牧師室より

 911日と12日、甲種防火管理新規講習および防災管理新規講習に参加した。山下町にある横浜市研修センターで二日間、缶詰状態になり、学生時代にも経験したことがないほど、集中して講義を聴く機会を得た。

現在の横浜港南台教会の規模では、防火管理者を置く必要があるためだ。

 消防法は、20019月に起きた新宿歌舞伎町の雑居ビル火災によって、大幅に改正されたという。記憶にある方も多いと思う。小規模ビルでありながら、犠牲者は44名にものぼり、1982年のホテル・ニュージャパン火災を上回る惨事となった。

 私たちの教会堂はというと、1階には非常口、2階にも避難通路が確保され、冷静に対応すれば、火災および震災時に安全に退避することができるよう設計されている。また非常ベル、誘導灯、消火器も設置され、建物の構造上も、設備においても、消防署の立ち入り調査をクリアしてきた。建築基準と設備面での対策は十分であると言える。

 ただし、上記の事柄に加えて大切なのは、人の要素である。どんなに設備が良くても、最後に求められるのは、災害時の対策であり、人の行動である。建物と設備だけでは、人の命は守れない。「教会だから、神様が守ってくれるので、災害の時にも大丈夫!」というわけにはいかないのだ。もちろん、神様の守りと導きを信じてはいるが、そのことが安全のために努力しない理由とはならない。実際、港南消防署からも、“消防計画”の提出が求められている。避難訓練など、具体的な計画を立てる必要があるとのこと。教会として消防計画を検討し、対応したい。

 話は変わるが、子どもの頃は海が近くにあった。そのため、小学生の頃は、岸壁でよく釣りをした。山下町の研修センターは、海の近くにあり、磯の香りのする場所だったので、研修開始前に散策して楽しんだ。

 朝の海に、20pほどの魚が次々と跳ねていた。いくつか理由は考えられるが、そういう習性のある魚か、寄生虫を落とすための行動だと思われる。残念ながらトビウオではなかった。イワシに見えたが、アジの可能性もある。神学生の時、沖縄での教会実習で(?)釣ったアジを、牧師と一緒に南蛮漬けにして、泡盛の肴にしたことを思い出した。 (中沢譲)