◇平和聖日メッセージ◇

 さる5月11日、熊本地裁はハンセン病国家賠償請求裁判で「らい予防法」の違憲性を認める判決が下り、5月23日、政府の控訴断念により確定しました。判決は人権侵害の法を放置してきた立法不作為の責任を認める画期的なものでした。

 しかし一方戦後補償裁判では今年3月、元「慰安婦」等が提訴したいわゆる「関釜裁判」の広島高裁判決は一審判決で認めた「立法不作為」から一転して原告側請求をすべて退け敗訴し、6月15日には在外被曝者擁護法判決に政府は控訴する方針を決めました。

 ハンセン病国家賠償控訴断念に際し、政府は「限定的な事例」を強調していますが、まさに現在各地で行われている戦後補償裁判への影響を心配してのことです。

 アジアの人々、特に日本軍「慰安婦」にさせられた戦争被害者は高齢化し、苦しみながら亡くなった方々も少なくありません。日本の侵略戦争被害者への、国家謝罪と補償を早急に実現させるよう働きかけねばなりません。

 検定を通った「新しい歴史教育をつくる会」の教科書は戦後補償裁判などの動きと連動しながら侵略戦争を美化し、新たな軍国主義への道を再び辿ることを、次代を担う子どもたちへ強制するものです。

 日本基督教団はかつての戦争協力を反省し、平和聖日を定めました。1996年からは戦後補償を課題とし、特に韓国の「軍隊慰安婦」とされた人々を覚え、この日の献金をささげています。今年も平和聖日礼拝の祈りの課題として席上献金にご協力をお願いいたします。

200185

日本基督教団「戦後補償を求める六委員会連絡会」

社会委員会、在日・日韓連帯特別委員会、部落解放センター運営委員会、性差別問題特別委員会、靖国・天皇制問題情報センター、教育委員会