ハーシェル・ゴードン・ルイス 《監督》 |
60年代を中心にドライブイン・シアターでの上映を目的とした超低予算のヌード映画や怪奇映画を撮っていた人物。『血の祝祭日』で世界で初めて人間のはらわたをアップで撮影したことから、今日では「スプラッター・ムービーの始祖」と称されている。72年を最後に映画からきっぱりと足を洗う。その後は広告業を営んでいるようだが、その引き際は、血まみれの諸作品とは異なり、綺麗で清々しい(註1)。 問題の『血の祝祭日』は、ドライブイン・シアターの規模では最高の大当たりだったそうだが、評論家からは無視された。評論の価値なしというわけだ。たまに取り上げられても「肉屋のアマチュアの夜」という酷いものだった。いや、その通りなのだが、当時の評論家たちにはルイスのこの試み、つまり内臓そのものを見せるということがヒッチコックの『サイコ』と並ぶほどのエポック・メイキングな出来事であることが判らなかった。 註1 2002年に突如として現場復帰、我々を大いに驚かす。新作の企画もあり、どうやら気紛れで復帰したわけではなさそうだ。 |
関連作品 |
血の祝祭日(BLOOD FEAST) |