牧師室より

先週の小井沼眞樹子宣教師の説教からの抜粋です。題は、「福音の喜びに生きる」(ルカ10:21-24)

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 日本人がひとりもいない、日本語をまったくつかわないブラジル人教会につかわされて、5年がたちました。その間、教会のみなさんが祈りにおぼえてくださり、感謝の気持ちでいっぱいです。

 ごぞんじのとおり、ブラジルという国は、サッカーのワールドカップやオリンピックが予定されていて、発展しつつある国であることは、まちがいありません。しかし貧富(ひんぷ)の差が大きい国でもあります。 私がつかわされているオリンダ市アルト・ダ・ボンダーデ地区も、豊かさから取り残された地域の一つです。

 このような現実を見つめるとき、わたしは自分の無力さ、罪深さと向き合うことになります。豊かさにおいても、教育という点においても、日本人はあまりにも恵まれているからです。

 わたしは、貧富の差を知らされるたびに、「神さま、ゆるしてください」と祈り、そのような自分が、イエスさまにゆるされていることを思い、その恵みに感謝するのです。

大変なこと、つらいことはたくさんあるのですが、実はそんなにしんどくありません。心の底は本当に幸せなんです。その幸せは、アルト・ダ・ボンダーデ教会での生活から与えられています。子どもを入れてやっと30人くらいの教会ですが、感謝の証しにあふれ、愛に満ちあふれています。その兄弟姉妹たちと、神の家族として生きる信仰生活の中で、いつも復活のイエスが私たちの間におられる、そのような思いを味わっています。

愛し愛される関係の幸せなこと、これは畑の中に隠されている宝を見つけたような喜びです。このことが私に命の力を注いでくれる喜びの源泉です。(報告者:中沢譲)