交通事故の損害賠償請求権の消滅時効について
2010(平成22)年7月15日
2018(平成30)年3月5日改訂
2019(平成31)年4月13日改訂
2018(平成30)年3月5日改訂
2019(平成31)年4月13日改訂
民法が改正され、2020年4月1日から時効期間が変わります。
第1 2020年3月31日までの消滅時効
交通事故によって怪我をした場合,不法行為による損害賠償請求権を行使することになります。この損害賠償請求権の消滅時効は3年です。
しかし,その消滅時効の起算日(消滅時効が進行する日)は交通事故日ではなく,交通事故の加害者が判明したこと及び損害額が確定したことの2つの要件が満たされたときにはじめて消滅時効が進行します。
すなわち,交通事故により傷害を受けた場合は,その傷害について治療を受け,治療によって治癒した日(完全に良くなった日)又は症状固定日(これ以上治療しても良くならないと医師が判断した日)から消滅時効が進行します。
従って,交通事故日から3年間治療を継続してそのときに症状固定になった場合は,その症状固定日から3年間の消滅時効が進行します。
なお,自賠責保険の被害者請求権の消滅時効は,原則として傷害については事故時から後遺障害については症状固定時から2年ですので注意が必要です。
第2 2020年4月1日からの消滅時効
民法が改正され、2020年4月1日からは、人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権の消滅時効の特則(改正民法167条,724条の2)として,
・債権者が権利を行使できることを知ってから5年
・権利を行使できる時から20年
になります。
そして,改正民法(改正民法724条)により2020年4月1日から,交通事故による物に対する侵害による損害賠償請求権の消滅時効は,
・被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年
・不法行為の時から20年間
となります。