牧師室より

先週の日曜日から、教会の扉にリースが飾られ、会堂にはクリスマス・ツリーとアドベント・クランツが据えられました。待降節のはじまりです。

 今年のツリーには、百体の天使が飾られています。子どもの教会の活動として、分級の時間を二回使って切り紙細工で子どもたちと一緒に作りました。ルカによる福音書が語っている、羊飼いたちを訪れて神様の栄光と地上の平和を告げ知らせた「天の大軍」をイメージして作りました。制作中は、机の上が白い天使たちであふれかえりました。一つ残らずツリーに飾ってみたら、けっこう壮観ですね。天使たちは、ツリーの上で両手をひろげて平和を告げ、主の降誕に人々を招いています。私たちも天使たちの心意気(?)に感化されつつ、この待降節を歩んで行きたいものです。

 ところで、リース(wreath 英語)あるいはクランツ(Kranz 独語)とは、枝、花、木の実などの植物素材で作られた輪を意味しますが、ドアに飾るものをリース、ロウソクを立てる置き型のものをクランツと呼ぶのは、それらの習慣が馴染んできたのが、英語圏か独語圏かの違いなのでしょう。アドベントのリースやクランツは、常緑樹の緑の葉で作られ、終わりのない輪の形と共に、永遠の生命のシンボルという意味が込められています。そこに添える赤い実やリボンは、キリストの受難の血を意味します。ロウソクの白は、栄光と高潔の印です。

 さて、今年のアドベント(待降節)には、日曜日が四回あります。第1待降節の日曜日に、クランツの1本目のロウソクに点灯し、第2、第3と灯すロウソクを増やしていきます。例年なら、4本目のロウソクが灯るとクリスマスという感じがしますが、今年は4本目のロウソクが灯って第4待降節の日曜日となってからクリスマスまで、まだ一週間あるわけです。1225日がウィークデイの年には、第4待降節主日というのはなくて、25日直前の日曜日にクリスマス礼拝をしていますから、いつもより待降節が長く感じられますね。実はクランツのロウソクも、例年より少々燃焼時間が長いものを使っています。        (中沢麻貴)