児童のけんかによる怪我

2009(平成21)年4月20日

 小学校1年生の子供が学校で同級生のけんかに巻き込まれ怪我をした場合子供の怪我の損害賠償請求を誰にすることができるのか。

 そのけんかの相手方が同級生で小学校1年生の年齢であるとすれば,加害者である児童がけんかによる暴力行為の責任を弁識するに足りる能力を備えているものとは認められないと思われますので,そのけんかをした児童の親に対して民法714条の責任無能力者の監督義務者の責任を追及することが可能であると思われます。

 また,そのけんかが学校の教室内で,しかも授業中や給食中等におこったとすれば,その授業等を受け持っていた教師に対して,その教師がその責任能力のない生徒を父母などの法定の監督義務者に代わって監督する立場にあるものとして民法714条の親権者代理監督者として責任を追及することができる可能性があります。

 その小学校が国公立である場合は,その学校を運営している国や県,市町村に対して損害賠償請求をすることが出来ます。

 また,私立の学校であれば,その学校を運営している学校法人に対しても損害賠償請求出来ることになります。

 ただし,そのけんかがたとえ学校敷地内でおこったとしても,放課後でしかも教職員の目を盗んで行われたけんかであるとすれば,学校の校長ないし教師や学校に対し責任を追及することは困難であると思われます。

 また,被害者の子供がそのけんかに巻き込まれたことについて何らかの落ち度がある場合は,過失相殺として被害者である子供が受けた損害の全額を賠償請求することはできず,過失割合に応じて減額される場合があります。

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