博雅(ひろまさ)君です。よろしくね!コミックのコーナー (要するにマンガ、です。)   ※とりあえず、作者アイウエオ順にしてみます。(除・新着コミック)

 

草原 うみ/やがて、ひとつの音になれ

ピアノの天才少年として12歳まで活躍していた時矢奏(ときや かなで)は、局所性ジストニアで右手が動かなくなり、ピアノから遠ざかって7年がたつ。町工場でアルバイトをしながら目的のないひとり暮らしをしていたが、隣の部屋に引越してきた横野絵里(よこの えり)、日向多(ひなた)の親子と知り合ったことがきっかけで、もう一度「大切な音」に出会う。一方で、かつての友人・鳴海真琴(なるみ まこと)は、家が破産し、レッスンもコンクールもあきらめたものの、ユーチューブなどで活動し、「ネオピアニスト」として人気を集めていた。ピアノから逃げることをやめ、向かい合おうとする奏だが…(小学館)

あおき てつお:作画、北原 雅紀:原作/ショパンの事件譜

東京・谷中のアナログレコード店・奏音楽堂。店主の奏初範(かなで はつのり)は通称「ショパン」。彼の店には、アナログレコードの魅力に取り憑かれた者たちがやってくる。店頭に飾られたモーツァルトのレコードを見て入ってきた小川恵という娘は、誰がレコードを売りに来たのか教えてほしいと頼む。あれは殺された伯父のもので、自分は伯父殺しの容疑を晴らし、真犯人を見つけたいのだ、と。ショパンは恵を連れて名曲喫茶「ドビュッシー」を訪れ、店主の土橋(ドビュッシー)にある頼みごとをするが・・・(小学館)

赤池 うらら/恋の音、みつけた

花渕ちなりは、音大附属高校の受験に失敗。普通科に入学し、家事に追われながら自信のない日々を送っている。しかし、新入生歓迎会で校歌のピアノ伴奏をすることになり、緊張しながらピアノに向かう。一方、音校生の兄のところには、藤原一菫(いっき)という同級生がよく遊びに来るのだが、彼はコンクール優勝歴ももつ将来有望なピアニスト。この一菫が、ちなりの手作りクッキーや掃除してピカピカのトイレを、「妹、すげえなあ!」となにかと感動してほめるのだ。一菫の言葉に、ちなりの世界は少しずつ変わっていく・・・(講談社)

阿久井 真/青のオーケストラ

青野一は、運動音痴で根暗な中学3年生。彼は、中一まではヴァイオリンのコンクールで賞を独占。天才少年と騒がれていた。しかし、ヴァイオリニストの父が離婚して家を出て行ったことをきっかけに、ヴァイオリンを辞めてしまっていた。そんなある日、保健室で下手くそなヴァイオリンを弾く少女、秋音律子(あきね りつこ)と出会う。秋音はいじめにあっていた友人をかばったことから自分もいじめにあい、保健室登校をしていた。それでもめげずに、海幕高校のオーケストラ部に入ることを目標に練習をしていたのだ。一生懸命な秋音の姿を見るうちに音楽を好きだった気持ちを思い出した青野は、自分も海幕高校に入学し、オーケストラ部の見学に行く。そこで出会ったのは、2年ほど前から突然コンクールを制覇しはじめた佐伯という少年。青野は佐伯と2人でオーディションを受けることになるが・・・

ちなみにフルート担当の立石真理さんは部長で、夏休みに海にも花火大会にもいかず、部活と受験勉強に励む、高校生の鏡のような人です☆(小学館)

あべ まりな/エイタパ・ニーチ協奏曲(コンチェルト)

音が溢れ、音と結びつきが強い地・エイタパン。最高の奏者「エイタパ・ニーチ」を目指すミリは、ポッケ師匠のもとで毎日練習に励む。ところが、ミリの吹くオークの子笛ときたら、花も枯れちゃうほどのへたっぴさなのだ。ポッケ師匠から、「よく耳を澄ますんだ」「大切なのは自分の世界を広げることだぞ」と言われたミリは、いろいろな音を試し、ネウと太鼓でセッション。(第1曲『ミリの笛吹き』)再生花で聞いた太鼓の名人、前代のエイタバ・ニーチは、ポッケの兄・ニビトだった・・・!?(第2曲『ししょうの師匠』)など。(角川書店)

あみだ むく/ラプソディ・イン・レッド

血のつながらない義母と2人暮らしの高校生・大河寅雄。生徒会長のイジメを見逃せずケンカに明け暮れ、周囲から問題視されて義母とも分かり合えずにいた。そんなある日、近所に住む天才ピアニスト・月島治郎の音をきっかけに、ピアノで想いを伝え、人と繋がりたいと思うようになる。音楽を目指そうと決心した寅雄は音大の見学に行くが、そこで出会ったのは変態(?)ピアノ教師・兎山助六(とやま すけろく)とピアノ科主席・辰本瑠音(たつもと るい)。兎山は、寅雄と瑠音にクリスマスコンサートの出演者を選ぶコンペに出るように言う。瑠音は、寅雄に「負けたらピアノやめてくれる?」と迫るが…(白泉社)

アミュー/この音とまれ

先輩が卒業して筝曲部ただ一人の部員になってしまった倉田武蔵(くらた たけぞう)。新入部員としてやってきたのは、見るからに不良でなにかとよくない噂のある久遠愛(くどお ちか・男)と一見おしとやかな美少女だが性格に問題アリの鳳月会(ほうづきかい)跡取り・鳳月さとわ。それぞれの過去や問題を抱えながらも筝曲部に居場所を見つけ、全国大会を目指そうと力を合わせていくのだが・・・(集英社)

荒川 三喜夫/ピアノのムシ

巽ピアノ調律所に勤務する蛭川敦士は口も悪けりゃ性格も悪く、おまけに飲んだくれ。しかし、腕だけは超一流!彼の手にかかれば、どんなピアノでも本来の音色を奏で出す。人間は嘘をつくが、ピアノの音は嘘つかない。蛭田の他の登場人物たちも、けっこうしたたかでオモシロイ。がめついバーの女主人、大手メーカーの営業マン、地元のアイドル・ピアニストとその姉、将来有望な(?)るい君などなど・・・(芳文社)

五十嵐 純/ドミナント

中高一貫校に高校から外部入学した宇野せいか。うまくまわりになじめず、友達もなかなかできない。体験入部した合唱部も、結局入部はしなかった。授業後の時間を持て余し、学校の反対側を散策するうちに、お屋敷に迷い込む。そこで出会ったのは、松葉杖をつく青年。高校の先輩と分かって親しくなり、彼にギターを教えてもらうことになる。お屋敷に通ううちに、せいかはギターに魅力を感じ、同時に先輩にも惹かれていくが…(KADOKAWA)

画:IKE 作:NAXOS JAPAN/運命と呼ばないで

まさかのベートーヴェン4コマ劇場です。コメディですけど、けっこう真面目に史実も盛り込んでます。

そもそものきっかけは、ツェルニーのフルートとピアノのための作品集のCD(フルートが瀬尾和紀さん。けっこう好きなんですよ。ピアノはベーゼンドルファー使用だし。)を買ったら、なんとこの漫画が紹介されていたんですよ。“少年時代のツェルニーに漫画で会える”とかいっちゃって。買ってみたら、ツェルニー君も登場しますが、主役は同じくベートーヴェンの弟子であったリース君でしたが。おまけに帯には佐渡裕氏の紹介文が書かれていました。

フルート曲をあまり残してくれなかったベートーヴェンには今まであまり親しみを持っていませんでしたが、この本を読んでぐっと身近に感じました。ツェルニー君やリース君の活躍に免じて許してあげよう(笑)

僕たちのこの喜劇(コメディ)を、ただの運命と呼ばないでください。(学研パブリッシング)

石塚 真一/BLUE GIANT(ブルー ジャイアント)

ブルージャイアントとは、あまりに高音なため赤を通りこし、青く光る巨星。青色巨星のこと。世界一輝くジャズプレイヤーを、仲間うちで「ブルージャイアント」と呼んでいた。
仙台の広瀬川の河原で来る日も来る日もサックスを吹き続ける高校生・宮本大(みやもと だい)。ジャズに魅せられた大は、ジャズプレイヤーをめざし、雨の日も猛暑の日も、ひたすら一人で吹き続ける。そんな彼に、油井という男がレッスンをつけるようになり・・・

私のお気に入りキャラは高校の音楽教師・黒木先生、ちょっと天然系のオバサンなんだけど、校歌でジャズセッション、かっこよすぎます〜!「吹くの。毎日毎日毎日毎日ずっとずっとずっとずーーーーーーーっと毎日吹くの。きっと上手くなる。」先生、私もがんばります!!(小学館)

石塚 真一/BLUE GIANT SUPREME(ブルー ジャイアント シュプリーム)

「BLUE GIANT」海外編。玉田、雪祈(ユキナリ)と組んでいたトリオ“JASS(ジャス)”解散後、大は単身ドイツ、ミュンヘンへ渡る。伝手も知人もなく、ドイツ語も知らない中で演奏する場を探すが、簡単にはいかない。行き詰っているところでクリスという男と出会い、彼のアパートに転がり込むことになるが・・・(小学館)

石塚 真一/BLUE GIANT EXPLORER(ブルー ジャイアント エクスプローラー)

「BLUE GIANT」アメリカ編。ドイツを出た大は、一旦日本へ戻り運転免許を所得。今度はアメリカへ向かう。かつての仲間・雪祈(ユキノリ)もアメリカにいるという。大が降り立ったのは、西海岸のシアトル。全米の街と土地と人を知り、新しい音を生み出そうとする大だが、穏やかで慌てず、ちょっとアッパーな雰囲気のシアトルの音楽は、簡単には大を受け入れそうにない。車を手に入れるため、大は中古車販売の店で働き始める。その店で働くエディは、以前ロックバンドをやっていてアルバムも出し、ギターもかなりの腕前だが、「世界一」はあきらめ中古車を相手にしている。エディは、老舗ライブハウスの閉店イベント、かつてやっていたバンドの再結成ステージに大をゲストで上げようとするが…(小学館)

いくえみ 綾(りょう)/G線上のあなたと私

OLの小暮也映子(こぐれやえこ)は、寿退社の当日に婚約破棄される。そして、フラフラと立ち寄ったCDショップで「G線上のアリア」を耳にし、大人のバイオリン教室に通い始める。一緒にレッスンを受けるのは、パート主婦の幸恵と大学生の理人(りひと)。ところが、バイオリン講師の眞於(まお)は理人の兄の元婚約者であったことを知り・・・ビミョ〜な人間関係とバイオリンの上達は、どう展開していくのか!?(集英社)

一条 ゆかり/プライド

オペラ歌手を目指す2人の娘、史緒と萌。史緒は、今は亡き有名オペラ歌手を母に持つ、資産家の娘。しかし、父が破産し、クラブの歌手をしながら一人暮らしをすることになる。萌は家庭環境に恵まれず、男にだらしない母を憎みながらバイトに励む。時に反感を持ち、相容れないことも多い2人だったが、蘭丸のピアノでデュエットした時、奇跡が起こる。さらに、史緒との結婚を望むレコード会社の副社長・神野がからみ、音楽と愛憎をめぐる女のバトルが繰り広げられていく・・・(集英社文庫)

市東 亮子/BUD BOY

天界の御大花将・蕾は、素行の悪さから母である錦花仙帝の怒りを買い、下界に落とされる。蕾を心配して行動を共にする妙香花仙・薫や下界に留学中の東皇使・東雲も加わり、花々の平和を脅かす怪魔を相手に闘う日々・・・かな、一応。第六話「椿待童」は、笛を友とする孤独な少年・笛羅と人目を忍んで暮らす貴人、そして椿の精の話。第十八話「朱旋律」は、2人のピアニストの話。才能あふれる美人の親友に嫉妬心を抱いてしまった縒子は・・・?第三十九話「天上楽士団」では、楽の名手でもある薫とその仲間たちが大活躍!音楽とは関係ありませんが、私のお気に入りキャラは老伯将☆現在の地位こそ蕾の配下という形ですが、実は先代の御大花将であり、当時は「聖白鬼」と呼ばれた無敵の美丈夫。今はアロハの似合う渋〜いおじい様なのです。(秋田文庫)

一色 まこと/ピアノの森

有名ピアニストの息子・雨宮修平は、祖母の療養のため地方の小学校へ転校してくる。そこで出会ったのは、“森の端のインバイの息子”と白い目で見られる一ノ瀬海という少年であった。森に捨てられたピアノをおもちゃ代わりにして育った海の演奏に、修平は衝撃を受ける。森のピアノのかつての持ち主は、天才ピアニストと謳われた阿字野壮介であった。事故でピアニスト生命と婚約者を失った阿字野は、海たちの学校で音楽教師をしながらピアノとともに朽ち果てようとしていたが、海の才能と出会い、彼を育てる決意をする。そして、修平も本気でピアニストを目指そうと必死で練習を重ねていく・・・(講談社)

今 市子/百鬼夜行抄

飯島律は妖魔を見る力を持つ少年。父は実はとうに死んでいて、その体の中には亡き祖父との契約で律を守る龍・青嵐が住んでいる。6巻第1話「花貝の使者」では、竜宮に迷い込んだ律たちが、海で死んだと思われていた娘・笙子と出会う。笙子はフルーティストを目指し、留学の話もあったが、母親に反対されていた。そして、フルートの才能と引き換えに、元の世界に戻してもらうことになるが・・・(朝日ソノラマコミック文庫)

岩岡 ヒサエ/オトノハコ

部員6人の弱小合唱部が部の存続をかけてコンクールに出る話。傍から見たらアヤシイとしか思えない、でも熱い(と思う。本当は。)部長がいい味出してる。なんだか自分を見るようだ。
運動部の部室棟に間借りする。アヤシイ基礎練習。(UFOを呼んでるのか?)練習場所を探して空き教室をさまよう。独り言ノートと化すクラブノート。体の力を抜くのよう!!手作りナゾ鍋。男が欲しい〜!(←男子部員勧誘)眼鏡をとったら普通に美少女?
奮闘の甲斐なく、結局都予選で敗退。
ホールを振り返って主人公は思う。
わたしたちがさっきまでいた場所は 大きなハコの中だった 箱の中は空っぽだったのに あふれ出しそうな音が詰まってた それは目には見えなかったけど 確かにそこにあったんだ わたしの中にも その音は残ってる (講談社)

宇仁田 ゆみ/クレッシェンドで進め

高校生片思い群像劇・合唱付き♪某県某市にある県立花山高校。理系クラスの3年C組は、コーラス大会で「宇宙保安官マックスベータ」のテーマを歌うことになった。花高てぬぐいがもらえる最後のチャンスだ。文化委員の樫(かし)君は、てきぱきと話し合いを進め、いい流れを作ってくれる藤田さんに感謝し、恋に落ちる。でも、藤田さんは伴奏の幼なじみ・柳田君が好き。柳田君は藤田さんには逆らえないものの、好きなのは桜間(さくらま)さん…という具合にままならないことだらけ。男女を超えてパート交換をしたり、朝練したり、音痴を告白したり…もちろん受験勉強もして迎えた本番の結果は!?

私の出身校も田舎の進学校で、ちょうどこんな感じ。わかるわかる…と、ノスタルジーにひたりました。コロナ禍で進学した竹内さんたちの後日談も切ない。竹内さん、全国の女子たちのためにもがんばって!(白泉社)

梅内 創太/四弦のエレジー

19世紀末のドイツ。大音楽家ユリウス・ブロイアーには、2人の息子がいた。実子のアリョーシャは音楽が視えるという特殊な才能を持つが、周囲に理解されず、できそこないだと思われていた。養子のエンリコは、超絶技巧のヴァイオリニスト。アリョーシャのよき理解者であったが、義父の指示通りの演奏しか許されず、傀儡として暮らしていた。ある日、ユリウスはアリョーシャを精神病院へ入れるため、だまして連れ出す。それを知ったエンリコは、自分の演奏でアリョーシャを呼び戻し、2人で家を出てパリを目指すのだが・・・(小学館)

瓜生 花子(原作:浅倉 卓弥)/四日間の奇蹟

その他の本のコーナーにも紹介した朝倉卓弥氏「四日間の奇蹟」のコミック化。ピアニストの道を閉ざされた敬輔、脳に障害を持つ少女・千織、天涯孤独の身となった真理子・・・ヘリコプターの墜落事故で始まった奇蹟の四日間で、それぞれが自分の生を見つめ直していきます。後半は、涙なくしては読めません。原作でも泣きましたが、こっちでもまた泣きました。。。。。(宝島社)

遠藤 淑子/夢見る佳人(エヴァンジェリン姫シリーズ・3)

エヴァ姫のキャラクター、すっごい好き、です。ギャグの中にポン!と飛び出してくる真実・・・・シリアスに言われるよりこたえますね。姫のもとに突然送られてきたフォスターの直筆楽譜と親戚筋の王子、一国の運命を左右するクーデター!とこれだけネタがそろっても、コメディなんです。「この曲は歌曲で、とても美しい曲ですが、私には悲しい歌に聞こえるんです。彼は、どんな夢を見たかったんでしょう?」(白泉社)

大河原 遁(おおかわら とん)、原案協力・監修:片瀬 平太/王様の仕立て屋〜サルト・フィニート〜 より 「呪いの燕尾服」

織部悠(おりべ ゆう)は、紳士服の仕立て屋になるためナポリに渡り、伝説の職人マリオ・サントリヨに弟子入り。師匠譲りの技術と独自の工夫で、多くの顧客から信頼を得るようになる。
ある時、ピッツェリアで出会った世界的指揮者・アグネッリは、職業病でもある肩の痛みが悪化し、医者から静養を勧められていた。織部はアグネッリの燕尾服を見て、「呪いがかかっている」と言う。

単行本(集英社)では1巻に収録されているらしい。私は「漫画家たちが描いた仕事〜プロフェッショナル〜」というシリーズの『ものづくりの仕事』の巻で読みました。(金の星社)

大久保 ヒロミ/すみれ先生は料理したくない

ピアノ教師・白雪すみれは、美人でスタイルもよくて優しくて上品で優雅で、とにかく皆のあこがれの的。しかし、その実生活は、金欠&彼氏なし、独身アラサー街道まっしぐら!家事もカンペキで料理上手と思い込まれているが、特に料理は大の苦手で壊滅的なポンコツっぷり。それならいっそ”料理王子”を探そうと・・・

料理に失敗し、気持ちを整理するためピアノを弾くシーンが最高♪「料理嫌い協奏曲 第5番」「愛と平和のインスタントみそ汁協奏曲」など数々の名曲を生み出してしまうのデス。(ぶんか社)

大谷 紀子/原作:サーフ・坂口/リトル・マエストラ

石川県の漁村のアマオケの指揮をすることになった美咲。メンバーは美咲のことを”天才少女指揮者”と信じているが、それは亡き祖父の大ボラ。実は、音楽一家の中でただ一人楽器ができない落ちこぼれ。高校のブラスバンドの指揮も、部員とうまくいかず追い出されたばかり。そんな彼女が必要とされる喜びを感じ、やりがいを感じ始めた矢先に嘘がバレ・・・
映画(見てないけど)のコミカライズ版。あまり期待してなかったのだが、不覚にも泣けそうになってしまった。フルートのオバサンが、港で「威風堂々」を吹くときはピッコロに持ち替えているあたり、芸が細かいなと思うのであった。(集英社)

尾々根 正/マエストロの暇つぶし

高校の音楽教師・甲本は、長いこと退屈していた。実はヴァイオリニストとして活躍した時期があったらしいのだが、もう何年も弓を持っていない。そんな彼が、もう一度ヴァイオリンを手にしたのは、ピアノ教室の仲間だった有美の結婚式で「カヴァレリア・ルスティカーナ」を弾くことになったからだ。それは、結婚式を目前になぜか浮かない顔をする有美へ、妹の奈美からのサプライズだった。

私が好きなのは、第1話の「レクイエム」。モーツァルト嫌いのおじいちゃんが、自分の葬式にモーツァルトの「レクイエム」を流すように言い残した理由は?そして、膨大なレコードのコレクションはどこへ消えたのか?・・・この暗号は私にも解けたけど、落ちが好き。おじいちゃんがモーツァルトなら、おばあちゃんはコンスタンツェ。(芳文社)

岡野玲子/陰陽師(おんみょうじ)

魑魅魍魎(ちみもうりょう)がはびこる平安朝を舞台に、天才的陰陽師・安倍晴明(あべのせいめい)が大活躍。しかし、ここで注目していただきたいのは、晴明の親友として登場する、源博雅(みなもとのひろまさ)のキャラクター。愛すべき彼の楽器おたくぶりを、ぜひご覧ください。9巻のラストで火の中に飛び込んで名器を持ち出す勇姿には、泣けました。(白泉社)

小野 弥夢/DIVA(ディーバ〜歌姫)

「DIVA」とは、英語でプリマドンナのことらしいです。有名ヴァイオリニストの父と世界的オペラ歌手の母の間に生まれた少女リマが、紆余曲折・波乱万丈の中で母を越える歌手を目指すストーリー。オペラはあまり好きではありませんでしたが、この作品はどの巻もいちいち泣けました。私のお気に入りキャラは、なんといっても妻の立場も母親の勤めも放棄して歌い続ける、リマの母、フィオナ・ロセッティ!かっこよすぎます!(講談社漫画文庫)
追記:続・DIVA
「ラ・ボエーム」も出ました。ミミを熱演するリマ。それを見守るフィオナ。「まだまだよ・・・わたし達の幕は開いたばかり・・・」(講談社)

かかし 朝浩/ムジカ

1830年、ドイツ連邦ザクセン王国、ライプツィヒ。泣き虫の大男シューマンは、ピアニスト・ヴィーク宅に住み込みで弟子入りする。そこで出会ったのは、家事雑用に追われる日々と過酷なまでの英才教育を受ける一人娘クララ。感情を排除されたクララの演奏に疑問を持ったシューマンは、彼女に「音楽の喜び」を伝えようとする。しかし、父であるヴィークは、クララの心を意図的に封印していたのであった。中途半端に目覚めてしまったクララの将来は!?さらに、シューマンとクララの関係に興味を持ったポトツカ夫人が、2人抱き合わせでという条件でパトロンの申し出をするし、天才御曹司メンデルスゾーンまでがクララにちょっかいを出し・・・・・(幻冬社)

片桐 了/tutti!(トゥッティ!)

小さい頃からピアノでもトランペットでも才能を示し、天才といわれた頼成圭斗(らいじょう けいと)は、高校では音楽とは決別し、バスケ部に青春を捧げようとしていた。しかし、音楽のことには口を出さずにいられない面倒な性格が災いし、弱小吹奏楽部にかかわるはめに・・・オケ部の部長・蘭(あららぎ)は、なぜか頼成を敵視し、全校集会で吹奏楽部とオケ部の1年がそれぞれワルツを演奏することになる。ホルンの土井が苦肉の策でジャズ・ワルツをアレンジし、頼成のソロでなんとか様になる演奏をしたものの、最後の音をミスった頼成はリベンジを誓うのであった。(小学館)

勝田 文(かつた ぶん)/あのこにもらった音楽

梅子は芸妓だった母と幼くして死別。母の幼なじみの女将が営む旅館で育てられる。旅館の一人息子・蔵之介は、かつて天才と謳われたピアニストだったが、1位を期待されたショパン・コンクール本選前夜の事故で再起不能。そんなある日、梅子の前に、18年間音信不通だったドイツ人の父が現れて・・・すごいストーリーでしょ?ところが、これがほのぼの系コメディなんだな。私的には、『亡き王女のためのパヴァーヌ』と千夜子さんのお話『金糸雀序曲(かなりあじょきょく)』が好き。一大決心をした蔵之介少年に、「馬ぁ鹿、音楽は音楽。あんまり大仰なこと言うもんじゃないよ。」と返す台詞がいいですわ♪(白泉社)

上条 明峰(かみじょう あきみね)/たんさんすいぶ

主人公・進太郎はジオラマ好きの無表情な少年。進学先の高校で入部先を探すうち、友人に連れられて吹奏楽部に迷い込む。そこで出会ったのは風変わりな吹奏楽部員たちとボロボロのサックス。そのサックスを磨き上げると、そこには金髪碧眼の美少女が!?進太郎は、なぜか楽器が人間に見え、声が聞こえるのだ。そして、細かい作業好きの性格と絶対音感を発揮して、なんだかんだと吹奏楽にはまっていくのだが・・・(講談社)

かわい 千草/僕らの奏でる物語

中等部にやってきた黒髪の転校生・リュカ。中途半端な時期の転入には事情がありそうで、本人も無口で周囲になじもうとしない。クラス代表の優等生・ニコルはリュカの面倒をみることになるが、声を出しにくそうにしている彼に対し、何気なく「声変わり」という地雷を踏んでしまう。リュカは、実はイデアロ少年合唱団でソプラノとして活躍していたらしいのだ。リュカと親しくなろうとするニコル。ニコルにも大変だった時期があったようなのだが・・・(新書館)

かわぐち かいじ 原作:藤井 哲夫/僕はビートルズ

ショウ、マコト、コンタ、レイの4人は、ビートルズのコピー・バンド「ファブ・フォー」として活躍していた。しかし、ジョン役のレイが辞めると言い出して危機に立たされた矢先、昭和36年・・・奇しくもビートルズのデビュー前年へタイム・スリップしてしまう。そして、マコトが自分の曲だと偽って演奏した「イエスタディ」をきっかけに、自分たちがビートルズになろうとする。一方、リヴァプールでは、本物のビートルズが活動を止め、消えたかと思われたが・・・ショウたちは、ビートルズになれるのか!?歴史は、どう変わるのか!?(講談社文庫)

川原 泉/オペラ座の怪人

「笑う大天使(ミカエル)」シリーズのひとつ。少しばかり人生に不器用な心優しいオペラ歌手ハル君と、彼のお守りのクマ、ルドルフ・シュミット君の心温まる、でも悲しい物語。余談になりますが、「蝶々夫人」や「椿姫」などについては、私は和音・柚子・史緒と同意見ですな!!!食欲魔人シリーズの「ミソ・スープは哲学する」もおすすめです。(白泉社)

河原 和音/青空エール

小学生の頃テレビで見た甲子園の風景が忘れられず、つばさは吹奏楽と野球の名門・白翔(しろと)高校に入学する。甲子園のスタンドでトランペットを吹くことが夢だったのだ。しかし、全国を目指す吹奏楽部のレベルは高く、初心者のつばさは居場所がない。希望通りトランペット担当になったものの、同じ1年生の水島に「辞めてくれないかな」と言われ、ショックを受ける。くじけそうなときにいつも励ましてくれるのは、同じクラスになった野球部の山田大介だ。一緒に甲子園に行こう!と励まし合ううちに、つばさは大介を「好き」という気持ちに気がつき、打ち明けるのだが・・・(集英社)

木尾 士目(きお しもく)/はしっこアンサンブル〜端本工業高校合唱部

端本工業高校機械科1年生・藤吉晃(ふじよし あきら)。低すぎる声にコンプレックスを持ち、人と話をするのも自分を表現するのも苦手だ。工業高校を選んだ理由のひとつは、人と喋らなくてもいい仕事につけるかもと思ったからだ。一方同じ新入生で電子科の木村仁は、合唱部を立ち上げようと放課後にエントランスホールで一人歌い続けていた。張り切りすぎて周囲から浮いている木村だが、藤吉は「僕と正反対の人」とうらやましくもある。木村は藤吉の低い声を聞き、「君の声が必要なんだ」と合唱の練習に誘う。木村には、もう一人気になる生徒がいた。建築科の金髪・折原昴星(おりはら こうせい)だ。木村は、常にイヤホンで何かを聞いている折原をスカウトしようとラグビー部と対決するのだが・・・

ちらっと登場する吹奏楽部も気になる。楽器自前のマニアックな先生3人が顧問で、同好会から部に昇格したばかり。吹奏楽部編も出ないかな。(講談社)

菊池 直恵/ある吹部での出来事 

春、とある高校に入学した北島は、「女子がいっぱいいて、顧問も先輩も美人」という同じクラスの後藤の言葉にのせられて、吹奏学部に入部する。後ろの席の細川も道連れだ。彼ら新入部員を待っていたのは、上級生だけではなかった。夜更けの音楽室では、擬人化した楽器たちが新入生の品定めを始める。中学ではクラリネットを吹いていた後藤は、3年の時、強豪校の演奏会でファゴットに一目ぼれ。公立校合格を条件に、ファゴットの「ケンタくん」を買ってもらう。後藤に好意をもち、家でも筋トレに励んだ細川はトランペット。北島は、元水泳部の体力を見込まれ、伝説の「第3のチューバ」を担当することになる。やる気になれない北島だったが、同じ初心者の細川が上達していくのを見て・・・

一見色っぽい美人の二重人格顧問は、フルート奏者。擬人化フルートちゃんは、笑顔で本音丸出しの毒舌家。ワンテンポ遅い裏打ちホルンちゃんや、中間管理職的ユーフォちゃん、個性豊かなサックス族、人のよさそうなバスクラちゃんや優しいコンバスちゃんなど、楽器たちもがんばってます。(KKベストセラーズ)

きゅっきゅぽん/Bowing!〜ボウイング〜

ボウイングっていうのは、日本語でいうと「運弓法」・・・って、この日本語、聞いたことないや。要するに、ヴァイオリンとかの弦楽器で、弓をどのように動かすかってことです。楽器に当てる角度、強さ、方向とかいろいろ。アップ(弓先→弓元)かダウン(弓元→弓先)かでも全然違うものらしく、私の師匠もよくそれで説明されます。って、ヴァイオリンは触ったこともないので、これぐらいにして。

久保提凛音(くぼて りお)は、幼いころから天才ヴァイオリニストとしてもてはやされていたが、中1にして目標を見失い、行き詰ってしまう。ステージ恐怖症と都会に合わない身体になり、音大附属中学校から逃げるように母の故郷である田舎の中学校へ転校。後ろの席の朝倉てんは、学校へほとんど来ない変人で、周囲から浮いた存在だった。しかし、てんは特別な「耳」を持ち、亡くなった母親の音を探していた。てんは、凛音の弾くヴァイオリンの中に母親の音を見出す。凛音は成り行きでてんにヴァイオリンを教えることになるのだが・・・

演奏する意味を見失った天才少女と天然系で耳のいい男子・・・って「蜜蜂と遠雷」のヴァイオリン・ヴァージョンですね。(小学館)

くらもち ふさこ/いつもポケットにショパン

須江麻子の母・愛子は、有名ピアニスト。多忙でほとんど家にいない。麻子は近所の幼馴染”きしんちゃん”(本名:緒方季晋:おがたとしくに)とピアノのレッスンに通い、季晋の母・華子を実の母のように慕っていた。しかし、中学進学を前に、緒方母子はドイツへ留学。間もなく、列車事故で華子は死亡、季晋はけがで失明のおそれというニュースが入り、その後音信不通となる。高校生になった麻子はピアノを続けてはいるものの、不器用で自信がなく、自分の演奏ができないでいる。そんなある日、季晋と再会。ところが、季晋は、華子は麻子の母をライバル視し、麻子の父を好きだったのに奪われたことで憎んでいたと告げられる。麻子に対しても、劣等感を植え付け、洗脳して愛子に復讐しようとしていた、と。そして、季晋自身も麻子に対して敵対心を示してくる。ショックを受けながらも、優しかった思い出は憎しみだけではなかったと信じ、季晋に近づこうとする麻子・・・(集英社文庫)

呉 由姫(くれ ゆき)/金色のコルダ

普通科と音楽科のある星奏学院。数年に一度行われる学内音楽コンクールには学校に隠れ住む妖精がかかわっているという伝説がある。普通科2年生の日野香穂子は、そんな噂にも無関心だったが、音楽の妖精リリの姿が見えることからコンクールの参加者に選ばれ、魔法のヴァイオリンを与えられる。参加するだけでいい、と成り行きで出場することになった香穂子だが、次第に音楽の楽しさに目覚めていく。一方、他のコンクール参加者たちも香穂子に興味をもつようになり・・・

全然知らなかったんだけど、恋愛シュミレーションゲームのコミックス版ってやつらしい。(白泉社)

桑田 乃梨子/祝福の歌姫

森の奥に住む魔女ハニィは、歌で掃除も洗濯もなんでもできる万能型魔法使い。魔力もたいしたものだけど、残念なことに超絶音痴で破壊力バツグン!ところが、ある日偶然ドラゴンに変えられていた王子を救い、国を護る「祝福の歌姫」として城に迎えられることになる。この王子がまた、ハニィの歌がなぜか美しく聞こえる絶対ダメ音感の持ち主なのだ。大出世のハニィだが、隣国の魔女に逆恨みされたり、王女の縁談に巻き込まれたりと、けっこう大変なことに・・・(幻冬社)

五森 架里(ごもり かり)/FLUTEMAN〜フルートマン〜

パワーストーンを扱う術者たち・・・来訪の合図に笛を吹く彼らを、人々は「フルートマン」と呼んでいた。不思議な瞳を持つフルートマン・タイガーアイは、ある村で負の気を帯びた石に出会う。この世界を破滅に導こうとしているフルートマンがいるのだ。人の優しさを信じるタイガーアイは、負の気を操るブルーサンドと火山の町・カレで対決するが・・・ネイティブ・アメリカンのフルートマン(ココペリ)をモチーフにした作品。(エニックス)

さいとう ちほ/花音(かのん)

作曲家・天童は、モンゴルで天才バイオリニスト・花音と出会う。花音の母は、死の間際に、音楽家である父の存在を知らせる。日本に渡った花音は、父を探し始める。カメラマンだった母と当時うわさがあったのは、3人の音楽家。花音の父親は、誰?一方で、花音は天才指揮者・三神に惹かれていくが、彼は年上の愛人の娘と結婚。花音の想いは・・・(小学館文庫)

斎藤 倫(さいとう りん)/水晶の響

実在のバイオリニスト・式町水晶(しきまち みずき)さんをモデルにしたオリジナル・ストーリー。ドキュメント「水晶の音」も1巻に収録。

脳性まひと診断された水晶は、バイオリニストを目指している。耳の聞こえない親友・なっちゃんに自分の音をどう伝えたらいいか悩むが、なっちゃんが卒業する日、自分の演奏でなつきが踊る姿に一体感を味わう。6年生になった水晶は、それまでの支援学級から新しい学校の通常級へ移ることにするが、そこで障がいに対する偏見やいじめに出会い・・・(講談社)

坂田 靖子/月の山

昔々、貴族達が都で雅な生活を送っていた頃、中の塚を越えたあたりに空木の沢(うつきのさわ)という場所がありました。月の姫君が来て笛を吹くというので評判になっていたのですが、笛の好きなある男がそこで笛を吹くと・・・・坂田氏の漫画には、独特の雰囲気があって好きです。笛には関係ないけれど、またまた安倍晴明(あべのせいめい)が登場する「葛の葉」も好き!(潮漫画文庫、坂田靖子セレクション・第5集、「芋の葉に聴いた咄(はなし)」珍見異聞1 収録)

佐々木 倫子/動物のお医者さん

ハムテルこと、西根公輝(にしねまさき)は獣医を志す大学生。プロの声楽家である母とピアニストの父の間に生まれながら、音楽的才能には部分的欠如があるようである。第11巻では、母が主演する「トスカ」にエキストラとして出演することになるのだが・・・・このネタ、実は他の小説でも見かけたんですけど、有名な話なんでしょうか?(白泉社)

さそう あきら/神童

名門音大を目指し浪人中の和音は、野球好きの少女と出会う。彼女の名は、成瀬うた。今は亡き有名指揮者を父に持つ、天才ピアニストだった。自由奔放なうたに『音楽』を教えられ、和音は無事音大に合格。そして、大学で出会った声楽科の香音には『歌』を教えられ、和音は自分の音を見つけていく。一方、華麗なるデビューを果たし、全世界に注目されるようになったうたには、過酷な運命が待ち構えていた・・・(双葉文庫)

さそうあきら/マエストロ

不況で解散した中央交響楽団が、謎の指揮者・天道のもとに再結成する。ところが、この天道、破天荒だしエロイし・・・なにかにつけとんでもないのだ。コンサートのプログラムは、「運命」と「未完成」。天道の真意は・・・!?

解散前の楽団員の他に天道がスカウトしてきた新しいメンバーもいるのだが、フルートのあまねもその一人。彼女は、定食屋でたくあんを食べる音で採用された。たくあんをかじる音がよい→硬口蓋が高い→管楽器でよい音が出る、ということらしい。なるほどね〜!しかし、次第に彼女の過去も明らかになる。阪神大震災で目の前で両親を亡くした体験が、彼女の音にも影響しているのだ。

一番泣けたのは、2巻の「アンダンテ・コン・モート」。チェロの首席・榊とコンマスの香坂は、3年ほど前につきあっていたことがあるが、今は他の楽団員もうらやむ大人の関係。そんな彼女の思い出と「運命」の第2楽章が重なる。

ピッコロはいないのかと思いきや、3巻に入ってから、エキストラの「サムライの沖田」氏が登場!循環呼吸もできるんだよ。いい味出してるのだが、残念ながらあまり出番がない。(双葉社)

さそう あきら/ミュジコフィリア

漆原朔は京都芸術大学の美術学部に入学。しかし、ひょんなことから現代音楽研究会に入ることになる。そこには朔が嫌っている異母兄の大成や、その恋人で憧れの小夜がいるのだ。実は、朔はモノの形や色が「音」として感じられる共感覚を持っていた。音楽中毒者(ミュジコフィリア)が集まる研究会の中で、朔は次第に自分の音楽を見つけようとしていく。同じような共感覚を持つ凪、ラジオのホワイトノイズで音と戯れる不思議な少年・蓮太郎、小夜の妊娠・・・最後にたどり着いた音楽は!?

私のお気に入りキャラはアラマキさん。パーカッションがうまくて、ボンチチで、実はとっても乙女なんだよ。(双葉社)

真田 つづる/彼女の音色は生きている

同世代で知らぬ者のいないバイオリニスト・天音律(あまね りつ)。同じスクールに通う牧野小弦(まきの こいと)は、コンクールで憧れのラロを弾く律と親しくなる。律に励まされ、小弦は自分もラロに挑戦することにする。一方、律の前に、神条(しんじょう)アルマという少女が現れ、「おまえを倒すために日本に帰ってきた」「4年前の雪辱を晴らしてやる!」と宣言する。自分の演奏に悩む律は、アルマの音に圧倒される。母に言われるがままに練習してきた律は、小弦やアルマのように自分の演奏がしたいと考え、弾きたかったショパンをやりたいと言う。当然母に猛反対されるが、母は離婚した父を見返したいのだということに気づき、優勝できなければバイオリンを辞めるという条件でコンクールに挑む…(秋田書店)

佐藤 史生/死せる王女のための孔雀舞(パヴァーヌ)

七生子(なおこ)の前に現れた不思議な少女、水絵。彼女は、絶縁状態だった叔父の娘であると名乗るが・・・・なぜか動揺する両親。七生子の出生の秘密。ラベルの曲のオルゴールと幻想的な孔雀の絵。BGMはもちろん、かの名曲でお楽しみください。音楽関係の作品ではないですが、「夢見る惑星」「ワン・ゼロ」などもおすすめです。(新書館)

島田 虎之介/トロイメライ

1台のヴァルファールトのピアノをめぐる物語。ヴァルファールトというのは架空のピアノ・メーカーですが、20世紀初頭、植民地の暑さや湿気にも耐えられるように作られたという設定。カメルーン、ジャカルタ、イラン・・・そしてサッカー・ワールドカップに沸く日本へ、ピアノと登場人物たちは集結する。ナツ子は、ヴァルファールトを生き返らせることができるのか。マンベ・マンベは、ピアノにかけられた呪いを解くことができるのか。そして、奏でられる『トロイメライ』の最初の1音。「世界はまだあるように見えるかい?」(青林工藝舎)

神海 英雄(しんかい ひでお)/SOUL CATCHER(S)〜ソウルキャッチャーズ

高校生・神峰翔太(かみねしょうた)は、人の心が見える能力を持っているため、他人を遠ざけ、深くかかわらないようにして暮らしていた。ところが、ある日、同級生の天才サックス奏者・刻阪響(ときさかひびき)と出会い、人とかかわる楽しさと指揮の才能に目覚める。そして、吹奏楽部に入部し、指揮者を目指そうとするのであるが、一癖も二癖もあるパートリーダーたちの中には、なかなか翔太を認めようとしない者もいて・・・超視覚型吹奏楽グラフィティ、熱血も青春も、ちょっぴり恋もあります。(集英社)

新川 直司/四月は君の嘘

母の死をきっかけに自分のピアノの音が聞こえなくなり、ピアノを弾けなくなった元天才少年・有馬公生。幼なじみの椿や渡と中学校生活を送りながらも、彼の日常はモノトーンだった。ある日、椿と同じクラスの女の子が渡に紹介してほしいと言ってるから付き合って、と呼び出された公園で、ピアニカで鳩を呼ぼうとしている不思議な少女に出会う。実は、それが渡の相手・宮園かをりだった。その後のコンクールの舞台で自由奔放なヴァイオリン演奏をするかをりに、公生は衝撃を受け、強く惹かれていく。かをりとの出会いで、公生の日々はカラフルに色づき始めるが・・・

私のお気に入りキャラは、公生でもかをりでもなく、公生のライバル・井川絵見ちゃん!気分屋さんでツンデレでドSなんだけど、とっても一途でかわいいんだよ。KKE(キュンキュンエミポンズ)という怪しげなファンクラブも暗躍しているようだけど、当然だね。エミポンの師匠である“魔女”落合先生も、とってもよいんだけど。(講談社)

すいた/音のレガート

美和音(みわ おと)15歳。小さい頃は病気がちで、家にこもっているとクラシック好きなおじいちゃんが、いろいろな音楽を聴かせてくれた。高校では吹奏楽部に入ろうと思っていたが、何年か前に廃部。がっかりしていた矢先、金管楽器の音に惹かれて音楽室をのぞくと、アンサンブル同好会の4人が活動していた。もう一人トランペットを加えて金管5重奏が組みたい、と強く誘われ、音はトランペットを始める決意をする。

アンサンブル「部」として部活設立し、顧問も決まり、合宿・・・と、まずは順調な滑り出し。とりあえずの目標として、市民音楽祭で演奏することになるが、曲決めで皆がやりたいと思った曲が、2ndトランペットの出だし。皆は初心者の音にを使い、他の曲をやることになる。音も自信がなく「やる」と言えないまま、もやもやした気持ちを引きずるのだが・・・

いろいろ読んだが、とうとう金5きたか!私的には笛の出番がなくて寂しいが・・・「美しい和音」、よく考えたら、すごいネーミングだ。音が素直な初心者なので、すいすい読める感じ。暴走しがちな1stトランペットの万里(ばんり)は、けがが原因で陸上から転向したという設定。そういうの多いな。逃げ道塞がれて仕方なく顧問になった感のある花島先生も、思いの外いい働きをしている。アンサンブル・コンテストを目指すようなのだが、この先どうなるのかな?(芳文社)

鈴木 のりたけ/仕事への道2 獣医師・オーケストラ団員・地域おこし協力隊

この本、どこに分類するべきかさんざん迷ったのですが、結局ここへ。実在する方たちがその仕事につくまでのリアルヒストリーです。小中学生キャリア教育向けのコミックエッセイ?でも、ドキュメンタリー番組みたいで、大人が読んでも十分おもしろいです。オーケストラ奏者として紹介されているのは、新日本フィルハーモニーのヴァイオリン奏者・佐々木絵里子さん。でも、この人もなるべくしてなったという感じがするなあ。(ブロンズ新社)

鈴木 有布子/ひとふれ

響子は美人でピアノの才能もあるのに、自己評価が低い音大生。仕送りも途絶え、バイト先も失い、ピアノも絶不調・・・という時、担当教官の紹介で出張ピアノ講師をすることになる。相手は超名門校に通うハーフの美少年・瑛流(えいる)。自信満々、怖いものなし、自分と正反対の瑛流に気に入られ、ますます落ち込む響子。しかし、憧れの藤重先輩の音をなぞるような演奏を指摘され、「響子さんらしさってほかにあるんじゃないの?」と言われて・・・(マッグガーデン)

皇 なつき(すめらぎ なつき):作画、恩田 陸:原作/蜜蜂と遠雷

その他のフィクションのコーナーにある同名作品のコミック化。映画化(2019年)もされました。さすが少女マンガ。マーくんは、こっちの方がイメージ近いな。でも、もうちょっとラテンっぽくてもいいかも。反対に明石は、映画のメガネ君も捨てがたい。あくまでも好みですが。アーちゃんと塵くんは、こんなもんかな。っていうか、この2人はけっこうはっきりイメージできるんだね。そこそこ原作にも忠実で、演奏シーンをどう漫画化するのか先が楽しみです。(幻冬舎コミックス)

竹宮 恵子・増山 のりえ/音楽漫画共作集〜変奏曲 T・U、ウィーン協奏曲

ピアニストのウォルフとバイオリニストのエドナン・・・・全くタイプの違う2人の天才の出会いと友情。さらに、彼らの息子たちもまた、それぞれの悩みをかかえながら、自分の音楽を見出そうとする。この壮大な物語もよいのですが、私はなぜか「ウィーン協奏曲」収録の『ワン・ノート・サンバ』が好きです。これも、タイプの違うライバル2人のお話か。永遠のテーマですね。(創美社)

竹村 かほり/空のオルガン

時代は昭和初頭。舞台は横浜。音楽を志す少年・恵庭ゆき。頑固だが家族思いの父。優しい母。帝大でロシア文学を学ぶ兄。盲目の妹。家族や様々な人との出会いや別れを通じて、ゆきは成長していく。いつかヨーロッパ留学することを夢見て勉強を続けるのだが、やがて戦争の影がゆきの夢を脅かすようになる。巨匠ブリューゲルに才能を認められ、アメリカに誘われるのだが・・・(集英社)

太刀掛 秀子/秋への小径

ピアニストの母と出来のいい妹のかげで居場所のない少女・響子。実はヴァイオリンをやりたいのだが、母はどうしても許そうとはしなかった。そんなある日、響子は、ドイツから来たアロウという少年と出会う。アロウはなぜか響子のことを憎んでいるようなのだが、その理由はわからない。さらに、幼い頃に事故死した父は、車道に飛び出した自分をかばったのだと知り、母に疎まれるのも仕方がないのだと悟る。母に少しでも愛されようと、響子はヴァイオリンをやめる決心をするのだが・・・(集英社文庫)

谷 朋(たに とも)/癒楽師の森

奏でる音で病や傷を癒す「癒楽師」。その一族の中にルビィという少女がいました。一人前の癒楽師を目指し、一生懸命なルビィですが、学校では落ちこぼれ気味。そんなある日、わけありな転校生・パールがやってきます。パールとともに励ましあいながら練習するルビィ。そして、試験の日・・・(幻冬舎コミックス)

たらさわみち/ニャーゴ協奏曲

猫と音楽の優しい時間、6編を収録した短編集。私のお気に入りは第3話。繊細な耳を持つミケコの家の坊・洲(シュウ)は、ボーイソプラノを生かし、教会の聖歌隊で歌っていた。しかし、14歳も近づき、同級生には「女みたい」とかわかわれるようになる。伴奏をしている森さんに愚痴ると、「町内のど自慢大会で一発かましたれ!」と出場することになるのだが・・・(少年画報社)

たらさわ みち/バイエルンの天使

テルツ少年合唱団の団員たちを主人公にした作品。シューベルトに似たシュミット先生。OBのハンス君。実力派のクールなジクゥート。トム、ディー、アラン・・・・みんな、いい味出してます。実は、私、テルツの演奏会を聴きに行ってしまいました。ステージの上でも何かをしでかしそうな自然体の少年たちは、魅力あふれる歌声の持ち主でした。(講談社)

筒井 美雪/未完成ピアニスト

白城(しらき)音楽高校ピアノ科1年・彩坂二葉(あやさか ふたば)。ピアニストを目指し、練習に明け暮れる日々。しかし、生まれつき極度のあがり症のため、実力によるクラス分けではCクラスの最下位。このままでは留年!一方、2年生の一ノ宮王輝(いちのみや おうき)は、指揮者の父とピアニストの母をもつ音楽サラブレット。17歳にして国際コンクール優勝。ついたあだ名が「ピアノの皇帝」。放課後、のびのびと弾く二葉の演奏を聞いた王輝は、あがり症を克服させるため、練習につきあうようになるが・・・(白泉社・花とゆめコミックス)

鶴谷 香央理/吹奏楽部の白井くん 〜鶴谷香央理短編集「レミドラシソ」収録

女子高生・安達は、吹奏楽部でパーカッションをやっている。同じパートの白井くんは同じクラスで、安達にも敬語で話す。白井くんは、あまりリズム感がよくないけど、ものしりで、なに考えてるのかよくわからないけど、時々なんかわかって・・・特になにか事が起きるわけでもなく、日常が淡々と過ぎていく。全国大会を目指すわけでもなく、恋が生まれるわけでもない。でも、安達さんのモノローグには、きゅんとくる。「私はただ、白井くんのやる気に応えたい。白井くんの新しい携帯電話に電話をかけてみたい。ただ名前をよんで、走っていって、にこっと笑いたい。」

元夫にもらった香水にこだわる教師のために香水を調合する女子高生・優の話、「ル・ネ」も、ちょっといい感じ。(角川書店)

露 がも子(つゆ がもこ)/カストラート

18世紀イタリア、ナポリ王国の音楽院。“神に愛された声を持つ少年”アルフレドは、カストラートとして将来を嘱望されていた。作曲家を目指すエミリオはアルフレドに憧れ、彼のために作曲するのだが、「つまらない」とダメ出しの連続。その一方で、アルフレドはエミリオをかまい、なにかとちょっかいをかけてくる。自由奔放なアルフレドに翻弄されるエミリオだったが・・・

他に「天使の鳥籠」「レオの結婚」も収録。いい人すぎるカルロが、けっこう好き☆(徳間書店 Charaコミックス)

手塚 治虫/手塚治虫マンガ音楽館

巨匠・手塚治虫の作品の中から、音楽をテーマにしたものを集めました。巻頭の「虹のプレリュード」は、19世紀、ロシアのポーランド進攻を背景に、亡き兄の身代わりに男装して音楽院に入学したルイズ、地下組織で活動するヨーゼフ、そして若き日のショパンのからみを描く懐かしい作品。私が好きなのは、対照的な2人の指揮者を描いた「雨のコンダクター」。でも、巻末の「ブラックジャック/ストラディバリウス」は、以前からそうだが、どうしても好きになれない。私が凡人だからだろうか。。。。。(ちくま文庫)

手塚 治虫/ルードウィヒ・B

ヨーゼフ2世の側近、クロイッシュタイン公爵の息子フランツとルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェンとの運命的な出会い。ルードウィヒの耳の障害の原因は・・・・?手塚氏ご逝去のため、未完の作品。合掌。(潮ビジュアル文庫)

土岐 蔦子:漫画、二宮 敦人:原作/最後の秘境 東京藝大 〜天才たちのカオスな日常〜

エッセイのコーナーにある同名作品のコミック化。奥さん、天然系でカワイイ☆実物もこんな感じなのかも。ほぼ原作通りですが、時々原作にないこぼれ話や、漫画家さん自身のエピソードも入っていて楽しい。土岐氏のおじいさんも藝大(正しくは東京藝大の前身である東京美術学校)建築家出身なんだそうです。このおじいさんが、またいい味出してます。こういう人たちが戦争なんかに巻き込まれず、毎日毎日絵を描いてたら、美術史も違ってきたかも・・・と考えてしまった。2巻以降も出るらしいので、楽しみ!(新潮社)

長岡 良子/卯の花月夜 その闇に

笛の名手・惟則(これのり)は、中務宮家の宴で名笛「梧桐(ごどう)」を吹く機会を得る。不思議な出来事のせいで、梧桐は惟則のものとなるのだが、笛とともに幼い頃他界した中務家の息子・春栄丸の霊もついてきてしまった。彼は、妖魔に取り付かれた姉を助けてほしいというのである。妖魔を退治するには、梧桐に棲む鳳凰を優れた奏者の力で呼び出さなくてはならない。惟則は、梧桐を手に中務邸へ向かうが・・・(秋田書店、ボニータ・コミックス「空より花の散りくるは」収録)

二ノ宮 知子/のだめカンタービレ

有名ピアニストの息子でエリート音大生の千秋真一。彼は、渡欧して指揮の勉強をしたいと思いつつも、飛行機恐怖症のため実行できず、悶々とした日々を送っていた。そんなある日出会った、「のだめ」こと野田恵。隣の部屋(ゴミため)の住人、ピアノ科、とてつもない変人!!!彼女の個性(?)に振り回されつつも、千秋は人間的・音楽的成長を・・・とげることができるのか!?のだめちゃんもいけてますが、私のお気に入りキャラは、コンバスの桜ちゃん。身長148センチ。小柄な体型と貧乏にも負けず、コンバスを弾くのだ。(講談社)

萩尾 望都/あぶな坂HOTEL〜雪山へ〜

あの世とこの世のあわいに立つあぶな坂ホテル。フルートの「アメージング・グレース」が聴こえる雪の日に迷いこんできたのは、スキーヤーの雅也だった。彼は、雪崩で見失った兄・竜一と再会するが・・・雪に埋もれた兄弟を探し続けたのは誰?泣きながらフルートを吹いた愛里と結婚したのはどっち?現世に帰れるのは一人。せつない決断の末の「さよなら」に、またフルートの音色が響く。(集英社)

萩尾 望都/完全犯罪(フェアリー)

ミュージカルという華やかな舞台の裏で、主演女優が謎の死を遂げた。自殺か他殺か?甲斐よしひろの曲にのって展開するサスペンス・ドラマです。挿入曲は、「冷血(コールド・ブラッド)」「ランデヴー」「悲しき愛奴(サーファー)」など。他の音楽的要素を持つ作品では、「銀の三角」「モザイク・ラセン」「ラーギニー」「海のアリア」「白き森・白き少年の笛」なども、こたえられませんね〜!!!(小学館)

波津 彬子(はつ あきこ)/雨柳堂夢咄(うりゅうどうゆめばなし)

骨董屋・雨柳堂店主の孫息子・蓮(れん)は、ものに宿る“想い”が見えるという不思議な力の持ち主。そのせいか、雨柳堂にはいわくつきの品々が集まって・・・第24話「寒月の笛」は、吹き手を選ぶ能管・寒月の話。、第32話「花野」は、右腕を失ってさまよう小鼓の名手の話。第10話「夜の子供」のせっかちな唐子たち、第26話「橋姫」の“美しくやさしい”橋姫様も好きだなあ☆(朝日ソノラマ・ソノラマコミック文庫)

原 ちえこ/風のソナタ

古本屋で百均になってる文庫本を買いました。 

ピアニストを夢見る主人公アリスは、ロンドンで何不自由なく暮らすお嬢様。 ところが家が破産し、ボンボンの婚約者には婚約を解消され、大好きなピアノも借金を返すための競売にかけられ、田舎に引っ越すはめになる。 田舎で音楽教師の職を見つけ、校長の息子で画家を目指すローリーという恋人もでき、なんとか生活を始めたものの、今まで一家を支えてきたおばあ様は心労で寝込む、贅沢に慣れた妹と弟は我儘放題、アリスは細腕で家計を支えるのであった。 その後も妹に恋人をとられるなど、けなげな主人公にふりかかる試練の数々・・・それでもピアニストへの夢をあきらめないアリス。 

小中学生の頃、こういうの読んだなあ・・・1巻は(ああ、またきたね、お約束)という感じで読んでいましたが、2巻ではちょっと泣いてしまいました。結局、女の子はこういう話が好きなのよね。 

文庫本2冊で200円。もとはとったな。(講談社ポケットコミック)

福山 庸治/マドモアゼル・モーツァルト

モーツァルトは女性だった!という大胆な設定のもとに展開する物語。荒唐無稽といえなくもないけれど、もしかしたら本当は・・・・と思わせてしまう作品です。モーツァルトの才能を見出し、男として育ててしまう父親。モーツァルトの正体にうすうす気づき、惹かれていくサリエリ。コンスタンツェとの偽装結婚。こうしたストーリーが、シリアス・タッチではなく、むしろコメディでえがかれていきます。(弓立社)

文月 今日子/原作・新井素子/グリーン・レクイエム

人気SF作家・新井素子の原作を漫画化。大学で生物学の研究をする嶋沢信彦。、ある日立ち寄った喫茶店でショパンの「ノクターン」を弾く美少女・三沢明日香と出会う。彼女は、信彦が幼い日に出会い、生物学にのめりこむきっかけとなった、緑色の髪の不思議な少女と同一人物であった。2人はやがて愛し合うようになるが、明日香には驚くべき出生の秘密が・・・・(講談社)

冬目 景/僕らの変拍子

事故で手を痛めてピアノを辞めた柳川は、音大進学をあきらめて、早々に幼馴なじみの晴子が受験する大学に推薦入学を決める。目的を見失い退屈な日々を送る柳川は、ある日、帰宅途中に廃屋に人が出入りするのを見かけ、中へ入る。そこで出会った同級生の少女・有島に声をかけられて、ある物をもらい、廃屋に通うようになるが・・・トリップしてもピアノのことを考えている柳川が切ないというか、かわいいというか。そして、最後に柳川が選んだ道は?(幻冬舎)

槇村 さとる/まみあな四重奏団

ヴァイオリニストの父とピアニストの母の間に生まれた小泉家の四兄妹。 末っ子の花梨は、落ちこぼれの音大付属高校受験生。 才能豊かな双子の片割れ・和音は花梨の自慢だったが、実は二人の血はつながっていなかった・・・ なんか音楽系の漫画って、こんな設定がよくあるよね。 でも、それなりに泣けました。 お父さんとお母さんがのほほんとしていて、あまり深刻じゃないところがいいかも。 二人のお兄さんたち、お笑い系のあーちゃんとヘヴィメタの拓坊が、いい味出してます。 潤子さんは、どうしたって花梨と同い年には見えんぞっ!それに、どういう家庭環境なんだ。(集英社文庫)

松岡 健太/左手のための二重奏

すさんだ日々を送る不良中学生・的場周介(まとば しゅうすけ:シュウ)。“天使の左手”と言われる天才ピアニスト・弓月灯(ゆづき  あかり)は同級生。偶然一緒に終電を乗り過ごしてしまった2人は、自転車で帰ることになる。灯の語る夢に心動かされたシュウだったが、早朝の交差点で交通事故に遭い、灯は死亡、シュウも左手が使えなくなる。責任を感じ、ビルから飛び降りたシュウを止めたのは、左手に宿った灯だった。ピアノで世界中を笑顔にしたい!という灯の願いをかなえるため、シュウは灯の父・御影(みかげ)にピアノを教えてほしいと頼む。そして、灯を失って何かが壊れ始めた親友・久遠音理(くおん ねり)を救おうと、コンクール出場に向けて特訓を始める・・・

「寄生獣」ピアノ・ヴァージョン!と思ったのは、私だけかなあ?(講談社)

マポロ3号/PPPPPP(ピピピピピピ)

12月31日、偉大なピアニスト音上楽音(おとがみ がくおん)を父とする7卵性の7つ子が誕生した。7人全員ピアノを弾くのが大好きだったが、そのうち6人は天才、ラッキー一人だけが凡才だった。母親は離婚し、ラッキーだけを連れて家を出る。ところが、産後悪かった体調がさらに悪化して入院。余命2年であることを知った母親は、「ピアニストになって」とラッキーに音高へ進学するように言う。実技試験でラッキーの才能に気づいた音高の教師・出田英雄(だだ ひでお、通称DADA)のおかげでなんとか合格するが、実技の授業初日に出田から出された課題は、「亡き王女のパヴァーヌ」で主席の古須亜子(ふるす あこ)と対決し、勝った方が出田の門下生になるというものだった…(集英社)

丸 美甘(まるい みかん)/いろどり高校合唱部より

赤羽小梅(あかばね こうめ)、高1。重度のアニソンおたく。友達もなく、一人カラオケでアニソンを歌いまくるのが趣味。そんなある日、空き教室を一人で掃除するはめになり、我慢できずにアニソンを歌っていたところを白鳥アリアと黄瀬(きせ)ひよこの2人に強く勧誘され、合唱部に入ることになる。本人に自覚はなかったが、アニソンの完全コピーとカラオケで鍛えた小梅の歌は素晴らしいのだ。しかも、楽譜は読めないのだが、一度聞いた歌は完璧に再現できるという才能も持ち合わせていた。友達と一緒に歌い、自分の好きなものを認められる楽しみを見出した小梅。メンバーを増やすため、歌の上手い同じクラスの青海司(あおみ つかさ)に歌で挑むことになるのだが・・・

私のお気に入りキャラは、部長の白鳥アリア。副部長のひよこが、ツンデレ言葉を通訳してくれるのだ。「いちいちおびえないでくれるかしら」=ごめんね怒ってないよ、「小学生でもしないようなドジね」=かわいいね、どんまい!…という具合です。(スクウェア・エニックス)

ミキマキ/ヒビキノBB 〜男子校吹奏楽部ライフ〜

私立響野学園高校吹奏楽部トランペット2ndの宍戸は、ある決意をした。自分の代わりにトランペットを吹く奴を見つけて、部活を辞めるのだ!そして彼女を作るのだ!!そして、奇跡の肺活量を持つ同級生の御空(みそら)を見つけてきたが・・・熟女マニアの部長にメガネ男子の副部長、イケメンモデルや地味男子、元ヤンキーに体育会系、おバカな男子たちの吹奏楽ライフに大爆笑の4コマ漫画。ちなみに、フルート・パートのメンバーは、超潔癖症のパートリーダー・北千住さん、コスプレ・マニアのピッコロ担当・瀬場くん、帰国子女のアリスくんです。作者は、双子の姉妹で、もちろん吹奏楽部経験者。作品はWEBでも公開されていて、作品中のキャラと恋愛が楽しめるゲームもできます♪(秋田書店)

水谷 愛:漫画、宮下 奈都:原作/羊と鋼の森

新米調律師・外村の成長物語。2016年本屋大賞1位、映画化もされた、宮下奈都の小説のコミカライズ版。板鳥さん、美中年☆原作にないシーンもあるけど、違和感ないです。外村くんと和音の関係が恋愛ムード盛り気味。和音が楽器店のガラス越しに外村に語りかけるシーンは、けっこう好きだな。(小学館)

みの田うろす/吹奏楽器擬人化まんが

この頃はやりの擬人化漫画、吹奏楽の楽器たち(含打楽器、コントラバス)が擬人化されています。歴史の浅いユーフォ君は小2男子。ソロやハイトーンの重圧に耐えかねるトランペット君は、胃薬愛用でコルネット君にお世話になりっぱなし。いい味出してるのは、楽器的に最長老のホルンさん。トランペット君も思わず敬語で接します。木管最長老はフルートさん。(女性に年齢の話すんな!)メンタルおにつよのピッコロちゃんは、お姉さま(フルートさん)を密かに超える存在(笑)(KADOKAWA)

八橋 はち:漫画、ルビーパーティー:原作、高山 しのぶ:キャラクターデザイン原案/金色のコルダ スターライトオーケストラ

同名ゲームのコミカライズ版、のようです。ゲームやってないからよくわからないけど。
星奏学院音楽科に落ち、普通科に進学した朝比奈唯。オーケストラでヴァイオリンを弾くのが夢なのだが、オーケストラ部の入部テストを受けようとしても、普通科の生徒は相手にもされず門前払い。落ち込む唯の前に現れたのは、指揮者・一ノ瀬銀河。最高の学生オーケストラを作る!と宣言し、唯と、同じく普通科の九条をスカウトする。唯をコンミスに指名し、「国際学生オーケストラコンクール」優勝を目指すと言うが、急にメンバーが集まるはずもなく、アンサンブルがやっとの状態。それでも、活動実績とメンバー集めのためにサイトを作ったり、演奏をしたりするのだが…(一迅社)

山岸 涼子/日出処の天子(ひいずるところのてんし)

若き日の聖徳太子・厩戸王子(うまやどのおうじ)が主人公。特殊能力を持つが故の孤独に苦しむ厩戸と蘇我毛人(そがのえみし)のからみが、読ませます。笛マニアの方は、山岸涼子作品集だと5巻に出てくる龍笛・火雲(かうん)をめぐるエピソードをチェック!笛であって笛ではない、といわれる火雲。厩戸と毛人は、なぜひかれ合うのか・・・・(白泉社)

山下 和美/天才柳沢教授の生活

Y大学経済学部教授、柳沢良則(やなぎさわ よしのり)。道路は右端を歩き、横断歩道以外で道を渡らない。安くてうまい“さんま”のためなら、足を棒にしても歩き続ける。これは道路交通法を遵守し、自由経済の法則に忠実な学者の、克明で愉快な記録である。ちなみに、今は変わり果てた姿となった奥様は、**年前は超美人でピアノの名手。この奥様とピアノをめぐるエピソードが、ほのぼのとさせてくれます。3巻・第31話「想い出がよみがえる時」、9巻・第83・84話「こころ」、11巻・第103話「夫婦の音色」などなど・・・・奥様の話じゃないですが、わがままな女王様とショパンのお話、11巻・第101話「女王の帰還」も好きです。(講談社)

山田 はまち/みかづきマーチ

春休みも塾通いで、勉強漬けの毎日を送る高1の美月。追い詰められた彼女は夜行バスに飛び乗り、秋田で喫茶店を営む叔母・ユキを頼る。叔母のもとで過ごすうち、退屈してきたユキは、配達先の千秋(せんしゅう)高校でマーチングに出会い、衝撃を受ける。「ドキドキするものに出会ったら、絶対手放しちゃダメ」という叔母の言葉に励まされ、ユキは千秋高校に転入し、マーチング部でトランペットを吹くことになる。GWには大会があるのだが、トランペットもマーチングも初めての美月には時間が足りない。パートリーダーから、本番では音を出さなくてもいいと言われたが、音を重ねる楽しさを知ってしまった美月は、今自分にできることを考え・・・(双葉社)

大和 和紀/翼ある者

「ひとりぼっち流花」(ちゃんと読んでないけど)の続編。音大生の深尾海里は、天才指揮者として将来を期待されながらも、音楽への情熱を失い、自堕落な生活を送っていた。そんなある日、音大生の集まる喫茶店を経営する宮村流花(るか)と出会う。死んだ恋人を思い続ける流花に、海里は強く惹かれていく。自分自身や音楽に再び向かい合うようになった海里に流花も心を動かされるのであるが、亡き恋人シモンとの思い出をどうしても忘れることはできない。そして、シオンとの思い出の家が火事で燃えてしまったショックで自分の殻に閉じこもってしまう。海里は流花の回復を願い、傍にいるために音楽の道をあきらめようとするのだが・・・(講談社漫画文庫「薔薇子爵」収録)

大和 和紀(原作:林真理子)/虹のナターシャ

昭和初期から第2次世界大戦を背景にした大河ドラマ。呉竹男爵とロシアの歌姫の間に生まれた娘・ナターシャの波乱万丈の半生。天使のような歌声を持つナターシャは、歌を愛する心を失わず、自らの運命を切り開いていく・・・宝塚で舞台化もされています。(講談社漫画文庫)

やまむら はじめ/おとの教室

竹部都は、音楽教室のチェロ講師。演奏活動もしてはいるものの、才能豊かなヴァイオリニストの卵でありながら専業主婦になった姉や音大出身者へのコンプレックスを抱えている。腐女子サークル所属のスタッフやオジサマ好みの同僚、生徒たちもいろいろで、アニメの登場人物にあこがれてチェロを始めたり、下手くそなくせに舞台度胸があったり、いい加減に無理やり早弾きしたり。そんな中で、音大院生と急遽トリオを組むことになり、音楽家としての自分を見つめなおすことになるが・・・(竹書房)

山本 誠志/宇宙の音楽

ぜん息で小学生の頃は入院ばかりしていた宇宙零(たかおき れい)。病院の隣の高校から聞こえてくる吹奏楽部の音を毎日聞いているうちに、あの演奏の中に入りたいと思い、生きる希望になる。しかし、中学は吹奏楽部が有名な学校に入り、トランペットを吹き始めたものの、ぜん息で断念。一人ピアノで吹奏楽を奏でる日々を送る。高校は吹奏楽部がないと聞いていた松籟(しょうらい)高校に進学。と思いきや、1年前にできたばかりの吹奏楽部があったのだ。部長の星野水音(ほしの みお)は、「私を奏でて?」「私達の指揮者になってよ」と、零を勧誘する。零は再び吹奏楽部に入ることになるが…(講談社)

雪村 もえ/吹彩(すいさい)

うららは、中学では陸上部のエース。しかし、星が丘高校への進学を機に何か新しいことを始めたいと考えていた。陸上部の勧誘から逃げ回っていて出会ったのは、吹奏楽部でサックスを吹く湊(みなと)。吹部の合奏を聞いたうららは、フルートを吹きたいと強く思うようになる。しかし、経験者が多い吹部の中で、全くの初心者で楽譜も読めないうららは悪戦苦闘!それでも、陸上部で鍛えた体力とやる気で少しずつ上達していく。そんなうららに湊はいろいろアドバイスしてくれるのだが、彼は全国大会にも出場した強豪中学の出身で、1年生ながらコンクールメンバーになれる腕前。それなのに、実績のない星が丘高校をわざわざ選んだ理由は・・・?

登場人物が超個性的ではなく割とフツーっぽいところ、窓から飛び出して男子とぶつかるとか懐かしい学園ものの雰囲気が漂うところが、最近珍しいかな。でも、やっぱり楽器も体力だ!と再認識して落ち込む私であった。。。。。(集英社)

柚木 ガオ:漫画、「艦これ」運営鎮守府:原案、C2機関:協力/海色のアルトサックス

タイトルと表紙だけ見て、うっかり買ってしまったが、どうも話が読めない・・・それもそのはず、「艦隊これくしょん(艦これ)」とかいうゲームのキャラ〜艦娘(かんむす)というらしい。〜が主役なのだ。だから、基本設定がよくわからず、十分楽しめなかった。

駆逐艦・敷波は護衛任務の旗艦として長期の作戦に作戦に出ることになった綾波に、素直に「おめでとう」と言うことができなかった。思い悩みつつ倉庫の掃除をしていると、ほこりをかぶったアルトサックスとジャズ・バンドの演奏フィルムを見つける。そこから伝わる“熱”に圧倒された敷波は、音で思いを伝えようとアルトサックスに挑戦してみることに・・・(角川書店)

尹 仁完(ユン インワン)+金 宣希(キム ソニ)/WESTWOOD VIBRATO 〜ウエストウッド・ビブラート〜

どんな楽器でも注文通りに修復・調整する天才。しかも、それが義足のうら若き女性。おまけになにやら複雑な過去と特殊能力がありそう・・・そんな設定ありか!?と思って読んでみたが、けっこうおもしろかった。各章の終わりにおまけのようについているエピローグもいいし、登場する楽器についてのウンチクも読ませる。1巻・第2話のフリューゲルの話は泣けた。ユダヤ人収容所の幼い兄弟とナチスのラッパ吹きの話。2巻にはフルートの話も登場!タイトルというか曲は、バッハの「フルートと通奏低音のためのソナタ ホ長調」BWV1035。登場する楽器は、ブランネン・クーパーの14Kコンビネーション。イギリスが誇る故有名フルーティストの娘と若い後妻の話。(小学館)

吉村 旋(よしむら つむじ)/Classi9(クラシック)

メリテ学院に入学するため、はるばる日本から楽都ウィーンにやってきた滝廉(♀)。ところが、なんの手違いかメリテは男子校。「滝 廉太郎」として男装して寮生活を送るはめに・・・編入することになったクラスS-(エスマイナス)は、本来Sクラスに入るべき才能がありながらも、何かしらの問題を抱えた者を集めた特別クラス。クラスメイトは、ハイドン、モーツァルト、ベートーベン、チャイコフスキー、ワーグナー、リスト、ショパン、バッハと変人ぞろい!廉太郎は「この学園でやり遂げる」という父との約束を果たすことができるのか!?(スクウェア・エニックス)

蘭那(らな)/なでて奏でて

中2の夏祭りで聞いた高校の吹奏楽、特にかっこいいトランペット・ソロに憧れて、藤月ことかは高校で吹奏楽部に入部する。トランペットのパートリーダー・谷崎真文(まあや)先輩は、トランペットが上手いのはもちろん、背が高くてかっこよくて優しく、真文狙いのコはたくさんいる。しかし、トランペット3年の浅見かなは、「気をつけてね。真文まじで悪いヤツだから。」と、ことかに忠告する。実際、練習が始まると、部活熱心で後輩の面倒見もよく、距離感が近すぎる真文は魔性すぎる存在。反面、練習中に恋愛感情をちらつかせるコには冷たく当たるので、1年生は次々に辞めてしまう。でも、同じパートで真面目に練習に励むことかには何かと特別扱いをしてくれるし、2年前の憧れのソロは真文が吹いていたことがわかる。部活のたびにドキドキのことか、しかし、2人で楽器店に行ったとき、真文の元カノに会い・・・

憧れの先輩とちょっと不器用な後輩、よくある話だな。でも、真文先輩がひたすら部活熱心なので許せる気がする・・・って、それも魔性かっ!?(講談社)

留守key/B(ベー) ブラームス20歳の旅路

19世紀半ばのドイツ。若き日のヨハネス・ブラームスは、ピアノを演奏しながら各地を放浪していた。デュオの相棒は、ヴァイオリニストのエドゥアルド・レメーニ。ドイツ音楽の正統派であるヨハネスに対し、レメーニは楽譜に縛られることを嫌い、自由奔放な演奏をする。対立しながらも、ヨハネスはレメーニの音楽の中に自分にはない魅力があることを感じ、自分の音楽スタイルを模索していくが・・・

巻頭に登場する現代のエピソード・・・オタクっぽい(たぶん漫研、いやアニメ研か?)高校生男子と同級生のブラームス好き美少女の展開も、ちょっと気になる。(小学館クリエイティブ)

和田 フミ江/朝子のムジカ!!

40歳にして離婚し、実家に戻ってきた五來(ごらい)朝子。荷物の整理をしていて学生時代に打ち込んだ古いトロンボーンを見つけ河原でひとりで練習を始める。かつての天才ピアノ少年でベルリン留学までした千尋とも再会するが、彼はすっかり不愛想な青年になってしまっていた。実家の老舗旅館「星辰館(せいしんかん)」を継ぐことになっている千尋は、実は養子。ピアノも弾いていないようで、いろいろ事情がありそう。練習中に会ってもあいさつもしない千尋だったが、なかなか仕事が見つからない朝子に、なぜか星辰館はどうかと声をかける。なんとか星辰館で働くことになったものの、慣れない仕事で失敗もする。そんなある日、朝子は11年前の星守祭の出来事を思い出す。朝子の言葉が、千尋が音楽の道を選ぶ後押しをしていたのだ…(秋田書店)

 

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