機先
Seibu Lions
V.S
 Nipponham Fighters
2002.6.1 Sat.
パ・リーグ公式戦
L-Fs 10回戦[西武ドーム] 観衆:19,000人
3-4
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
Fs
0
0
0
0
0
5
0
3
0
3
L
0
0
0
3
0
1
0
0
X
4

W後藤2勝1敗 S豊田1勝10S L金村2勝1敗 HRカブレラ15 小笠原17(2) オバンドー13


-STARTING MEMBER-


Fs
 
L
1
金 子
松 井
2
奈良原
小 関
3
小笠原
宮 地
4
オバンドー
カブレラ
5
クローマー
鈴 木
6
田中幸
エバンス
7
木 元
大 友
8
野 口
伊 東
9
井 出
高木浩
P
金 村
後 藤

4月20日、ボーリックの今季1号が出た東京ドームの対ロッテ戦以来の観戦となった。
結局5月はナマ観戦しなかったのだ。日程がすんごい詰まってた月だったんだけど。

そのひさびさの観戦は今期初のビジターゲームだ。しかし、地元から電車で1時間半はいつもキツイ。

図らずも待ち合わせ時刻の12時半の2分前に西武球場前駅に到着。
ところが待ち合わせの兄キ(誰だ…笑み)が「遅れるので第二で待っててくれ」という。
この日は13時から第二でイースタンの西武-ロッテ戦、13時半から西武ドームで西武-Fs戦なのだ。
おととし5月に神戸に観に行ったときは、オリックス-Fsの一軍戦デーゲーム終了後、同じGS神戸でナイターのサーパス-阪神戦が行われた。
(↑当時の観戦記ではサーパスの試合のことは完全に書き忘れているようだ)
一日に一・二軍の試合を両方観たのは、鎌ヶ谷→ドームの一日観戦なんかでもやっているが、同時開催ってのは初めてである。

正直、西武第二球場の位置がよくわかってなかったので、西武ドームの係員に聞いてから向かった。
西武第二は公園の野球場みたいなお世辞にもプロ選手がプレーする球場とは言えない所。
西武ドームの駐車場から階段を上がってバックスクリーン裏から入る。
入場料の徴収はなし。金をとるようなレベルの観戦設備はないのだ。
スコアボードは数字関係のみ。今誰が出ているかというのを知る手だては目で選手を確認する以外ない。

グラウンドと観戦位置との高低差はなく、金網一枚隔てた先で試合が行われる。
っても、バックネット裏は遠いので行ってないから、その辺がどういう設備になっていたかは確認していない。
少なくとも外野エリアには、ぽつりぽつりとバス停レベルのベンチが芝の上に置いてあるだけだった。
私はそのライトポール際のベンチに座った。

ブルペンも客が真横から眺められる位置にある。そこで投球練習をしていたのはこの試合の先発・許銘傑だった。
Fsはこの投手にいつも手を焼いていたイメージがあるが、下で投げていたとは…。
でもさすがにプロでもエース級の実力の投手。間近で聴くミットの音はものすごいものがある。
そして球の速さ、キレ… 本当の間近で見るのは最近は草野球の方が多いので、プロの凄さをマジマジと味わわせてもらった。

遠くからアナウンスが聞こえてきた。最初は西武ドームの音かと思ったが違った。
今いる第二球場の放送。すんごいボリュームが小さくて、バックネット付近にいないとしっかり聴き取れない。
スタメン発表をしているようだ。三塁側にいるロッテの応援団がひとりだけラッパを持っていて、
コールがあるたんびに反応するんだけど、ラッパの音ばっかり聞こえてきて、アナウンスはさっぱりわかんなかった。

西武はファーストに高木大成、センターに河田、ライトに赤田が来た。こっちに居ていいのかい、って感じのレベルの選手たちだ。
1回表、ロッテの1番が誰だかわからないまま(あとで調べたら丸山だった)、2番・アナウンスが辛うじて聞こえた寺本四郎に回る。
今季から野手転向した選手だが、早くもスタメンで2番なんていう打順に入っている。
打者としてかなりの期待と素材の持ち主のよう。この打席は送りバントをしてたかな。
3番に酒井、4番に立川と、一軍クラスの選手が気づくとフツーに出ているのがロッテのファームである。
その裏、私が観ている目の前のライトの守備位置に喜多が来た(笑み)
ついこの前、新人ながら2試合連続サヨナラ打という離れ業をやってのけてたのに、こいつも早くも落とされている。
ホントにロッテって何考えてるんだかわかんない入れ替えをやるんだよなぁ。
許銘傑は立て続けにピッチャー返しを受けてツイてない立ち上がりだったが無失点で1回を投げ終えた。

1回裏、こんどはロッテの先発投手が誰だかわからない(あとで調べたら田中良平だった…誰それ?・爆み)。
西武の1番はDHの柴田。そういえばこの人も今年出てきてなかったもんなぁ。
ケガが絶えなくて肩が弱くて俊足の左打ち外野手… Fs石本そっくりだ。ただ、柴田のほうが長打力があるが。
でもうかうかしてるとホントに石本みたいにファームのレギュラーに居座ってしまうぞ。

そんなことを思っていると、本家の方が騒がしくなってきた。西武ドームのスタメン発表が行われているのだ。
容赦なく聞こえてくる一軍のスタジアムの歓声… スタジアムではなくただのグラウンドで試合をしているファームの選手たちは何を思っているだろうか。
今季伊原監督に代わった途端一軍に呼ばれなくなってしまった中島聡なんか、ファームですらスタメンで出られていない。
一軍はすぐそこに居るってのに、いったいいつになったら戻れるんだか全くわかんないんだからツライだろうなぁ。
 

さて、兄キと合流して西武ドームへ移動。
この季節、蒸し暑いかと思ったが、珍しく快適な涼しさだ。
スタメンを眺めてみると、両軍無難な線。注目は橋本と交換で阪神からやってきたエバンスだ。
マクレーンが手首を骨折、帰国して手術をして今季の復帰が絶望になったため補強した選手で前日の31日が西武での初試合。
内野安打だったが、さっそくヒットを記録した。昨年阪神に途中加入したときはサッパリ打てなかったんだが… いったいどうなるんだろう。
首位を走っていながら、松坂和田マクレーンとリタイア続出の西武。しかしそれを埋める選手も続々と現れる。
13年目にして花開いた宮地や、台湾からやってきた張誌家(チャン・ズージャ)なんかがそれだ。
張誌家は来日直後の情報ではこの6月1日の試合に先発でデビューする予定だったんだが、結局後藤になった。話がちがうよなぁ。
 

 …と、ここまで書いてから半月。いろいろ忙しく、この観戦記のことをすっかりほったらかしていた。
 正確に言えば、わかっているが手を付けなかった。自分の長文癖のせいで、今回だけテキトーには済ませられない状態になってしまった(笑み)
 この間、たまたまチケットが当たったサッカーのワールドカップは観に行ったのだが、野球はまったくナマでは観ていない。
 気づくと7月7日の七夕になっているじゃないか。
 ということで、以後は記憶もまばらな状態で、試合翌日のニッカンスポーツの記事を頼りに観戦記を続行…。でもやっぱりアバウトになりそうだ。
 ここを読んでいる数少ない方々、その辺を踏まえて読みましょう…
 

Fsの先発は金村。中継ぎでスタートしたが、ガンシモの離脱により先発へ加わった。
1回は両投手無安打で切り抜ける。しかし後藤は2四球。制球難は相変わらずなイメージ。

2回表、木元が右中間フェンス直撃のツーベースで気を吐くが、後が続かない。

0-0で迎えた4回裏、試合が動く。
今季対左用の犬伏とともに対右用で3番を務めている先頭の宮地がセンター前で出塁。
さらに盗塁で二塁へ進んだ後、4番・カブレラは三遊間を襲う強烈な当たり。
これをサード・木元が止めにかかるもグラブではじいてしまった! 死んだ打球はレフト・クローマーのもとへゆっくりゆっくり…
その間に宮地は一気に生還してしまった。0-1。結果、木元が触らなければ逆にタイムリーにならずに済んだのだが、
これは「レフトへ抜けるような強い当たりをくい止める」サードの仕事をしたにすぎない。
はじいてしまったものの、こればっかりはしょうがないと思うが… 翌日木元はこのプレーが原因でスタメンをはずされた。
木元は守備で喰ってる選手じゃないし、そんなことででかいツーベースを放った男をベンチにしまってしまうのは悲しい。

鈴木健がライト前ヒットのあと、注目のエバンスに対してストライクがなかなか行かず四球。無死満塁の大ピンチとなる。
打席は大友。この打線の中ではそう怖くない打者だが、怖い怖くないにかかわらず、一度失った制球力はなかなか戻らない。
もともとコントロールがいい金村だが、たまに甘い球にしてしまって一発を喰らうのが負けパターン。
んが、ここまでストライクが入らないのも珍しい。大友は押し出しで0-2

私は見ていられず「もうスッパリ代えたほうがいい」と話していたのだが、続投。
バッターは8番・伊東。今季で40歳になる大ベテランはレギュラーを死守している。
打率はよくないが、勝負強いイメージの伊東の打席で、あのチャンステーマを西武ドームが流した。
しかし、きっかけが遅かったため、ファンファーレはプレーにかかってしまうタイミングになった。
インプレー中は音を出さない決まりなので、ファンファーレが終わらないうちにスピーカーからフェイドアウト…。
一気に盛り下がった挙げ句、伊東もショートゴロ併殺に倒れた。
球場も選手の動きをしっかりみてやらないと、こういうことになってしまうのだ。
城島とか、イチローとか、カズ山本とか、巨人清水とか、打席に入るまでの動作が長い選手もいれば、こうしてあっさり打席に入っちゃう選手だっているんだから。
この併殺の間にもう一人帰って0-3となる。
 

後藤は5回を零封して、6回からは一軍復帰した石井貴にマウンドを譲った。4点リードというのになんともゼイタクなリレーである。
また、張誌家の翌日の先発予告も発表された。なぜだか1日ずれたようだ。
6回表、オガ倒れたあとシャーマンがライトへヒット。石井の出端をくじいてやりたいところ。
しかし、4回にヒットを放っているクローマーはここでは併殺打。ホームが遠い…。

6回裏、金村がまだ投げる。5回裏を三者凡退に抑え、結果を出したところでこんどこそ代えると思ったが、ベンチは動かない。
先頭はカブレラ。私がこの観戦記で何度も書いている「膠着状態の中盤イニング先頭の外国人打者」という方程式がある。
しかも一発病を煩いっぱなしの金村が投げれば、結果はおのずと知れたものである。もちろんその場で「予言」もした。
もんのすごい音を残して、カブレラの一振りはレフト上段へのホームランとなった。
となりで観ていた兄キ達は0-4と試合が決まったことにガックリしていたが、私は心の中でちょっと「また予言当たった」と笑っていたりもした(笑み)
この一発がなんと西武ドーム(西武球場時代含む)3000号アーチとなった。ちなみに第1号は1979年4月14日の立花義家の一発だそうだ。

金村はこの一発で交代。結局イヤなイメージで次の登板まで過ごすことになってしまった。

7回表、ユキオの四球と野口がレフト前ヒットでチャンス到来。
バッターは5回に井出の代打で登場してそのまま守りについていたひちょりだったが、そのひちょりにまた代打・藤島起用。
一発を期待していたのだろうが、結果は最悪の併殺打。2イニング連続の併殺となってしまい、意気消沈。
 

8回表、西武青木勇人が登板。リードでの登場だ。年々中継ぎの中でも格が上がってきている。
そんな青木を打ち砕くべく、先頭の金子がセンター前で出塁。開幕前の不信感はどこへやら、3割近い打率で1番を張り続けている。
奈良原は工夫なくショートゴロ。そしてオガを迎える。
ここで私は「オガで一発もいいが、2点獲って走者がなくなるより、タイムリーの連続でたたみかけたい」と話していたのだが、
結局オガはもんんんんのスゴイ一発をライト場外へ打ってしまった! ホント、凄かった! 17号2ラン。
でも、2-4で走者がなくなってしまったのも事実。嬉しい反面惜しいのだ。
それもこれも、イマイチパッとしない4番・シャーマンのせいなのだが、この男も続けて気を吐いた!
ライトへ弾丸ライナーの13号ホームラン! これで3-4となった。1点ならわかんないぞ。
…とにわかに沸いたところだったが、青木に代わるが「最初からオレを使え」とばかりに好投。
クローマーをショートゴロ、ユキオはあっさり三振に斬ってしまった。

8回裏、6・7回を投げた佐々木に代わる三番手・立石からエバンスがセンター前へライナーのヒット。西武移籍後初のクリーンヒットだ。
清水がさらにヒットで続くが、伊東をなんとか抑えて無失点。
 

9回裏は1点差なので当然豊田の登場。
木元三振、野口ショートゴロで、バッターは前の打席で併殺に倒れたジャイに回る。
一発を秘めたその力に期待したが、2ストライク目をボールと判断し見逃した。それをストライクと判定されてジャイは審判に詰め寄る。
打席のワクから一度出ると、気持ちを戻すのが難しい。
素振りでもしてすこし間をおいて戻ればよかったものを、ジャイはすぐにワクに入ってかまえてしまった。
シロウトの私でもどんな球でも自動的に振りに行くのは見えていた。
そしてやっぱり振りに行った。それもストレートだったが、かすりもせず三振。かけひきで負けてしまったのだ。
試合終了。
 
 

草野球をやっている私は、いろんな投手と対戦するが、モラルというか、マナーというか、そういうのがわからない人がいるもんで、
こっちがまだかまえていないのに勝手に投げてしまう投手がいる。
ルール上は投げてしまってもいいのだが、実際にはそういうことはいいことではない。
で、そういうときって「あ、もう投げてきた、あ、振らないと!」と勝手に手が出てしまうのだ。いい球でも悪い球でも。
投手と打者のかけひきは、球種の組み立てなどもあるが、「機先」を制すかけひきも必要なのだ。

こういう手もある。外国人選手と対戦するときなんかに、投手がわざとサインを長くやりとりして、外国人打者をじらす。
そうしたところで緩い変化球なんか投げられると、外国人打者はイラ立って振りに来るが、ほとんどが当たらないか打ちそこねるのだ。
ただ、いつもこんなことばっかりやってるとネタバレするし、試合の進行に影響が出るので、ここぞというときにだけ使うのが効果的である。

ジャイのように常に試合で感覚を保つことができない選手は、こういうところで苦労する。
こればっかりは、練習では培えない部分なのだ。
って、プロのプレーに対してシロウトの私がわかったような顔して言っちゃってるのはおかしいのかもしれないが、
要は試合の重要な場面でいかに自分を見失わず冷静になるかということだと思う。
機先を制す話なんて、プロの人は当然わかってることなんだ。

【●●●今季観戦通算 2勝4敗 勝率.333●●●】



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