挿し芽
4月下旬か5月上旬にポット(ジフィーポットを入れても可)に挿し芽をします。挿し芽の1週間前に、大菊の中幹種はBナイン1000倍液、長幹種はBナイン500倍液を掛けて節間が伸びないようにします。
挿し穂は雨天を避けて昼間に採取します。
挿し芽床を温床マットか電気毛布の上にビニールを被せた上に置きます。
ポットの底には籾殻薫炭を2cm入れ、その上に鹿沼土の小粒と蝦夷砂を半々に混ぜたものを3cm入れます。また、更にポットの底に赤玉の中粒(または小粒)だけを1cm位入れたものを下に重ねポットを二重にして水に十分に漬けておきます。(前の晩と直前にまた、水に漬けます。)
挿し穂は7〜8cm(ドーム菊、中菊や小菊は5〜7cm)の長さに、晴れた日に指で折り取り、三時間(冷蔵処理した物は水切りして一日)HB101一万倍液とえひめAI 400倍液、菊太郎2000培液やKING500倍液で水揚げします。(前日に、十分水を遣り、挿し穂は日に当てないようにします。)
挿し穂の開いた葉はカミソリで切ります。
水揚げした挿し穂は、2000倍のサプロール液に葉の部分だけ漬けて消毒してから、茎の長さ5cm位の所で、安全カミソリ刃で柔らかく切れる所を探して直角に切り、歯ブラシか軍手または布切れで根本2cmを上から下にこすり、トノコと赤玉の微塵を半々に混ぜたものにハイフレッシュとルートンを1割入れて水で少し硬めに溶き根本2cmに団子状(マッチの先のように)に付けて、バーミキュライトの微塵をまぶし、用土に箸で穴を明けてから、3cmの深さに挿し、根本を強く抑え、ラベルを立てます。
挿した後は、再度、HB101とえひめAI 400倍液、菊太郎やKINGの液の残りををジョウロで掛けておきます。
挿し芽後、木の台の上に置き、10日間は挿し芽箱を表土から10cmの高さで屋根代わりにするか寒冷紗またはスダレで日除けをし、その後は少しづつ日に当てるようにし、萎れてきたら、朝方か夕方、スプレーかジョウロで軽く水を遣ります。(室内は100Wの白熱球で電照し、噴霧器のみを使います。曇りの日は寒冷紗を外し、雨の日は水遣りをしません。)
挿し芽から10日後にマルトの黒糖酢1000倍液と えひめAI 400倍液を潅水しています。
HB101で水揚げした場合、間伸びしないように短幹種にはBナイン1000倍液を、中幹種にはBナイン750倍液を、長幹種にはBナイン500倍液を1回掛けます。
苗の鉢上げ
挿し芽して2週間位になり、葉先が立ってきたら3号鉢(ジフィーポットの場合は18日後に4号鉢)に鉢上げしラベルを付けます。
鉢上げ時に根を切ると根数が増えます。
鉢底に赤玉の小粒(微塵はふるいで除きます。)を少し入れ、その上に培養土を少し入れて、根にえひめAI 400倍液、マルトの菊太郎や育王1000倍液を霧吹きで掛けてから培養土の上に根を広げて置き、苗を培養土で包むように深植えにし、土をよく押さえておきます。肥料は入れません。
鉢上げ直後は水を十分遣りますが、鉢上げ後5日間は水を遣らず、半日陰に置くか、寒冷紗を掛けておきます。その後、しばらくの間、根本だけに水を掛けます。
盆養と中菊苗の摘心
摘心5日前に大菊の短幹と中菊はBナイン1000倍液、中長幹はBナイン500倍液、摘心後に中長幹種はBナイン1000倍液を葉面散布しています。
鉢上げした苗が短幹種は10cm位になったら、中幹種は9cm位になったら、長幹種は8cm位になったら、ピンセットで目先を1cm摘みます。この時、3枚の葉の間隔ができるだけ狭い場所で摘むようにします。つまり、短幹と中菊は9cmで、中幹は8cmで、長幹は7cmで摘心しています。
中菊の7本仕立ての場合は、摘心後伸びた上から3本の枝の葉が2枚開いたら再度摘心して夫々、2本の枝を出させます。
苗の中鉢(4号)への移植
鉢上げした苗の根が鉢底に届いたもの(鉢上げ後10日から14日位)から順に、5号鉢に移植します。ただし、だるま用は発泡スチロール箱に植えます。
水耕にする場合は鉢網に20cmの給水テープを1本通しておきます。
移植直前にえひめAI 400倍液、育王1000倍液や菊太郎1000倍液を根に霧吹きで散布します。
培養土は中鉢用土を使います。
厚物の元肥は鉢の周囲3ヶ所に大さじ(太管は軽く、間細管は半分)一杯づつ、乾燥肥料を入れます。ただし、富水は厚物と同じにします。
移植後、えひめAI 400倍液やマルトの菊太郎1000倍液を葉面散布します。
水耕にする場合は、水槽の上に板を2本渡し、その間から給水テープを垂らします。
ドーム菊の苗の5号鉢への移植
4月に3号ポットに移植したドーム菊の苗を5号鉢に移植します。
水耕にする場合は鉢網に20cmの給水テープを1本通しておきます。
用土は中鉢用土を使い、乾燥肥料を大さじ3杯入れます。
水耕にする場合は、水槽の上に板を2本渡し、その間から給水テープを垂らします。
親株の整理
鉢上げが終わったら、親株を整理します。万一、挿し芽に失敗したら、早めに再度挿し芽をします。
懸崖用苗の30cm角鉢または40cm角鉢への定植
草丈が40cmになったら枝を出させるため摘心します。
7号鉢に植えていた懸崖用の鉢底から根が出たら(草丈80cm)30cm角鉢または40cm角鉢に定植します。
この時、根元近くの枝や、下に出ている枝は取ります。
鉢底の穴の上に消し炭を載せ、その周りに赤玉大粒を入れ、(水耕の場合は長さ20pの給水テープ4本を鉢網に通して赤玉大粒の上に寝かせます。)セパレータをいれた上で、培養土を鉢の中程まで入れ、突き棒で硬めに突き、根鉢が鉢縁の下5cm位になるように調整します。鉢底の赤玉を除いて、根にえひめAI 400倍液を根に霧吹きで散布します。培養土を中高に入れ、苗を中央に入れて培養土を根鉢の上まで入れて周囲を突き棒で突いて乾燥肥料 100ccづつ鉢中4箇所に入れて、更に培養土を被せ土をよく押さえて土の面を平にします。
定植が終わったら、支柱を中央と前方に立て、仮枠に枝を通して取り付け、枠の左右に支柱を立て、その上に本枠を重ね、肩の左右に支柱を追加し、枝を誘引します。枠を付ける位置は幹が枠の肩から1/3にしています。
水耕の場合は鉢上げ10日後に水槽に棒状の板を2本渡した上に鉢を置き、給水テープを板の間から水槽に垂らします。
枝が伸びるようにジベレリン200PPMを芽先に散布しています。
懸崖の枝の誘引
枝が10から15cm位伸びたら、枝が均一になるように誘引します。この時、伸ばしたい枝は第二関節で、伸ばしたくない枝は第一関節で摘心します。ただし、前方の枝は摘心しません。
醗酵燐酸作り
4月末〜5月末の夕方に赤玉土の微塵か小粒25kg(30g)、容リン5kg、バットグアノ5kg、過燐酸石灰5kg、籾殻薫炭2.5gにマルトの黒糖酢700倍液7.5g(マルトのサンソとサチュライド入り)を掛けて良く混ぜ合わせます。同時に米糠13gにマルトの醗酵剤130ccと三温糖130gを日陰で混ぜて、ペットボトルの湯たんぽを入れ両方とも山盛りにして新聞紙と毛布を掛け1日寝かせます。
翌日の夕方、この両者を日陰で混ぜて菓子箱の湯たんぽを囲むように山盛りにして新聞紙と毛布と薄手の布団を掛けます。
その後、1〜2日間、湯たんぽを毎日替えて日陰で良く切り返し新聞紙と毛布とと薄手の布団を掛けます。
以降、1日置きに日陰で良く切り返し10日間程で熱が下がったら、日陰で乾燥させて保管します。
落ち葉の袋詰め
袋詰めにして置いた落ち葉は、晴れた日に日向で乾燥させ、3cm角にちぎって、袋詰めして1年間寝かせます。
鉢上用土作り
使用する2週間前に未熟腐葉土(落ち葉のまま)24g(落葉樹の葉のみ)、赤玉小粒麹12g、籾殻薫炭5g(木酢50倍液1gで中和)、籾殻堆肥5g、ミネラル富士1g、玉子の殻少々混ぜ、適度の水にマルトのサチュライドまたは展着剤を少々入れ、これを日陰で含ませ、用意します。
中鉢用土作り
使用する1週間前に未熟腐葉土(落ち葉のまま)18g(落葉樹の葉13g、常緑樹の葉5g)、古土麹8g、籾殻薫炭3g(木酢50倍液600ccで中和)、籾殻堆肥3g、ミネラル富士0.6g、玉子の殻少々混ぜ、適度の水にマルトのサチュライドまたは展着剤を少々入れ、これを日陰で含ませ、用意します。
だるまと福助用親株の管理
3月に短幹種の冬至芽を摘心した穂先を挿し芽した春苗や4月に挿し芽した短幹種の苗を発泡スチロール箱で育成して、だるまと福助用の親株にしています。
だるま用挿し穂の冷蔵処理
挿し芽時期を合わせ、若さを保つため、挿し穂の葉が12枚になったら、7〜8cmの長さに切り取り、3〜4時間乾燥させ、ビニール袋に入れ口で空気を抜いて、ボール箱か合成樹脂の容器に入れて5度の冷蔵庫内で挿し芽直前まで(2週間以内)保存します。(この時水や空気は極力入れないようにします。)
盆養と中菊苗の管理
5号鉢に移植後、60cmの長さに切った直径2mm〜2.5mmのアルミ線を支柱代わりに立てます。
移植後、えひめAI 400倍液やキング500倍液を灌水します。
盆養用苗の摘心と3枝の調整
短幹種は9cm、中幹種は8cm、長幹種は7cm、水耕用は6cmで摘心して枝を出させます。
盆養の3枝の長さを調整するため、天のわき芽の元葉は根元から、地の元葉は根元から1/2の所で切ります。
置き場所
置き場所は北風や西日が当たらない場所にします。
ビニールハウスやサンルームに置くのが理想ですが、できればトマトの雨避けに入れます。
鉢の台座は、石やコンクリートを避け、木の棚の上に置きます。
5月から11月までは挿し芽苗、中鉢や定植鉢は十分に日に当てます。
水やり
晴れた日に鉢土が乾いていたら朝方9時までに、水差しやジョウロで水やりをしますが、乾き具合を見て鉢毎に調整しています。水は汲み置きとし、(水道水の場合は一晩置きカルキを抜きます。PH6.5より水のアルカリ度が高い場合は木酢液を入れ、酸性度が高い場合は石灰を入れます。)それにマルトのサチュライドまたは展着剤とサンソ、更に過燐酸石灰を少々入れます。なお、容器の底には木炭と根腐れ防止剤(ゼオライト)を入れます。
夕方、鉢の表面が乾いても、水やりはしません。
鉢土が湿っていたり、曇りや雨の日には水遣りをしません。
挿し穂の水やりは、できるだけ控えますが、葉が少ししおれてきたら、霧吹きで葉を湿らせます。しおれがひどくなったら、ジョウロでたっぷり水やりをします。
鉢上げ直後5日は水を控え、その後は水差しで根本にだけ与え、徐々に周りへ広げていきます。
根の弱い富士新雪、富士の輝、聖光華宝、泉郷ひな祭や掴みの水遣りは半分位にします。
肥料やり
えひめAI 400倍液と大菊液肥KING1000倍液を週に1回与えています。
鉄力アクア1000倍液と硫酸マグネシュウム500倍液を月に1回葉面散布しています。
えひめAI400倍液を週に1回葉面散布しています。
マルトの菊アミノ緑(または大菊液肥V、)1000倍液を週に1回葉面散布しています。(挿し芽前2週間と移植後10日は除く)
小鉢に週に1回黒糖酢1000倍液を与えています。
1000倍液は1リットルに1cc、100ccに1滴または耳かき1杯
消毒
殺虫剤(スミチオン、オルトラン、テルスター、ランネート)と殺菌剤(ベンレート、ダイセン、ダイファー)を1週間に1回交互に散布します。
殺ダニ剤(
ダニサラバ、ダニ太郎、ピラニカ、バロックまたはコロマイト)は15日置きに散布しています。なお、薬剤はローテーションして使います。アブラムシが付いたら、2〜3日置きにスミチオンとランネートを全ての鉢に散布します。また、白さび病が出たら、2〜3日置きにサプロールとベンレートを全ての鉢に散布します。
鉢上、移植や定植の時虫除けのため粒状のアドマイヤーかオルトランを少々入れておきます。
ナメキールをハウス全体に撒いておきます。
挿し穂を採取する日の消毒は避けます。(挿し芽の葉先が黒くなるため)
薬害を防ぐため夕方散布します。
1000倍液は、1リットルの水に薬が液体の場合は、1ccを粉末の場合は1gを入れます。
水が100ccの場合は、薬が液体の場合は1滴、粉末の場合は耳かき1杯です。
ハウスの管理
表と裏の戸を開け放しにし、腰のビニールを外し、4mmの防風ネットを張ります。
ハウスのビニールが切れたらビニールハウス補修用テープで補修します。破れがひどくなったら張り替えます。
草が目立ってきたら、こまめに取ります。
5月〜11月までは、虫が入らないように出入り口とビニールを明けている所に、防虫ネットか4mmの防風ネットを張ります。
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