秋田温泉めぐり
2003年8月29日(金)雨〜曇り
所在地  秋田県鹿角市
      
 今年の8月は仕事が忙しくて中々山には行けなかったが、月末になってやっと休みが取れて今日は久しぶ りの山行きになった。しかし朝からどんよりと雲が低く掛かり西の山は全く見えない、雨が落ちてこなければ良 しとしよう、そう決心して出発する。
東北道を北に向かい花巻を過ぎる頃から雨が降り出した、盛岡ICを降りて雫石に向かうが山は麓まで雨 雲に覆われている、山は本降りの雨降りだろう。いくらなんでも雨降りの山歩きは願い下げだ、山は諦めて 温泉めぐりをする事にした。
 国道46号を秋田県に向かい仙岩トンネルを抜けて田沢湖町に着く、そして国道341号に入り北に向か う。今日は一度も行った事のない温泉を巡ってみようと思う。
 カーナビのスイッチを入れると国道沿いの温泉が次々と現れてくる。
玉川ダムを過ぎて最初の温泉が「新鳩ノ湯」玉川の左岸の川べりに立つ一軒宿だ。国道脇に有る駐車場 に車を止めて玉川に架かった吊橋を渡って宿に向かうことになる。中々に素朴な吊橋なので渡って見たくな った、床板に足を踏み出してふと脇を見ると「温泉をご利用の方以外は吊橋を渡らないで下さい」と書いて ある。時計を見るとまだ8時、ここで入浴するにはまだ早い、結局吊橋を渡らず次の温泉へと向かうことにし た。
新鳩ノ湯と吊橋
 国道341号を更に北上して玉川温泉に着いた。
国道から温泉に通じる交差点の駐車場には関西や関東ナンバーの車が止まっている、中にはキャンピング カーもあった。玉川温泉の評判を聞いて駆けつけた方たちだろう、ここの湯は難病にも良く効くと言われてい るがとにかく湯が強い。私は十数年前に入浴したことがあるが湯に入ると肌がぬるぬるしてくる、成分の塩酸 が濃い為に肌が溶け出すのではないかと思うほどだった。私にはあまり好きになれない温泉の一つではある 。今日はまだ時間が早いので入浴せずに後にする。

 更に北上していくとカーナビに澄川温泉、赤川温泉が現れてきた。
1997年5月に起きた土石流のために温泉宿が全壊して流されてしまったとニュースで聞いた記憶がある、 今はどうなっているのだろうか?もしかしたら湯船だけは復元されて入浴できるかもしれない、そんな事を考 えながら澄川温泉に向かった。国道341号には澄川温泉の案内標識は無かった、カーナビの案内に従い 赤川の右岸の道を登って行く。道路は簡易舗装されているが通る車両は少ない様に見える。2,5kmほど 進んで澄川温泉跡に着いた。
 赤川の左岸の斜面至る所からガスが勢いよく噴出している。
何処かに湯の湧き出している所は無いかと探し回る、すると赤川から10mぐらい上の斜面に湯の湧き出し ている場所があった。湯溜まりは40cm四方ぐらいで湧出量はほんのわずかだった、しかし手持ちの温度計 を入れてみると50℃の目盛りを一瞬で上がりきってしまった。70〜80℃は充分にありそうだ。
噴出しているガスは硫化水素臭がするのでかつての澄川温泉は素晴らしい泉質の温泉だっただろうと想像 させられる。結局入浴できるような湯溜まりは無かった。

 次に澄川温泉の下流にある赤川温泉跡を探してみた、カーナビで位置を確認しながら大よその場所で車 を止めて赤川を覗き込んで見た。新しく作られた砂防ダムの上流対岸に建物がスクラップ状態になって川原 の端に押し込められている。何となく赤川温泉の残骸ではないかと思えてきた、地図で見ると温泉宿は赤 川の左岸にあったのだから多分間違いないだろう。湯は今も湧き出しているだろうか?
土石流災害の後赤川の両岸はすっかり改修整地されている、対岸を眺めても湧き水の流れらしきものは見 えない。おそらく湯元は埋まってしまったのだろう。谷川にへばりつくように佇む温泉宿、こちらも惜しい温泉を なくしたものだと思う。
澄川温泉跡地と噴出するガス
澄川温泉跡地のお湯の湧き出し口
赤川温泉の残骸か?
銭川温泉
 国道341号に戻り北上すると1,2km程で八幡平アスピーテラインとの交差点に着く、さらに進んでいくと 国道の右側にトロコ温泉があった。そして国道を挟んで左側には銭川温泉もある、国道から坂を下り渓流 沿いに建つ銭川温泉に向かう。
入浴400円内風呂だけで露天風呂は無し、湯船にはチョロチョロと湯が流れ込んでいるが少し熱めだった 。無臭、無色の湯、窓から沢の流れを眺めながらの入浴が出来る。脱衣場でスリッパを脱ぐと足元が暖かい 、今の時期に床にヒーターを入れているのだろうかと不思議に思ったが、どうやらオンドルになっているようだ。 湯治部屋にもオンドルが入っているという、つまり源泉の温度と量が充分にあるということだろうか。湯上りに アイスを買おうとしたら「今女将さんが用事で出かけているから私が留守番しているんです」と岩手から湯治 にきたおばさんの返事。アットホームなところが中々良い。有名な玉川温泉は宿が混んでいて中々泊まれな いので此処の温泉に泊まって毎日玉川温泉まで通う人もいるそうだ。
銭川温泉
銭川温泉の湯船
(石鹸シャンプーシャワーも付いている)
大深温泉
 次はアスピーテラインに入り八幡平山頂方面に向かう。大沼温泉、後生掛温泉を過ぎて大深温泉に着 いた。ここは管理棟、オンドル小屋、お風呂場と3箇所に離れて建物が建っている。
宿泊や入浴休憩の客はオンドル小屋の方で休むことになる、橋を渡りお風呂場の裏手へ向かうと平屋の建 物が2棟あった。内部は中央に通路があり両側の土間にビニールゴザを敷いただけ、ゴザの上に座るとお尻 がポカポカと温かい。早速一眠りしようと横になる、15分も経つとじっとりと汗が出てくる。今の時期にしては 少し温度が高すぎるような気がする、もう1ヶ月もすればちょうど良い温度になりそうだが・・・しかしサウナ好 きの方には最高かもしれません。
内風呂は1,8m四方の浴槽が一つだけある。
湯の色は乳白色で白い硫黄成分らしい湯の花が浴槽に付いている、浴室内にはあの硫黄温泉特有の硫 化水素臭は殆ど感じられないがそれはガス成分が殆ど溶け込んでいないせいなのかもしれない。しかし帰 宅してからも体に硫黄臭が付いているのでミネラル成分は充分に含まれているようだ。源泉の温度が高いの で浴槽の注ぎ口で水を混合して温度調節している。浴室にはシャワー、湯と水の蛇口は無い、石鹸シャン プーは持参した方が良いでしょう。
入浴400円、入浴休憩2時間まで600円+入湯税150円=750円
超過1時間当たり200円
大深温泉管理棟
大深温泉浴場
大深温泉湯元
内風呂
オンドル宿舎
オンドル宿舎内部
電気炊飯器、やカセットガスコンロを持ち込 んで湯治している方も多い
銭川温泉
秋田県鹿角市八幡平字トロコ
0186-31-2336
大深温泉
秋田県仙北郡田沢湖町玉川大深沢国有林内
0186-31-2551
営業期間 6月〜10月中旬
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