2005.8.22
シャツなじみ

このところ「変T」をちょいちょい買っている。

言わずもがな、だてさんの影響である。


今年の1月だったか。昨年の故障が完治していないだてさんが多摩緑の練習に「見学」で参加した。
すんごく寒い日だった。
練習が終わり、着替えつつマッタリしていると、だてさんの上着の胸の中にヘンな柄がチラ見していた。

「なんだこれ?」とオレがめくると、Tシャツの胸に「無理。」と極太丸ゴシックで書かれていた。

ツボにハマった人間数名。オレも笑いがしばらく止まらなかった。


しばらくして、だてさんがiFsの掲示板にTシャツイベント「シャツチッタ」の情報URLをアップした。
そこを覗いてみると、「変T」を扱うサイトへのリンクがたーくさん張られてるじゃないの。

「無理。T」を見たときに点いた変T趣味の火種は、これで燃え上がり、仕事の合間にひまつぶしでその辺のサイトを覗くようになった。


そして、目に留まったのは『悪意1000%』というサイト。
「市川市」という柄のTシャツがあったのだ。
ガキのころもかんたんに覚えた地元の市の漢字は「シンメトリー」である。
これをギャラクシーな感じにデザイン処理してあるのだ。
これは買い決定。案内を見ると、3枚買うと送料タダでオマケもつくという。

ならばついでに2枚加えるか…
でもほかのは大概ネタがそんなに面白くないか、デザインがイマイチか。
その中で2枚目に決定したのは「カマキリ拳法」。
白地Tシャツは着込むと汚れが出てくるのであまり選ばないけど、これは柄の楽しさに加えてロゴの緑色が好きになった。

あと1枚は迷った。
「王監督」か「瀬戸内ジャクソン」にしようと。
日本のプロ野球では助監督というポストはあまり例がないのだが、ダントツで有名なのがこの王助監督だ。
オレが幼少の頃、「じょかんとく」という響きを初めて聞いたのもこの王さんの話で、だ。
Tシャツはオレンジ地に黒文字、もしくは黒地にオレンジ文字の2パターン。
言葉の響きからすれば、昭和50年代のジャイアンツグッズのイメージでオレンジ地に黒文字のほうがイカすに決まってる。
後者の瀬戸内…はただのオヤジギャグ。でも勢いがあって気になるのだ(笑み)

オレが野球人間であることと、瀬戸内はグレーか白地ということで色がイマイチなので、「王助監督」が3枚目にエントリー。
背中に「OH 1」の背ネーム・背番号が入っていて、これは会社に行くときに着ていく(電車に乗る)のはちょっと恥ずかしいや。
…え? ほかも同じ? たしかにそうだ。

届いた3着と一緒に入っていたオマケは缶バッジと絵はがき。うーん。絵はがきの出来は…。

(写真は生地のしわ・よれがある状態で撮っているので、図柄のゆがみが出ていますが、実際はどれもキレイなもんです)


背中にはOH 1が大書き

★  ★  ★


いま吸っているタバコは日本初のサイドスライドボックスを採用した「ALPHABET」シリーズの緑ジャケ・「C」だ。
ガキのころから、好きな色は「みどり」。昨年登場したこの「C」は単なるジャケ買い。
濃いめの緑に黒でCの文字が入ったパッケージが気に入っただけなのだ。

登場時、オレの周辺でいうと東京都限定のようだったが、その後地元の千葉ほか他県でも買えるようになった。
東京で販売が始まったときは、ボックスと同じ大きさの手鏡がオマケについたパッケージが販売機で売っていた。
鏡面に箱と同じバランスでレタリングが施されていて、本気で手鏡として使うのは辛い。

千葉などでの発売開始タイミングでは、店頭買いに限ってのオマケが登場。
ボックスには使い捨てライター、ガスライター、携帯吸い殻入れ、ミニライトのいずれか、そしてカートンには陶器の灰皿がついていた。
「ALPHABET」シリーズは赤ジャケの「H」と白ジャケの「R」もあり、
ボックスのオマケはどれもそれぞれのボックスそのもののカラーリングになっている。

ひとまず、「C」のオマケはカートンのものも含めてすべて揃えた。
会社のDさんの友人は、「H」「R」「C」すべてのグッズを集めたらしい。
食玩のように中身がわからない形ではないので、単に並んでるのを買い集めればいいだけなんだけど。

一時期、ケイタイの待受や会社のキントッシュのデスクトップも「C」で染めていた。

そうなると、あとはTシャツだ(なんでだ)。
知る限り「ALPHABET」のTシャツなんてないので、プリントゴッコTシャツマスターの丈さんに刷ってもらうことにした。

まず、スキャナーでタバコのボックスをスキャン。
Adobe Photoshopでモノクロにして、バックのストライプを消去、ピンホール(印刷時にインキがきれいに乗らず点状にヌケちゃった部分)を修正して元データ完成。
これをプリントアウトすればプリントゴッコの原稿になる。

あとはシャツだ。
仕事の昼休み、会社のチャリを駆って原宿・明治通りのユニクロへ。
¥1,000の緑無地Tを発見。現物と比べると残念ながらTのほうが色が明るめだが、緑の無地Tはなかなか簡単に買えないし安さもあって購入。

iFsの試合の日に丈さんに渡して、ゴッコしてもらい、次に会える日がわかんなかったので宅配便で送っていただいた。
プリントの出来は素晴らしかった。
こまかい文字が潰れやしないか、というのがオレも丈さんも事前に危惧していたことだったが、カッチリ原稿のとおり文字が出ている。
さすがプリントゴッコTシャツマスターベーションの丈さん。

ゴッコは版代とランプ代がかかるし、丈さんの技術代も必要。でも「タバコひと箱でいいよ」という優しい言葉をいただいた。
…のだが、やはりなかなか会う機会がない。
そこで、仕事がヒマになった週、丈さんを誘って呑みに。フトコロがさみしかったようなので、呑み代を払うことでTシャツ代金とした。



ユニクロでは、いろいろと面白い柄のTシャツを扱っている。メジャーリーグ系とか、商標系とか、オレの好きなカテゴリーのもある。
緑Tを買ったあとの別の日、それらが気になってユニクロ再訪。
すると、一般公募した中から選ばれた柄のデザインTシャツが安価で売られていた。

その中のひとつ、赤地Tに遊園地の横回転観覧車(?)の写真がプリントされているものを購入。
ベースのシャツは「C」の緑Tと同じやつの色違いのようだ。
写真がネタのシルク印刷なので、インキがもっさり重なっている。
ちょうどいまごろのようなクソ暑い時期は、胸の通気性が悪く、汗でベッチョリになるのが難点。



★  ★  ★


仕事の間のヒマつぶしで、また新たなTシャツ販売サイトにたどりついた。
「正月どらいばー」というところ。
トップページに「ほねつぎはじめました」のファニーな絵が!
「ほねつぎ」という柄のTシャツの販売開始ということだった。
正式名称は「関節ポキポキほねつぎTシャツ」。

うーむ、これはいいなぁ。
シャツのレモン色も「おいしそうな色」をしているし、即、買い決定。

ここもまとめ買いのほうがトクなので、併せて買うネタを物色。

「前方後円墳Tシャツ」と「カレー大好きビーフカレーTシャツ」をチョイスした。
ほねつぎともども、柄のファニーさがお気に入ったのだ。
カレーは黄色地。濃いオレンジ地の「エビカレー」もあったが、その2つではビーフのほうが好きだ。


正月ブランドTシャツには表の裾に「○正タグ」がつく。
赤いフェルトに白い糸で○の中に“正”の字を入れたマークをかんたん縫いしてあるだけなのだが、
これが手作り感を出していてステキなのだ。

「正月どらいばー」はオレと同世代の関西在住の姉妹さんのものづくりユニット。
メールに書いたコメントにもきちんとレスをつけてくれる、親しみが沸く方々。
オレのすっとぼけた表現にも反応してくれるのだ。
そんなこんなで何回かのメールのやりとりがあった。
こういうのって、いいよね。またここで買おうかな、って思えるから。

購入希望者のコメントへのレス、簡単そうでなかなか徹底できないもんなのだ。
バティ(「帰ってきたオバンドーTシャツ」の略の「オバT」の略)の注文メールを複数同時に受信したときなんかはしっかりレスできなかったもんで。


背中のなぞの「スタッフ」の文字と裾の「○正タグ」

背中にひんべえ

あ、「ビーフ」の拡大撮ってないや。ま、いいか。

★  ★  ★


考えてみれば、バティも変Tだ。
まだまだ変T界に身を乗り出したばかりのオレだが、いまんとこオレの変Tの基準は「柄の中に日本語…かなカナ漢字のことばが必須」というもの。
胸に書いてある柄を「読ませる」のが日本語タイポグラフィなのだ。
対面した人間が柄にある文字を声に出して読んだらこっちの「勝ち」である(笑み)。

このところ職場では、オレが着てくるTシャツをチェックする人が増えてきた。
そしてさらに最近は、バティや「C」などオリジナルTシャツを持っているがために、
新しいTシャツを着ていくたびに「それ、自分で作ったの?」と聞かれるようにもなった。

仕事の人員配置上、職場内でしょっちゅう話す人間とそうでない人間とがどうしても出てくるものだが、
変Tは後者とのコミュニケーションを生み出す力も持っているのだ。

ただ、公の単なる好奇の目を引きつけることにもなるわけで、
とくに電車で座ったときは、目的の駅までトイ面の乗客の視線がグサグサ刺さることがあるので慣れと開き直りも必要だ。


★  ★  ★


15日、会社に着ていくかどうか慎重になっていた「カレー」をついに着て行った。
お盆休みで電車も人が少ないだろう、と踏んだのだ。
んが、胸に「カレー」とカタカナで大書きされたTシャツ、さすが、オレの着てきた変Tの中ではMAXの視線が集まる。
オレは勝っているのか? 負けているのか? …そんなのどうでもいいか。


出勤前に会社の近所のスタバに寄る。
女の店員に

「きょうは何にしますか?」

そう訊かれた。

そういえばこのまえ品物を受け取ったときに「いつもありがとうございます」って言われたなぁ。
…と思いつつ注文を済ませておつりを受け取ると

「きょうおもしろいTシャツ着てますねぇ(笑み)」

と言われる。
つづけて

「お客さまのTシャツがいつもおもしろい、って、店のスタッフのあいだでさいきん話題になってるんですよ!
 こないだ“前方後円墳”着てましたよね?」

うひゃぁ、注文のやりとり以外で話しかけられたのはスタバのスウォッチをしてるのを見つけられたとき以来だ。
びっくりして返す言葉が思いつかなかったが… そうかぁ、そうなのかぁ(ハニカみ)

東京・南青山の骨董通りのスタバ。246との交差点の近くにもスタバはあるが、そこではなくもっと奥に進んだとこの店だ。
骨董通りといえば、ショップが建ち並ぶファッションストリート。
若い女が買い物を済ませるとすぐにタクシー捕まえるような街だ。

そんなオッシャレぃな街の人々が利用するスタバで話題になるんだ、オレはまさに南青山のファッションリーダーなのだ。


こういうコミュニケーションもまた発生するということ。
読ませる服、これ楽しいわぁ。

17日、正月どらいばーのサイトのブログを読んでたら、
なんとお姉さんのほうがオレと似たような体験(「何で前方後円墳なんですか?」とスタバの店員に訊かれた)をしたばっかりだったそうな。
奇遇だなぁ。もちろんこの話をコメントしたら、姉妹で「励みになる!」よろこんでいただきました。


話はカレーを着た日に戻る。

胸に書いておいて、カレーを食さないわけにはいかないのだ。
仕事のタイミングで遅めになった昼休みはD良さんと近所のジョナサンに。

そのD良さんに記念撮影をしてもらった。



昔のカレーのCFのスプーンの持ち方で喰っているのは「チキンカレー」だ。
ウマかったからいいのだ。何でも。

体型からして、キレンジャーそのものだな。オレ。

グラタン喰らうD良さん(陶芸家風ドラマー)。ヒゲないときは「丈さん」と呼びそうになるほど雰囲気が似ている。製版経験者

★  ★  ★


さて、買ってばっかりいるわけではなく、自作T用ネタ絵もさいきん一つ生まれた。
それがコレ

「チワワぶるい」とは、オレが考えたことば。
まだ口をきけなかったはずの赤子がある日突然、「チワワぶるい〜!」と叫んだらおもしろい。
生まれてはじめて口にすべきことばとしてオレが世に推奨しているのが「チワワぶるい」だ。

ほか、同じ使途のことばとして「アパラチア!」「イパチンガ!」「チュキカマタ!」もある(なんだそれ?)。
アパラチアは北アメリカの山脈、イパチンガはブラジルの鉄山、チュキカマタはチリの銅山だ。

あくまでも響き重視さ。

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