特定商取引法

平成22(2010)年10月27日
一 特定商取引法の目的・性格

1 特定商取引法は,一般にトラブルが発生しやすい特定の取引を特定商取引としてとりあげて,トラブルを防止するためのルールを定めている法律です。 特定商取引には,以下の種類があります。

 

A 訪問販売

営業所,代理店その他の経済産業省で定める場所以外の場所で行われる取引をいいます。
代表的なのは自宅への押し売り,路上でのキャッチセールスです。

訪問販売に関する規制

B 通信販売

事業者が新聞や雑誌,インターネットなどで広告を出して,消費者から郵便,電話電子メール等の通信手段により申込を受ける取引のことです。

C 電話勧誘販売に係る取引

事業者が電話で勧誘して,消費者からの申込を受ける取引のことです。
電話をいったん切った後に,消費者からの郵便や電話,電子メール等によって申込を行う場合もこれにあたります。

電話勧誘販売に関する規制

D 連鎖販売取引(マルチ商法)

事業者が一般の消費者を組織の販売員(会員)として勧誘し,その販売員にさらに次の販売員を勧誘させる方法で,販売組織を連鎖的に拡大して行う販売方法です。

ネズミ講の禁止
金銭を支払って加入した人が,他に2人以上の加入者を紹介・あっせんして,その結果,出資した額を超える金銭を後で受け取る販売方法で,マルチ商法と異なり,商品の受け渡しは行われません。

連鎖販売取引に関する規制

 

E 特定継続的役務提供に係る取引

長期・継続的なサービスの提供の対価として,高額の金銭の支払いを求める取引です。語学教室,エステティックサロン,学習塾(家庭教師・通信指導も含まれます。),パソコン教室,結婚相手を紹介するサービス等です。

特定継続的役務提供に係る取引に対する規制

 

F 業務提供誘引販売取引

「依頼した仕事をしてくれれば収入を得ることが出来る」といった口実で消費者を勧誘し,仕事に必要であるとして,商品等を販売する取引です。

事業者に対する規制

 

G ネガティブ・オプション

いきなり商品を送り付け,商品代金を請求する「ネガティブ・オプション」について特商法59条(売買契約に基づかないで送付された商品)で規制しています。
消費者は,商品が送付された日から起算して14日間保管しておく義務がありますが,15日目からは商品を捨てても使っても全く自由です。
消費者は事業者に対し,商品代金を支払う義務はありません。
消費者が事業者に対し,商品の引取りを要求した場合は,その日から7日を経過すれば自由な処分が出来ます。
この規制は特定商品等の制限がないので全ての商品に適用されます。
代金引換郵便や代金引換宅配には注意する必要があります。気づいたらすぐに事業者に対する支払凍結の申出を郵便局や宅配会社にすることが大事です。

 

二 特定商取引法が(全部又は1部)適用されない場合(特商法26条)

 


参考文献

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