◇牧師室より◇
10月20日、林間つきみ野教会(日本基督教団神奈川教区所属)の吉田慈牧師が、担任している教会で逮捕された。以下は「Christian Today」からの引用である。
「米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯の移設工事に反対する吉田慈(しげる)牧師(日本基督教団林間つきみ野教会)が20日、沖縄県警に傷害と公務執行妨害の疑いで逮捕された。毎日新聞の報道によると、8月25日、沖縄平和運動センターの山城博治議長らと共に、吉田牧師が沖縄防衛局職員の右腕を強くつかみ、2週間のけがをさせた疑い。
吉田牧師は、船舶の免許を取得し、辺野古での海上抗議行動に月に1度参加していた。昨年4月には、沖縄の海上抗議を行っている際に、海上保安庁により恫喝(どうかつ)され、船を転覆させられ、救急搬送された経緯がある。」(「Christian Today」2016年10月21日webニュース)
30代の若い牧師である。教区総会で顔を合わす程度のつき合いしかなかったが、沖縄に関する議案で活躍をされていたので、強い印象を持って覚えている方だ。
正直なところ、いつか逮捕されるだろうという予感は私にはあった。そして結果は、予想以上に厳しい状況の中で現実となった。辺野古への基地移設反対の先頭に立つ山城議長への弾圧に関連づけられての逮捕となってしまったからだ。国策に反対する者たちへの見せしめの弾圧だ。それゆえに沖縄県警は神奈川県まで出張して、わざわざ吉田牧師を逮捕したのである。厳しい闘いになるだろう。
戦争協力団体として誕生した日本基督教団は今、試されているのだと思う。次の戦争準備に向けて、再び戦争協力教団を演じるのか、それとも二度と国策に与しないと政府に態度を表明するのか、迫られているように思うのだ。そのためにも日本基督教団は一致して、この事態に懸命に対処することを願うばかりである。囚われの身となった山城議長と吉田牧師の早期釈放と健康を、共に祈りに覚えたい。
(中沢譲)