その穴埋めが墓穴を掘った


2001.3.10 Sat.
F-S オープン戦[東京ドーム]
6-15
TN
1
2
3
4
5
6
7
8
9
R
S
1
1
1
9
0
1
1
0
1
15
F
1
0
0
1
0
3
1
0
0
6

W入来1勝 L岩本1敗 HR田中賢1 飯田1(満塁) オバンドー1 ウィルソン1(2) ペタジーニ1



2001年最初の東京ドームでのオープン戦だ。
草野球チームi-Fightersの試合を東調布公園で終えてからのドーム行きだ。

東調布公園は東急池上線の御嶽山駅が最寄り。
ここで10時から12時まで試合をやった。負けた。
基本的に負けがほとんどのチームだが、
この日はセンターを守る私がフライを3つ処理ミスしてしまい、足を引っ張った。
練習より、試合の方がフライ処理はいつもうまく行ってたんだが、
寝不足と、前日に勇んで行ったバッティングセンターで左手のひらの皮をむいたこと、
また、ひさびさのバッティングセンターだったのでたくさん打ちすぎ、筋肉痛になったこと、
さまざまな「いいわけ」で、カラダがキレなかった。
キャッチボールもボロボロだった。

終盤、4度目のフライが飛んできた。
それまでの3つは定位置からかなり前か後ろへ飛んだものだったが、今度のフライは定位置だ。
もちろん捕球したが、なめたセカンドランナーが落球を決め込んで飛び出してた。
セカンドベースに送球し、ゲッツー。
なんとか最後はケジメをつけられた。

試合後、御嶽山から池上線、五反田から浅草線、三田で三田線に乗り換えて水道橋へ出る。
野球をやった仲間と移動したので、大した時間も感じず、試合開始にも間に合った。

ドームに着くと、長蛇の列が何本もできている。
巨人の開幕戦の前売りの列だ。
それをかいくぐり、ガラガラのドーム内へ。
前年のファンクラブ会員への特典の無料チケットで入場。

Fsの先発投手は予想通りガン
私の予想では、10、17と中6日で投げて開幕戦24日の先発だ。
毎週土曜に投げる、まさに「毎土ローテーション」である。

前年の成績はとにかく悪いが、去年も行ったとおり、ガンは「ココロのエース」だ。
選手会長にもなったことだし、ガンが開幕投手で勝って今シーズンのスタートを切るのが理想。

しかし…結局3イニング投げたガンだが、1回にペタジーニ、2回には岩村に二塁打を浴びるなど7安打。
四球がないのが救いといえば救いだが、それだけ打ちやすい球がまん中に集まってるってことだ。
見ていてピリッとしない。これで大丈夫だろうか。
去年との違いはボール球が少なくなったことくらい…。

まだオープン戦だからねぇ…。でもなぁ。

ヤクルトはなんと入来智が初先発。
弟のいる巨人を追い出され移った先は、先発投手が圧倒的に足りないチームだった。
川崎ハッカミーレモン(たいして先発でも働いてないが…)といったあたりが抜けたヤクルト
先発として付け入るスキが大いにあるわけだ。

巨人時代、中継ぎですら地位を築けなかった入来
チームが変わると、一軍の先発として期待されるんだから、世の中あなどれない。
この入来はチームを転々としていて、近鉄からシーズン途中のトレードで広島
そのシーズン後ふたたび近鉄に復帰した後、弟の入った巨人に移った。

しっかし、この巨人というチームは近年、パ・リーグの投手を獲得しては飼い殺す。
野村河野河本伊藤隆偉金石岡田背尾ヒルマンもそれになるか?

入来近鉄時代、先発ローテーションに入っていたこともあり、Fsも何度かヒネられている。
小さい体だが、勢いのあるフォームからのストレートと、人を喰ったようなスローカーブが武器。
しかし、昨年はファームで6試合登板しただけの投手。
むかしの面影はないだろう…と思った。

1回裏、出場が予定されていた片岡が出ず、そのまんま変わりに3番に入った田中賢介が、
すくい上げるような形だが、打った瞬間それとわかるホームランをかっとばした。
なにかパワフルになったような気がする賢介だが、
ユキオがまだ元気な今、出番が確保できないのは事実だ。
一軍帯同で出番を待つか、二軍で試合でどんどん伸ばすか、難しいところだ。

簡単に二死を獲った入来だったが、いきなりつまずいた。
 

さて、4回ガンに代わってマウンドに上がったのは下柳だ。
昨年通年悪かったガンに対し、後半活躍した下柳だけに、この試合も締めてほしい。
…と期待したのも束の間、7番古田、8番土橋と四球連発。
すると、マウンドにケチをつけ始めた。

審判陣を集め協議、結局グラウンドキーパーを呼んで再整備をする。
その間10分くらい。長い中断が明け、下柳は9番池山をまた歩かせる。
この7・8・9番はちょっと前のクリーンナップだ。
若手の台頭著しいってことなんだろう。

無死満塁で1番に返って飯田
真中に定位置を奪われた昨年、守備固め要員のような使われ方だった。
その飯田下柳が投じたのは落ちる変化球だったが、飯田はそれをすくい上げた。
レフトスタンドへ打球が吸い込まれる。満塁弾だ。
なにも飯田に一発を浴びなくても…って感じ。
飯田にとっては最高のアピールになった。

その後、5安打2四球と大荒れの下柳は、
オープン戦ということもあって、1イニング投げきるまで代えられることはなかった。
マウンドを再整備させたのに、まったく好転しなかった。
マウンドをいいわけにはできない。まさに、穴を埋めたことで墓穴を掘ったわけだ。

入来は5回、オバンドーに左中間深くに入る一発を浴びたものの、2本の本塁打だけに抑えた。
とりあえずは一次試験合格だろう。

下柳つづいて5回は金村が登板。なかなか豪華なリレーである。
この辺り、都合によりよく観ていなかったんだが(笑み)、2イニングで4安打を浴びた。

その後はダイエーからやってきた斉藤貢、抑えのミラバルとリレーしたが、
いずれもピリッとしない。斉藤ペタジーニに軽々と右中間スタンドに放り込まれた。
昨年ウエスタンで最多勝と勝率のタイトルを獲りながらクビになった斉藤
コントロールがウリだが、球威がないのが最大の問題だ。
一発が多い打線にぶつけるのはちょっと怖いかもしれない…。
ちなみに、ウエスタンで14SPで最優秀救援のタイトルを獲ったのは引退した佐野である。
ファームの成績って、やっぱり参考材料程度なのかなぁ。

入来の後に出てきた山本からはウィルソンが一発を放つ。
毎年、この時期ケガで休んでいたウィルソンだが、今年は元気。ひさびさの試合だったが、
オバンドーとともにまったくそれを感じさせないのが頼もしいところだ。

山本から継いだのは島田直也ベイを追い出され、Fsに復帰の選択肢もあったが、
あえてセ・リーグで見返す決意をしたという。
1イニング無失点だったが、あんまり良さそうではなかった。
やっぱり使える目途がないという判断で退団になったんだろうが…。
この時期って、トレードでやってきた再出発を図る選手が多く出てきて、
野球選手の悲哀を感じる時期である。
 

試合は終わってみれば21被安打15失点という、
今年も投手陣が課題であることがハッキリわかった結果となった。
攻撃陣は10安打(3本塁打)だった。

オープン戦の結果って言うものは、あんまり真に受けない方がいいんだけど、
下柳のあんな草野球並みの投球を見せられると、不安にならずにはいられないのだ。
 

翌日、下柳は二軍に落ちた。まぁ、あれでは致し方ない。



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