2005.12.11
ワンデーパス

述べねばならない、述べんばならね、のーべんばー。


○ ○ ○

11月27日、K社チームの試合。

前回ちょこっと出てきた「中国人ディレクターとケンカして辞めた」会社の親会社(印刷会社)のチーム。
霞ヶ関のひどい会社に入る前にいたところだ。

そこを辞めたあとも、ここはいつも声をかけてくれる。
組合だか健保だか連合だかなんだか、よくわかんないが、とにかくリーグの試合だ。
でも、ヘルメットを被るわけでもなく、気軽なリーグではある。
チームの正式メンバーは当然印刷会社の人間で構成されているのだが、高齢や家族サービスのために幽霊部員になっている人が大半。
この日集まった11人のうちオレを含めた5人が助っ人だった。


都営三田線の北の終点・西高島平に13時集合。
メトロ東西線の東の終点近くの妙典を11:50に出る電車で、西高島平に12:59着。
東西線と三田線は地下鉄ながら、開業時に開発途上で土地が確保できた区間は地上の高架を走る。
当然、どちらもいまは住宅・マンションが建ち並ぶベッドタウンの風景が展開される。
妙典も西高島平もその高架の区間の駅で、地下鉄の北と東のベッドタウンを結ぶと1時間超になるのだ。

前日出勤だったせいで、三田線では常に眠っていた。
途中で同じ車両にキャプテンのI山さんを見つけたが、終点まで寝る。
西高島平でI山さんと合流。向こうも気づいていたそうな。
I山さんは阪神ファンであり、プロ野球ファン。
「日ハムはほんとにソーサ獲るの?」
という、ちょっと前の話題を振られた(笑み)

I山さんは江東区のマンション住まいで、近所に姉歯(頭髪も偽造)が絡んだマンションがある。
マンションの自治会の副会長をやっているそうで、自分のところが大丈夫か調べた。
結果、問題なかったようだが、稲城かどこかのヒューザー物件のマンションの外観がソックリで気が気じゃなかったとか。
マンション住まいの人はみんなこうして困っているんだなぁ。
姉歯がオレの近所住まいと話すと、驚いていた。


グラウンドは駅からさらに西へグングン歩いた先にある荒川河川敷。
東京都から西へ出て埼玉県和光市にあたる。車じゃないと結構な距離だ。
三田線は当初東武東上線につなげて直通する計画で、そのとおり線路が西へ延びていれば、西高島平の次の駅が最寄りになったはずだ。

当日は日差しが強く「寒いというほどではない」程度のスポーツ日和。
駅に集まった人数に対して送迎の車の座席数は明らかに少なく、2人歩くことになった。
オレは助っ人なので乗れと言われたが、アップも兼ねて歩くことにした。


2km以上は歩いただろうか。
いつも使う面よりはるかに奥の面で、歩くと言ったことを後悔した。
試合の面に着いたときはすでに頭から汗が流れていた。
さいきんどうも頭頂の汗が気になる。熱いものを喰ったときに真っ先に頭頂から汗が伝ってくるのだ。
11月も末というのに、長袖アンダーシャツの上にユニフォームを着てキャップを被ったら汗が止まらなくなった。
ユニフォームは黒キャップ、黒シャツ、細い黒ラインが1本入った白パンツ。18番はたまたまで、オレっぽくない。

こっちのチームではこれまでレフトを守っていたが、守備でのミスは全く犯したことがない。
7月には、奥へ抜けそうな大飛球を背走キャッチした。アレは自分でもスゴイと言い切れる。
その反面、打撃は思いっきり長打というのが数本あるだけで、通算打率は低いはずだ。
一番の当たりは、光ヶ丘のグラウンドで柵(土手)越えしたホームラン。
iFsでオレが使っている小久保バットではなく、もう1本のほうのタイカップグリップのアベレージ打者用バットで放った。
打った瞬間、歩いて打球を見送ったという、すんごくカッコええ当たりだったのだ。

以降、このチームではクリーンナップしか打っていない。


この日は四番・センターに入る。潮田と同じだ。
センターのレギュラー・I山キャプテンが敢えてベンチに下がったので、代わりにこっちでは初めてのセンターとなった。

相手チームは高校野球部OBが主体のチーム。これまた平均年齢高め。サードは初老で白髪の人だ。


後攻。
相手はさすが元高校球児。基本に忠実で、ウチのエースの球をセンター返ししてくる。
3番のヒットを処理したあと、4番の当たりは右中間のフライ。
下がり目に守っていたのと、ウチのライトが動けなそうなオッサンだったので、思いっきり打球に突っ込んでキャッチ。
グラブと腹の間にボールが収まった。危なかったぁ。

この後失点するが、ここのチームでもiFs同じく課題である守備のミスが出ず、わりといいムードでウラの攻撃へ。

ピッチャーさんはこれまたオッサン。
球威がよく、桑田真澄のようなペロッと出てくるカーブも持っている。
ストレートを捉えれば飛びそうだ。

1・2番が倒れ、3番の左打ちの人がファーストの頭を越える、オガばりの弾丸ライト前ヒット。
少年野球のコーチをしているそうだが、口だけでなく体現できるタイプだ。

二死で4番のオレに回ってきた。
左打席。このチームではセンターが初なら、左打ちも初公開。これまで別のキャラでプレーしていたのだ。
初球、心地よいストレートが来たので、またもやフランコをイメージしすくい上げる。
んが、左打者ということで深めに守っていたライトのグラブに収まる。
でも潮田より打球が速く、距離も出てたような気がした。フライに終わったが、気持ちよかった。

次の打席はカウント1-3から色気が出て、高めボール球のストレートを空振り。
こうなると、次にカーブが来るのがわかっていてももう体が対処できない。カーブをファウルチップしてそのままミットに。
毎日野球をやっていればどうにでもなるんだろうが。
ひさびさに三振した。


Kチームは追加点を許し、ビハインドで最終回の裏の攻撃。
打順は3番の左の人から。第二打席も鋭いライナーだったがこれはファーストにもぎ取られていた。
投手は二番手に代わっていたが、警戒したのか四球。
無死一塁で打席が回ってきた。

二番手投手は速球はなく、打ち頃ストレートとブレーキのあるカーブだけ。
しかし、オレの嫌いなタイプだった。
セットが短いのだ。
毎球構えきらないうちに投げてきて、スイングが小さくなりショートゴロ。
力まないように流し打ちを狙ってそれができたのだが、打球が弱かった。

テンションダウン。

その後、投手の制球難とポテンのタイムリーなどがあり、二死満塁で一打同点の場面にまでもっていけた。
ここで回ってきたのは、ライトのスタメンのオッサンに代わって入った若僧。
今年度入社の新人営業なのだが、野球経験ゼロ。
「ボールを見逃すと、次の投球までバットを構えたまま動かない」見た目でバレてしまう、どうしようもないタイプだ。
ベンチも「よーく見ていけ」だの、ファウルを打つと「よし、当たった」なんて言うもんだから、余計にナメられる。
意外にファウルを連発するも、結局「ボクにはボールに見えた」というド真ん中のストレートを見逃して三振。ゲームセット。
メンバーのドタキャン対策で連れてこられた若僧、温情の途中出場だったが、男にはなれなかった。

なんでこの場面にこいつに回ってきちゃったんだ…
さらにテンションダウン。


「この試合が今年最後なので、試合後に忘年会をやる」と言われたが、もう日曜の夕方。
今着ているユニフォームも含めて洗濯をしないといけないし、酒が月曜に影響するのがイヤなのでおいとまさせてもらった。
オレの文と同じで長ぇんだ、ここの飲み会はさ(笑み)
中高年主体なのと基本的に会社チームなので仕事絡みの話題になりがち。話題に絡めず余計に時間が長く感じるのだ。
ま、アイチやガッツんも我々がクラブハウスでFs以外の話をしているときは同じ気持ちだろうことは重々承知だ。


妻子持ちで帰らなきゃいけないK保さんのカーで送ってもらう。
忘年会は降りた駅よりひとつ東の新高島平駅前の店だ。いつものお決まりのクラブハウス。
同乗した長老を店に下ろし、保谷に帰るKさんの都合のいい高島平駅まで乗せてもらった。
長老によれば、大手町までだと高島平から運賃が安くなるとのこと。

往路でちょうどパスネットを使い切ってしまっていた。
東京メトロのようなパスネットの販売機がこの都営地下鉄の駅には見あたらず、キョロキョロしていると、前に男が…

「すいません、キップ買いますか?」
ん? なんだ? なんかダマされるのか? キップの問い合わせか? よくわかんない… 返事に困っていると
「これ、よかったら使ってください」
と言って一日乗車券を差し出してきた。

男… 男性は(笑み)小さい女の子を連れたお父さんで、2人で一日乗車券で出かけてきた帰りだったようだ。
おおっ、いい人がいるもんだぁ。テンションアップ。
「あ、助かります、使わせていただきます。どうもありがとうございます」と丁重に感謝して改札を通る。

ホームで2号車の端のドアを選んで待つ。
三田線の電車の一部は、車両の端がボックスシートになっているので、そこに座ろうと目論んだ。
来た電車には見事ボックスシートが付いていた。テンションアップ。
終点の西高島平とその次の新高島平はあまり乗る人がいないので、4人がけボックスシートはまるまる空席だった。
じつは2号車のボックスはシルバーシートなんだけど、ガラガラだからいいや。

何駅か進んだら、ほかのシートもまだまだ空いているのに、ボックスの向かいに若いねーちゃんが座った。
なんだかスカートが短くはじめは気になったのだが、性欲(スカートの中が見えるかどうか気になるのは「性欲」ではないかな…)より睡眠欲が勝った。
途中、シルバーが来るかもと気になっていた巣鴨でも大して人が増えず、
そこからは大手町まで、爆睡のオレとそのねーちゃんが向かい合ったままでボックスシートの風景は変わらなかった。


さて、いただいた一日乗車券は東京メトロは対象外だ。
この大手町でマイラインである東京メトロ東西線に乗り換える上、ここからは定期区間なのでどのみち一日乗車券は不要になる。

改札を出て券売機に目をやると、10人以上の人々が…
この中から選り抜き1人にで一日乗車券を渡すのはしのびなく、結局定期入れにしまったまま帰宅した。


東京都交通局にしてみれば1枚の一日乗車券が同じ路線でリレー使用されるのは損なのだから、これでいい。いや、ホントはダメだけど。
んー、でもできれば誰かに渡してあげたかった。

未だ、その一日乗車券は定期入れに入ったままだったりする。
発行と改札が「高島平」になっている。まさに父娘は帰ってきたところだった

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