◇牧師室より◇
日本カトリック司教団が「平和メッセージ」を発表する。タイトルは「戦後60年 平和メッセージ『非暴力による平和への道』 ― 今こそ預言者としての役割を」である。キリスト新聞の記事から抜粋を転載したい。
「かつて軍国主義時代の圧力のもとで、カトリック教会の指導者は靖国神社をはじめとする神社参拝を心ならずも『儀礼』として容認してしまいました。このことは、過去の出来事として葬り去ることはできません。なぜなら、今まさに同じ危機が目前に迫っているからです。東アジアの人々の信頼を回復し、連帯して平和を示すことが必要ではないでしょうか」「2001年9月11日に米国で起きた『同時多発テロ』と、それに続くアフガニスタンやイラクに対する攻撃は、世界に衝撃を与え、深い亀裂をもたらしました。… 軍備と武力行使によってではなく、非暴力を貫き対話によって平和を築く歩みだけが『悪に対して悪をもって報いるという悪循環から抜け出す唯一の道』なのです。… この非暴力の精神は憲法第9条の中で、国際紛争を解決する手段としての戦争放棄、および戦力の不保持という形で揚げられています。60年にわたって戦争で誰も殺さず、殺されなかったという日本における歴史的事実は、私たちの誇りとするところではないでしょうか」「最後にもう一度、教皇ヨハネ・パウロ2世の『平和アピール』の言葉を引用します。『各国の元首、政府首脳、政治・経済上の指導者に次のように申します。正義のもとでの平和を誓おうではありませんか。今、この時点で、紛争解決の手段としての戦争は、許されるべきではないと固く決意しようではありませんか。人類同胞に向かって、軍備縮小とすべての核兵器の破棄とを約束しようではありませんか。暴力と憎しみにかえて、信頼と思いやりを持とうではありませんか』」
過去の過ちを告白し、その告白の証として平和実現に向かって固い決意を表明している。今、全国の全ての宗教者たちに「9条の会」への賛同を呼びかけ「宗教者九条の和」が作られている。カトリック教会はこの運動にも熱心に関わっている。