2005.6.26
ラーメン・その3

こんどは職場の近所の店のはなし。


【大将】
字を見てのとおり、大勝軒とはなんにも関係ない店。
八重洲の印刷会社にいた頃、その並びにあるこの店によく通った。
カウンター席だけの古くて狭い店だが、昼休みは席が大概埋まる。
老年に片足を踏み入れたくらいの中高年の夫婦で営んでいて、
いつもNHKのAMラジオがかかっていて、昭和へプチタイムスリップできる。
銀座の中央通りはすぐそばなんだけど、一歩外せばこういう店がまだまだあるのだ。
しょうゆかみそのスープで、味はしょっぱめ。

「大将麺」というメニューがある。
よく基本のラーメンに店の名前を付けることがあるが、この店では基本のラーメンは「ラーメン」。
はじめて頼むときにオヤジに訊いたら、大将がつくメニューには「豚の唐揚げ」が乗る。
要は、パーコーだ。
このパーコーにしょっぱめのスープが浸みるとそれはちょうどいい味になり、それはそれはウマい。
つけ麺もあって「じゃぶ麺」という名前。これもつけ麺だけにつけ汁はしょっぱめが当たり前だが、
つけ汁の中でもしょっぱいほうなんだろう。でもこれもウマい。
みその大将麺は「みそ大将」、じゃぶにパーコーなら「じゃぶ大将」だ。
シャブ大将みたいね(バカみ)

まだまだあるのだ、と書いたものの、会社を辞めて以来3年あまり行ってないので、
いまあるのかどうか確認していない… あってほしいな。


【こうや】
四谷に本店がある「こうや」が八重洲に出した店。実験麺房という名前が添えてあったっけ。
「大将」よりも印刷会社に近いところに在籍中にオープンした。
ここはとにかくボリュームがすごく、わりとこってり目のスープだったかな?
しょうゆや鶏ガラや、なんかいろいろ混じっている感じだった。
てきた当初昼に行ったが、とにかくその量の多さで午後は仕事が手につかなくなる。
スープはひとつで、雲呑麺、酉そば、高菜麺なんかがある。
味はウマいのだが、何度も言うように貧乏性のため、
そのボリュームを考え、思いっきり腹が減ってないといかない店だった。
店内は黒いテーブルでジャズがかかっているのが特徴。
水がわりに冷たいジャスミンティーが出るのだが、その香りが強く口に残るのもまた印象的。


【たかはし】
水道橋の会社にいたころ、東西線で飯田橋まで出て、そこからひと駅JRで移動して通ってた。
時差で午後出社になると、いつも飯田橋のホームから行列が見えて気になっていた店。
夜は待たずに入れそうなので、21時ごろ上がったときに行ってみた。
この店にはその一度しか行っていない。その後寄る機会がないままその会社を辞めたこともあるんだが。
店に入ってまず黒いテーブルが目に入る。
ラーメン店ではさいきんは黒いテーブルはよく見かけるので、なんとも思わなかったが、
出されたお茶を飲んだらこれまたどこかのジャスミンティーに似ている…
メニューも雲呑って漢字で書いてあるし…
なんて思いながら出てきたラーメンは、こうやのラーメンにそっくり! 味も同様だった。

あとで調べたら、たかはしの店主は、こうやで雲呑を作っていた人なんだと。
この人が抜けてから、こうやの味が落ちた、とも言われているようだ。

ボリュームもこうや同様で、以後、なかなか行く気にならないままだった。


【梟】
平均的に昼休みをとるのが遅いいまの会社。14時15時がふつうなくらいだ。
骨董通り周辺は飲食店が結構あるのだが、ランチタイムが終わると閉まる、あるいは高くなるところが多い。
夜まで通しでやってるところでよく行くのはジョナサン、七面鳥カフェ(いつかここの話も書こう)などちょいちょいあるのだが、
その中のひとつが「らーめん 梟」。
また出てきた読めない漢字一文字の店(笑み) 「ふくろう」だ。
その1の「八蔵」の話ででてきた「ふくろう」と関係があるのかはわからない。

調べると銀座なんかにも店があるらしい。店内はいつもジャズがかかっている。
スープは背脂的なものが散見されるのでたぶん豚骨ベースだが、メニューは「しょうゆ」と「塩」。
いわば「しょうゆとんこつ」と「しおとんこつ」だ。
夏場はつけ麺があって、麺を食い終わるとスープ割り(そば湯)が出る。
昨年の間は、このつけ麺が旨い印象があったのだが、最近は写真の塩にハマっている。

「しおとんこつ」状態なので、決してあっさりではないのだが、適度なコクが出る。
チャーシュー麺にするとでかいチャーシューが5枚くらいザッと入る。
らーめんには白飯がサービスで茶碗一杯分出るのだが、これとスープがまた合う。
チャーシューを食いちぎり、スープを口に含んだうえで白飯をかっこむとこれがたまらん!
味玉めんや辛目のタレであえたネギらーめんもあるが、オレはいっつもチャーシュー麺にする。

この店は狭い間口で、興味がない限り気づかず通り過ぎてしまうところにある。
そのせいか、カウンター10数席のみのこの店が満席、という状態には遭遇していない。
オレがいつもメシ時をはずしているからなのかもしれないが。
おもしろいのは、どんな時間に行っても必ず女性客がいるか、後から入ってくる、ということ。
女性客を見ない日のほうが少ない。骨董通りという場所柄もあるのかな?
ふつうに白飯付きで食べてる人もいる。

23時に退社した日、寄ってみた。
いつも昼にしか行かないもんで、夜は何時までやってるかわからなかったが、しっかり開いていた。
食券を買って席に着くと、餃子のタダ券が出てきた。
餃子があったのか! まったく気にしていなかった。
食券を買うとき、ラーメン以外のメニューはよく見たことがなかった。
らーめんと白飯でじゅうぶん満腹になるので、餃子も食べようという気にもならないのが実際のところ。
きのう昼に訪れるとまたタダ券が出た。
気分転換でしょうゆチャーシューをすすっていると、カタコト日本語の中国人店員のおねーちゃんが、店の外でタダ券を配り始めた。
「オネガイシマース」
ビラ配りじゃん、それじゃ。「ギョウザムリョウケンデース」くらい言わなきゃよぉ。
案の定、あんまり手が伸びてこないようだ。
そういえば、白飯を出すときにも「オネガイシマース」だった。意味わかってんのか?

大勝軒ドキュメントをきっかけに、ラーメン店評価サイトをちょくちょく見るようになったんだけど、この梟はなかなか出てこない。
なんでだか? 結構美味いと思うんだけど。
美味いもまずいも関係なく、区内や市内を食べて回ってるようなサイトにも出てこないのだ。
Googleで捜すと、女性のブログで「塩がうまーい」的なコメントを書いているところが複数ひっかかる。
ここでも女子の支持がある。不思議な店だ。

じつはこの梟の話はひと月前から書いていたのだが、忙しくてペンディングになっていた。
上まで書いたあと、14時ごろ店に行った日があるのだが、なんとそとに2人ほど人が溢れてた。
満席だったのだ。周りにラーメン店が少ないのもあるが、やっぱりウマいんだよ、この店は。

さらに後日、22時頃会社を上がった日に寄り、無料券で餃子も食べた。仕事終わりなら食べてもよかんべ、と。
無料券を出したらすぐ、新しい無料券をくれた。7月いっぱいまで使えるんだって。
小さいのが5つ。無難なもんだったが、ラーメン+白飯に餃子はさすがに満腹になりすぎた。
最後に飲んだ水がよくなかったらしく、冷房の利いた電車で腹がさらに冷やされ、帰り道は大変なことになった。
いや、無事家で排出したんだけどね。自宅ハイツの2階に上がる急な外階段はかなりな嫌がらせだった(笑み)

5月以降、梟に行かなかった週はない。それほどいまハマってる店だ。



とまあ、ダラダラとたくさん書いた。
これから暑い夏に入るので、汗必須のラーメンはしばらく喰いたくなくなるはずだ。
涼しい秋になったら、新しい店を開拓しよう。


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