◇牧師室より◇
聖霊降臨日、小井沼眞樹子宣教師に説教をしていただいた。小井沼ご夫妻は50歳の頃、ご夫妻で献身し、牧師になられた。ブラジルのサンパウロ福音教会の宣教師として、10年間奉仕された。お連れ合いの國光師は難病に罹り、2006年に亡くなられた。眞樹子師には大きな悲しみであったが、國光師の遺志を継ぎ、ブラジル宣教を願っていた。
願いが叶い、2009年にブラジル東北部のオリンダのアルト・ダ・ボンダーデ教会に宣教師として赴任された。一期三年の任期を終え、続いて二期三年の招聘を受けて、6月末にブラジルに行かれる。
説教はまず、一期三年間の苦労を話された。眞樹子師は当初、文化や風土や生活習慣が違い、言葉も不自由な中で、孤独と無力感に襲われた。また、預かった一人の少年の悪癖が抜けず、ご自分の健康を損ねるほど悩まれた。
教会は貧しい地域にあり、貧富の格差がもたらす諸々の問題を抱えながらも、民衆と共にある主イエスを身近に感じて、喜びと感謝の交わりを生き生きと形成している。その教会の交わりの中で「力は弱さの中でこそ十分に発揮されるのだ」というみ言葉のように、眞樹子師は復活した主イエスの恵みを豊かに受け取られた。そして、明るく、積極的な眞樹子師は教会員から愛され、深く信頼されている。三年間で「忍耐強くなった」と言われる。また、気がついたらポルトガル語で祈っていたという。教会と地域にすっかり溶け込んでおられる。
私は「共に歩む会」の事務局を担当しているが、眞樹子師の信仰から、福音はポジティブに生きることであると励まされてきた。
聖霊降臨の出来事は、共同体を形成することであり、それは言語を超えた共同体であると、使徒言行録2章の記述とご自分の経験から力説された。そして、ローマ書8章22節〜26節から @ 被造物は共にうめき、共に産みの苦しみを味わっているが、A 信仰によって希望が与えられ、神からの光がある、そして B 聖霊によって弱い私たちは助けられ、聖霊は言葉に表せないうめきを神に執り成してくださっていると話された。
共に歩んでくださる主イエスは、神と人、人と人を結びつける聖霊共同体を与えてくださっている。これからの三年間、教会員と希望を持って生きようと勇気づけられていると結ばれた。眞樹子師の働きは、今までとは一味違うものになるだろう。ご活躍を祈りたい。