したたかヒルマン
Chiba Lotte Marines
V.S
Nipponham Fighters
2003.3.22 Sat.
オープン戦
M-Fs[千葉マリンスタジアム] 観衆:4,000人
4-1
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
Fs
0
1
0
0
1
0
0
0
2
4
M
0
0
0
0
1
0
0
0
0
1

Wミラバル3勝 L清水直1勝1敗 HR高橋信4


-STARTING MEMBER-


Fs
 
M
1
森 本
井上純
2
金 子
波 留
3
小笠原
4
エチェバリア

メ イ
5
DTクローマー
垣 内
6
ショート
7
上 田
初 芝
8
高橋信
清水将
9
阿久根
小 坂
P
ミラバル
清水直


2003年の初観戦は千葉マリンとなった。
前日・春分の日の金曜、21日はFsオープン戦唯一の休日の東京ドームの試合だった。
私はこの21日のドームを観ることにして、マリンの試合を観に行く予定ではなかった。
しかし、仕事で午前様の日々。帰路は東西線の終電には間に合わず、総武線の終電に乗り、タクシーへ乗り継ぐ形が続いた。
仕事でない日になると“起きなきゃパワー”は大幅ダウンする。本来なら今季初観戦なのでパッチリ目が覚めるはずなのだが、
さすがに今回はムリだった。11時に起床、プレイボールに十分間に合う時刻だったが、カラダが動こうとしなかった。
昼食を(と言ってもカップやきそば)摂り、13時54分からの西武-巨人のオープン戦中継を観始める。
「はぁ、巨人の応援団はラッパ使ってねぇなぁ… チケット高額転売事件で応援団のリーダーが捕まったから、何か変化があったのかなぁ…」
と思いながら、いつの間にかウトウト…。起きたら18時を回っていた。よほどカラダが睡眠を欲しがってたとみえる。
ちなみに、この関東の巨人応援団のラッパ不使用はオープン戦のみの「自粛」だったそうだ。

そんなこんなで、翌日のマリンの試合を観ることにした。県内だし、そう遠くない。
それに、今季も新たに個人応援歌が決まった選手がいる。その中でただひとり新曲が作られたのが阪神からやって来た坪井智哉だ。
Fsの全選手の着メロを作っている私としては、未だ耳にしていないこの坪井の曲を早く聴きたかった。
今季本格的にサードに就きそうなオガの動きも見たい。
そして、トレイ・ヒルマン新監督も初めてナマで見るわけだ。

ちょうどプレイボールに間に合うくらいに家を出たつもりだったが、ちょっと遅かった。
しかも現地では公式戦開催のときに海浜幕張〜マリン間を走る無料シャトルバスが走ってないじゃないの。
人気(ひとけ)の少ない道路をテクテク歩いて球場に着いた頃には、1回の攻防が終了していた。
内野特別自由席を買ってネット裏3列目に座る。2回表、先発・清水直行の前にエンジェルが凡退した直後だ。
スコアボードに目をやると、坪井が出てない! オガはサードでなくファーストで出場。ちょっとガッカリ。
次の打者はDT(今年はこう呼ぶことにした)。オープン戦は好調で得点圏打率もよく、昨年のような醜態を忘れさせる勢いだ。
この打席もすごく素直なセンター前へのライナーを弾き返す。センター前ヒット。これが彼の本来の姿なのか?
のライトフライのあと、坪井に代わってライトで出ている上田がこれまたキレイにセンター前ヒット。
三塁へDTが駆け込むと、セカンド・の送球が三塁で待つリック・ショートのスパイクに当たりファウルグラウンドを点々。
すかさずDTがホームへ突っ込みスライディング。カバーからの送球は間に合わず見事生還した。1-0
ベンチへ「してやったり顔」で笑いながら帰るDT、あまり笑顔を見せない男だが、今はノリに乗ってる感じだ。

Fsの先発はすでに開幕投手を言い渡されているミラバル
ヒルマン監督は開幕の対西武三連戦を「ミラバル金村シールバックの順で行く」と公言している。
2回裏、3回裏とかんたんにロッテを手玉にとって行く。スコアボードを見ると無安打無失策、一巡目はパーフェクトピッチングだ。
思えば昨年4月に80球1安打・打者28人完封の準完全試合を演じたのもこのマリンスタジアムだ。

4回表・先頭のエンジェルは「ぺちん」と打ち負けてセカンドフライ。未だ目を覚ましていない感じだ。
対して、次のDTはまたもやライナーでレフトへのヒット。昨年より右足の上げを小さくした感じで、タイミングがきちんととれている。
これでエンジェルが打てるようになればこのクリーンナップの怖さが出てくる。

5回表・一死からシンジがライトスタンド・バックスクリーンのすぐ脇へ一発を叩き込んだ。
押し込むように打ったセンター返しはグングン伸びてそのまま入ってしまった。2-0
はや4号。ついにブレイクの年が来たようだ。個人的には2年遠回りしたように感じるが。
次の阿久根は三振。オープン戦、セカンドのレギュラーとして使われ続けているが、打撃の結果が出ない。
トップに帰ってひちょりがキレイにセンター前ヒット。井出のファーム降格により、一挙にレギュラーの大チャンスが転がり込んできた。
振りが大きく、空振りの三振が多いのは井出ゆずり。強肩・俊足も被るわけで、なにか井出と差をつけるところを見つけたいところではある。
とりあえず若さと明るい性格でリードしているというところか。
井出の降格はキャンプ時の打撃不振の他にも、ヒルマンが彼の地味なキャラを嫌ったという理由も考えられる。
続く金子は倒れて、この回はシンジのソロのみで終了。

その裏・先頭のメイがあわやホームランかというセンター越えの二塁打。オープン戦開始当初不振だったが、このところ一発を重ねて調子が上がってきた。
ミラバルは4回裏も3人で斬ってパーフェクト続行中だったが、いきなり二塁にランナーを背負ってしまった。
新しい応援歌が印象的な移籍組の新戦力・垣内のライトフライでメイは三塁へ。バッターはリック・ショート
ロバート・ローズのキャンプ中の電撃退団により外国人は投手2人+野手2人となり、このショートが一軍に加わる可能性が高くなった。
当初のイメージでは打撃は非力で守備の人という感じだったが、ネット裏から眺める限り、カラダはかなりガッシリしている。
この打席は名前のとおりショートゴロでメイが生還。2-1とされる。シンジの一発がいいタイミングで出たもんだ。

清水チョキは6回を投げ切って交代。2回はエラー絡みでの失点なので、自責点はシンジの一発のみ。とりあえず先発の役割は果たした、というところ。
黒木ジョの離脱、小野の不振などで、ロッテミンチーとこのチョキが柱にならないとどうにもならない。
7回表は阪神から移籍後2年目となる井上貴朗が登場。茂雄の佐倉高校の後輩として、巨人戦の登板時にはいつも話題になった投手だ。
昨年9月のオリックス戦で1504日ぶりの勝ち星を挙げたが、直後、練習中に打球を顔に受けて鼻骨骨折の憂き目にあった。
阪神時代は駆け出しの頃の井川同様・将来のエースとして春先にいつも注目を浴びた本格派投手だったが、今は違ってしまった。
プレート上でコンパスをくりんと回すような、体の回転で腕を振り回してるだけの投球フォームだ。
投球練習だけかとおもったら、本番も同様の力が入らない投げ方。ストレートは130km/h前半という「クセ者投手」に変身していた。
上田から三振を1つ奪って三者凡退。この1イニングで交代したが、一軍にいられるのかどうか、ハンパなところっぽい。

オープン戦とはいえ、開幕一週間前。チョキの6イニングで降板はちょうどいい頃合いと思われるが、ミラバルは8回もマウンドに上がった。
無四球でヒットもたった3本でここまでスイスイ来たミラバルは球数が少ないのだろう。やはりマリンは相性がいいようだ。
8回裏・二死、立川がカットしたファウルが審判の胸に直撃。プロテクターはつけてるものの、硬球がガツンとくるんだから、それは痛かろう。
結局ミラバル立川を歩かせて、ここでヒルマン登場。どうやら交代のようだ。
ヒルマンは投手交代を審判に告げつつ、ファウルをマトモに喰らった体をさすって気遣っていた。
こういう気遣いは誰に対してもやっている。鴨川キャンプでは夜の宴会時に各選手にビールを注(つ)いで回ったとか。とにかくいい人というのがもっぱらの評判だ。
もちろん、心底誠意から来ているものなんだろうが、審判にはちょっとでもいい印象を与えておいたほうがいいということもあるだろう。

さて、このあと一死でチェンジというタイミングでの交代は、球数制限の他の何物でもない。
後で調べると、ミラバルは98球で交代。100球をメドにしていたわけだ。調子のいいときのミラバルはとにかく球数が少ない。
アナウンスが出る前にリリーフカーが出てくると、レフトスタンドから拍手が沸いた。
ココロのエース(ひさびさに使うな。この表現)ガンの登場である。キャンプ時から構想が語られていた抑えとしての起用のようだ。
オープン戦では数度ので先発でことごとく打ち込まれ、シーズンは関根とともにリリーフでのスタートが決まった。
先発とは違い、走者を背負っての登場は最初からセットポジション。のんびりスタートを切るわけにはいかない。
バッターはこれまた移籍組の新戦力・波留。しかし、この波留に対してストライクが入らない。いきなり歩かせてしまう。
続くはまたまた移籍組の原井。途中から守備について初打席… と思いきや、なんと代打・佐藤幸彦登場。
原井は新天地に来ても、西武時代と同様の「守備つなぎ要員」として扱われてしまっている。ちょっと悲しい。

暗い表情のガン幸彦に投じた初球はまたもクソボール。これを見て慌ててヒルマンと通訳がマウンドへ飛んできた。
こういったところ、ホントにしたたかな監督である。人情味があるというか。
声をかけただけでよくなりゃ簡単な話で、ストライクは獲れたものの、幸彦もけっきょく四球。ライトスタンドは大声でガンを煽る。
ネット裏3列目の席だと、ガンが焦っているのが手に取るようにわかる。
打順は4番・DHに回るが、前の打席でメイがヒットで出塁したため、代走で足のスペシャリスト・代田が入っていた。
これまた近鉄ヤクルトと渡ってきた移籍組。原井同様・打順が回ると代打を出される(なまえとは裏腹だね)のがお決まりのプロ人生だったが、ここは代えられず。
このあたりに対してもストライクが獲れないんじゃ、いよいよガンも終わりか、と思わざるを得ない状況になってきた。
ヘタに怖いバッターより、いやな設定ではある。
やっとこさマトモに投球ができると、バッターも手を出さざるを得ない。代田が打ち返した打球は一瞬ハッとしたが、なんとかセンターフライで仕留めた。
一死獲るのにこんなにハラハラされられるようじゃ、抑えどころか中継ぎも務まらない。

9回表・当初の予定に沿ってなんだろうが、ロッテは8回1イニングを投げた川井に代えて小林雅を投入。
先頭の、途中から4番・サードで出ている賢介が出端をくじいてセンター前。5番・DTで追加点か? と思いきや、代打・島田登場。
ん〜、こういう場面でこそ、今の彼の働きを見たいところなんだけど… しかも島田島田でバント要員(笑み) きっちり送って一死二塁とした。
三振・上田四球で二死一・二塁の場面で、シンジに代わって途中出場の實松がレフトへ値千金のツーベース。2点加えて4-1とした。
オープン戦・リードの場面とはいえ、コバマサを捕まえたのは大きい。

9回裏・ガン続投。ベンチ前でキャッチボールをしてたのでオドロキはしなかったが。不安はたっぷりだ。
諸積渡辺正人と簡単に斬ってすっきり終われば良かったが、そうはいかない。
初芝を歩かせると、清水将にはセンター前ヒットを浴びる。バッターは応援歌が変わった小坂
彼の応援歌は昨年まで“となりのトトロ”の挿入歌“さんぽ”だったが、
この試合は毎打席、フランコ(95年オープン戦のみ)・仁村徹に使われた短調の曲が使われている。
その応援歌がこの打席で流れていたかどうかは憶えてないが、この小坂をまたもやセンターフライでなんとか討ち取ってゲームセット。

4-1。私の今季初観戦は勝利に終わった。
ただ、ガンがこのあとも「抑え」で登板するとは思えず、一軍にいられるのかどうかもわからない状況。
チームを盛り上げるにはこの男ヌキでは語れないのだが、当人がションボリな成績じゃぁねぇ…。

前日・春分の日はまさに春がやってきてあったかい一日だったのに、この試合の日は冷たい風が舞う酷寒の日だった。
試合中と試合後の二度行ったトイレでは、尿がこれでもかとばかり出っ放しで止まらずにキモチ悪かった。


さて、帰宅後、初めて聴いた垣内・波留の新応援歌、小坂の3曲目となる応援歌の着メロ製作にかかった。
のち、小坂の応援歌はこの試合から変更になったことが判明した。
理由は「本人の申し入れで“さんぽ”は使わないことにした」というもの。
小坂の最初の応援歌はポール・モーリアの名曲“恋は水色”だった。
これは小坂の前に山中潔(今季よりFs一軍バッテリーコーチ)に使われていたのを流用したものだったが、
小坂が「イメージが合わないから変えてくれ」と応援団に頼んだんだそうだ。
2曲目の“さんぽ”は明るく元気なノリだが、こどもの(しかも女の子…っていうか"メイ"ちゃんじゃん・笑み)曲で、
小柄な小坂にとってはコンプレックスだったのかもしれない。
こんどの曲はシブいメロディの曲なので、さすがに当人からの文句は出ないだろうなぁ。

応援歌といえば、坪井は途中出場もなし。
応援歌は試合後の「二次会」(勝ちチームの応援団がスタンドに居残って応援歌をひととおり唄うアレ)で1コーラスだけやったが、それだけじゃとても憶えられない。
帰路はアタマの中で垣内波留の曲を忘れないように奏でながら電車に揺られた私だった。

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