◇牧師室より◇
クリスマスおめでとうございます。クリスマスはキリスト(救い主)とマス(礼拝)の合成語で、キリスト礼拝という意味です。ナザレのイエスに神が遣わしたキリストを見て、信じる。この信仰がクリスマス(キリスト礼拝)を生み出しました。クリスマスは「インマヌエル(神は私たちと共におられる)」信仰に立ち返ることです。永遠の神が、時間の中で不安と焦燥と恐れをもって生きている私たちのただ中にいてくださる奇跡が起こった。その奇跡は、主イエスのご降誕において示されました。マタイによる福音書は、それを「聖霊によって宿った」と記し、ルカによる福音書では「おとめマリアから生まれた」と書いて、人間の自然的関係を超えた出来事であると告げています。この奇跡を信じることが私たちの信仰です。
「インマヌエル」は神が私たちに与えてくださった一方的、無償、そして最大の贈り物です。私たちの日常生活の一挙一動が、主イエスへの信仰によって永遠の神と関わっているので、どんな些細なことにも意味があります。「インマヌエル」信仰は私たちの生が神と結び合って、全て「良し」とされる安心と喜びを知り、体験することです。
聖書は、神が遣わしたキリストは家畜小屋で生まれ、飼い葉桶の中に寝かされたと告げています。主イエスのご降誕の状況と場は、豪華な宮殿ではなく、行き場を失い、居場所をなくした所だったのです。そして最初のクリスマス(キリスト礼拝)をしたのは社会から疎外されていた羊飼いたちでした。このメッセージは、神は「低きに、細部に」宿り、そこを神の光が輝く場とされることを伝えています。
自殺者が年間3万人を超えています。彼らの苦悩はどれほどのものでしょうか。今日、自分の生を受け入れられず、居場所を失っている人は数知れません。神はその人々を神の光の場へと招いておられます。その招きに応じて生きようとすることがクリスマスを迎えることです。