テメェが考えろ!


3連休の初日の10月6日、鎌ヶ谷のファーム練習を見学に行ってきた。

車で行ったのだが、タウン内に入って車が寮の前にさしかかったときに、
Tシャツと青ジャージの球団の人が笑いながら手を振ってきた。
私はサングラスをかけていたので、人違いをしたんだろう。
近づいて違うのに気づくと、半笑いで会釈してた(爆み) いったい誰だったんだろう…。

着いたのは1時半くらいだったか。打撃練習、短距離走、ノックなど、各選手いろいろな練習に臨んでいた。
投手は午前中で練習が終わることが多いようで、誰も見ることはできなかった。

見た限りでいた選手は以下のとおり。
 捕 手 荒井 田口 實松 藤崎 野口 駒居 シンジ (中山)
 内野手 賢介 木元 聡 ひちょり 小田 山地 飯山
 外野手 石本 上田 大貝
中山はらしき人を見た。…っていうのは、フリーバッティングの球拾いをしていたひとりがそれっぽかったので。
なにしろ顔が確認できない距離にいて、ユニフォームの上着を着ていなかったのでよくわからなかったのだ。
顔は中山っぽかったけど。少なくとも、捕手の練習には参加していなかった。
一軍組の野口はやはり外野で球拾い。シーズン終盤と同じレフトにいた。こちらは本腰入れての練習ではなかった様子。
田口はベンチ前の練習でヘンテコなステップをしていた。練習なのかな? あの人の周りは常に明るい雰囲気でいい。

賢介山地はコーチとマンツーマンで鍛えられている姿があった。
木元もベンチ前でノックを受けていたが、捕った球はトスで返していた…6月に手術した肩がまだ使える状態ではないっぽい。

バッティング練習で目を引いたのは、やはりこの中では飛びがちがう上田。そして實松
柵越えを連発する實松だったが、実戦でもうちょっとバットに当たるようになるといいんだけどね(笑み)
しかし、この練習の間に流れてる曲ってのは誰が用意してるんだか、mcATとかtrfとか、懐かしい曲が次々と…
きっと誰かの持ってきた、古い寄せ集めテープをかけてたんだろうけど。
mcATってどこ行っちゃったのかね。この名前の書き方すら合っているか自信ないし。
mc/ATとかだったっけ? 全部大文字? ま、どーでもいいや(爆み)

シーズン終了直後の練習。各選手、今季の反省を踏まえ、来季に向けそれぞれが課題を持ってやっているであろう。
今季、捕手ながらほとんどふつうの野手としてファームの下位打線で出続けたのが荒井。外野とファーストを主に守っていた。
實松シンジが一軍へ行ってもファームでマスクを被ることはなく、高卒1・2年目の駒居藤崎が跡を埋めた。
この日も捕手の練習には加わっておらず、どうやら来季から野手に専念するようだ。

その荒井の打撃練習は、ちょっと変わっていた。
普通に構えて普通にバットを出すが、手首を返してミートをするだけで、腰は回さない。
よく野球解説者が使う表現の「ゴルフのパンチショット」ってやつか。
グラウンドでの練習も、その後室内練習場に移ってからも、ずっとその打ち方を貫いていた。

それを見ていたオッサンが、私と、一緒にいたゆーきさんに聞こえるように後ろで独り言を言っている。
「なんなんだよあのバッティングは。腰が回ってねぇんだよなぁ。荒井山地クンも。だいたいコーチが型にはめて…
 私も長い間少年野球で教えてきたけど… コーチに型つくられてそれで結果が出なくてクビになっても誰にも文句がいえない…
 だから自分で考えてやんなきゃダメなんだよ。やっぱりアメリカはベースボール、日本は野球なんだよ、まったく…」
とかなんとか延々と。何か悟りを開いたような白髪の超ロン毛のオッサンだ。

目の前では山地がひとりでティーに乗せた球をネットに向けて打っていた。
たしかに荒井と同じく手首の返りだけでミートの確認をしているようだった。
オッサンが「荒井」「山地クン」と三人称の使い分けをしていたのがいささか気になったが(笑み)、山地当人にも聞こえていただろう。
オッサンはうちらがいるのをいいことに、野球を熟知している風な自分をプロの人間にアピールしていたんだろう。
言っていることは間違っていない部分もあるが、やっぱり何言ってんだか、って感じがした。

だいたい、荒井山地が実戦であのまんま打つつもりで練習をしていると思っている時点で、何にもわかっちゃいない。
見えてることをそのまんま間に受けちゃうってことは、オッサンの中にあるせま〜い「常識」があって、二人の打ち方がそこから外れているからだ。
もちろん、シロウトの私が言っていることが合っているかはわからないが、
あの二人の打ち方はミートの感覚と手首の使い方を掴むためにやっているはずだ。

私はバッティングセンターでよくそれをやる。
それを繰り返したあと、普通に腰を使ったバッティングをしたとき、飛距離や打球の強さは確実にアップする。
試合で打席に入る前、バットにおもりをつけて素振りをしてから打席に入るのと同じだ。
腰を回さないってことは腕に負担がかかるわけで「負荷」となる。これが素振りのおもりと同じということ。
これこそが「向上のために考えてやっている練習」であって、オッサンが主張することが目の前で実践されているわけだ。

あまりにもオッサンがうるさいので、少し遠ざかったところを見計らってふたたびグラウンド側へ移る。
捕手陣がホームからセカンドへの送球の練習を繰り返していた。
駒居は送球をあせるあまり球を握り損ねるミスを連発。藤崎は動作が大きすぎて素早さがない。
そんな話をしていたら、また後ろからオッサンの声が聞こえてきた。
一生懸命捕手のセカンド送球の定石を語っていたが、うるさいだけ。邪魔くせぇ。
オレに相づちを求めるしゃべり方をするので、ちょっと応えてやったけどさ。
 

グラウンドの練習が終わったところで、うちらは外野裏の駐車場に移ってキャッチボールをやった。
球はゆーきさんが以前観戦中に「大貝から手に入れた」(笑み)NPBのロゴ入りの硬球。
駐車場は車がまったくいなくなっていたので、投げたい放題(爆み)

ゆーきさんが投げるのが久々ということで、さいしょは近い距離からやって、車の枠1つ分ずつ、徐々に距離を拡げていった。
私の少ない技術知識を振り絞って投げ方をアドバイスしながらやったら、
どの距離で投げても最終的にダイレクトで届くようになったし、グラブが「バシィ」っていうほどの球のキレも出てきた。
その球を投げたときの本人は「力が入ってなかった」と言うが、肩や腕の力が入ってなくても、
ボールをきっちり持ってスナップを利かせて投げればキレのいい球が投げられる。
普段草野球をやっている私だが、硬球の方が軟球より投げやすい。
ある程度の重みがあった方が、無駄な力がいらなくていい。

これなんだよね、物事をおぼえる、モノにするっていうやり方は。
至極大袈裟だけど、キャッチボールしながらホントにそう思った。オッサンにはそれがわからないんだろうと。
いきなり「これだ」って型を練習するのではなく、そこにたどり着くためにいろいろなプロセスが必要なのだ。
それで、ああするとこうなる、こうするとああなるという結果を踏まえながらやっていけば、
おのずと自分のやりやすい、そして正しい結果がでるやり方が見つかるわけだ。

プロの選手がそれをやっている姿を見抜けないのは、テメェこそが型にはめた考えしかできてないってことなのだ。
それがわからないこのオッサンに指導される子どもたちは、とっても不幸である。かわいそう。

キャッチボールは都合によりグラブが1つでやったので、私がグラブで捕って、すべてゴロで返球していた。
硬球は駐車場のアスファルトに傷めつけられて、キズだらけになってしまった。意外とデリケートなのねん。
ウォーレンもこんな加工をしてたのかなぁ(爆み)
 

帰宅してから思った。西浦がいなかった。脚の肉離れで終盤二軍落ちしたジャイアンも。
じつはこの日、遠藤山原ミツグ竹内ケンケンの5投手が戦力外通告をうけた。
野手も、一軍じゃないのに球場にいない選手はヤバイ…というチェックも兼ねて見に行ったんだけど…。
西浦はシーズン中にトレードのウワサも出たなぁ…。



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