◇牧師室より◇
まだ生物学の学びを人生の中心に据えていた頃、興味を持って集中的に学びたいと一時期ひかれていたのがエソロジーという分野。動物行動学と和訳されることが多いが、世界的には、動物以外(粘菌や植物など)の研究も含める。子どもの頃から、様々な動物に近づいて相互理解を深めたくて(友達になりたくて)、ちょっとした仕草や鳴き声から気分を読み取ることに腐心していた。動物のなだめ上手とか噛まれない人という評価も得た。人づきあいが仕事の中心となっていった人生後半にも、以前に培った習性が抜けず、人の小さな仕草などに注意が向きがちだ。オンラインでの授業や会議や礼拝では、そうした双方向の情報収集が困難なので、関係性を結ぶのが大変だろうと感じるこの頃である。(中沢麻貴)