自閉症の原因と予防

刷り込み障害説   白石 勧

現在、自閉症は重度で1000人に3人、軽度も含めると100人に2〜4人と言われています。非常に発症率の高い障害ですが、原因がまったく解っていません。原因を解明し予防法を見いだすことが現代の急務です。自閉症の原因として刷り込み障害説を提出しました。

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自閉症論

1章 自閉症の原因(1)

2章 刷り込み

3章 刷り込みの機能

4章 自閉症の症状

5章 言葉の障害と
同一性のこだわり

6章 恐怖症の治療

7章 自閉症の原因(2)

8章 自閉症予防の4ヶ条


学会発表

2010年
自閉症スペクトラム学会

同一性のこだわりの治療

2009年
自閉症スペクトラム学会

自閉症の原因

2009年
発達心理学会

刷り込みと自閉症

2008年
発達心理学会

自閉症の原因

2007年
発達心理学会

自閉症と刷り込み

2006年
教育哲学会

愛の起源


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『精神構造論仮説と育児論』
2001年、自閉症を研究する前に出版した本です。
自閉症には触れていませんが、刷り込み仮説がうまれる基礎になっています。


更新履歴

・2014.12.02
精神構造論仮説を更新


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1.自閉症の原因

自閉症の早期発症タイプの赤ちゃんは、母親と目を合わせなかったり、母親に抱かれたがらなかったり、母親の後を追わなかったりします。
なぜ、定型の赤ちゃんのような母子関係がうまれていないのでしょうか?

はじめは、母親の冷蔵庫のような冷たい性格が母子関係がうまれていない原因で、自閉症の原因だと解釈されました。

しかしその後、二卵性双生児より一卵性双生児の一致率が高いことから、先天的な障害だと考えられるようになりました。
それから50年以上、世界中で遺伝子の研究が行われてきました。

しかし、まったく成果があがらず、自閉症の遺伝子は見つかっていません。
本当に遺伝子が原因なのでしょうか?

例えばインフルエンザですが、流行すると家族みんなでインフルエンザにかかる家もあれば、誰もインフルエンザにかからない家もあります。
インフルエンザにかかる統計をとれば、一卵性性双生児の一致率はかなり高いはずです。

一卵性双生児の一致率が高いからといって、インフルエンザの原因は遺伝子だと言ったら、それはナンセンスです。
インフルエンザの原因はウイルスだからです。
おなじように、自閉症も、一卵性双生児の一致率が高いからといって、遺伝子が原因だとは断定できません。


2.遺伝子説の問題

自閉症の原因が遺伝子であれば、今も昔も発症率はほとんど変わらないはずです。
しかし、1950年ごろの日本には、自閉症の子どもはほとんどいませんでした。

故日本自閉症協会会長の石井哲夫先生は、1950年に大学を卒業して児童相談室に勤めました。そのとき、15名ほどの知的障害児の教育に携わったそうですが、その中に自閉症の子どもは1人もいなかったそうです。自閉症の子どもは、その後ぼちぼち来るようになったということです。(石井哲夫著、『自閉症児がふえている』)

近江学園は、1946年に戦災孤児60名と知的障害児50名の施設として開設されましたが、自閉症の子どもがはじめて来たのは1955年だったそうです。職員を1人つける必要があり大変だったそうです。(糸賀一雄著、『この子らを世の光に』)

石井氏も糸賀氏も障害児の専門家であり、その記述は十分に信頼できるものです。

1950年ごろの日本には、児童相談室15名と近江学園50名の65名のなかに、自閉症の子どもは1人もいませんでした。
現在、特別支援学校小学部では30〜50%が自閉症です。(『自閉症スペクトラム児・者の理解と支援』)

1950年ごろ、65名の知的障害児のなかに自閉症児は1人もいなかったという資料は、自閉症の原因は遺伝子ではないということを示しています。

自閉症の原因は、母親の育て方でもなく、遺伝子でもありません。
では、自閉症の原因は何なのでしょうか?

(詳しくは、1章 自閉症の原因(1)を参照ください。)


3.母親への愛

定型の赤ちゃんの場合、母親への愛はいつごろ、どのようにしてうまれるのでしょうか?

生後2日目の赤ちゃんが 匂いでも声でも顔でも、自分の母親とほかの母親と識別し、自分の母親の方を向くということが実験で解っています。
母親の方を向くということは、母親を識別しているだけではなく、すでに母親を好きになっているということを示しています。

日本でただ一人自宅出産をおこなっている産婦人科医の大野明子先生が、新生児に現われる分離不安(新生児分離不安)を報告しています。

(出産直後から母親に抱かれていた赤ちゃんは)体重を測り、洋服を着せるだけの間の、ごくわずかな時間、お母さんからほんの少し、30センチほど離れただけなのに、さっきまで静かだった赤ちゃんが泣いたりします。お母さんにもう一度抱っこされると、すぐ泣きやみます。生まれたときから赤ちゃんは、お母さんがこんなに好きです。(『分娩台よ、さようなら』、261ページ)

赤ちゃんは生まれてすぐからお母さんのことが好きになっています。

これほど早く母親への愛がうまれるというのは、鳥類の刷り込みと同じです。
ヒトの赤ちゃんも、母親への愛は刷り込みによってうまれるのではないでしょうか?
(詳しくは、2006年 教育哲学会 (愛の起源)を参照ください。)


4.自閉症の動物モデル

母親への愛は刷り込みで生まれるのではないかと推測し、刷り込みで有名な動物行動学者のローレンツの本を読みました。
すると、次のような記述が出てきました。

ハイイロガンのヒナを隔離飼育することによって、すべての刷り込み過程を可能なかぎり妨げると、臆病で、一緒に行動をしようとはしないハイイロガンになる。そのような障害をもった二羽のハイイロガンを飼育用の囲い地に一緒にしておくと、しばしば向かい合った二つの隅にできるだけお互いに遠く離れて座るようになる。同種の仲間に対する彼らの反応は奇妙にメチャクチャである。この障害の現われ方は、人間において「自閉児」と記載されているものに似ている。(『ハイイロガンの動物行動学』)

ハイイロガンのヒナが刷り込みを妨げられたときに現われる障害は、自閉児と似ていました。

ハイイロガンは、夫婦で子育てをし、家族や仲間と群れを作って行動をともにします。
夫婦や家族や仲間との関係といった社会性はヒトと非常に良く似ているそうです。

ところが、刷り込みを妨げられた2羽のハイイロガンを一緒に囲いに入れると、行動をともにするどころか、できるだけ遠く離れて坐りました。
行動をともにするはずの同種の仲間でさえも怖がって避けました。

また、仲間に対しての反応は奇妙にメチャクチャで、攻撃行動で突進してきたオスを、求愛と勘違いしたメスがいたそうです。

動物は同種の感情を間違いなく読みとるそうです。
しかし、刷り込みを妨げられたハイイロガンは同種の感情を読み間違えました。


5.ヒトの刷り込み

ローレンツが刷り込みという現象を発表すると、多くの学者がヒトも刷り込みをおこなっているのかどうか、新生児を観察しました。
しかし、刷り込みのような現象は観察できませんでした。
それ以来、ヒトは刷り込みをおこなっていないと考えられてきました。

ところが最近になって、分娩室をうす暗くすると、生まれたばかりの赤ちゃんが1時間ほど母親の顔を一心に見つめるという、新生児覚醒状態という現象が知られるようになりました。
顔を一心に見つめるというのは、ハイイロガンのヒナがローレンツを刷り込んだときと同じです。

現在、小児科の重鎮である小林登先生、赤ちゃん学会の理事長の小西行郎先生、カンガルー抱っこを日本に最初に導入した周産期医療の堀内勁(たけし)先生など、赤ちゃんに詳しい先生方が、ヒトの刷り込みを認めています。

小西先生は、マスクをかけた看護師さんに育てられたNICUの未熟児が面会に来た母親の顔を見て泣いた、という現象を報告しています。
お母さんにもマスクをしてもらったら、泣かなくなったそうです。(新生児人見知り

マスクをかけた看護師さんの顔を刷り込んでいたので、マスクをしていない母親の顔に拒否反応を示した、と小西先生は解釈しています。(『赤ちゃんと脳科学』)

新生児人見知りも新生児分離不安も、赤ちゃんが刷り込みをおこなっていることを示しています。
(詳しくは、2章 刷り込みを参照ください。)


6.刷り込みの機能と自閉症の特徴

自閉症は脳の機能障害です。
そこで、生得的な障害だと解釈されてきました。
しかし、脳の機能は生得的に脳に組み込まれているのでしょうか?

鳥類の場合、親や種の図式が生得的に脳に組み込まれているのは、一部の原始的な種に限られます。
ほとんどの種は刷り込みによって親や自分が属する種が決まります。

高等な種ほどその傾向が強い、というのが刷り込みの原則です。
ヒトは動物の中で最も高等な種です。

以下、鳥類の場合の刷り込みによってうまれる脳の機能をまとめました。
(鳥類には言語がないので、言語機能への影響は指摘されていません。)


1.親が決まり、親への後追い行動がうまれる。

自閉症児には親の後を追わないとか、迷子になりやすいとか、親への後追い行動に障害があります。

ローレンツを刷り込んだヒナがローレンツを追いかけたという逸話は有名です。
しかし実際は、あご髭をはやした大男のローレンツとブロンズの中くらいの女性と区別するのに、3週間以上かかったそうです。(『動物行動学』)

一般的には、親を特定するのが刷り込みの機能だと考えられていますが、視覚で親を特定するにはある程度の学習が必要です。
最初の視覚の刷り込みは、親を特定するというよりは、種を特定します。


2.自分が属する種(仲間)が決まる。

ほとんどの鳥類は、刷り込みによって自分が属する種が決まります。
自閉症の当事者が、自分はヒトという種とは異なるといったコメントをしています。

定型児は仲間と群れることを好みますが、自閉症児は仲間と群れることを求めません。
仲間という感覚が定型児とは異なります。

また、他者との適切な距離感に障害があります。
エレベーターに他の人が乗ってきて、2人、3人、4人と増えていった時、自分の適切な立ち位置が解らないと語っていた方がいました。

定型児は特にしつけなくともヒト社会に適応していきますが、自閉症児にはヒト社会への適応に障害があります。
ヒト社会への適応を教えていく必要があります。


3.種への共感能力がうまれる。

動物は同種の感情を読み間違えないそうです。
しかし、刷り込みを妨げられると、同種への共感性に障害が生まれました。
刷り込みを妨げられたメスのハイイロガンが、オスが怒って突進してきたのを求愛と勘違いしました。

自閉症者は自閉症者に対しては共感性がありますが、ヒトという種に対しては共感性の障害があります。


4.恋愛(繁殖)にかかわる。

ローレンツが育てたコクマルガラス嬢は、となりの少女に恋をしました。
人に育てられた丹頂鶴も、人にディスプレイをして繁殖ができませんでした。
繁殖といった本能と考えられていた機能も、刷り込みによって生まれる機能でした。

自閉症の当事者として初めて本を書いたテンプル・グランディンさんは、恋愛という感情を感じたことはないそうです。
『無限振子』の著者、Lobinさんも、恋愛感情を抱いたことはないそうです。

以上、刷り込みの機能と自閉症の特徴が重なっていることを示しました。
遺伝子説では自閉症の特徴を説明することはできません。
しかし、刷り込み説であれば自閉症の特徴を容易に説明できます。

(詳しくは、 4章 自閉症の症状を参照ください。)


7.恐怖感

赤ちゃんの恐怖感は、生後6〜9ヵ月ごろにうまれてきます。
動物は、動けないうちは逃げることができないので、恐怖を感じないようにできているようです。

刷り込みによって親への後追い行動がうまれます。
母親の後を追うということは、「母親のそばにいると安心がうまれ、母親から離れると不安がうまれる」、という脳の機能がうまれたことを示しています。

刷り込みによってうまれる脳の機能のなかでも特に重要なのが、この「母親のそばにいると安心がうまれ、母親から離れると不安がうまれる」、という脳の機能です。

母親のそばにいると安心がうまれ、離れると不安になるので、定型の赤ちゃんは母親の後を追うようになります。
お母さんは「安全基地」として機能します。
早期発症タイプの自閉症の赤ちゃんが母親の後を追わないのは、母親のそばにいても安心がうまれないからです。

お母さんは、赤ちゃんがなつかないので、寂しい思いをし、悲しい思いをします。
ところが、自閉症の赤ちゃんの方はそれどころではありません。
お母さんのそばにいても安心がうまれないので、いつも恐怖を抱えています。

自閉症の子どもは、未知の惑星に生まれてきたのに、安らぎを生みだす頼るべき安全基地がありません。


ふたつの戦略

自閉症の子どもは、未知の惑星という恐怖の世界をたったひとりでサバイバルしています。
恐怖の世界をサバイバルする戦略は、大きく分けて2つあります。

1.無視

怖い物事も無視すれば恐くありません。 

○見ないようにし、聞かないようにして、無視します。
  耳ふさぎも怖い音を聞かないようにする戦略です。

○恐くなんかないよと、恐怖感を無視します。
  恐怖感だけでなく、不快や痛みなども無視されることがあります。
  おとなしくて泣かなかった赤ちゃんがこのケースにあたります。
  恐怖感を無視できないと、なかなか泣きやまなかった赤ちゃんになります。

○回したり、並べたりといった規則性のある安心できることに没頭します。
  安心できることに没頭して恐い世界を無視します。

○手をぱたぱた、ひらひらなど自己刺激に没頭します。
  自分で刺激を作り、世界からの恐い刺激を遮断します。

2.同一性へのこだわり

前回安全だった物事と同じなら安心できます。
同じであることにこだわり、新しい物事を回避します。

○前回安全だった道順なら安心できるので、前回と同じ道順にこだわります。
  異なる道は、何が起きるか解らないので恐いのです。

○前回食べて大丈夫だった物と同じ物を食べていれば安心です。
  この戦略を採用すると、いつも同じ物しか食べられなくなります。
  これが自閉症の偏食で、定型児の好き嫌いの偏食とは異なります。

ひとりひとり、採用する戦略が異なり、採用する程度も異なります。


恐怖症の治療

恐怖の世界をサバイバルするために採用した、無視や同一性のこだわりという戦略は、新しいことを学ぶという学習の妨げになり、発達の妨げになります。

同一性のこだわりは、変化への恐れや新しいことへの恐れが背後にあるので、一種の恐怖症です。
恐怖症として治療することができます。

自閉症児には、掃除機や三輪車や滑り台やぬいぐるみを恐がるなど、他にも多くの恐怖症があります。
恐怖症の治療は、子どもが大きくなると大変ですが、子どもが小さいうちは簡単です。

恐怖症の治療をしていくと、世界は恐い世界ではなくなり、安心できる世界になります。
世界が安心できる世界になれば、生きていくのが楽になり、無視や同一性のこだわりといったサバイバルする戦略が必要ではなくなり、発達の妨げがなくなります。

自閉症の子どもの療育には、行動療法と恐怖症治療という両輪が有効です。
(詳しくは、6章 恐怖症の治療を参照ください。)


8.自閉症スペクトラム

ガチョウの場合、刷り込みの臨界期は孵化後の36時間ほどだそうです。
しかし、18時間を過ぎて人を刷り込んだ場合、刷り込みが不十分になり、よそよそしさが残るそうです。

また、孵化する直前に母鳥の鳴き声を聞いていたヒナが、孵化してから人を刷り込んでも、人の刷り込みが不十分になるそうです。

刷り込みは、出来たか出来なかったかという二者択一ではありません。
刷り込みが遅れた場合や、他の学習が先行した場合、刷り込みが不十分になります。
この不十分な刷り込みという連続性が、自閉症スペクトラムという連続性に対応すると考えます。

アスペルガー症候群の子どもは、言葉の模倣能力に問題はありません。
人の声の刷り込みという聴覚の刷り込みはできていると考えます。
しかし、恐怖感が強く、共感能力に障害があります。
母親の顔の刷り込みという、視覚の刷り込みに問題があったと考えます。

高機能自閉症の子どもは、言葉や身辺自立に多少の遅れがあったとしても自ら身につけていきます。
言葉や動作を模倣する能力もあります。
恐怖感もそれほど強くはありません。
しかし、共感能力に障害があります。
これは、刷り込みが不十分だということを示しています。
刷り込みが遅れたのが原因だと推測しています。

折れ線型という、途中で発達が後退するタイプがあります。
後退する原因は、全面的恐怖症の発症だと考えています。
(詳しくは、 3章 刷り込みの機能をご覧下さい。)


9.自閉症の予防

刷り込みで一番重要なのは、出産直後の赤ちゃんが眠るまでの新生児覚醒状態と呼ばれる約2時間です。
次に重要なのは、出産後の18時間です。
自閉症を予防するには、出産後18時間の環境を整える必要があります。


A.母子同床

哺乳類の出産は母子同床が自然の摂理です。

この自然の摂理に従っていれば、哺乳類の赤ちゃんに刷り込みの障害が生まれる余地はなかったはずです。

20世紀に入ると細菌学が興隆しました。
日本でも野口英世や北里柴三郎が有名です。

そして、生まれたばかりの赤ちゃんを感染症から予防するために、新生児室に隔離するという発想が生まれました。
そうやって、母子同床という哺乳類としての自然の摂理が無視されるようになったのです。

現代では、赤ちゃんを新生児室に隔離するよりも、母親の健全な菌をなるべく早く赤ちゃんに移住させる方が良いと考えられるようになりました。
母親の身体の表面だけでも約1000種類の健全な菌が住んでいるそうです。
その健全な菌を早く移住させることで、有害な菌から赤ちゃんを守ることができます。


B.照明を落とす

新生児室への隔離だけでは、現在の自閉症の増加を説明できません。
ここ50年ほど新生児室への隔離はほとんど変わっていないからです。
では、自閉症が増加している原因は何なのでしょうか?

それは明るさではないかと推測しています。
社会全体が、私が子どもの頃よりも明るくなっています。

現代の病院は、生まれたばかりの赤ちゃんには明るすぎます。
明るい病院は、大人には好まれますが、赤ちゃんは生まれて3日間ほどは明るさをとても嫌います。

赤ちゃんは生まれてしばらくすると、一生懸命に目を開けて見ようとします。
しかし、暗い胎内から出てきた赤ちゃんは、明るいとまぶしくて、お母さんの顔を見つめていられません。

ほとんどの新生児の写真は、不機嫌そうに眉間にしわをよせていて、目を少ししか開けていません。
しかし、薄暗い部屋で撮った新生児の写真は、まん丸の目を開けていて、顔は凛としています。

フランスの産婦人科医であるミシェル・オダンが、『バース・リボーン』という本で書いています。

分娩第一期が進行して収縮がだんだん強くなっていくと、産婦は静かな薄暗い場所に移動したいと感じるようになります。(71ページ)
出産のとき、産婦に必要な条件はそのまま、生まれたばかりの赤ちゃんにとっても必要な条件であるということを強調しておきたいと思います。(112ページ)

産まれたばかりの赤ちゃんは薄暗い方が良く見えるはずです。
新生児が母親と過ごす部屋の照明は、薄暗いぐらいが丁度良いと考えます。


C.照明では他にも気になることがあります

1.生まれたばかりの赤ちゃんを、フラッシュを焚いて写真を撮るのは危険です。

まばゆい閃光は赤ちゃんには衝撃が強すぎます。
1週間以上、目を開けなかったという赤ちゃんがいます。
目を開けられなければ、視覚による母親の刷り込みが妨げられてしまいます。

現在、病院から出産記念アルバムが贈られることが流行しているようです。
新生児をフラッシュを焚いて写真を撮るのは止めましょう。
写真を撮るのであれば、高感度カメラでフラッシュを焚かずに撮りましょう。

2.蛍光灯にも問題があるかもしれません。

新生児室でじっと静かに蛍光灯を見ている赤ちゃんがいるそうです。
「蛍光灯ベイビー症候群」と呼んでいるそうです。
(堀内勁著、『サイレント・ベイビーからの警告』、51ページ)

蛍光灯は点滅していて、かすかな音を出しています。
人を刷り込む前に蛍光灯を刷り込んでいる可能性があります。
そうすると人の刷り込みが妨げられます。

蛍光灯は自然の灯りではなく、50〜60サイクルという点滅は脳の発火サイクルと重なっています。
新生児への安全性は確認されていません。

母子同床と照明への配慮など、こういったすぐにでもできるちょっとした配慮で自閉症は予防できると確信しています。
(詳しくは、8章 自閉症予防の4ヶ条を参照ください。)


10.お願い

最後まで読んでいただきありがとうございました。

現在、自閉症の原因はまったく解っていません。
一刻も早く、自閉症の原因を解明し予防法を見出すことが現代の急務です。
私の理論に賛同をしていただけたなら、この理論の普及にお力をお貸しください。

2004.11.20〜 更新日 2016.10.10

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