訴訟における訴訟費用の請求について

2012(平成24)年5月10日

 

 交通事故による損害賠償請求訴訟や売掛金請求訴訟などの訴訟を提起した場合に,全面勝訴したときにはその判決に主たる請求を認容する主文の次に,「訴訟費用は被告の負担とする。」との判決主文,又,大部分勝訴した場合は「訴訟費用はこれを3分し,その2を被告の負担としその1を原告の負担とする。」などの訴訟費用についての負担に関する判決主文が出されます。

 この訴訟費用とは,(1)原告が訴訟提起したときの訴訟物の価額に対応して提出する貼用印紙額及び(2)予納郵券として予納した郵便切手の価格,(3)準備書面等で提出した書類の枚数に応じた費用及び(4)本人や代理人,証人の出廷費用等などが含まれます。

 これらの訴訟費用の内貼用印紙額は,訴訟物の価額が大きくなればなるほど貼用印紙額が多額になりますが,判決で勝訴した原告はその訴訟費用額について,被告の負担とされた分を,被告に対して請求する権利があります。

 この訴訟費用の請求の仕方は,判決した裁判所に対して訴訟費用の負担額を定める申立をなし,その訴訟費用額確定処分をもらい,その処分が確定した場合,その訴訟費用額確定処分書により被告の財産に対して差押えをすることができ,損害賠償額や売掛金額の外に被告から訴訟費用額を回収することができます。

以上


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