離縁の方法
2012(平成24)年5月23日
- 1 養子縁組をした後に,何らかの理由により養子縁組を解消する場合の方法は次の4つです。
- 1) 協議離縁
市町村役場から離縁届の用紙をもらい,養親と養子がそれぞれ署名押印して,更に,保証人2名が署名押印したものを市役所に提出すれば離縁出来ます。
養子が未成年でも,養子とする場合と違って,家庭裁判所の許可は不要です。但し,養子が15才未満の場合は,離縁後に法定代理人となる者が代諾権者として養親との間で離縁の合意をします。
離縁理由は限定されません。 - 2) 調停離縁
養親子間で離縁の協議がととのわない場合は,離縁したい方が家庭裁判所に離縁請求調停の申立をして,離縁の調停が成立した場合離縁となります。
養子が未成年でも家庭裁判所の許可は不要です。但し,養子が15才未満の場合は離縁後に法定代理人となる者が代諾権者として養親との間で離縁の調停をします。
離縁の理由の限定はありません。 - 3) 裁判離縁
裁判離縁の場合は,離縁訴訟を提起する前に原則として離縁の調停を行うことが必要となります。これを調停前置主義といいます。裁判離縁の場合は,離縁理由が限定されます。
離縁理由は以下の3つです。 - ア 他の一方から悪意で遺棄されたとき
- イ 他の一方の生死が3年以上明らかでないとき
- ウ その他縁組を継続しがたい重大な事由があるとき
- 4) 審判離縁
審判による離縁ですが,それほど使われていないようです。 - 2 なお,離縁の手続きは,養親又は養子の一方が死亡した場合は,たとえば,離縁したい養親が原告となって養子を被告として訴訟をしたが,養親が離縁の訴訟中に死亡した場合,当事者がいなくなったことによりその訴訟での離縁は出来なくなります。
すなわち,養親が養子に自分の遺産を相続させたくないとして離縁の調停や訴訟をしていても,その最中に養親が死亡してしまうと離縁の手続きは終了してしまい離縁できなくなり,養子が養親の遺産を相続することになります。
従って,養親が離縁を決断した場合は速やかに離縁の手続きをすることが大事です。
一方,反対に離縁したくない方が先に死亡した場合は,残った養親ないし養子が家庭裁判所の許可を受けて離縁をすることが出来ます。 - 3 また,配偶者の連れ子を養子とした場合(この場合,連れ子が未成年者でも裁判所の許可は不要です。)に,その配偶者と離婚しただけでは,配偶者の連れ子との養子縁組は存続しますので,上記の離縁手続をすることが必要です。