は、CAIハンブルクでの個展)


疲れたぁ。。。… でも、札幌やオランダなどで自分が扱ってきたのはわりと売ることが前提にない作品が多かったので、商業アート(というのかな…)とのギャップが感じられたことや、展示の配置を考えたり、売り物として作家の手から離れた作品を扱うことなど、今まで深く考えていなかったことでいろいろ気づかされる点が多く、わたしにとって今後の活動を考える良い機会となった。

私は、例えば根なし暮しのアーティスト肌ではなさそうだし、もちろんつくることや表現することは大好きだけど、生き甲斐となる仕事も持ちたい。私の中ではやっぱり“衣食住”が生涯のテーマになってて、そこに“創造する”ことが加わった生活を送る将来をこの頃イメージできるようになってきた。今の自分には足りないことがあまりにも多いけど、そんなスペースをこれからつくり始めていく予感がする。自分の“城”と呼べるような、帰る(還る?)場所。そこは、いろんな人が集って、何かを見つけて、巣立って、たまに還ってくるような駅?のようなところで、日々の営みの中でたくさんの刺激をもらって、毎日楽しく暮らしながら老いていけるようなところ。

最近気づいたことだけど、思い描いたことは本当(真実)になるらしいので、とりあえず口にしてみた。今年は、細木数子的には超大殺界中で死んでもおかしくない年なのに、今までで一番実りがあるんではないかとゆーほどの当たり年。「25歳までに、絶対自分にとって大きな転換期を迎えてやる!」という自分の予言を成し遂げたので、これもまた前進あるのみ。


Date:2004.10.21 

なかなか家が見つからない中、高の作品の記録を撮りにベルリンからやって来たなぎらさん(下の写真、手前の人)の友人が、今面白いところにゲストとして滞在しているという情報をGET!
  


そこはハンブルグの中でも若者に人気の地区にあるらしく、“クンストラーハウス”といって、基本的に何か表現活動をしている人しか住んでいない建物で、毎月の住民会議で彼らが所有しているゲストルームの滞在者を決めるらしい。期間は3ヶ月間。まずは、直接行ってとりあえずポートフォリオを担当者に提出してきた。早いとこ引っ越しの運転手と車を見つけたいけど、住む場所が決まんないことにはどーしようもない…。でも何となく、ここに住めるような予感がする。わかんない。

前回のプロジェクトが、今までの自分のアート活動を振り返る総集編のようなものでひとつの区切りとなった気がして、今自分の頭を整理していて後少しで何かつかめるカンジだから、まだ決まっていないけど(とにかく返事待ち)もしゲストとして滞在することになれば、彼らが所有しているギャラリー内でプレゼンテーションか展覧会が求められるようなので、この時に消化しきろうと思う。

すぐに答えがでない場合は、ハンブルグへの引っ越しは年明けになりそう…。11月後半に祐さんのイベントがあるから、それまではデンマークに行こうかなぁと思案中。なんせ去年行った時のコペンハーゲンでの数日間は、本当に楽しかったんだもの。今度は時間があるし、ゆっくりできるから絶好のチャ〜ンスではありませんか。そして、外国生活初☆クリスマスと年末年始は、どうやらロンドンで過ごすことになりそうだなぁ?。
Date:2004.10.29 


ART COLOGNE(メッセ)があったので、再びケルンへ。そこで、札幌の友人、谷口顕一郎さんの作品を発見! そして、メッセに付随していろんな街から割と若手のアーティストを扱ったギャラリーが集まったイベントが2〜3ヶ所(*3)、他のケルン内のギャラリーも一斉にオープンし、メッセから流れた観客がMAPを片手にギャラリー巡りをしていた。まるでどこかのビエンナーレでも行ったかのような作品の数を観て、もーお腹いっぱい。
  谷口顕一郎さんの作品だ!

 (写真は、ART COLOGNEでの、谷口顕一郎さんの作品)


さて、話は変わって人を好きになることについてのお話。先日、大好きな私の親友が尊敬している人(で、いつか将来一緒にいたいと思っている人)の話をしてくれた時に、「あぁ?…そうなのかぁ…」と自覚したんだけど、しばらくぶりに好きな人ができた。私の場合「ちょっとは考えてから行動に移した方が…」と言われるほど何事にも猪突猛進なタイプだけど、色恋沙汰にはトンと縁がない人生で、唯一!超!ネガティブ・シンキングなのがこの手の類い。だから、自分からアピールすることなんてできゃーしないし、せいぜい良い影響を与え合う存在になりたいなぁと願うくらいで、ほとんど片思いで終わる悲しい結末…。そして、今回の恋も頑張ってはみたものの望み薄…。でも、何も望まずただ無償の愛を注ぐだけでも、私にとっては今のところ異国でたくましく生きるための活力になっている。前より人の気持ち(何を望んでいるかとか)を考えるようになったし、興味の対象が広くなった。誰かを特別に思うことは、なんて素敵なことなんだろう…と実感。そんなことを考えながら、寝台列車に揺られてデンマークへ。






*3=Rheinschau
いくつかあったけど、私が観れたのはコレ

それからケルン内のギャラリーウェブサイト