親株用(秋苗)の鉢上げ
- 挿し芽して2週間位になり、葉先が立ってきたら3号鉢(ジフィーポット挿しは4号か5号)に鉢上げしラベルを付けます。
- 鉢底に赤玉の小粒(微塵はふるいで除きます。)を少し入れ、その上に鉢上げ用土を少し入れて、根にえひめAI400倍液とマルトの菊太郎かHB101一万倍液を霧吹きで掛けてから培養土の上に根を広げて置き、苗を培養土で包むように深植えにし、土をよく押さえておきます。肥料は入れません。
- 鉢上げ直後は水を十分遣りますが、鉢上げ後5日間は水を遣らず、半日陰に置くか、寒冷紗を掛けておきます。その後、しばらくの間、根本だけに水を掛けます。
- 鉢上げしたら摘心して冬至芽を促します。
親株用(秋苗)の中鉢(4号または5号)への移植
- 3号鉢に鉢上げ10日後に液肥1000倍液を与えます。
- 鉢上げした苗の根が鉢底に届いたもの(鉢上げ後10日から14日位)から順に、一回り大きな鉢に移植します。
- 移植直前にえひめAI400倍液とHB101一万倍液を根に霧吹きで散布します。
- 培養土は中鉢用土を使います。
- 元肥は鉢の周囲3ヶ所に小さじ一杯づつ(太管は二杯、間・細管は一杯)、乾燥肥料を入れます。
- 移植後、えひめAI400倍液かマルトの菊太郎1000倍液を散布します。
親株用(秋苗)の定植(7号)への移植
- 移植前日に大菊液肥KINGとV500培液でドブ浸けし、10日後に液肥1000倍液を与えます。
- 4号または5号鉢に鉢上げした苗の底から根が出てきたものから順に、7号鉢に2本移植します。この時、鉢に保温材を巻きます。
- 移植直前にえひめAI400倍液とHB101一万倍液を根に霧吹きで散布します。
- 培養土は定植用土を使います。
- 元肥は鉢の周囲3ヶ所に大さじ(太管は軽く、間細管は小さじ)一杯づつ、乾燥肥料を入れます。
- 移植後、えひめAI400倍液を散布します。
Bナインの散布
- 福助、ジャンボ福助、ダルマ、や短幹仕立て用は、伸び具合を見て、2日〜4日置きに蕾に掛からないようにしてBナイン125〜500倍液を散布します。3本仕立ては枝の高さの調整用に500〜1000倍液を散布します。散布する場所は上の葉の両面と花首です。
- 10月の中旬になったら、開花が遅れないように中止します。
ジベレリンの散布
- ダルマや盆養用は、伸び具合の悪い枝の花首に、随時または3分〜7分咲きの頃、蕾に掛からないようにしてジベレリン50PPMを散布します。
蕾の選定
- 10月に入ると蕾が大きく育ってきますので、原則として芯蕾を大きく咲かせるため、早めに脇蕾や脇枝は全て取ります。ただし、柳蕾は肥料調整のため脇枝をしばらく残し、太管は花弁が倒れるまで2本、細管や間管は7分咲まで3本にしておきます。
鉢回し
- 蕾が出て色付いてきたら、週に1回転するように鉢回しをします。私は、晴れた日が2日になったら、1/3回転させています。
輪台付け
- 花弁が出てきたら花首をラフィアで固定します。
- 厚物や太管は花弁が3から5枚垂れてきたら輪台を付けます。間・細管や掴みは3分咲の頃、花首にクッキングペーパーを巻き、7分咲の頃フラワーマットかクッキングペーパーの下から輪台を付けます。
- 私は、厚物には4から4寸半、厚走りには4寸半から5寸、管物には5寸から6寸、一文字には大きさを見て付けています。
- 厚物や走りは輪台を5cm位下げて咲かせ、咲いてきたら輪台を曲げます。ただし、越山、金山は1.5cmしか下げず、一文字は下げません。
- 輪台の足は上下1/3の所で2箇所結んでいます。
- 出品時輪台は花弁に付いていないといけません。
花の手入れ
- 花弁が盛り上がってきたら花首を固定します。
- 花弁が3〜4段開いたら、痛んだ花弁、そっくり返った花弁や食い込み弁(駄弁)を取り除き、乱れた花弁を花直し用具で整えます。
- 間管、細管、だるまや福助はフラワーマットかクッキングペーパーを付けて咲かせます。
- 一文字の花芯にティシュを湿して乗せキャップで押さえます。
- 一文字の花芯は必ず引きます。
- 管物の花芯のくぼみは深い方がいいので、ティシュを丸めて入れて開きます。
- 管物の花芯に青(緑)があってはいけません。
- 走り弁は等間隔になるように抜きます。(太管の一段目は巻かなくても良い。)
- 花首が曲がっていてはいけません。
- 花芯の黄色い部分を取って電照すると白くなります。
- 懸崖の花が重なっていたら取ります(下の小さい花は取ります)。裏に花があってはいけません。
- 懸崖の枯れた葉は取ります。
- 早挿しすると弁数が増えます。
- シェードすると弁数が減ります。
- 盆養が3分か7分咲になったら、低い枝にジベレリン50PPM。高い枝にBナイン125倍液を散布します。
- 赤系が7、8分咲になったら遮光します。
- 駄弁は早い内に取ると、本弁も抜けるので、7、8分咲になったら取ります。
- だるまの段差はあまりない方がいい。支柱も開き過ぎないようにします。
- 盆養の切花は半日吊します。
- 花弁は輪台に付いていないといけません。
切花の作成
- 出品する2〜3日前に、えひめAI 400倍液とHB101一万倍液を花器に入れて用意します。花器は菊の会の規定に従ってください。
- 花首から60cm位下から茎を切り、下半分の葉を落とします。
- 日陰の場所で、上から針金で、逆さに吊るし、少し萎れるまで5〜6時間そのままにします。
- 食い込んだ萼や硬い萼を緩め、傷んでいる外側の花弁を指で根元から抜きます。
- 50cmの支柱を花首から上にあてがい、中央をインシュロック(結束バンド)かラフィアで縛り、花首から上に20cm間隔で、インシュロックかラフィアで縛って行きます。
- 厚物は直接輪台を付け、管物はフラワーマットかクッキングペーパーを花首に巻いてから付けます。
- 5〜6時間吊るした後、針金から外して、茎の長さ50cmの所(支柱の眞下)で、水切りします。
- 茎の根元をハサミで縦に十字に切り、えひめAIの原液に根元を漬けます。
- 花首を垂直に垂らして、上下に少し揺らし、花弁を緩め、手前からすくい上げる様に花を上に戻します。
- 用意した花器に根元まで確実に挿し、支柱が傾かないように切り落とした茎を2〜3本に切って花器の首で固定します。
- 傷んだ内側の花弁をピンセットで根元から抜いて、出品するまで日陰に置きます。
懸崖用の枝曲げと小枝の誘引
- 花が色づいてきたら、鉢を南向きに回転させて、鉢を高い位置に置き、枝を下に垂らします。
- この時、茎を倒す方向にペットボトルの枕を沿えて茎を折らないように注意して曲げます。
- 9月の摘心後に伸びた小枝を折れないように横に倒し、枠に結びます。この時、枝を交互に結び蕾が均一になるように注意します。
置き場所
- 置き場所は北風や西日が当たらない場所にします。
- 花が満開になるまでは1日5時間以上日に当てる必要がありますが、満開になったら日陰に置いた方が花が長持ちします。
- ビニールハウスやサンルームに置くのが理想ですが、できればトマトの雨避けに入れます。
- 雨が掛かる場所の場合は、花弁が開いてきたら雨の日は軒下に取り込みます。
- 鉢の台座は、石やコンクリートを避け、木の棚の上に置きます。
水やり
- 水耕の場合は鉢への水遣りは今月から花が8部咲きになるまで、土が乾かないように週に2回少し潅水します。ただし、吸水テープが水槽の水から出ないように注意します。
- 晴れた日には朝方9時までに、12号鉢に2g、9号鉢に1.5g、更に昼頃にその半分の量の割合で、柄杓を使って水を2度掛けしますが、乾き具合を見て鉢毎に調整しています。夕方には葉水を与えます。7分咲きになったら朝方のみにします。水は汲み置きとし、(水道水の場合は一晩置きカルキを抜きます。PH6.5より水のアルカリ度が高い場合は木酢液を入れ、酸性度が高い場合は石灰を入れます。)それにマルトのサチュライドまたは展着剤とサンソを少々入れます。花が8分咲きになったら、水遣りを少なめ(上記の半分の量)にし、乾いてから遣るようにします。なお、容器の底には木炭と根腐れ防止剤を入れます。
- 鉢が湿っていたり、曇や雨の日には水遣りはしませんが、この時期は鉢が乾かないように少し乾いていたら少なめに潅水します。
- 8月中旬から10月まで、置き水に過燐酸石灰を少々入れます。
肥料やり
- 花弁の色が見え始めた時と花弁3枚が倒れた時だけ、マルトの菊アミノ赤と黒糖酢1000倍液を10月中旬まで厚物のみに葉面散布します。
- KING1000倍とえひめAI400倍液を週に一回潅水します。
- カルシューム2000倍液とえひめAI400倍液を週に一回葉面散布します。
- 鉄力アクア1000倍液と硫酸マグネシューム500倍液を月に1回葉面散布します。
- 一文字の甘皮が破れる前後にキッポ赤1000倍を与えます。
- 一文字の花弁が2〜3弁垂れたら大菊液肥PK1000倍とジベラ50PPMを花弁に与えます。
- 開花期はHB101を与えません。
- 肥料が多いと桜弁になります。
消毒
- 殺虫剤(スミチオン、ランネート、オルトラン、)と殺菌剤(ベンレート、ダイセン、ダイファー)を1週間に1回交互に散布します。アドマイヤー粒状を10月上旬に入れ、殺ダニ剤(ダニサラバ、ダニ太郎、ピラニカ、バロック、コロマイト)は10日に1度散布しています。アブラムシが付いたら、2〜3日置きにスミチオンかランネートを全ての鉢に散布します。また、白さび病予防のためサプロールを一度散布します。花弁が出てきたら、ランネートを蕾の上と下から散布します。なお、薬剤はローテーションして使います。
- 花が3分咲きと5分咲の時に、ランネートを花の上と下から散布します。(色物は薬害が出ますので、軽く散布します。)
- 薬害を防ぐため夕方散布します。
- 1000倍液は、1リットルの水に薬が液体の場合は、1ccを粉末の場合は1g(約1.5cc)を入れます。
- 水が100ccの場合は、薬が液体の場合は1滴、粉末の場合は耳かき2杯です。
ハウスの管理
- ハウスの温度が20度を下回ったら、北側の腰のビニールを付け、屋根のビニールを全て張ります。
- ハウスのビニールが切れたらビニールハウス補修用テープで補修します。破れがひどくなったら張り替えます。
- 草が目立ってきたら、こまめに取ります。
- 3月〜11月までは、虫が入らないように出入り口とビニールを明けている所に、防虫ネットか4mmの防風ネットを張ります。
- ハウスの地面全体に虫除けのため粒状のアドマイヤーかオルトランを撒きます。
- 色物(赤)は7〜8部咲まで、外に出して夜露に当てます。その後は遮光します。
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