新グラウンドもあと2年?
Nipponham Fighters
V.S
Fukuoka Daiei Hawks
2002.3.20 Wed.
オープン戦
Fs-H [東京ドーム] 観衆:8,000人
3-1
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
H
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
Fs
0
0
0
1
1
0
0
1
X
3

Wミラバル2勝 S井場1S L杉内2勝1敗 HR井口1



-STARTING MEMBER-
Fs
 
H
1
井 出
柴 原
2
奈良原
バルデス
3
小笠原
井 口
4
オバンドー
小久保
5
クローマー
秋 山
6
藤 島
城 島
7
木 元
大 道
8
金 子
バークハート
9
實 松
鳥 越
P
ミラバル
杉 内

今季最初の観戦。オープン戦だがナイター開催だ。仕事をとっとと上がり、ドームへ入った。
ひさびさのドームの空気。Fs戦はいつもガラガラだが、この空間に来るとやはりワクワクする。
東京ドームでは16日のFs-中日戦で新人工芝「フィールドターフ」を使用開始。
奇しくも、ナゴヤドームのランニングゾーンが茶色になった新人工芝も中日-Fs戦がこけら落としだった。
このフィールドターフもナマで見てみたかった。

月日が経ったときのために、ここにフィールドターフについて書いておこう。
この新人工芝はタンパベイ・デビルレイズのトロピカーナ・フィールドで2000年から使われているものと同じ。
限りなく天然芝に近いフカフカしたもので、従来の人工芝に比べて選手の足腰にかかる負担が軽減される。
また、ダイビングキャッチも恐怖感が軽減されるし、硬い表面で大きなバウンドとなる「人工芝ヒット」も少なくなる。
イベントの際も従来のように巻き取ったりはせず、上にシートを敷くとのこと。
これまでのモノが巻き取れたということはそれだけ厚さがなかったわけだ。

遠目に見たフィールドターフは「子ども部屋のカーペット」のような見た目(笑み)
毛足が長いからアクションがあったところは芝目が変わっているので、従来の人工芝のように平滑な色ではなく、まだらだ。
マウンドも変わった。黒土から、各ベースまわりと同じものであるアンツーカーに変更。
各ベースまわりのアンツーカーは入れ替えたのかどうかわからないが、芝の色が濃くなった分、コントラストが落ちて薄い色になった印象。
色彩だけを見ると、前の状態の方がコントラストがくっきりしていてキレイだった。

さて、そんな負担の少ない人工芝になって、プレイヤーたちの将来が明るくなったと思いたかったが、
この試合の日の朝、北海道新聞の一面にとんでもない記事が出てしまった。
Fsが2004年に札幌ドームへ本拠を移そうとしている」という例の話だ。昼過ぎには東京のマスコミのサイトにもその情報が流れた。
かねてから札幌移転の噂はあったものの、西武が「最終的にはホームゲームの半分を開催」とする
“札幌ドーム準フランチャイズ化構想”をだいぶ前から発表しているので、それがある限りは…とは思っていた。
今回の話は当の西武も寝耳に水の話だったということで、球界に衝撃を与えている。
話はヤクルトオリックスとともに札幌ドームからもちかけられたそうだが、観客減少に悩むFs球団はだいぶ乗り気のようだ。

あと2年の宣告である。
せっかくのフィールドターフだが、札幌に移ればまたただの人工芝に逆戻りだ。
あの球場はサッカー用の芝を外で育成して、使うときだけ場内にスライドするという、サッカーには気の利いた芝がある所だ。
いまのところ、西武の了承を得ないと実現はなさそうな感じ。
千葉県でもほぼ東京な位置に住む私としては、その辺でモメて立ち消えになることを祈りたいところだが…。
 

話が長くなってしまった(笑み) 試合に目を移そう。
先発投手はミラバル杉内、ともにローテーション入りを賭けてオープン戦で奮戦中。
ストッパーだったミラバルは昨年の最終戦でオドロキの先発起用。松坂相手に投げ勝った。
今季シールバックフリューリーの2人が加入し当初二軍が予想されたが、
フリューリーが結果を出せない間にミラバルは好調を維持し、どうやらそのままシーズンに入りそうな感じだ。

松坂實松と同級生の杉内は甲子園で活躍後社会人野球を経てきたルーキーだ。
高校時代は全日本で2人と一緒にプレー、その後オリンピックも経験し、アマ野球のエリートコースを歩んできたといえる。

私は1回裏の入場だったのでミラバルの立ち上がりは見られなかったが、無得点に抑えたようだ。
マウンドの杉内はカーブがとにかくスゴイキレを見せている。
小さい体を大きく使って投げるそのスローカーブは、打者はなかなか待ちきれないようだ。

今年のプレシーズンの注目選手・木元は7番・サードでスタメン出場。
即戦力とされつつも右肩の故障を抱えながらのスタートとなったルーキーイヤーの去年、6月末にその右肩にメスを入れた。
結局肩は年内にマトモにならないままで、ファームでも代打が中心の出場にとどまった。
が、今年のキャンプは回復を見越して一軍に合流。
打撃面での非凡なセンスをみせつけ、オープン戦時期に入り肩が治ってきたところでついにセカンドの守備に入った。
ユキオが故障で欠場すると、今度はサードに入る。一塁への送球が懸念されたが、きちんとした球を投げていた。
守備で動けることが証明されてスタメンで出続けると、今度は打率が2割に行かなくなってききた。
一本足打法だが、この試合で見ていると、どうも足を上げるのが早すぎるように感じる。
そこへもってきて杉内のスローカーブ。木元にとってはいちばん苦手なタイプだ。

2回はショートゴロだったが、5回・7回とま〜ったくバットにあたらぬまま2打席連続の三球オール空振り三振。
7回は杉内よりは緩急の差がないルーキー・飯島だったが、杉内のカーブの幻影がぬぐい去れないままだったようだ。
とにかく、ボールが来るだいぶ前に振ってしまう。私の草野球のスランプ時にそっくりである(笑み)

片岡阪神FA移籍により内野のワクがひとつ空いた今シーズン、木元にとって二度とないビッグチャンスだが、
明日の試合あたりいい加減にスタメンを外されるんじゃないかなぁ。
前日のベイ稲嶺、この日の杉内と左腕相手でもスタメンで使ってたけど…。
 

試合は4回裏に動く。オガがレフトフェンス直撃の二塁打、オバンドー三振のあと、
新戦力DTクローマーがセンター前へタイムリーを放った。1-0
木元と同じくして右脚を大きく上げて打つ左打者だが、こちらは杉内のカーブにしっかり合わせる「二枚腰」を見せてくれた。
一連の流れでしか打撃動作ができないに木元に対し、クローマーは変化球が来たときは途中で動作を止めてタイミングの調整ができるのだ。
その器用さを見ていて私はロバート・ローズを思い出した。
キャンプの頃、大島監督に「Mr. スリーピィ」とあだ名されたほど調子が出なかったクローマーだが、
前日のベイ戦で1号3ランを放つなど、やっとこさ調子を上げてきた。
今の段階でローズほど活躍するようには思えないが、そこそこ働けるような感じはする…。
しかし、私の周りのFsファンはあんまり期待していないみたいだ。

5回裏・實松が同級生杉内から腕に死球を受ける。かなり痛そう、ちょっと長めの治療中断。
代走が出るかと思ったが、實松は戻ってきた。井出のヒットで三塁まで進む好走塁、杉内のワイルドピッチの間に見事生還した。2-0
その裏の6回表・マスクを被って出てきたのはグッチーだった。
もうちょっと脚があれば實松の代走から出てもよかったが、よっぽど脚は信頼されてないようだ(笑み)

5回まで2安打無四球の好投を演じてきたミラバル。おととしの下柳同様、先発に回ってからコントロールが安定してきた。
凡打はゴロが中心。見ていて安心できるところが明らかに今までと違う。テンポもいいし、なんだかグロスっぽいぞ、こりゃ。
6回表、二死無走者でミラバルの投じた球が9番・鳥越の背中を通る。實松の死球の報復かな?
その次に投じた球はこんどは鳥越に命中! 明らかに狙ったようにも見えたが、乱闘にはまったく発展しなかった。
ちょうど打順が二巡したところで柴田に交代。予定通りだったのかな? でも内容が良かっただけに、最後の死球での終了は後味が悪い。

近鉄から衝撃の解雇通告を受けた柴田、復讐を期して新天地で奮闘している。ノリのじん帯断烈もあって、春先はフル回転が予想される。
しかし左の柴原にレフト前へ運ばれてしまう。盗塁で二塁に進んでいた鳥越が一気にホームへ突っ込んでくるが、
レフト・クローマーから勢いが弱いもののコントロールのいい送球が返ってきた。
タイミングはアウトに見えたが、グッチーが好ブロックでアウト。
前の回に同じく死球を受けた實松が好走塁で生還したのとは対照的な結果になってしまった。
鳥越って、思ったより脚遅いのかな?

7回表・一死から建山登場。私がトイレに行っている間に、先頭の井口に一発を浴びた。2-1
入団当初から一発が課題である建山、防御率が5点台に突入し一軍残留はかなり危なくなった。

8回は芝草が1四球を出したものの、不安のない投球。今季もセットアッパーとしての活躍が期待される。
その裏・守備固めから登場のがレフトへタイムリーヒットを放ち、3-1とする。
私が2000年のファンフェスで打撃指導をしてもらったときに聞いた
「軸足に力を入れるといい」というコメントそのとおりの打ち方だった。
私に教えてくれたことを本人も実践している姿を見られてすごく嬉しかった。

9回は井場登場。抑え予定だったフリューリーが結果を出せず一軍失格、去年終盤から抑えになった井場がどうやらまた抑えに入りそうだ。
が、アンツーカーの新マウンドがしっくりこないのか、二度のバックネット直撃暴投を犯す。無走者なので記録上はタダのボールだが。
二つ目の暴投のあと、マウンドのプレート付近を凝視していた。
黒土の山とアンツーカーの山… 比べるとアンツーカーは硬いはずだ。硬くなった分踏ん張りが効くわけで、球速も少し上がる。
井場の場合、勢いがつきすぎて本来のリリースポイントを見失ったんだと思う。
球離れが早すぎて、叩きつけることができずにキャッチャーのはるか頭上へ行ってしまうのだ。
運がいいことに、今季から新ストライクゾーンの採用で高めの判定が随分甘くなったから、
慣れてしまえば基本球速の速い井場には有利なマウンドにもなるかも…。

先頭の柴原を歩かせたものの、バルデスをなんとか併殺に斬り、井口のバットをヘシ折ってピッチャーフライで締めくくった。
 

オープン戦ではガン関根シモミラバルといった先発陣がこぞっていい結果を残しており、問題はこの抑えだ。
打撃のキーマンはクローマー木元。この日は対照的な結果だった二人、これからどうなっていくのか。

とりあえず観戦初戦に3-1という好試合で勝利。私にとっては幸先のいいスタートとなった。
しかし、札幌の話が気になってしょうがない…。ハァ。
 

ひさびさに書いた観戦記… 長くなっちゃったなぁ。今年もこんな感じになりそう(爆み)



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