こんどは職場の近所の店のはなし。
【大将】
字を見てのとおり、大勝軒とはなんにも関係ない店。
八重洲の印刷会社にいた頃、その並びにあるこの店によく通った。
カウンター席だけの古くて狭い店だが、昼休みは席が大概埋まる。
老年に片足を踏み入れたくらいの中高年の夫婦で営んでいて、
いつもNHKのAMラジオがかかっていて、昭和へプチタイムスリップできる。
銀座の中央通りはすぐそばなんだけど、一歩外せばこういう店がまだまだあるのだ。
しょうゆかみそのスープで、味はしょっぱめ。
「大将麺」というメニューがある。
よく基本のラーメンに店の名前を付けることがあるが、この店では基本のラーメンは「ラーメン」。
はじめて頼むときにオヤジに訊いたら、大将がつくメニューには「豚の唐揚げ」が乗る。
要は、パーコーだ。
このパーコーにしょっぱめのスープが浸みるとそれはちょうどいい味になり、それはそれはウマい。
つけ麺もあって「じゃぶ麺」という名前。これもつけ麺だけにつけ汁はしょっぱめが当たり前だが、
つけ汁の中でもしょっぱいほうなんだろう。でもこれもウマい。
みその大将麺は「みそ大将」、じゃぶにパーコーなら「じゃぶ大将」だ。
シャブ大将みたいね(バカみ)
まだまだあるのだ、と書いたものの、会社を辞めて以来3年あまり行ってないので、
いまあるのかどうか確認していない… あってほしいな。
【こうや】
四谷に本店がある「こうや」が八重洲に出した店。実験麺房という名前が添えてあったっけ。
「大将」よりも印刷会社に近いところに在籍中にオープンした。
ここはとにかくボリュームがすごく、わりとこってり目のスープだったかな?
しょうゆや鶏ガラや、なんかいろいろ混じっている感じだった。
てきた当初昼に行ったが、とにかくその量の多さで午後は仕事が手につかなくなる。
スープはひとつで、雲呑麺、酉そば、高菜麺なんかがある。
味はウマいのだが、何度も言うように貧乏性のため、
そのボリュームを考え、思いっきり腹が減ってないといかない店だった。
店内は黒いテーブルでジャズがかかっているのが特徴。
水がわりに冷たいジャスミンティーが出るのだが、その香りが強く口に残るのもまた印象的。
【たかはし】
水道橋の会社にいたころ、東西線で飯田橋まで出て、そこからひと駅JRで移動して通ってた。
時差で午後出社になると、いつも飯田橋のホームから行列が見えて気になっていた店。
夜は待たずに入れそうなので、21時ごろ上がったときに行ってみた。
この店にはその一度しか行っていない。その後寄る機会がないままその会社を辞めたこともあるんだが。
店に入ってまず黒いテーブルが目に入る。
ラーメン店ではさいきんは黒いテーブルはよく見かけるので、なんとも思わなかったが、
出されたお茶を飲んだらこれまたどこかのジャスミンティーに似ている…
メニューも雲呑って漢字で書いてあるし…
なんて思いながら出てきたラーメンは、こうやのラーメンにそっくり! 味も同様だった。
あとで調べたら、たかはしの店主は、こうやで雲呑を作っていた人なんだと。
この人が抜けてから、こうやの味が落ちた、とも言われているようだ。
ボリュームもこうや同様で、以後、なかなか行く気にならないままだった。
【梟】
平均的に昼休みをとるのが遅いいまの会社。14時15時がふつうなくらいだ。
骨董通り周辺は飲食店が結構あるのだが、ランチタイムが終わると閉まる、あるいは高くなるところが多い。
夜まで通しでやってるところでよく行くのはジョナサン、七面鳥カフェ(いつかここの話も書こう)などちょいちょいあるのだが、
その中のひとつが「らーめん 梟」。
また出てきた読めない漢字一文字の店(笑み) 「ふくろう」だ。
その1の「八蔵」の話ででてきた「ふくろう」と関係があるのかはわからない。
調べると銀座なんかにも店があるらしい。店内はいつもジャズがかかっている。
スープは背脂的なものが散見されるのでたぶん豚骨ベースだが、メニューは「しょうゆ」と「塩」。
いわば「しょうゆとんこつ」と「しおとんこつ」だ。
夏場はつけ麺があって、麺を食い終わるとスープ割り(そば湯)が出る。
昨年の間は、このつけ麺が旨い印象があったのだが、最近は写真の塩にハマっている。
「しおとんこつ」状態なので、決してあっさりではないのだが、適度なコクが出る。
チャーシュー麺にするとでかいチャーシューが5枚くらいザッと入る。
らーめんには白飯がサービスで茶碗一杯分出るのだが、これとスープがまた合う。
チャーシューを食いちぎり、スープを口に含んだうえで白飯をかっこむとこれがたまらん!
味玉めんや辛目のタレであえたネギらーめんもあるが、オレはいっつもチャーシュー麺にする。
この店は狭い間口で、興味がない限り気づかず通り過ぎてしまうところにある。
そのせいか、カウンター10数席のみのこの店が満席、という状態には遭遇していない。
オレがいつもメシ時をはずしているからなのかもしれないが。
おもしろいのは、どんな時間に行っても必ず女性客がいるか、後から入ってくる、ということ。
女性客を見ない日のほうが少ない。骨董通りという場所柄もあるのかな?
ふつうに白飯付きで食べてる人もいる。
23時に退社した日、寄ってみた。
いつも昼にしか行かないもんで、夜は何時までやってるかわからなかったが、しっかり開いていた。
食券を買って席に着くと、餃子のタダ券が出てきた。
餃子があったのか! まったく気にしていなかった。
食券を買うとき、ラーメン以外のメニューはよく見たことがなかった。
らーめんと白飯でじゅうぶん満腹になるので、餃子も食べようという気にもならないのが実際のところ。
きのう昼に訪れるとまたタダ券が出た。
気分転換でしょうゆチャーシューをすすっていると、カタコト日本語の中国人店員のおねーちゃんが、店の外でタダ券を配り始めた。
「オネガイシマース」
ビラ配りじゃん、それじゃ。「ギョウザムリョウケンデース」くらい言わなきゃよぉ。
案の定、あんまり手が伸びてこないようだ。
そういえば、白飯を出すときにも「オネガイシマース」だった。意味わかってんのか?
大勝軒ドキュメントをきっかけに、ラーメン店評価サイトをちょくちょく見るようになったんだけど、この梟はなかなか出てこない。
なんでだか? 結構美味いと思うんだけど。
美味いもまずいも関係なく、区内や市内を食べて回ってるようなサイトにも出てこないのだ。
Googleで捜すと、女性のブログで「塩がうまーい」的なコメントを書いているところが複数ひっかかる。
ここでも女子の支持がある。不思議な店だ。
じつはこの梟の話はひと月前から書いていたのだが、忙しくてペンディングになっていた。
上まで書いたあと、14時ごろ店に行った日があるのだが、なんとそとに2人ほど人が溢れてた。
満席だったのだ。周りにラーメン店が少ないのもあるが、やっぱりウマいんだよ、この店は。
さらに後日、22時頃会社を上がった日に寄り、無料券で餃子も食べた。仕事終わりなら食べてもよかんべ、と。
無料券を出したらすぐ、新しい無料券をくれた。7月いっぱいまで使えるんだって。
小さいのが5つ。無難なもんだったが、ラーメン+白飯に餃子はさすがに満腹になりすぎた。
最後に飲んだ水がよくなかったらしく、冷房の利いた電車で腹がさらに冷やされ、帰り道は大変なことになった。
いや、無事家で排出したんだけどね。自宅ハイツの2階に上がる急な外階段はかなりな嫌がらせだった(笑み)
5月以降、梟に行かなかった週はない。それほどいまハマってる店だ。
とまあ、ダラダラとたくさん書いた。
これから暑い夏に入るので、汗必須のラーメンはしばらく喰いたくなくなるはずだ。
涼しい秋になったら、新しい店を開拓しよう。
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