穂高岳・涸沢 2008年5月17日〜18日

メンバー 僕だけ

5/17 新穂高BT(3:05)---白出小屋(4:15)---荷継沢出合(7:05/7:15)---白出のコル(10:20/10:50)---奥穂高岳(12:00/12:40)---涸沢ヒュッテ(13:30)
5/18 涸沢ヒュッテ(6:30)---北穂高岳(8:45/9:05)---北穂沢2500m付近(9:15/9:20)---白出のコル(12:00/12:20)---白出分岐(14:00)---新穂高BT(15:20)

GPS軌跡

荷継沢出合付近 白出沢上部
白出のコル(穂高岳山荘) 岩稜の左奥に山頂の祠が見えてきた
てっぺんと僕 久しぶりの生ジャンダルム
ドロップ地点より直登ルンゼを覗いてみる 直登ルンゼ中間点よりノド方面
直登ルンゼ出口より振り返る 最後は涸沢ヒュッテ目指して修行の滑り(>◇<)
2年前から計画しては天候不良などで諦めてきた涸沢スキーをまたまた懲りずに計画。
今回は晴れの予報でなんとかなりそう。 目的は奥穂直登ルンゼと北穂沢だ。
同行者を募るがみな「今週は富士山に行くのだ!」とか「猫の世話するのだ!」とか言うので結局ひとりで行くことになる。

仕事を終えてからクルマを飛ばして新穂高登山者無料駐車場に着いたのが午前2時半。すぐに準備して出発。
新穂高バスターミナルで計画書を提出。蒲田川右俣林道を歩いていく。
さすがに残雪はほとんど見当たらない。白出沢手前でようやく少しの雪を見る。

白出小屋から奥穂高岳への登山道に入る。登山道はところどころ残雪があり一度迷う。
空はだんだん薄明るくなってきたが穂高方面はガスの中だ。
西穂沢を右に分けたあたりで登山道は白出沢の左岸を行くようになる。
しばらく進むと白出沢が雪渓で埋まったので雪の上を歩いていく。曇り空なので放射冷却もなく、早くも雪は緩み気味だ。

天狗沢出合付近でテントがひと張りあった。白出大滝の巻き道は右岸から。雪に埋もれた登山道を急登していく。
途中で道に迷って登りすぎてしまい戻ったりして30分ほどロスタイム。
巻き終えたところは荷継沢出合。正面には白出沢が傾斜を強めながら真っ直ぐ伸びている。

つぼ足でどんどん登っていくと新雪が出てくる。数日前に結構な量の雪が積もってるようだ。
一度膝までずぼっともぐった拍子に左モモが攣ってしまう。
しばらく足が硬直して曲がらない。オーバーズボンのサイドファスナーを全開で歩いていたので冷えてしまったようだ。
しばらく休憩しているとなんとか歩けるまで復活。つぼ足だと潜るのでここからはシール歩行に切り替える。
振り返ると後方に単独行の登山者が見える。白出のコルまでは誰にも会わんと思ってたがこの道を登る人もいてるもんだ。

前方はるか上に穂高岳山荘が見えてるがなかなか近づかない。雲の動きが早い、稜線は風が強そうだ。
白出のコルに近づくとクラストしてくるがクトーを効かせながらそのまま登りきる。
涸沢岳の肩あたりから涸沢に滑り込むパーティを見ながらしばし休憩。

今回の目的のひとつが直登ルンゼを滑ること。
白出沢のクラストを見て今日は無理かなと思っていたが涸沢側を覗くと太陽があたって暖かそうだ。
無理なら登山道を戻ったらいいしとりあえず板を担いで奥穂高岳に向かう。

白出のコルからハシゴをふたつ登りその上の雪壁を慎重に登る。
睡眠不足で足取りはへろへろだ。これで直登ルンゼ滑れるのだろうか。
稜線上はガスが流れている。ガスの晴れ間に山頂の祠が見えてきた。
祠のすぐ横が直登ルンゼの滑降開始地点だ。さすがに急斜面に見えるなあ。

雪壁を登るとすぐに奥穂高岳(3190m)のてっぺんに到着。
山頂には先行者が一人。後ほど涸沢で再会するOさんが景色を楽しんでられた。
僕はとにもかくにも直登ルンゼを覗き込む。祠の横からトラバースするあたりはサクサクの雪質だ。
でもトラバース後のルンゼ最上部あたりがなんだか怪しげに見えるなあ。
ルンゼの真上に行って観察するがようわからん。でもなんとか行けそうな気もする。

Oさんは涸沢での再会を約して先に登山道を白出のコルに降りていった。
さて、山頂にひとりぼっち。直登ルンゼ名物?のギャラリーもいないが滑り出すことにしよう。
イメージではトラバースしてワンターンで一気に斜面が広がるところまで滑り込む予定。いざ、ドロップ!

祠の横から急斜面をトラバースしルンゼ最上部に移動するとガリガリと嫌な感触が。
クラストしてるやん(;◇;) ターン出来ずに停止。 足元は45度の斜面が滑り台となって続いている。
う〜ん。我ながらこんな場所で身動き出来なくなってる自分が滑稽に見える。
仕方がないので不本意ながら横滑りでガリガリガリガリと10mほど滑り降りる。ギャラリーいなくて良かった。

ルンゼが広がるあたりでとりあえずワンターン。うまくいったのであとは連続ターンで高度を下げる。
高度が下がると雪質が緩んできて気持ちいい♪
ノドあたりで再び傾斜が強まる。自分で起こす雪崩に気をつけながら一気に通過。どでかい涸沢カールに入り込む。
今度は数日前の新雪がグザグサになって滑りにくいったらありゃしない。
斜面を切って雪崩を起こさないように慎重に滑る。下に登山者のいないところまで移動し涸沢ヒュッテ目指して滑り降りる。
グサグサの雪がひかっかって仕方がない。疲れた足にはとても堪える。まさに修行のようなすべりだ。

この雪ではもう一本滑るって気にもならずそのまま宿泊手続きをして小屋でのんびりすることにする。
久しぶりの山小屋なのでうれしい。部屋も6人部屋を3人だけだったので快適だ。
先ほどのOさんとも再会出来、雪の涸沢を見に来た人や一人で滑りに来た人、蝶ヶ岳に登るついでに寄った人!などなど。
みな気ままな単独行の人たちとカールの景色を眺めながら楽しいひとときを過ごせた。

  

奥穂高岳方面 涸沢岳方面
北穂沢 北穂沢の登り
北穂東稜と常念岳 北穂高岳北峰より見た槍ヶ岳
奥穂高岳と昨日滑った直登ルンゼ 北穂沢滑降開始♪
白出のコルへ登る途中から見た直登ルンゼ 白出沢滑降開始♪
翌朝は朝から快晴。4時に目が覚めてすぐに外に景色を見に行く。穂高の岩壁に朝日が当たってとても綺麗だ。
昨日の雪質に心は萎えていたがこの天気で帰るだけはもったいないので最初の計画通り北穂沢に行くことにする。
滑りは楽しめなくてもピークハントだけでも満足できそうな気分。

朝食を食べてすぐに出発。まだまだ気温が低いのでつぼ足アイゼンで登る。涸沢小屋の横から北穂沢の急登に入る。
この登りもなかなかキツイ。ヨレヨレと一歩一歩登っていく。
1時間も登ると気温もあがり雪が緩んでくるのがわかる。ちょっと早すぎやあ〜

早く滑り出したいが足が重くてペースがあがらん。先行していたOさんが北穂高岳のピークを踏んで降りこられた。
「もうすぐ頂上」との言葉に元気をもらい、ヘロヘロになりながら北穂高岳北峰のてっぺんに到着。
頂上からは槍ヶ岳がきれいに見える。定番の景色だ。
のんびりしたいところだが時間が経つと雪質が悪くなるのですぐに滑ることに。
頂上からは雪が切れているので南峰とのコルまで降りてから滑降準備。

はるかしたに涸沢ヒュッテが見えている。出だしは急斜面だが雪は緩んでいる。最初は快適快適♪
雪崩を起こしてはいけないので登山者のこない東稜寄りの方を滑る。
高度を下げるとまた雪がグサグサになってきた。だめだこりゃ(>◇<) まだ9時過ぎたとこやのに。
先日の雪は3日降り続いたらしい。この時期の新雪はやっかいだわ。

涸沢小屋まで滑ると登り返しが辛いので標高2500mくらいからザイテングラート方面にトラバース。
雪はグサグサなのでシールで白出のコルを目指す。この登り返しがまた修行のようだった。
シール歩行でも沈んでしまう。湿雪重重ラッセル。 ヒーヒー言いながら白出のコルに登りきる。

さて、あとは白出沢を下るのみ。穂高岳山荘の横手から滑り込む。
こちらは日照の影響をあまり受けていないのか気持ちのよい雪質だ♪
今回のすべりで一番快適だった!  ・・・のは最初だけ。途中からデブリランドになる。
でも緩んでるので荷継沢出合までなんとか滑り降りることが出来た。

白出大滝を右岸から巻きくだり、再びスキーを履いて雪が切れるあたりまで滑りおりる。
あとは登山道をよろよろと下っていくが、右俣林道に出るあたりでつま先が痛くなり新穂高まで苦痛の歩きになる。
休み休み歩いていくがこんなに足が痛くなったのはクライミングシューズで剱岳から下山したとき以来か(;◇;)

最後の最後で痛い目にあったがとても楽しい2日間を過ごせませた。涸沢は快適ザラメを狙って再訪したいです♪

SKI TOPに戻る