今年も開幕の一軍メンバーには入れず、ファームでの登板が続いていたが、
週明けのオリックス戦に、毎日曜日登板していた金村を回すことになり、オーミーの故障もあって、出番が回ってきた。
不調の近鉄相手に連敗しているチーム。3連戦3連敗はできない。
週明けのオリックス戦へ向けて、どうしても負けられない1戦。
大卒のドラ1。一軍でわずか3試合の登板で未勝利という背景も加わり、大きなプレッシャーを抱えての登板だ。
近鉄の先発は高村。
ケガのリハビリで出遅れて2試合目の登板だ。
この高村に対し、Fsは一番に石本を入れてきた。かわりに上田がスタメンを外れた。
どうやら、前日のわたしのネガティブな読みは外れたようだ。
アメリカのどっかの女性州知事の始球式で試合開始。
生で清水を見るのは初めてだ。どんなピッチングをするか?
大柄な体格から繰り出すストレートは136km/h。 …えっ? こんな遅いの?
意外だった。っていうか、私自身この投手のことはよく知らなかっただけだったんだが(笑)。
変化球はスライダーしか投げない。これが120km/h中盤の速さだ。
ストレートが遅い割に、スライダーは一戦級のスピードといったところか。
これでは緩急での勝負は難しい。
序盤はコントロールに苦しみ、ボールが先行するカウントが多い。
が、真芯で打たれた打球が野手の正面に飛ぶ。運がいい。
球速の遅さ、球種の少なさの割に大学野球で結果を残してきたこの男。
いままでもそういう流れで野球をやってきたのかもしれない。
しかし、3回・中村の犠飛で1点。5回にはまた中村のタイムリーで2点目を失う。
5回裏・金子が今季第1号をレフトへ叩き込む。
続く1番・打撃不振の石本は、セーフティーバントに出る。
ここで野手の送球が乱れ、外野を転々とする内に石本は三塁に達した。
続く小笠原の犠飛で2-2の同点となる。
この頃から清水の球速が落ちてきた。が、それが功を奏したか?
スライダーが120km/hを切ってきてから、打者のタイミングが合わなくなってきた。
中途半端に止めたバットに当たったり、空を斬ったり…。
ムダな投球なく、ポンポンとアウトを獲っていく。
序盤の早いスライダーは前フリだったのか(笑)。回が深まるにつれ、味が出てくるのだ。
ランナーは出るものの、あと一歩のところで打ちあぐんでいた高村だったが、
病み上がりのため、6回途中にピンチを迎えた高村は廣田に交代。
速球が走っていたが、まだ球数制限があるのだろう。
高村のときになかなか出なかったタイムリーが廣田に代わったらかんたんに出た。
7回裏・オバンドー・ウィルソンの連続タイムリーで4-2とした。
この得点が理由か、7回を投げきった直後に決まっていたかは定かでないが、
清水は7イニングで降板した。勝ち投手の権利を持って。
8回表、一死で水口を一塁においた場面でローズを迎えた。
生駒に続く3番手・原田が登場。後続に左打者はいないので、ここ一人だけの起用だ。
しかし、いつものコントロールがなく、カウント0-3。ランナーを貯めたくない場面。
当然ストライクを獲りに行くが、一塁線に痛烈な当たりを浴びる。
が、その先にいたのは小笠原。真正面でライナーを捕った小笠原は一塁を踏んで、ランナーもアウト。
一瞬のうちにチェンジとなった。
9回は悩める守護神・ミラバルがクラークにいきなりレフト前に打たれるが、
後続をなんとか抑えてゲームセット。清水のプロ初勝利が決定した。
8回のゲッツーといい、ミラバルが抑えちゃったことといい(爆)、
ほんとにきょうの清水は運がよかった。
相手の高村が球数制限があったのも、なにかそういうものを感じた。
試合後のオーロラビジョンには、初勝利にビービーと泣く清水の姿が写っていた。
小笠原から厳しさを抜いたような風貌。いかにもやさしそうな、泣き虫の面構えだ。
じっさいの性格はどうなのか知らないが、見た目通りのやさしい性格では、今後が思いやられる。
私は「はやく小笠原になれ」と言ってやりたい。
清水が一人前になったとき、小笠原と区別がつかなくなっているかもしれない(笑)。
なにはともあれ、先発のできる日本人サウスポーが出てきたこと、
近鉄戦3連戦3連敗を回避できたことは喜ばしい限りだ。
この試合で田中幸が300二塁打を達成した。
ついこの前、1500本安打を記録したばかり。ゆえに、ヒットの1/5が二塁打ということになる。
ケガが多いけど、やっぱりスゴイ選手だ。
ただ、今年のユキオは打率が1割と2割の間を行ったり来たり…。
同姓の新人・田中賢も入ってきたし、ウカウカしてられないぞ。
●●●今季観戦通算 2勝6敗 勝率.250●●●