今回の高橋尚子落選の件は確かに残念である。
私は高橋尚子が大好きでありその強さも最も理解しているつもりである。
だが今回の決定は最善の策であったと考えざるを得ない。
ただし高橋が出ないならば90%くらいは日本の金メダルは無い。
では今世界では誰が強いのか考えて見る。
女子に関してはほぼその時に強い選手が順当に上位に来る。
シドニーの時の高橋、シモンも実力通りだった。
現在は俺は4強と見ていた。(全員マラソンに出るかはわからないが・・・)
以下の4人が2時間20分を切った記録保持者だ。
一人目はラドクリフ。言わずと知れた驚異的な世界記録保持者だ。
しかし一万メートルに出るかも知れないので微妙だ。(しかし一万ではエチオピアが上)
二人目はヌデレバ彼女は高橋が始めて20分を切った記録をすぐに破った女だ。
ハーフや一万でもことごとく日本人に勝っている。
参考までに世界選手権で野口が銀、千葉が銅、坂本が4位だった時の勝者だ。
しかしラドクリフが世界記録出した時2位に敗れている。
さらに参考だがその時の3位は渋井陽子だった。
3人目は中国のエース孫英傑。こいつはいきなり高橋のアジア記録を5秒やぶった。
しかも世界選手権では一人エチオピアコンビに立ち向かい銅メダル。
実はかなり金メダルに近いと思う。
最後は高橋尚子だ。間違いなく最強の時があった。
6連勝してその中にはオリンピック、アジア大会、世界記録と無敵だった。
なにより上の3人が凄そうとは言え、高橋には勝った人は居ない。
ディフェンディングチャンピオンに挑戦するはずだったのだが。。。
それでも高橋は選べなかったと思う。仕方ない。
選ばれた3人も文句つけようが無い。
まず野口みずきだが初マラソン優勝。2戦目も千葉、坂本を抑えて優勝。
世界選手権でヌデレバに続き銀メダル。
ハーフでも無敵で死角無し。(しかしハーフでもヌデレバには勝てない)
次に坂本直子。彼女は東京国際でも世界選手権でも惜しくも野口、千葉に負けた。
しかし今年の大阪でぶっちぎって初めて千葉に勝った。
若いし上がり目を見ても選ぶしかなかった。
最後に名古屋で決まった土佐礼子だ。
これが田中めぐみが勝っていたら高橋尚子で決まっていただろう。
土佐はとにかく無難に強い。実績がある上に今回選考会最高タイムで勝った。
まず高橋がシドニー行きを決めた名古屋で2位。
その冬東京でシドニーの銅メダリストチェプチュンパに次ぐ2位。
エドモントンの世界選手権でシモンに次ぐ2位。
その後海外で4位ながらも22分台も出した。
今回の名古屋の結果で高橋尚子の連覇は諦めるしかなかった。
今選考方法が問題になっているがこれも難しい問題なのだ。
確かに3人決めるのに選考レースが世界選手権、東京、大阪、名古屋の4レース。
ここに矛盾が生じている。
今世界ではマラソンというのは超人気種目である。
その中で日本が結果を残しているのは、お金をかけてしっかり科学的なトレーニングなどを
行える環境にあるからだとも言える。
そのためには1発選考のようにしてしまうとスポンサー料が入ってこなくなる問題が生じる。
選考レースが多いので人気など話題にあがる頻度も高い。
俺は今回のような決断が出来るのなら今のままでいいと思う。
高橋尚子という日本の歴史上最高の陸上選手はあの東京で終わった。
あまりにも鮮烈に日本中に喜びを与えたために日本中が諦めきれないのである。
オリンピックに出れない事が決まった今、もう何も求めるのはやめにする。
競馬ではG1など勝ちすぎた馬はハンデが重くなり普通のレースには出れない。
高橋もその状態だろう。
「絶対負けられない戦いがそこにあったが負けた。。。」
高橋尚子にはもうオリンピックでも負ける姿は見たくない。
なにより俺とためで今年32歳だ。
数々の伝説と共に我々の記憶の中で高橋尚子は走り続けるだろう。。。
これからは他の幸せを見つけて欲しいものだ。