牧師室より

 雪予報の出ている日の早朝、この原稿を書いている。1967211日、横浜は大雪に見舞われた。折しも我が家は、前日に引っ越したばかり。東横沿線の都市部から自宅前に舗装道路すら無い農村部へ。父は東京までの遠距離通勤に覚悟を固め、子どもの私は、森や田畑だらけの環境にときめいていた。引っ越し翌日、雨戸を開けたら一面の銀世界。早々と身支度して一歩家を出た父から、うめきとも感嘆ともつかない声がもれる。「家の前、足跡じゃなくてスキー跡がついてるよ」。

 201429日、横浜港南台教会で初説教の日、久々の大雪。下車した朝の洋光台駅には人影もなく。来た市営バスの運転手さんに確かめたら、「バイパス下」バス停には、スリップするので今日は行かないと言われ驚く。よしとばかりに教会目指して歩き始めた時、なんだか愉快な気持ちがふつふつと胸に湧いたのを思い出す。心のBGMは、古い讃美歌。「イエスよ、心に宿りて 我を宮となしたまえ。(中略)我が罪を洗いて 雪より白くしたまえ」。 (中沢麻貴)